[3587] 10/2-10/3 2010-10-08 (Fri)10/2(土)
平日通り6時20分に起きる。新聞の山を少し片付けて、時間を潰す。
大腸の内視鏡検査のため、中野坂上の内科へ。
中野坂上と新中野の間にあるクリニックであったため、帰りは新中野まで歩いてみる。
鍋屋横丁に差し掛かる。
10時前。丸の内線に乗って南阿佐ヶ谷で下りて、大田黒公園へ。
池の周りの東屋で宮元常一『忘れられた日本人』の続きを読むつもりが、
まだ蚊が飛んでいて、諦める。
中央図書館に移って空いている席を見つけて本を広げる。
11時になって駅前の「ねぎし」へ。
しばらく大変だったのもひと段落して、豪勢に食べる。
和風ビーフシチューに牛のカルビを焼いたやつ。生ビールをジョッキで。
西友で夜食べるものを見繕って、無印でクリアケースを買う。
部屋の中、机の中、本棚の中のガラクタの整理の一環として、
海外旅行で買ってきたちょっとしたお土産や小冊子やその他資料となるもの、
今までは旅行会社の紙袋に入れてぼろぼろになっていたのをクリアケースに移す。
そのうちトランクルームに持っていく。
昼寝した後、映画を観る。
ゴダールの『彼女について私が知っている二・三の事柄』と
スタジオジブリの『耳をすませば』
だいぶ前にTSUTAYA DISCASに登録して、在庫薄でしばらく待っていたのが届いた。
『耳をすませば』は以前、ネットで盛り上がってると
ニュースにあったのを見たんだけど、
映画そのものは非常にオーソドックスなジブリだった。
ゴダールは1960年代半ばの作品なので例によってベトナム戦争と現代思想のゴダール。
ローストビーフを切り落とした残りの、形の不ぞろいなのが
結構大量に入って298円というパックを西友で見つけて、
1人で飲むにはこれで十分とビールのつまみにする。
その後ウィスキー・ソーダ。
マイケル・ジャクソンの『This Is It』を観る。
何がきっかけだったのか、
酔っ払ってるうちにMelt Bananaのことが気になりだして
YouTubeで動画を探して観たりする。
そんなこんなで午前0時近くなって寝る。
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10/3(日)
さすがに6時20分には起きられず。8時半頃になった。
シーツと枕カバーとバスタオルと、
それに今日はユニットバスのドアの前に敷いていたタオルも洗った。
昼、塩ラーメンを茹でて、肉野菜炒め、コーン、バター、わかめ。
9月頭に発生した例の机の脚が折れ曲がった問題の続き。
9月ずっと忙しくて机が微妙に傾いたままだったのを、ようやく。
机の上を片付けてあちこちに本やCDを一時的に対比させて、
先週新宿のハンズで買った板を右の前の足にかませる。
前後の脚で折れ曲がった高さが揃ってないようで、今度は後ろの脚が下がっている。
こうなったらとことんやっとかないと、ってハンズにまた板を買いに行く。
その前にせっかく片付いた机があったのでハンカチにアイロンをかける。
今日初めて気がついたのだが、ほとんどのハンカチが入社以来ずっと使い続けている。
靴下が半分だけなくなるように、どこかに消えてしまわない限り。
見るとヨレヨレ。折り畳んで正面に回る隅の方は洗濯してもどことなく黒ずんでいる。
新宿に出て、ハンズで買ってサーッと帰って来る。
厚いのを1枚と念のために買った薄いのを1枚、両方挟み込む。
なんだかまだ微妙に傾いているようであるが、まあよしとする。
これで今回の件は終了。
しかし、本格的な対処としての机の廃棄と新規購入は
いつどんなタイミングで行うか・・・
当面無理だなあ。お金はあっても手間と時間が・・・
一仕事片付けて『第9地区』を観る。
西友で買った缶ビールを飲む。つまみはレバーの空揚げと辛ネギチャーシュー。
『特攻野郎Aチーム the Movie』でモンキー役だったシャルト・コプリーが主演。
いや、やはりこの役者とてもいい。
南アフリカのヨハネスブルクに突如現われた巨大UFOには
エビ型エイリアンがぎっしり詰め込まれていて、
地上に難民キャンプというかスラム街が形成される。
そのキャンプ移転の総責任者だったシャルト・コプリーは
エイリアンの作った液体を体に浴びて「感染」する。
映像のテンポもよく、ものすごく面白い映画だった。
ラストがとてもよい。僕好み。
続けて、『フラガール』2006年だったかな、
ヒットして日本アカデミー賞にも輝いて、僕が紹介するまでも無いか。
昭和40年、炭鉱の町で常磐ハワイアンセンターが作られるまで。
炭鉱で働く父をもつ娘たちがそれまで踊ったことなど無いのに、フラダンスを習う。
これがまたよくできていて、なかなか泣ける。この監督、うまいね。
山崎静代、ここぞとばかりにあてがわれた名場面に泣く。
不覚にも、駅の場面でさらに泣く。
というか、松雪泰子がいい。
国勢調査をインターネットから答える。
『特攻野郎Aチーム』のベストセレクションの2巻目、最初の1話を見て寝る。
23時過ぎ。
日中は日が出て、Tシャツにサンダル。
こんな格好もそろそろ終わりか。
新宿への行き帰りの間、中山康樹の『エレクトリック・マイルス1972‐1975』を読む。
[3586] あれから100日ぐらいが経過した 2010-10-07 (Thu)「離」が終わってから3ヶ月が経過した。
今となっては、というか終わる直前からそうだったが、何もかもが恥ずかしい。
僕が「離」という場で発言したことの全て。「離」に限らず、自らの過去の全て。
何かをきっかけにこれまでの人生における失言や失敗の数々が
次々にリンクしてフラッシュバックされて、
僕は「やめてくれ!」と耳を塞いでうずくまりたくなる。
逃げ出したい。全てを忘れてしまいたい。
「それ」を知る前に戻りたい。
しかし、そんなことできるわけがない。
時間というものは、一度流れてしまったものは、後戻りが効かない。
揺さぶられるだけ揺さぶられて、そこには何も残らなかった。
いや、自分というものだけが残った。
最後の最後まできちんと向き合えなかった、「自分」が残った。
僕はそれが何なのか、今でもよく分からない。
見つめることも聞くこともできない。
そんな「認識」だけが残されたのは、幸か不幸か。
ただただ、日々をやり過ごす。
僕が7月・8月と映画を見て過ごしたのは、
無差別に借りてそれが100本にも到達したのは、
何もかも投げ出して目の前のバーチャルな映像と音声の投影に
身を任せたかったからだ。現実と関わりたくない。
どこまでも受身になりたかった。
この僕には何もできない、何もなしえない、と思った。
漂うままにそっと消え入りたい。願うはただそれだけ。
受け入れるということは、そこにきちんと立ち向かうということだ。
それだけの勇気が必要とされ、自分という存在が試される。
受身のままではそれはできない。
その、どれだけ恐ろしいことか。
そう、僕がそこに見出したのは「恐怖」だった。
僕は目を閉じ、耳を塞いだ。
それでも何食わぬ顔をして日々を生きていこうとした。
時々、何気ない瞬間に壊れてしまいそうになる。
何がなんだか訳が分からなくなる。
パニック、というほどのことはない。
しかし、無数の穴に落ちて、僕という存在とその穴とが裏返しになったような、
そんな奇妙な感覚に捉われる。
うまくは言えない。
「恐怖」にも様々なものがあって、
「そこには何もないのだ」という恐怖や
「得体の知れない巨大なものに取り囲まれた」恐怖、
「もう取り返しがつかない、なす術もない」という恐怖。
あらゆるものが押し寄せてくる。
僕はその波打ち際を一人きり歩いている。
仲間は、いたかもしれない。かつて、そう、3ヶ月前まではいた。
しかし今は完全に一人きりだ。
そして人生とは、そのようなものだ。
それが、分かった。
「生きる」ということだけが残される。
「どう生きる」ということは何も分からないまま。
何も運ぶことができず、ただ、抜け殻のまま。
夏が終わり、秋になった。
[3585] 『悪人』 2010-10-06 (Wed)昨日の夜、『悪人』を見てきた。
今年の日本アカデミー賞の作品賞を始め、男優賞・女優賞を総ナメかと思われる。
・・・それはさておき。
なんで普段日本映画を見ない僕がわざわざ劇場まで足を運んだかというと、
新聞なのかWEBなのかテレビなのか、
訳者として新境地に立てたという妻夫木聡のインタビューが印象に残ったからだった。
同じような話がパンフレットの中にあった。
かいつまむと、こんなようなことを話していた。
今回の役である「祐一」になりきれた瞬間はなかった。
そういう実感のなさが、「祐一」になることだった。
「今のは祐一っぽいな」と思ったとしたら、それは妻夫木聡のままだ。
なるほど、と唸った。
役者が人物を演じるということについて、一つの答えのように感じられた。
とあるところで出会った
「触れるなかれ、なお近寄れ」という言葉のことをずっと考えている。
日本の芸事の真髄はここにあると思う。
そこにリンクするんですね。妻夫木聡の言葉が。
肉薄した末に、どこに辿り着くのか。
僕は吉田修一による原作を読んだわけではなく、
「祐一」という人物が文章の中でどのように描かれているのか分からない。
でも、妻夫木聡の「祐一」はその人物をきちんと体現して、
対峙しうる存在となったのではないか。
僕個人の印象として、
深津絵里演じる「光代」はその正反対のアプローチだったように思う。
それはそれで一つの答えであって、正解はない。
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李相日監督の映画を『フラガール』と続けて観たんだけど、
この監督の才能はすごいね。
どうしてここまで何の変哲もない「いい映画」を撮れるのだろう。
もったいつけたような芸術性や
観客にとってどうでもいい自己主張やこだわりが微塵もない。
全てがあるべき場所に収まっていて、無駄がない。
一つ一つのパーツがきちんとそれぞれの役割を果たしている。
それでいて演出も脚本も撮影も目立たず凡庸かというとその逆で、非の打ち所がない。
すーっと調和している。
そうか、この人にとって演出や脚本や撮影といった区別はなくて、
ただ単にそれは映画なのだ。
「生きる」という行為を「考える」や「呼吸する」の組み合わせと捉えても
何の意味もないように。
簡単なことのようでいて、それはとても難しい。
[3584] 9/27-10/1 2010-10-05 (Tue)9/27(月)
クールビズは今週いっぱいだが、あまりの寒さに長袖のYシャツを着る。
地下鉄に乗ると上着を着ている人が多い。
一日中雨。このところ毎日降っている。
昼、大金星でチキンカツカレー。
夜、PJを離れる後輩の送別会。
早く帰るつもりが、結局2次会の最後まで。
午前0時半に帰ってきて、寝たのは午前1時。
先週休みとはいえ大変だったので、眠い。
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9/28(火)
例の作業、最後の追い込み。
フェデリコ・フェリーニ監督の『オーケストラ・リハーサル』の続きを観た後、
ずっと作業する。疲れきって、23時半に打ち止め。
気分転換にアキ・カウリスマキ『白い花びら』を少し観て、眠くなって寝る。
午前0時半。
昼、黒豚餃子中盛。
午後、竹芝本社で部会。直帰。
夕方頃まで雨。
夜、トマト1個とバナナ2本。
昨晩飲んでて遅かったので、1日眠かった。
『オーケストラ・リハーサル』これ、実はすごく面白い映画だった。
舞台はイタリアの古い教会、ヒト癖もフタ癖もあるオーケストラの団員たちが
勝手にしゃべりだし、騒ぎ出し、組合がどうとかこうとか。そこに・・・
1972年という時代。ものすごい寓意性のある話。
フェリーニとニーノ・ロータが組んだ最後の作品となる。
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9/29(水)
最後の追い込みが続く。
久々に雨が降らず、晴れ。しかし、気温はそれほど上がらず。
昼、「いもや」に行こうと歩いていたら「神田 天丼屋」というのを見つける。
のれん分けしたのだろう。店の雰囲気であるとか、おしんこ100円とか明らかにそう。
しかし、海老天丼の海老のやせ細りぷりったら。やはりいもやだな。
このところずっと読んでいた佐野眞一『旅する巨人』を読み終えた。
渋沢敬三と宮本常一の評伝。いや、とても面白かった。
宮本常一が読みたくなっていてもたってもいられなくなって、
図書館で『忘れられた日本人』を借りる。
夜、どうにも腹が減ってご飯を炊く。鯖の味噌煮の缶詰。ワカメスープ。
アキ・カウリスマキの『白い花びら』の続きを見る。
amazon で先日慌てて予約注文した
Metallica『Ride the Lightning』の紙ジャケ限定盤が届きそうになく、
探していたら他に売れ残っているのを見つけた。
これで入手できたと思って、amazonの方をキャンセルしようとしたら
出荷準備中へステータスが変わっている。
どうも追加で入荷したようだ。
HMVのサイトでも普通に売っていた。
amazonでは即に6800円なんてプレミアがついていたけど。
すぐにも値崩れするのかな。
作業が終わらず、寝たのは午前1時。
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9/30(木)
例の作業、1回目のタームが今日、最終日。
最後の追い込みでバタバタして仕事もしないで内職ばかり。やばい。
でもどうにかなった。締め切りに間に合って提出。
疲れきって、午前0時眠る。
宮本常一『忘れられた日本人』を行き返りの地下鉄の中で読み始める。
うーむ面白い。これは何かと考えさせられる。
昼、「味噌や」で味噌オロチョン+チャーシュー+バター+コーン+味玉+ネギ。
ネギは頼んでないのだが、注文ミスで。まあいいかとそのまま食べる。
刻んだネギではなく、辛味のついた白髪ネギ。
器がネギと野菜で山盛りになる。
腹いっぱいで夜は何も食べず。
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10/1(金)
疲れきって、案の定起きられず。
もしかして徹夜になるかもと覚悟していたので午前休にしていた。
何とか8時に起きてメールを読んで、区役所の駅前支所へ。
戸籍謄本を取って出社後封筒に詰めて母に送る。
渋谷に出る。タワレコで Deerhoof 『緑のコズモ』の日本盤を探す。
1年前ならあちこちで見かけたのに、モタモタしている間に店頭在庫なし。
HMV や amazon でも販売していない。
渋谷のタワレコに期待するが、やはりなかった。
近くの一蘭にて昼を食べる。辛さを2倍にする。
とんこつラーメンだと結局ここが一番うまいのか。
銀座線に乗って新橋へ。出社までには時間があって、そのまま神保町へと歩いていく。
10月の初日ということもあって町のあちこちで赤い羽根の共同募金。
子供たちが立っている。小学校や中学校を休んでいるのだろうか?
それっていいのだろうか、なんて思う。
出社するも前日の疲れで何もする気になれず。
2時間ほどブラブラしてようやくエンジンがかかる。
かかった頃定時になって、帰宅。
夜は西友で買ったサラダを2種。
HMVからCDが届く。このところ忙しくて届いた箱をほったらかしにしていた。
新聞をまとめて読む。10日分ぐらいか。この週末でかなり片付けたく思う。
しかし疲れきって眠くて、22時には寝る。
[3583] 『77 BOADRUM』 2010-10-04 (Mon)土曜の夜、『77 BOADRUM』を観た。
Boredomsが2007年7月7日、ニューヨークのブルックリン橋の下の公園で
77台のドラムと77人のドラマーを集めて行ったフリーコンサートを収録した映画。
Boredomsサイドとしては、EYヨはCD-Jやミキシングだったり、
進行を司る槍を振りかざしたり(赤の槍だと自由に演奏しろだったか)、
DMBQの増子真二作成のギターネックを7本つなげたオブジェを荒々しく奏でたり。
その周りを YOSHIMI, YO2RO, 千住宗臣 が取り囲む。
他の参加者の所属するバンドとしては、インタビューの字幕を見ていたら
Lightning bolt, 不失者, Gang Gang Dance, God Is My Co-Pilot,
No Neck Blues Band, John Zorn, Laurie Anderson, The Red Krayola など。
David Grubbs なんて謙虚にも「The Red Krayola というグループのドラマーだ。
普段はギターを弾いているが」などと答えている。
なぜか、Andrew W.K. も加わっている。
3000人近い応募者の中からこの77人が選ばれたとのこと。
(ちなみにEYヨはカウントされていない)
演奏は全くのフリー・インプロヴィゼーションだったかというとそんなことはなく、
曲の骨格・更生は予め決められていたようだ。
なので起承転結がはっきりしている。
さざなみのように始まって、シンプルなリズムを全員で叩いて、
CD-Jからの音が加わって神秘性・トライバル性が増して、
クライマックスの大津波のような展開へ。
そしてまたさざなみへと戻っていく。
これは事前にリハーサルがあって、前日・前々日と
No Neck Blues Band が長いこと使っていたブルックリンの古いスタジオにて
ドラム11台を押し込んで”ドラムリーダー”11名を集めてなされた。
素直に、こういうことをやっちゃうBoredomsってすげーなーと思う。
日本というか世界にもないよね。発想と反射神経の筋肉が違う。いや、本能か。
結成当時の80年代後半から90年代まではまだ、
ヴォーカル・ギター・ベース・ドラム+αという
通常のバンド編成でスカム・ジャンク・ノイズな音を追求していた。
それが2001辺りを境に、V∞REDOMSとしてドラムが3台とEYヨのDJというスタイルへ。
より直接的に肉体と本能を極限まで追い求める音になった。
生命体としての音楽。鼓動の高まりと単純な音のかけらがあればよい。
弦楽器はメロディーを奏でるという知性がモタモタさせるのか、振り捨てられた。
(僕は新宿の今は無きLiquid Roomにて、
山本精一、ヒラ、ATRの在籍した90年代黄金期のラインナップと、
フジロックでまだ試行錯誤中のV∞REDOMSと両方見ている)
その音楽的変遷・進化の頂点がこの「77 BOADRUM」となるだろう。
これは東京ドームで1000人のドラマーを集めたら
もっとすごいことになるかというとそんなわけはなくて、
2007年7月7日の77台のドラムというある種の呪術的符合や
ブルックリンという土地柄がなせるわざだろう。
2010年代に入って、Boredomsも次の局面に進むときが来ている。
去年の頭に『Super Roots 10』が発表されたけど純然たる新曲は1曲のみ、
実験活動の定点観測的な意味合いの強い『Super Roots』シリーズじゃない、
ちゃんとタイトルのついたアルバムは
2005年の『Seadrum / House Of Sun』以来音沙汰なし。
そろそろすごいものが出てきてもいいんじゃないか・・・
[3582] 『This Is It』 2010-10-03 (Sun)昨日の夜、『This Is It』を観た。
昨年6月25日に突然亡くなったマイケル・ジャクソンが
その死の直前まで続けていたロンドン公演のリハーサルの模様。
リハーサルのためそのダンスも切れ味鋭いわけではなく、抑え気味。
歌もそう。喉を痛めないようにしている。
しかし、その端々で無理のない、気を使う完璧主義者の面と
その根底にあるナイーヴさが垣間見える。
10年ぶりの世界公演とのことだったが、
ささやかながらもそのムーンウォークは健在だった。
僕個人が最も興味深かったのは、ダンサーのオーディションを受けに
世界各地から集まって来た若者たちの興奮に満ちた表情。
「マイケルと踊れるなんて夢のようだよ!」
3000人の中から11人が選ばれたのだという。
合格者が発表される、その奇跡の瞬間こそが「This Is It」なのだろう。
1982年の「スリラー」は7歳でさすがにリアルタイムで、ってことはない。
でもあの墓場のPVはテレビをつけているとあちこちで見かけたな。
ある時期集中して、というのではなくて何年かに渡って。
そのパロディだとさらに長いこと続いたように思う。
あのダンスの真似とかね。
1987年の「BAD」だと小学6年生から中学1年生にかけて。
新聞で洋楽のヒットチャートを見るとアルバムもシングルもずっと1位だった。
(日本の、じゃなくてビルボードだったと思う)
シングルは「BAD」や「Man in the Mirror」など
入れかわり立ち代わり途切れなく首位をキープ。
この頃まさに”King of Pop”だった。
アルバムを持ってたわけではない。だけどその多くの曲を知っている。
股間に手を当てるダンスって当時どれだけ真似されただろう?
1991年の「Dangerous」は高校生のときか。
パンク・ニューウェーブばかりだったから見向きもしなかった。
でも、レンタルから借りてダビングした覚えはある。
「Heal the World 」だけは、
唯一持っているベストアルバム「History」に収録されているで今でもよく聞く。
そこから先のことはあまり知らない。
こんな感じだったので、
マイケル・ジャクソンに特に心奪われることのないまま生きてきた。
でも、その楽曲やイメージは奥底に刷り込まれている。
だから昨年の訃報を聞いたとき、悲しいとは思わなかったけど、
どこかになんか小さな穴が開いた。
ネバーランドは存在しないんだよ、と知ったときのような気持ちに通じる、何か。
どんな魔法も、どんなゲームも、いつかは終ってしまう。
途切れて、消えて、忘れられていく。あの切ない気持ち。
マイケル・ジャクソンの私邸に動物園があって、って有名な話だけど、
動物たちはどこに行ったのだろう?
僕はマイケル・ジャクソンの家族たちのその後よりも、動物たちのその後を知りたい。
[3581] 大腸内視鏡検査 2010-10-02 (Sat)6月末に人間ドックを受ける。最後の医師の診察にて
便の中に血が混じっている、大腸ガンの可能性も否定できないため、
紹介状を用意するので後日医療機関にて内視鏡の検査を受けてくださいと言われる。
長年痔を患って内側が切れることの多い、というか常時切れている僕としては
そんなの血が出て当たり前じゃんと思う。
人間ドックの結果と紹介状が届いてもほっといていた。
周りの人に「人間ドックどうだった?」と聞かれても「健康ケンコウ」と答えていた。
それが2週間ほど前、会社の健康相談室から
先日「要精密検査」と判断されましたが、受信されましたか?と問い合わせが来た。
めんどくせーなー。わざわざ「痔でした」と判断されるために時間と金を使うのか?
1万とか2万とか。知ってるよ! それぐらい。あー金がもったいない。
とはいえ、受けないでいると
それはそれで会社との間で厄介なことになりそうなので受けることにする。
それよりも心に引っ掛かったのは
昼メシをいつも一緒に食ってアホなことを言い合っていた同僚が
前から大腸の病気を患っていて、それがある日突然来なくなって
どうしたのだろう? と思っていたら日々の激務で病状が悪くなり、入院。
顔を見せることのないまま退職。それが今年の年末年始にかけて。
年はそれほど離れていなかった。僕のほうが1個上だったか。
(ちなみに『愛と追憶の日々』を貸したら
「これまでの人生で最も面白かったですよ」と言われ、
フェリーニの『道』は貸してそれっきりになった)
消火器内科をインターネットで探して、WEBで予約を取れるところを見つける。
今日の朝早起きして行って来た。診察は9時。
人間ドックの結果を医師に見せる。
痔とはいえ大腸がんの可能性は否定できない、
直腸の内視鏡検査をしましょうということになる。日にちを決める。
朝に下剤を呑んで大腸の中のものを排泄しきってから
午後に検査となるので実質1日がかり。
土曜は午前までというところを平日は厳しいということで、
頼んで土曜の午後にしてもらった。2週間後の16日。
もしかしたら行って当日いきなり検査可能かもと前の晩は20時以後飲まず食わず、
ビールもウィスキー・ソーダも飲まず、
今日の朝も水を一滴も飲まず診察に臨んだのだが全然意味がなかった。
まあいいか。
この日は感染症の検査のため採決をして、検査当日の段取りを聞いて終わり。
前の日は昼、夜と検査前実用の食事を取る。レトルト食品をその場でもらう。
昼はじゃがいものそぼろあんかけと梅がゆ、夜はビーフシチューとクラッカー。
昼はオフィスで温めて食べるわけにも行かず、朝かな。
思いっきり腹が減りそう。ゼリーやヨーグルトは食間に食べてもよいとのことで、
昼、大量に食べることになるんだろうな。
夜に飲む少量の下剤と、朝に飲む大量の下剤。粉を溶かして飲む。
ポカリスエットの味らしいが、全部で1800mlもあって飲むだけでしんどい。
検査の結果、ポリープが見つかった場合にはその場で切除するという。
支払いのときに念のため聞いたら、
検査だけで済めば1万ぐらい、ポリープの切除も行うと3万ぐらいとのこと。
9時半には病院を出て、帰ってくる。
果たしてどうなることか。
海外の遊園地で何かとんでもないものに乗ったとき、
写真を撮られてて出口で売りつけられたりする。
いらないと思ってたいがいは買わない。記念になるとも思えず。
だけど今回みたいなのだったら是非とも写真を撮りたい。
数年前、モロッコで交通事故にあって
CTスキャンで脳の状態を撮影したときの写真は今も大事に持っている。
[3580] これまでのTwitterまとめ その4 2010-10-01 (Fri)こんにちは。岡村です。これが最後、4回目です。
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鉄火巻にマヨネーズをかけて食べたらうまかった。
4:50 AM Aug 1st webから
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僕が昔書いた小説を読みたいという人が現れて、とても嬉しかった。また書こ
うという気持ちになった。
3:52 AM Aug 2nd webから
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Yahoo! で見かけたんだけど、何回見ても笑った。
http://videotopics.yahoo.co.jp/videolist/official/sports/pf3fc82f92c2b9979a25cbc521d41a746
4:47 AM Aug 2nd webから
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青森ではねぶたが最終日か。
2:57 PM Aug 6th webから
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法則: ビールが好きな人で焼肉が嫌いな人はいない
7:49 PM Aug 6th webから
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今、トーナメントを見ていて思ったが、聖光学院 / 広陵 / 履正社 / 天理 の
4校が並ぶ死のブロックがあった。中京大中京 / 南陽工 / 倉敷商 / 早稲田実
のブロックも気になる。
10:39 PM Aug 6th webから
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ロックの歴史において「Louie Louie」という曲がいかに偉大か。
”Me gotta go”
3:28 AM Aug 8th webから
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結局のところ、僕は高校・大学・大学院・その後と、いったい何を学んだのだ
ろうか?
3:39 AM Aug 8th webから
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All We Need Is Fuck.
3:44 AM Aug 8th webから
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ともさかりえとスネオヘアーが結婚か・・・
7:03 PM Aug 9th webから
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前から言ってることなんだけど、90分未満の映画も3時間近い映画も同じ料金
ってのはなんかおかしいと思う。
12:56 AM Aug 11th webから
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いまさらながら知った。「パウダー250%ハッピーターン」
http://www.narinari.com/Nd/20100413379.html
5:53 PM Aug 12th webから
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TSUTAYA DISCAS の予約リストが250本を超えている。
3:34 AM Aug 14th webから
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晩年のシャーリー・マクレーンとジュディ・デンチの区別がつかない。
5:24 AM Aug 15th webから
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「iPhone 5におサイフ機能搭載? 」というニュースを見た。新しい機能はいら
ないから、早く64Gにしてほしい。
3:51 PM Aug 17th webから
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Yahoo!のラーメン特集を見ていたら「煮干しを一番効かせたラーメンを出す地
域はどこか。それは間違いなく青森県だろう」とあった。知らなかった。「味
の札幌 大西」の”味噌カレー牛乳ラーメン”のことしか頭になかったせいだ
ろう。
10:03 PM Aug 17th webから
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サイドカーに乗ってみたい
10:50 PM Aug 20th webから
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黒人の肌にニキビはできない。
10:24 PM Aug 21st webから
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「静的コンテンツ」を「性的コンテンツ」と間違えた、という新人の失敗談は
どうやらIT企業ならばどこにでもありそうだ。
2:25 AM Aug 22nd webから
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ようやく、『マタンゴ』を見た。人間の幸せってなんなのだろう? 小さな島
で皆がキノコ人間になってそれで皆が幸せだというのならば、それでもいいで
はないか。
5:19 AM Aug 22nd webから
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この半年ぐらい、キム・ヨナと言うつもりでずっとユン・ソナと言っていた。
2:47 AM Aug 23rd webから
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ケイト・ブランシェットとケイト・ウィンスレットがいつもごっちゃになる。
4:01 AM Aug 28th webから
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本当に自分がない人は自分探しなんてしない。
10:24 PM Sep 1st webから
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結局のところ、北野武監督作品で一番面白いのは『ソナチネ』なのだろうか。
個人的には『ソナチネ』だったんだけど。
5:35 AM Sep 4th webから
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「なべて理論は灰色、ただ緑なす現実こそ豊かなれ」ゲーテの『ファウスト』
より。後にマルクスが引用。
11:56 PM Sep 4th webから
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アメリカ映画をこれで20年以上観ているわけだが、いまだに CIA と FBI の区
別がつかない。
3:53 AM Sep 5th webから
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山形に建設中の「さくらんぼ 小学校」 アダルトサイトと同じ名前との指摘
により新しい名前を検討中とのことだが、気付く方も気付く方だと思う。
5:10 PM Sep 7th webから
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杉並区の図書館で新渡戸稲造の『武士道』を借りようとしたら、ことごとく貸
し出し中。新版とか現代語訳とか読みやすそうなエディションになればなるほ
ど見つからない。どこかの大学でレポートの課題に出たと思われる。
12:56 AM Sep 11th webから
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天丼だったり、カツ丼だったり。お重よりも丼の方がえてして食べやすい。な
のにお重の方が高いのはなぜなんだろう? 高級感なんていらないのに。
4:38 PM Sep 12th webから
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太宰治『右大臣実朝』 <アカルサハ、ホロビノ姿デアラウカ。人モ家モ、暗
イウチハマダ滅亡セヌ>
1:28 AM Sep 14th webから
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北海道に行って来た人からお土産でジンギスカン・キャラメルをもらう。
・・・なんかこれ、すごいね。すごいとしか言いようが無い。
30秒前後前 webから
[3579] 9月30日(木) これまでのTwitterまとめ その3 2010-09-30 (Thu)こんにちは。岡村です。その3です。
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宇宙は一つだが、世界は複数存在する。
3:41 AM May 22nd webから
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「夢を諦めない」ってのは弱さの裏返しらしい。
4:25 AM May 22nd webから
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5/20 毎日新聞夕刊「ダルビッシュ投手が、前田投手が打席に入ったときには
カーブ以外のすべての球種を投げた」「セ・リーグを代表する投手になってほ
しいから、と自分の持ち球を全部見せたのだ」
4:49 AM May 22nd webから
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「食べられるラー油」「辛くないラー油」の類をあちこちで探しているのだが、
見つからない。荻窪の西友では一棚空っぽだった。東京駅地下の成城石井など
に行ってみた。
10:26 PM May 24th webから
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「太陽を盗んだ男」を見直した。こんな荒唐無稽な映画見たことない。でも、
最高に面白い。10年以上前、学生時代に見た感想そのまんま。なんでこういう
映画を日本はつくれなくなったのだろう。
6:14 AM May 28th webから
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家のPCも会社のPCもキーボードの「U」「I」「O」の塗装がはげてツルツル。
打ち間違えやすくなった。なんでこのよく使う母音が3つ並んでいるのか?
11:53 AM May 31st webから
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環日本海諸国図(通称:逆さ地図)
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1510/kj00000275.html
6:48 PM Jun 7th webから
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ようやくストーブを片付けた
8:43 PM Jun 12th webから
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なぜ日々暮らしていて、靴下が片方だけなくなるということが起きるのだろう
10:43 PM Jun 12th webから
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自分について自分で書くよりも、他人について書いた時の方がよっぽど自分と
いうものがにじみ出る。そういう関係性に、ようやく気がついた。
2:15 AM Jun 14th webから
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そういえば、国立の片隅でフリーメイソン日本支部の国立なんとかを見かけた
ことがある。あれは何をしていたのだろう。
5:41 PM Jun 14th webから
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燃え尽きた感あり
8:43 PM Jun 15th webから
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ナパーム・デスがオリジナル・メンバー不在のまま今も続いている。それって、
どうなのか。
5:05 AM Jun 19th webから
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7月の頭に青森に帰省します。温泉に入ってのんびりします。12月に新幹線が
青森まで伸びる前に、最後にもう一度だけ八戸乗り換えで青森に帰りたいとい
うのが最大の動機です。
10:23 PM Jun 19th webから
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Love Psychedelico と Superfly の区別がつかない。
11:45 AM Jun 20th webから
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iPhone に Van Halen 「1984」を入れて自分を励ます。ちなみに年を取ると涙
腺が弱くなって、Quiet Riot 「Cum on Feel the Noize」を聞くとなぜか無性
に泣きたくなる。
4:26 AM Jun 21st webから
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選挙が近付いて、駅前によく候補者が立って道行く人にマニフェストか何かを
配っている。そのうちの1人は妙に配るのがうまくて、それがなんだかティッ
シュ配りっぽい。こいつはだめだな、と思った。
1:14 PM Jun 22nd webから
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地下鉄の中で寝てるときに、体が右に傾く日と左に傾く日があるのはなぜなん
だろう? ずっと気になってたんだけど、進行方向に対してどちら側に坐って
るかの違いでしかないことにようやく気付いた。
1:16 PM Jun 22nd webから
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杉並区長選挙に立候補した田中良と千葉奈緒子。この2人は昔、夫婦だったと
いう。どんな選挙戦となるのか見物だ。
3:36 AM Jun 24th webから
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スタ丼屋は今や、大阪にもあるらしい。恐るべし。
11:12 PM Jun 25th webから
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肌ラボの広告のボーカルとドラムの女の子が気になる。若さっていいなあと思
う。
1:45 AM Jun 26th webから
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誤解を招くかもしれないので補足すると、かわいいからいいのではなく、あの
グヮーッとなったはち切れそうな表情がいい。とはいえ、ドラムの子がかわい
い。
1:50 AM Jun 26th webから
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いやーこの人ほんとユニークな女性アーティストだなあというときの「北欧の
ビョーク」とか「アルゼンチンのビョーク」って言い方、すごく違和感がある。
何かに例えられている時点でユニークじゃないじゃん。
5:06 AM Jun 27th webから
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人間ドックが終わって、早速500のコーラを2本飲む。
6:48 PM Jun 29th webから
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今、青森です。牛タンの刺身を食べてます。とろける。
12:21 AM Jul 2nd webから
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ノンアルコールビールを飲みながら仕事をするのはありなのか。
3:45 AM Jul 7th webから
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アナログテレビはやはり買い換えるべきなのだろうか。
4:02 AM Jul 8th webから
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やりたいことが何もなくなった。
4:09 AM Jul 8th webから
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自転車の二人乗りってなんであんなに難しかったんだろう。
3:28 AM Jul 10th webから
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YAWARAちゃん当確。・・・なんか嫌だな。というか、どうなってるんだ
この国は? 「議員になっても現役は続ける」だって。日本国民はそれを望ん
でるの? 政治というものを何だと思ってるんだろうか? どこまで「私、み
んなに愛されてる」というウヌボレが強いんだ。心の底から腹が立つ。
2:16 AM Jul 11th webから
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白髪が増えた。
6:20 PM Jul 15th webから
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なんでノンアルコールビールが発泡酒と同じ値段なのだろう? 酒税はかかっ
てないと思うが。
7:42 PM Jul 15th webから
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Pell Mell のメンバーだった Steve Fisk について調べていたら、hal のシン
グル「優しい光」の3曲目で The Bevis Frond の Nick Salomon による曲を
プロデュースしていたことを知った。なんだこの組み合わせ?? どういう接
点??
3:39 AM Jul 25th webから
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人間、生まれたら後は死ぬだけだ。
1:43 PM Jul 26th webから
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生まれ変わったら無機物ってことはあるのだろうか?
3:44 AM Jul 27th webから
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久々に「あかん、こりゃしんどい」という映画に出会った。『ナコイカッツイ』
劇場で見たら確実に全編寝てた
3:49 AM Jul 27th webから
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『ソフィーの選択』を見たことがあると、その後(特に最近)のメリル・スト
リープのツヤツヤした血色のいい顔は全てウソに思える。
2:06 AM Jul 28th webから
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モルディブって国だったんですね・・・
11:50 AM Jul 28th webから
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またしても「こいつできるなあ」と思っていた後輩が辞める。僕は何をやって
んだか。
8:20 PM Jul 28th webから
[3578] これまでのTwitterまとめ その2 2010-09-29 (Wed)こんにちは。岡村です。その2です。
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サンシャイン牧場はどこまでいったら終わりなのだろう。なんかここまで来る
とほったらかすのも気が引ける。
9:16 AM Feb 2nd webから
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例によって今から東海道新幹線の始発6:00ののぞみ1号で大阪出張へ。
9:17 AM Feb 2nd webから
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アカデミー賞は『アバター』か。
5:14 AM Feb 3rd webから
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世の中には、スカスカのコンビニとギッシリのコンビニとがある。ブランドに
は関係なさそうだ。どちらが売れるのか? どちらが効率いいのか?
4:00 AM Feb 7th webから
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今日は映画を4本見た。『ミスター・ロンリー』がよかった。
4:01 AM Feb 7th webから
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『アバター』すげー。これぞ21世紀の映画。
6:05 AM Feb 10th webから
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世の中には冷蔵庫に食べ物がいっぱいになってないと不安になる人がいると聞
く。
4:53 AM Feb 11th webから
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バレンタインデーということで職場で女の子たちが配っていたチョコをもらう。
「ハイリターン」を期待しますと言われる。
5:43 PM Feb 11th webから
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『人間失格』の映画版、非常につまらなそう。
6:58 PM Feb 14th webから
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劇場で買うあれはパンフレットなのか、プログラムなのか。配給会社の系列に
よって異なるのだろうか。
4:57 AM Feb 16th webから
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デカルト「I think, therefore I am 」
5:01 AM Feb 17th webから
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今年はショパン生誕200年であるという。クラシックのコーナーに行くとショ
パンの演奏ばかり。
12:20 AM Feb 20th webから
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チーム青森に足りなかったものは結局インテリジェンスということなのだろう
か。
4:21 AM Feb 24th webから
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足掛け2年のPJが今週カットオーバー。思うところ多々あり。今回はコールセ
ンターに何度も通うなど、システムを利用する側に最も近付いた。
5:06 AM Feb 25th webから
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これまでに好きになった人のことを思い浮かべたら、半分の人は一定の傾向に
あるというか顔のつくりが似ていることに気付く。そんな、一人の夜。
4:58 AM Feb 28th webから
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国旗を逆さに掲げることで政府への抗議の意思を示す国がある。日本ではそれ
ができない。
12:25 PM Mar 4th webから
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左利き用のピアノってないよな。
3:08 PM Mar 5th webから
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大家さんから電話があり。ドアが開いてたと。警察をよんでもらって空き巣じ
ゃないことを確認した後、鍵をかけてもらう。巧妙な空き巣だったらどうしよ
う。
6:09 AM Mar 12th webから
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もしかして大阪では駐車場のことをモータープールと呼ぶのか!? 水がグル
グル回るプールみたいなのを想像してた。やけにあるなあと。
5:56 AM Mar 14th webから
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twitter を書いてる暇というか余裕がない。
6:59 AM Mar 21st webから
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気まぐれに Yahoo ! メールの迷惑メールのフォルダを開けてみたら、2038年1
月19日という日付のメールが大量にあって驚いた。なんだこの日付は?
11:56 PM Mar 21st webから
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盗聴に怯え11年間筆談した家族、待ち受けていた“まさか”の結末。
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1152170&media_id=84
12:39 PM Mar 24th webから
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秘文のアップデートをし忘れて、VirusScanをアップデートしてしまった なう
5:49 AM Mar 26th webから
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大阪で過ごす最後の日曜。やまもとでねぎ焼きを食べる。
3:16 AM Mar 28th webから
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Medeski,Martin&Woodの来日公演を見てきた。渋谷O-Nest。最前列。2回目の
アンコールは「Come Together」のカバー。やはり只者じゃなくうまかった。
型の先にある自由ってこの人たちのことか。
5:09 AM Apr 10th webから
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林野火災地点情報システム http://hinomiyagura.dc.affrc.go.jp/gmap/
今、岡山で発生中
4:09 AM Apr 29th webから
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話の分かってない人に「あなたは話を分かってない」と分かってもらうにはど
うしたらいいのだろう? 話の分かってない人に限って、「自分は話を分かっ
ている」と信じて疑わないのはなぜなのだろう?
4:12 AM Apr 29th webから
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植生乾燥度情報システム http://hinomiyagura.dc.affrc.go.jp/dryness/
4:13 AM Apr 29th webから
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骨川静香「あなた・・・寝癖が立っているわよ」
http://waranote.blog76.fc2.com/blog-entry-1339.html
1:35 PM Apr 30th webから
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論理と理論の違いが直感的によくわからない。
1:50 AM May 1st webから
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「どうせ考えるならできないことを考えるべきだと。人間というのはできるこ
とだけを考えると、決まってその手前のあたりで折り合いをつけようとするわ
けです」(「対論 部落問題」 平凡社新書)
5:38 PM May 16th webから
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ロニー・ジェイムス・ディオが亡くなった。ジョジョを思い出す。
5:40 PM May 16th webから
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iPhone 64G はいったいいつになったら出るんだろう。
6:43 PM May 17th webから
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「がんばれ」って言ったり言われたりするよりも、「大丈夫」と言われるほう
がうれしい。
6:44 PM May 17th webから
[3577] これまでのTwitterまとめ その1 2010-09-28 (Tue)例によって手抜きの時期に入りました。
これまでにTwitterに書いたことを4回に渡ってまとめます。
結構なんだかんだ書いてるもんですね。ほんとは倍ぐらいあります。
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Jeff Beck しかも「Wired」とかフュージョン系のをいいと思うようになった
僕は確実におっさん化が進んでいるのか。
9:30 PM Nov 27th, 2009 webから
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昨晩はトラジで焼肉。うまかった。ハイテンションだった。
7:15 PM Dec 4th, 2009 webから
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オフィスにコーヒーサーバがあって、1日中コーヒーを飲んでいる。1日10杯以
上。健康に良くない。
7:04 PM Dec 7th, 2009 webから
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「ママと娼婦」の値段がまたつりあがった。5000円のうちに買っておけばよか
った。
7:18 PM Dec 7th, 2009 webから
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ストレスのたまってる時にコーヒーを飲むとさらにイライラするのではないか?
ということに最近気づいた。
4:24 PM Dec 14th, 2009 webから
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大阪のビジネスホテルです。昨日は調子に乗って土鍋いっぱいのビールを飲み
干しました。今、軽く二日酔いです。夜、中ノ島の光のルネサンスというのを
見て帰ります。
1:43 PM Dec 22nd, 2009 webから
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会社携帯。使い方がわからなくて留守電が聞けない。
5:35 PM Dec 23rd, 2009 webから
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音楽小売業界の不景気さと言ったら。新宿高島屋のHMVがなくなると聞いて、
巨大店舗だったのでショックだったけど、この前池袋行ったらWAVEもなくなっ
ていた。ダウンロードの時代になって、ほんとにCDは売れないんだね。
5:49 PM Dec 27th, 2009 webから
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NHK6時台のニュースの気象予報士の渕岡友美って人がいい。朝4時台にも出て
いるのをこの前見て、驚いた。
5:51 PM Dec 27th, 2009 webから
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それにしてもネットブックってほんと使いにくい。iPhoneを持参したスピーカ
ーにつないでいます。これは快適。
12:59 AM Dec 29th, 2009 webから
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年末年始は大荒れの天気と聞いていたが、先ほどから猛吹雪に突入。
3:50 PM Dec 30th, 2009 webから
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昼、「第22回 津軽弁の日」の放送を見た。と言っても青森の人じゃないと分
からないか。30代も半ばに差し掛かって、自分の中の津軽の血を色濃く感じる
ようになった。
11:12 PM Dec 30th, 2009 webから
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34歳最後の夜、残り3時間。青森の実家にて部屋で1人、焼酎のお湯割を飲みな
がら推理小説を読んで過ごす。
1:55 AM Dec 31st, 2009 webから
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焼酎のお湯割りにレモンを絞って入れるといくらでも飲めてしまうことに生ま
れて初めて気づいた。これはやばい。
4:35 AM Dec 31st, 2009 webから
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ジョイス・キャロル・オーツがとても気になる。読まなければならない本・作
家がいまだ多過ぎる。来年、どれだけ読めるだろう。
4:37 AM Dec 31st, 2009 webから
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35歳になった。寝る。
5:01 AM Dec 31st, 2009 webから
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昨日の紅白、先ほどYoutubeでPerfumeだけ見た。紅白とはいえ、やはり紅白。
字幕で歌詞が出ていたのが新鮮な驚きで、「あ、こういう歌詞だったのか」と
思う。
4:05 PM Dec 31st, 2009 webから
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今日は1日に3回も雪かき。
11:45 PM Jan 1st webから
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今から東京に戻る。明日から仕事かと思うとユウウツ。
12:20 PM Jan 2nd webから
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東京に戻ってくる。新幹線で南下していて、八戸:雪無し(快晴)、盛岡:雪
あり(吹雪)、仙台:雪無し(快晴)、その先:雪あり(吹雪) この天候の
めまぐるしい移り変わり。なんなのだろう。
11:14 PM Jan 2nd webから
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今年はあと360日もあるのか。長いなあ。
2:17 AM Jan 4th webから
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「忘年会のかくし芸で失敗してから会社に行くのが辛い…」
http://burusoku-vip.com/archives/1171960.html
5:53 PM Jan 4th web
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それにしてもなぜ、twitterは140文字なんだろう。
5:20 PM Jan 5th webから
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高校サッカー、青森山田が初の決勝進出。相手が初出場ってことで初の優勝か
も。
10:48 PM Jan 8th webから
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昨日今日と引きこもり。外に出ない。新聞を取りにいったぐらい。とにかく金
を使わない。いいことだ。
8:56 PM Jan 9th webから
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東京は雪になりそうだ。今振ってる雨はみぞれに近い。
5:28 PM Jan 11th webから
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同僚とラーメン屋に行く。固めと普通が一緒に運ばれてくる店ってどうよと思
う。
5:25 PM Jan 12th webから
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フォークの神様、岡林信康の70年代のライブアルバムを聴く。MCが面白い。雰
囲気が温かい。70年代に最近惹かれる。なお、このアルバムは客席にいた美空
ひばりが飛び入りで1曲参加したもの。
3:13 AM Jan 16th webから
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柴田元幸が訳したジャック・ロンドンの短編集『火を熾す』を読み始める。な
ぜこれを若いころに読まなかったのか。
4:09 AM Jan 16th webから
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新聞を読んでいたらセンター試験の問題と解答が。今、センター試験を受けた
ら何点取れるだろうか、と思う。
4:43 AM Jan 17th webから
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「ヴ」ってひらがなで打てないのだろうか? Windows XP SP2 - 日本語PS/2
キーボード
8:49 PM Jan 17th webから
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マイコンBASICマガジン、通称ベーマガは今でもあるのだろうか?
5:00 AM Jan 18th webから
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浅川マキ死亡
5:00 AM Jan 18th webから
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小沢健二 13年ぶり全国ツアー
12:17 AM Jan 19th webから
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昨晩『SAW』を見た。ころっとだまされる僕は単純なのか。
1:33 PM Jan 19th webから
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「シネカノンが再生法を申請」
4:05 AM Jan 28th webから
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猫田道子『うわさのベーコン』を読んで、せつない気持ちになった。
4:10 AM Jan 28th webから
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サリンジャーが死んだ。
11:38 AM Jan 28th webから
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『ゾンビ・ストリッパーズ』という映画を見た。タイトル通りの内容で、期待
を裏切らない。B級映画の王道。
5:06 AM Jan 31st webから
[3576] 9/20-9/26 2010-09-27 (Mon)9/20(月)
9時起き。一日中旅日記を書いている。
合間に例の作業を少し進める。図書館にも行く。
土日に食べ過ぎたので昼は食べない。夜も少しだけ。
ひと段落して、借りっぱなしになっていた
『バーダー・マインホフ』を観る。
1960年代末から70年代にかけてのドイツ。
学生運動崩れのグループに左翼系ジャーナリストが加わって、どんどん過激化。
銀行強盗を行い、パレスチナで訓練を受け、やがてドイツ赤軍へ。
ま、言うなれば大河ドラマであって
出てくる若者たちもスター俳優たちなのか美男美女ばかり。
それが走る車の中からハイになって銃をぶっ放したりして、やりたい放題。
地下に潜伏して革命を起こすのはファッショナブルで知的で、
かっこいいことなんだなあと無邪気に憧れてしまう。
ものすごいきれいごと。実際にはもっと陰惨だったんだろうけど。
だけど映画としてはなかなか面白かった。
特に後半の収監されてから。
先月若松浩二監督の『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』を
観ているから余計対比したくなる。
今思うとあれもまたかなり美化されてるし、
何かとても大事な箇所が省略されているように思う。
革命とかゲリラとか言ってる日々の合間に
ひっそりと眠り込むようにして紡がれていったもの。
---
9/21(火)
東京に戻って来ると1週間休む理由もあまりなくなって、
休みを取っておきたくなって、この日は出社する。
昼、三幸園で五目やきそば。
夜、特に食欲もなく西友で買ったサラダを2種類。
帰ってくると母から留守電が入っていて、
那覇から送った絵葉書や湯飲みが届いたとのこと。
例の作業を本格的に再開させる。
午前0時に寝る。
---
9/22(水)
休み。目覚ましを出社用に午前6時20分にセットしたのが
そのままになっていて、この時間に起きる。
例の作業、やらなければならないことが山積みで寝てるわけに行かない。
朝一で図書館に行って、借りてきて、チェックして。
帰りに西友に寄って食べるものを買う。
大家さんからもらったラーメンを茹でて肉野菜炒めを乗せて食べる。
西友で買ったあれこれを冷蔵庫に詰めようとしたら
何かがぶつかって中が真っ暗になる。
この前霜取りをしていたら同じように切れて、しばらくしたら復活した。
またそうなるかと待ってみるが、明かりがつかない。
遂に壊れたか。しかし、様子を伺うとどうも動いている。
ランプだけが切れたのだろうかとあちこち手探りで触ったらランプが緩んでた。
ひねったら明るくなった。事なきを得る。
本を読んでいたらどうにも眠くなって、30分だけ昼寝。
横になった瞬間記憶がなくなったようで、おかしな格好で寝て、
起きたら腕がしびれた。
ほぼ1日中例の作業。15時間ぐらいやってる計算になる。
午前0時過ぎに眠る。
夜はキムチだけをおかずにご飯、ワカメスープ。
ものすごく暑い1日だった。
---
9/23(木)
終日雨。寒い。
昼、傘を指して図書館に行く。
毎日毎日返しては15冊の最大貸出数目一杯まで借りて、帰ったらまた予約してを
繰り返している。図書館の人たちにはどう思われているのだろう?
図書館の帰りに床屋へ。
石垣島に行きたかったんだけど台風が来て・・・、という話をする。
顔を剃っている間に熟睡。
昼、昨晩同様、ご飯とキムチとワカメスープだけ。
夜、ご飯と鯖の味噌煮の缶詰。インスタントの野菜スープ。
床屋以外金は何も使わず。
床屋にて待っている間も借りてきた本を読んでいる。
午前6時20分に起きて、午前0時過ぎに眠る。
---
9/24(金)
この日も作業。他に何もしていない。大詰めを迎える。
図書館には傘をもって2往復。
それ以外はずっとコンピューターに向かっている。このところずっとそう。
囚人のようだ。合間合間にいろんなことを考える。
昼、ご飯を炊いて沖縄で買ったおかずラー油2種類のうち1つを開けて食べてみる。
やたら甘ったるい。
夜、ごはんと鯖の味噌煮の缶詰。
どっちかがワカメスープでどっちかが野菜スープ。
何がなんだか、もう思い出せない。
今日も午前6時20分に目が冷める。
午前0時過ぎに眠る。
毎日同じことをずっと繰り返す。
シルバーウィークはこんなんでよかったのか。
---
9/25(土)
午前6時20分起床。
いよいよ今回のフェーズは今日で最後、図書館は最後の追い込みでなんと3往復。
本を運んできては猛スピードでチェックしてメモを取って返しに行く。
20時ぐらいには終わって一息ついて映画を観ながら焼酎のお湯割を呑むつもりが、
あともうちょっとやろうと、もうちょっととしているうちに午前1時半。
しかし提出は一通りすんだ。
朝、腹が減ってご飯を炊いて、
沖縄の食べるラー油もう1種類。こちらは甘辛い。ワカメスープ。
昼、どうにも腹が減って図書館の帰りにコンビニでバナナ2本を買う。
夕方またしても腹が減ってコンビニでおにぎり2個。
結局その後ちゃんと食べられず。
作業は最後の方朦朧としてて、終わってロフトに直行。
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9/26(日)
6時20分の目覚ましを止めて、寝続ける。
でも8時に目が覚めて起き上がる。
コンピュータを立ち上げるといつも通り夜中にたくさんのメールが飛び交っている。
ある人の質問に答えて、別な人に質問を投げて。
今日から月末までは次のフェーズの作業がある。言ってみればチェックと納品。
しかし、今日・明日ぐらいは余裕がありそう。夕方、ダンドリを考えて展開する。
朝、1本短い映画を観る。アキ・カウリスマキの『愛しのタチアナ』
もうこの人にしか作れない映画になっている。
観終わって、ふとしたことから気になって、
先日発売されたはずのメタリカのSHM-CDでの紙ジャケ再発どうなっただろうと。
HMVのサイトを観たら初期4作品は完売。慌てて amazon を見ても同様。
しまった。2枚目から4枚目までは事前に予約していていたが入荷待ち。
品薄なのかまだ届かないようだ。
5枚目は発売日が1週間ずれてて、まだ予約が間に合う。
問題は1枚目。もしかしてもう入手不可能か?
図書館に行くついでに荻窪駅LUMINEの新星堂に行ってみるものの、
小さい店舗だからか紙ジャケは1枚も売られていない。
とりあえず図書館まで行って本を返す。
ひと段落着いたので今回は何も借りない。
本を入れていた紙袋をゴミ箱に捨てる。
そのまま南阿佐ヶ谷まで歩いていって、新高円寺へ。
スタ丼の店に入って生姜丼を食べる。
思い立って新宿へ。
タワレコに行ったら1枚だけ残っていた。最後の1枚。
初期4作品はもっと前に完売していたようだった。
よかった。ついている。
ポイントが貯まって、ジミヘンの春に出た再発の初期ベストに引き換える。
帰ってきて、洗濯とクリーニング。
例の作業を再開。ひたすら段取る。
昨日までとはまた別なフェーズであれこれとやることがある。
この日は日中、日が出てそこそこ暑かった。
夜、ひと段落して久々のビール。焼酎のお湯割。
コンビニで買ったサラダと、青森から送られてきたホタテの缶詰。
ウディ・アレンの『カサンドラズ・ドリーム』を観る。
数年前のだけど、ようやく DVD になった。
その後、フェデリコ・フェリーニ監督の『オーケストラ・リハーサル』
最初10分ほど観るが、疲れきって余りにも眠く、ギブアップ。
映画そのものはフェイク・ドキュメンタリーなのだろうか、面白そうだった。
午前0時前に眠る。
[3575] 那覇一泊ツアー その8(美々ビーチ) 2010-09-26 (Sun)この日最後の予定として、波之上ビーチに行く。
歩いたら1時間もしないで着きそうだけど、バスの路線もよく分からないし
めんどくさいからタクシーで行くかとその辺に止まっていたのを捕まえる。
運転していたのは60ぐらいのおっちゃん。
波之上? と聞いて渋る。ほんとそんなとこ行きたいの?
波之上は橋だの何だのできて狭くなっちゃって蛙が遊んでるような場所だよ。
行ってもみんながっかりしてすぐ他所に行きたくなるから、タクシーが並んで待ってんだよ。
時間があるなら、なんなら遠くの美々ビーチかパラダイスビーチに行くのを勧めるけど。
ここから30分で2,500円ぐらいかかるけど、お客さん、どう?
2,500円超えたらメーター切ってあげるから。
人がいいのか、カモにされてるのか。
ま、波之上ビーチにこだわりはないので糸満市の美々ビーチにする。
帰りのタクシーは? 何なら待ってるけど。
でも17時までが勤務でそこを超えるなら同僚のタクシーを呼ばなきゃならないから、
できれば16時半ぐらいに戻ってくるようにしてもらえるとこちらとしては助かるんだけど。
美々ビーチはレンタカーか自分の車で行くような場所だからタクシーなんて一台も待ってないんだよ。
そうですね、そうさせてもらいます、となる。
14時半に着いて、16時までいてそこから荷物を預けている県庁前まで戻る。
途端運転手さんがとてもありがたがる。
今日朝の5時から乗ってて昼を過ぎて売り上げがたったの5,000円。
会社と折半だから3,000円にもならない。タバコ買って昼メシ買ったらなくなってしまう。
お客さんたちのおかげでようやく1万円超えられるよ。
聞いてみたら、那覇というか沖縄はどこに行くにもレンタカーかバスなので、
タクシーは全然儲からないのだそうな。
僕が思ってたことと違ってた。
電車がないから車の運転をしない人は観光の足にタクシーを使うんじゃないかと。
そうじゃないんですね。そもそもそういう人は沖縄に来ないか、
ツアーで来て大型バスで移動してしまう。
ふーん。そういうものなのか。
タクシーは空港方面へ。スタジアムの前を通り過ぎる。
パイナップル・パークというのがあった。
http://www.nagopain.com/
ここはなんとパイナップルが無料で食べ放題なのだと言う。
(なので金のない学生が食べに来る)
道が混んでいる。
最近アウトレットモールができてからこの辺り混雑しているって話で、
超えたらスイスイ進むようになった。
海辺が広がる。エメラルドグリーン。
沖縄の人たちからしたらたいしたことないのかもしれないけど、
東京から来た僕らからしてみればどこもかしこもきれいな海に見える。
美々ビーチに到着する。
砂浜へ。運転手さんはビーチバレーの大会が行われているかもと言ってたけど、
ネットには遊んでいる子供たち以外に人影はなく。
ビーチは水着姿の人たちでほどよく混んでいた。
売店でオリオンの生ビールを買って波打ち際に下りていく。
サンダルを脱いで波に足首を浸す。今年最初で最後の海。
というか日本でビキニ姿の女性を見るのは果たして何年ぶりだろうか?
「ハブクラゲ注意」と書かれた看板を見かける。
刺されたら痛いんだろうなー。
沖縄の獰猛なものは全て名前にハブがつくのか。
(クラゲのようにほんわかとしたハブが山奥に生息しているのだとはさすがに思わない)
防波堤に至る桟橋を歩いていく。
橋の上から海を見たら、透き通っている。群れを成す魚の姿が見えた。
歩いていると大きな音を立てて頭上を飛行機が横切った。
飛行場が近いだけあってけっこう大きい。
ベンチ代わりに並べられた、長方形に切り揃えられた岩の上に横になる。
台風がまだ遠ざかっていないのか強く吹き付けてくる風にさらされて目の前には青空。
左側からビーチで遊ぶ人たちの賑やかな喚声。右側から寄せては返す波の音。
ジワジワと照り付ける日差し。
風がもう少しだけ穏やかだったら、永遠でもいいような瞬間。
ビーチに戻って、売店の木陰の席にて16時になるのを待つ。
先輩がビールを飲む。
両肩に刺青を施したヤクザが、売店に文句をつけるのを横で聞く。
ビキニ姿の妻と娘の買おうとした何かが気に入らなかったらしい。
タクシーが待っていてくれた。
確かに他にタクシーの姿はなし。
県庁前へと引き返す。
ハブを呼び物にしている観光施設があって
昔はハブとマングースの対決をやってたもんだけど
最近は動物愛護団体からなんだかんだあってやらなくなったという。
どっちが強いんですか? と聞いたらそりゃ断然マングースだと。
もう1つ聞いた話。昔は那覇から車で30分のところに遊郭があって、
ガラス張りで遊女が待っているような店が100軒はあった。
15分で5,000円も取られちゃうんだよ。
でも摘発されて今は3件ほどしか残っていない。
国際通りも夜、静かなもんでしょう?
昔はもっと賑やかだったけど数年前に
18歳の女の子が火事で焼け死んでから取締りが厳しくなっちゃったんだよね。
タクシーは県庁前に到着し、2,100円だったのが2,000円に負けてくれた。
次来るときはガールフレンドを連れて来るんだよ、と言われる。
コインロッカーから荷物を引き上げて、モノレールに乗って空港へ。
さらば、那覇。
JALのカウンターで前日予定変更したeTicketを見せて、搭乗券に引き換える。
17時に着いて、フライトは18時50分。
暇になる。いったん自由行動にして、
18時前に集まって沖縄そばの店に入ってそばを食べる。
コーレーグースをたくさん振り掛ける。
夕暮れ時に、シルエットになった航空機が滑走路に着陸するのを見た。
飛行機に搭乗する。
『旅する巨人』の続きを読むが、疲れて眠くなる。
起きたときに飛行機は房総半島を横切っているところだった。
キラキラと光る無数の点の集まり。東京ほどゴテゴテしていない。
玩具のようだった。
ディズニーランドの観覧車が派手な色をして回転していた。
お台場の観覧車も。飛行機はそのすぐ目の前を通過する。
着陸して、モノレールに乗って帰ってくる。
後輩と消化不良だねと話す。
那覇で観光するならレンタカーは欠かせないというのと、
そもそもの離島という目的が果たせていないというのと。
来年また、挑戦することになりそう。
[3574] 那覇一泊ツアー その7(国際通り再び) 2010-09-25 (Sat)目が覚めたのが8時半。先輩も後輩もまだ眠っていた。
もってきたノートPCをインターネットにつないでメールをチェック。
浴槽にお湯を入れていっぱいになるのを待っていたところ先輩が起きてシャワーを浴びる。
出てきたときにお湯がちょうどよくなってると聞いて入れ替わりに湯船に入る。
出ると先輩はいなくなっていて、朝食に行ったのだろうと2階へ降りていく。
先輩はちょうど食べ終わった頃だった。
僕が食べだすと持ってきた『沖縄の伝説散歩』を読み始めた。
ホテルのバイキング。ラフテーの煮込み、レタスとコーンのサラダ、
沖縄風焼きそばの残りの具だけ、普通のソーセージとイカ墨のソーセージ2本ずつ、
目玉焼きにスパム。コーンスープ。
ラフテーの煮込みがホロホロと柔らかく、おいしくておかわりする。
これならご飯が何杯でも食べられる。ランチにラフテー丼があればいいのに。
テレビをつけるといいともの増刊号をやっている。
母に絵葉書を書く。
先輩は荷物を送ると言って、1階ロビーにて臨時のデスクを出していた
佐川急便の若者に段ボール箱をもらって荷造りをはじめる。
後輩を起こす。
チェックアウトは11時。荷物を預けに行った先輩がなかなか帰ってこない。
11時ちょうどになろうとしていて、携帯にかける。出ない。
部屋に先輩が入ってきたので切ろうとしたらその瞬間女性の声で「もしもし」と。
あ、と思うまもなく切ってしまった。
先輩にこの番号違います? とさっきかけたのを見せたら古い番号で今はもう使っていないと。
女性には悪いことをしてしまった。いたずら電話と思われただろうな。
かといって掛け直して間違いですすみませんとわざわざ言うのもどうかって感じだし。
チェックアウトして荷物を県庁前のデパートのコインロッカーに預ける。
国際通りを歩く。
この日の予定は最初僕の希望で、
国際通りのアロハの店を物色、タワレコ、沖映通りに入ってしばらく歩いたジュンク堂へ。
その後、ビーチへ。一番近いところということで
波之上ビーチに行ってみようとバスのルートを検索してみた。
アロハの店は前日の「Mango House」にて買うかどうか迷ったヤンバルの森の色違いで緑を。
もう一軒通りの向こうの別の支店にてデイゴボーダーの赤を買う。
これで今回の旅で3着買ったことになる。
「塩屋」(まーすや)という塩の専門店を見つける。世界中の塩を売っている。
http://www.ma-suya.net/
塩の入ったソフトクリームを食べる。おいしい。
無料の、塩の入ったミネラルウォーターもおいしかった。
妹夫婦に塩の詰め合わせを送って、自分には塩の図鑑というのを買う。
http://www.ma-suya.net/?page_id=9651
タワレコへ。OPAの6階にあった。
OPAって大阪でも京都でも見かけたけど関西以西に強いファッションビルなのか。
ほぼ1フロア、タワレコ。思ったよりも大きな店舗だった。
沖縄コーナーがあった。りんけんバンドのエイサー集「島中七月」を買う。
あれれ? と思ったのが喜納昌吉&チャンプルーズのCDが一枚もない。
仕切りすらない。もしかしてタワレコは
喜納昌吉に対してなんらか距離感を置こうとしているのか・・・?
ますます沖縄人にとっての喜納昌吉ってのが気になった。
いや、実は都内でも入手困難なのか。
沖縄出身のFLiPという新人ガールズバンドが大きくフィーチャーされていて、
気になったので買ってみる。
メジャーからの2枚目のミニアルバムが発売されたばかりのようだ。
ジャケがいいので1枚目の方にする。どちらもいしわたり淳治がプロデュース。
「涙そうそう」や「島歌」など沖縄の有名な曲を集めたオムニバスを買おうかどうか迷ってやめる。
沖縄には関係ないが、店頭に在庫があるときに入手しておかないとと
奥田民生とくるりのそれぞれの新譜の初回限定盤ボーナスDVD付きを買う。
自販機でミネラルウォーターを買おうとしたら
「東村の天然水 やんばるの森のおくりもの」というのがあった。
飲んでみたらとてもおいしかった。サラサラしっとりとしている。
特に喉が渇いていたわけではなくて、普通のときに普通に飲んだんだけど。
東京でも売られてたらいいのに。
これからビーチに行くということで、日焼け止めを顔と肩、腕に塗る。
ジュンク堂へ。3階建てだっただろうか。とても大きい。
沖縄に関する本の大きなコーナーがあって、ここで面白そうな本がないかメモを取る。
国際通りに戻って、昼メシ。
通りは歩行者天国になって、沖縄民謡が流れ、子供たちが用意された楽器の玩具で遊んでいた。
アグー豚が食べたいというリクエストにより適当に見つけて入る。
昨日の昼が豪華だったので手ごろな値段の店にしたんだけど、
アグー豚の焼肉のランチが案の定冷凍でたいしたことなかった。
沖縄だから何でも安くておいしいってわけではないんですね。
[3573] 那覇一泊ツアー その6(喜納昌吉&チャンプルーズ) 2010-09-24 (Fri)「沖縄プロレス」を出て、さて本格的に飲むかという時間帯
とはいえせっかく沖縄に来たので沖縄民謡を聴きたい、となる。
そういえば喜納昌吉のライブハウス「チャクラ」があったなあとそちらへ向かう。
まさか本人が出てきて毎晩演奏するとは思えないが・・・
参議院議員を終えてからも政治家としての活動が忙しいだろうし。
1階の入り口は喜納昌吉出演ってことでババーンと宣伝してて、
それがなんだか逆に安っぽい。
エレベーターに上って3階へ。
入ってみるとライブハウスというより地方のスナックって感じ。
暗いというのではなく薄暗く、ちょっと不安になる。
奥に入ってみると正にそうで、スナックテーブルとスナックソファー。
そのまん前にステージ。ちょうど空いてて、ステージ真正面の席となった。
ライブチャージが1,500円で、+1ドリンクオーダーとなっている。
生ビールを頼んで飲む。ミミガー、島らっきょう、海ぶどう。
他に客はまばらで、さらに不安になる。
もしかして沖縄にとって喜納昌吉ってのはもはや距離のある存在なのか。
年を経てその音楽が分かりにくいものになってしまったのか、
政治家としての活動が近寄りがたくしているのか。
普通の人々にとって沖縄の音楽ってのは
オーソドックスな古典芸能をアツく演奏するか、
モンゴル800やかりゆし58のようなパンク系インディーズ、
BEGINのメロディー系のような若手の音楽、このどちらかでしかないのかもしれない。
かつて「ウチナー・ポップ」と呼ばれた、例えば
りんけんバンドとかネーネーズってのは沖縄の人にとってどういう存在なのだろう?
俗世間の時流に乗るつもりのない喜納昌吉は
「時代遅れ」になって、忘れられようとしているのかもしれない。
ステージは1日に5回あって、
週末の3回目、21時の回に喜納昌吉&チャンプルーズが出演するという。
あ、もしかして終わったばかりか。
でも聞いたところでは今日は都合により元々出ていなかったとのこと。
三線の男女と歌い手の女性の3人組がステージに立って、
沖縄民謡を演奏する。うまい。やはりうまい。
歌い手の三羽(カスタネットみたいなもの)も神業のようだった。
詳しくないので曲名は覚えてないんだけど、
歌詞や曲名の意味を解説、例えば
宮古島の言葉は沖縄本島の人にもなかなか分かりにくくて、といった話が挟まる。
県外から来た人たちへのサービスのために「涙そうそう」「島歌」も歌われる。
「涙そうそう」はこうやって生で、他の人が歌うのを聞いても、ほんと名曲だなあ・・・
曲によっては僕らは合いの手を求められたり、その場でカチャーシーを。
お客さんの中に今日誕生日だという人がいて、
三線でハッピーバースデーの歌が歌われる。
30分ほどで終わって、スクリーンには喜納昌吉が関西のテレビ局の
『となりの人間国宝さん』という番組出演したときの様子が映し出されている。
このライブハウスの中でチャンプルーズをバックに、
という場面で先ほどの3人の方たちが映っている。
少なくとも三線の女性は喜納昌吉の妹だったのでは。
チャンプルーズってどこまでがメンバーで
どこまでがサポートだったり音楽仲間なのかゆるやかなところがありそうだけど、
今の3人は広い意味で捉えるならばチャンプルーズだったのか。
休憩後、この日最後のステージへ。
キーボード、ドラム、アコースティックギター、マンドリン、バイオリンという編成で
スタンダードナンバーとして「好きにならずにいられない」と「枯葉」を披露。
マンドリンが先ほどの三線の男性で、バイオリンが歌い手の方。
残りのメンバーはどう見てもチャンプルーズだよな。
この2人だけとなって、バックの演奏のテープを流しつつ
また三線と歌い手に戻って沖縄民謡などを披露。
BEGINの「島人ぬ宝」や民謡の「安里屋ユンタ」
何の曲だったかご当地ソングでサビの「オキナワヨイトコ」の部分を
お客さん一組ずつどこから来たのか歌う前に聞いて、当てはめていくというものを。
「トーキョーヨイトコ」というように。
そして、喜納昌吉の「花」はお客さん全員がステージに上がって大合唱。
〆はそのままカチャーシーで踊りましょうとなる。
踊るのが苦手な僕はトイレに行って
その後ライブハウスの壁にたくさん貼られた
喜納昌吉と各界の著名人とで撮影した写真を眺めた。
たくさんありすぎて覚えてないんだけど、Coccoの写真があったように思う。
一枚だけ印象に強く残ったのが、父・喜納昌永や恐らく祖父だろうか、
沖縄民謡の重鎮たる錚々たる面々3名が三線を抱えて並んでいて、
その右端に若き日の喜納昌吉がギターを抱えて写っているというもの。
ライブハウス限定で選曲・発売されている喜納昌吉のベストを買うかどうか迷う。
「ハイサイおじさん」に始まり、「花」に終わる。
3,000円と高く、結局買わない。CD-Rで作ったような安さがどこかにあって。
終了後、席に戻ると先ほどの三線の方が僕らの席で後輩や先輩と話していた。
気さくな方で、僕が青森出身だと話すと
「残念なことにチャンプルーズは青森行ったことないんだよね。是非青森に呼んでよ」と。
チャンプルーズは全国回っているようなイメージをもっていたんだけど、
秋田とかあの辺りは訪れていないのだという。
おすすめのビーチはどこですか?と聞いたら、
遠くでよければ自然のだと(忘れてしまった…)
人口だと近いのはキラキラビーチかな、と教えてもらった。
もう何年とここでは毎日のように、日によって出演する人たちが変わりつつも
県外の素人の客のために「安里屋ユンタ」が演奏され、
「涙そうそう」「島歌」「島人ぬ宝」が歌われ、「花」の大合唱とカチューシーなのだ。
大変だよなあと思う。そこに音楽の喜びがあるのだろうか、ないのだろうか。
毎日同じような曲目を判で押したように演奏する。
だけど客の中にはとても楽しそうにする人だっているだろうし、
沖縄民謡って生で聞くと素晴らしい! と思う人だっているだろう。
複雑だ。
午前0時近く。店を出て、遅くまでやってる店を探す。
予想に反してどこもかしこも店はしまっている。
沖縄の夜は遅いってのはここ国際通りには当てはまらないのか。
黒人の客を集めたクラブが通りに2軒と安手のチェーン店がいくつか営業しているだけ。
そのうちの1つ、ディスコ?(クラブ?)の系列店に入って
オリオンビールが1杯100円、その他のフードもものによっては380円。
泡盛「残波」をボトルで頼んで、水と氷を。
豆腐チャンプルーやラフテー、グルクンの唐揚を食べる。
午前2時頃まで飲んで帰ってくる。
コンビニに寄った際に、酔ってたこともあって
ふと目に留まった『沖縄の伝説散歩』という小冊子を買う。
シャワーを浴びて部屋に戻ったら先輩も後輩もテレビをつけたまま寝ていた。
テレビと照明を消して眠る。
[3572] 那覇一泊ツアー その5(沖縄プロレス) 2010-09-23 (Thu)牧志の駅を出て、「沖縄プロレス」の会場の入ったビルを探す。
ビルの5階。ただでさえ小さなビルばかりなのに
(国際通りも7・8階より高い建物を見かけない)
その5階ともあればとてつもなく小さい場所で行われているんだろうな。
夜になって通りは人通りが賑やかになる。若い子ばかり。
三線を抱えた若者が居酒屋の客引きのために立っている。
オリオンビール1杯100円なんて店もある。
多くの居酒屋・飲食店にて夜、沖縄民謡の演奏がなされる。
ない方が少ないんじゃないか? と思えるぐらい。
もうそれぐらい歌い手や奏者が大勢いるのだろう。
よほど名の通ってない限りそれだけで食ってる人は少なくて、
小さい頃より楽器は手にしているけど
昼間は別の仕事をしてっていう人が多いのかな。
これら夜通し歌ったり奏でられてるってことはなくて、
大物なのか名前が出ている人のステージは19時と21時だとか何回かに分かれていた。
店によっては即に三線二本と歌い手といった編成で盛り上がっているのが外から見えた。
沖縄民謡に限らず、アコギ弾き語りの若者の出演する店もあった。
沖縄インディーズ系に繋がっていくのだろう。
19時、歩き回った末にようやくビルを見つけて
(昼に食べた鉄板焼きの「翆」のすぐ隣だった)
エレベーターで5階に上がったら試合開始20時に対して、開場は19時半だという。
閉まったドアの向こうからはドタンバタンとリングの上で練習する音が聞こえた。
少し暇ができて国際通りをまたブラブラする。
歩いていて気になった市場本通りに入ってみる。
小さな店がひしめいていて、アジア的熱気が感じられそう。
入り口にあった御土産物の店にドラゴンフルーツが売られていて、
小ぶりのものだと1つ100円。その場で食べられるというので切ってもらう。
身は大きいとゲンコツサイズ。
赤紫色で毒々しい色をしていて、
周りの花びらが咲き誇るようにめくれ上がっている。
食べてみるとキウイのようだった。中にゴマのような黒い種も入っていたし。
沖縄プロレスへと引き返す。
エレベーターを上って再度5階へ。
ホテルで見たと言えば1,000円引きということで、自由席2,500円で見ることができた。
筋金入りのファンは指定席を予約までしていた。
この指定席はリングサイド正面にパイプ椅子が10個ほど並んでいるだけ。
自由席はリングの横、右側と左側。早めに入ったので最前列の席となった。
全部で入れるのは70人ぐらいかな。ジムよりも小さい。
水曜以外は毎晩、この自前の会場で試合を行っている。
「沖縄プロレス」とは、ホームページを見ると
「沖縄に新名所誕生!!笑って・飛んで・闘って
家族で楽しめる極上のバトルファンタジー!」とあるように、
http://okinawa-prowres.jp/
笑えるファンタジーとしてのプロレスなんですね。
真剣勝負のストイックな格闘技ではない。
みちのくプロレスを経て大阪プロレスを立ち上げたスペル・デルフィンが
脱退後、2008年に旗揚げ。まだ2年目という若い団体。
(なお、なぜ沖縄かというとスペル・デルフィンの妻が早坂好恵で、沖縄出身だからか)
全員がマスクをしていて、レスラーの名前も
「怪人ハブ男」「ミル・マングース」「シーサー王」「グルクン・ダイバー」
「めんそ〜れ親父」「ヤンバルクイーンナ」「ゴーヤーマスク」など
コスチュームもまたそれらしく、沖縄由来のキャラクターとなっている。
なんだかものすごくパチもん的。まずは笑って! という感じ。
でも全員が全員沖縄出身ではなくて、元大阪プロレスのレスラーが多いのかな。
グッズ売り場では所属選手のTシャツやサイン入りのブロマイドが売られていた。
僕はパンフレットを買った。
読むと「出張MAP」のページに「ジャスコ那覇店」説明に「定期的開催」とあったのが泣ける。
仮面ライダーショーを思い出す。
他にも「航空自衛隊エアーフェスタ」や「やんばるの産業祭り」などイベントに参加。
地域密着型というかこういう町づくりへの関わり方もいいなあと思う。
本来はビールの売り子の女の子がいるそうだが、この日は休み。
後輩が外に出てコンビニにオリオンビールを買いに行く。
トイレに入っているとマスクをした選手が普通に入ってくる。
試合開始前もリングと控え室の間を盛んに出入りする。
売店に座っている若者もそうだったし、男性スタッフは皆マスクをしていて選手と区別がつかない。
この日、メインの選手である「怪人ハブ男」は東京遠征のため不在。
20時を過ぎて試合開始。
まずはめんそ〜れ親父、シーサー王、ミル・マングース、エイサーエイトによるユニット
「親父倶楽部」が沖縄民謡の演奏を2曲披露。
エイサーエイトがその名の通りエイサーの太鼓を叩き、親父が謡って
シーサー王とミル・マングースが1曲ずつ三線。
シーサー王の腕前はなかなかだったが
ミル・マングースは超初心者で弦を押さえるのも覚束なくてハラハラした。
でも、こういうサービス精神がいいよね。
観光名所を目指すと言い切るだけあって、ベタだけどそつがない。
(最初、会場に入ってリング内にマイク2本とパイプ椅子が置いてあるのを見て、
マイクパフォーマンス用と凶器の準備かと思った)
3試合あって、1試合目は
めんそ〜れ親父 vs グルクンダイバー
青コーナー、赤コーナーとあったがどちらも同じ控え室のドアから出てくる。
親父は最前列に座る僕ら1人1人にタッチしていく。他の選手もそうする人たちが多かった。
めんそ〜れ親父は名前からして色モノ。頭には沖縄ソバを乗せている。
最弱のはみ出しものかと思いきや試合前に民謡を歌うなどこの沖縄プロレスのキーマンというか
精神的なリーダーのような存在であった。
スペル・デルフィンが沖縄にプロレス団体を作りたいとなったとき、
最初に相談したのは彼だったのではないか。
リングに上がると、応援する選手のカラーの紙テープを投げようということで何本か空に舞った。
それら片付けて、試合開始。
・・・ゆるい。むちゃくちゃゆるい。大学のプロレス研究会並み。
暗黙の段取りだけでコーナーポストに追い詰めたり、ロープまで走ったり。
投げるのも組み合うのも
ああこれ間合い外してるけど無理やりやってんなあという瞬間が多々あった。
振り付けでやってます、というような。冗談でしかない。
とりあえず場内に飛んでみたり、
親父は(たぶん毎回やってるんだろうけど)ロープの上を綱渡りする芸も披露。
それがツカミの時間が終わったのか、後半になってくると少しずつ本格的になってきて、
スピードも組み合う精度も増す。
思わぬ空中戦になったり大技が繰り出されたりして
見ててこちらも「おおー!!」と歓声を挙げて笑顔になる。
でもまあ結局はお約束どおり親父が勝利。
2試合目はタッグマッチで
シーサー王&エイサー8 vs ミル・マングース&ヤンバルクイーンナ
ヤンバルクイーンナは沖縄プロレス初の女子レスラーで、
小柄なのに太ももが僕よりも太かった。相当鍛えてんだな。
シーサー王は巨漢で見るからに強そうだった。試合前にパワーストーンをかざす。
ここで最も興味深かったのはミル・マングース。
通称「1000のハブを噛む男」なんだけど、ダントツのスピード感で技巧派。
もっとちゃんと見てみたくなった。
休憩時間が挟まる。
独自の携帯サイトがあって、会員登録お願いしますと呼びかけて回る。
地道な営業が行われる。
3試合目は全員がリングに上がってバトルロイヤル。
全員でバックドロップ、全員で数珠繋ぎになってヘッドロックをしたり。
お約束過ぎるんだけど腹抱えて笑った。下手なお笑い番組よりよっぽど面白い。
これは見るに値する。沖縄の新名所にふさわしい。
久々に僕、心の底から夢中になって笑ってた。
最後は主な選手が揃ってリングサイドで記念撮影。。
サービス精神旺盛すぎる。
もちろん僕らも撮ってもらった。
めんそーれ親父と握手
「沖縄プロレス」いいね。
今回一番の収穫。台風が来なかったら、出会うことはなかった。
[3571] 那覇一泊ツアー その4(首里城) 2010-09-22 (Wed)国際通りの反対端まで行って、モノレールの牧志駅から首里駅へ。
夕暮れの中をゆっくりと走っていく。
あ、あれが城なんだろうなという小さな森が目の前を通り過ぎる。
吊革広告を見て、モンゴル800の主催するフェスが
10/2(土)と10/3(日)に宜野湾市の公園だったかで開催されることを知る。
初日のトリが奥田民生で、次の日がYO-KINGだった。見たい。
沖縄のフェスって心地よさそう。
駅を出てしばらく歩く。首里城の周りが公園となっていて、階段を上っていく。
東屋を中学生か高校生の女の子たちが集まって楽しそうに話し込んでいる。
公園の坂道から見下ろす民家のつくりが瓦が丸まっていたりで沖縄っぽい。
門に差し掛かる。末広がりで筋の多い屋根の構えが
どちらかと言えばソウルで見かけたものに近い。
日本というよりはアジアなんだな、と思う。
「勧会門」をくぐって、中に入る。またさらに石段を上る。
正殿へ入るための入場料800円を払う。高い。
(後で気がついたんだけど、JTBから受け取ったあれこれの中に
無料で入れるクーポン券が添付されていた。もったいないことをした)
首里城については、
http://oki-park.jp/shurijo-park/index.html
首里城そのものは沖縄戦により破壊され、今あるのは復元されたもの。
その工事も完全には終わってなくて現在も続けられている。
この一帯は世界遺産にも登録されているが、城そのものではなく城跡として。
奉神門から御庭へ。右も左も朱塗り。日本唯一の赤い城だという。
だけど正殿は工事中。
本当ならばこの18日の土曜日と19日の日曜日、
「中秋の宴」という古典芸能を披露する催し物が開かれることになっていたのに
台風の影響で中止。御庭にはステージだけがポツンと残されていた。
本来、南殿→正殿→北殿と辿るはずが、よく分かってなくていきなり北殿へ。
これが首里城の歴史をパネルで紹介したり、
ビデオを流していたりその隣がお土産屋でなんだかがっくし。
なんだ全国各地にあるミニ博物館系の城だったのかと。
母に送る絵葉書と自分用に琉球全図の大型絵葉書を買う。
続けて南殿へ。こちらの方はあれこれと珍しい文化財を展示していた。
(でも実は何があったのかあまり記憶がない)
人気のない通路に琉球王朝歴代の王様の肖像画の複製が飾られていた。
正殿へ。朱塗りの豪華な玉座と、改修作業の手順を紹介するコーナーがあった。
やはり復元されたものだけあって、
何かひたひたと歴史の重みを「気」として感じさせるものに乏しい。
博物館の展示の、原寸大の模型の中を歩いているような。
奉神門を出て外へ。
適当にブラブラと歩いているうちに高台へ。那覇の街を見下ろす。
風が強くて、背の低い壁に座っていると気持ちがよかった。
さらにまたブラブラと歩く。西の方に坂を下っていく。
朱礼門はくぐらず。駅へと引き返す。
途中、池を見つけて寄り道をする。円観池というらしい。
天女橋を渡ると弁才天堂というこじんまりとしたお堂がある。
白地に赤の模様の入った水鳥が何羽もいて、
人を怖がらないのか近寄っても逃げない。
日が暮れる。
モノレールの駅まで引き返して、牧志まで戻る。
夜はホテルの部屋の案内で見かけた「沖縄プロレス」を見て、
その後沖縄民謡を聴きながら酒を飲むということにする。
(話の流れ的にここじゃないんだけど、忘れないうちに。
那覇に行く間はことあるごとに出会う人で会う人皆から
那覇は始めて? もしかして今回の台風で足止めに?
と聞かれた。やがてこちらからも聞かれなくても、
いやー石垣島に行きたかったんですよね・・・、と言うようになった)
[3570] 那覇一泊ツアー その3(国際通り) 2010-09-21 (Tue)モノレールに乗って、始発の那覇空港から県庁前の駅へ。
車両の先頭、運転席の真後ろに並ぶ席に座って眺めがいい。
那覇はけっこう開けてるね、という印象をもつ。
緑が多そうでゆったり気味の雰囲気があるが、
それでも日本の中堅都市であることには変わらない。
モノレールは僕らみたいな旅行者だけではなく
高校生や地元の人たちを乗せて走る。心なしかのんびりしている。
台風が遠くで近付いているということもあって
風が強く椰子の木っぽい南国の木が揺れている。
先輩が見つけた無料の沖縄「るるぶ」をガイドブック代わりにする。
無料だけあって広告がメイン、店のクーポンを集めたようなもの。
しかし国際通り周りの地理が分かった。
いやー今回本当に想定外で観光で那覇を見て回ること、一切考えていなかった。
なのでどこに何があるのか分からず。
首里城が那覇市内にあると知ってじゃあそれは見るか、となる。
しかし、有名な「沖縄美ら海水族館」って那覇じゃ全然ないんですね。
「るるぶ」を見ても場所を見つけるのに手間取った。
ようやく見つけて、那覇が沖縄本島の南端にあるとしたら
水族館は反対側の方。これってレンタカーがないと無理。
同じく有名な「青の洞窟」はその間ぐらいか。
いやー、もしかして那覇市街から出られないとしたら
沖縄って見るものあんまりないのか?
台風が直撃して足止めになるってよほど運の悪い人であって、
この僕には無縁のことと思っていた。それが遂に・・・
15分ぐらいで県庁前の駅へ到着する。国際通りの入り口。
「おきなわや」という大きな土産物屋の看板と店舗がホームから見えた。
国際通りを歩いて、昼食べる場所を選ぶ。
通りの両方とも土産物屋ばかり。
地域限定ぷっちょだとか土産物全般を扱う店だったり、
黒糖といった特産物に軸足を置いた店だったり、泡盛専門店だったり。
泡盛専門店は軒先に、客寄せのためなのだろう、
ガラスの甕にハブをつけた酒を飾っている。高いのだと一甕15万。
通りは賑やかでカラフルでどの店もコマゴマとしたみやげ物でつまっていて、
まるで沖縄版の原宿のよう。
「日本一ふざけたTシャツ屋(自称)」ってのの店舗があちこちにあって、
「海人」や「島人」と書かれたTシャツに混じって、
「裸で何が悪い」とか「こんな会社やめてやる!」って書かれたTシャツを売っていた。
いろんな単語やいろんなセリフの、いろんなカラーのがあって、
オーダーメイドもできるとのこと。
http://www.cosmic-world.net/search/index.php?cate_id=1100
昼時。さっそく沖縄料理を食べるかと探すが、
土産物屋ばかりでこれはという店が見つからない。
石垣牛やアグー豚、エビの鉄板焼き・ステーキの店ばかり。
そのうちの一つ、一番シックで一番高そうな「翆」という店に入る。
http://r.gnavi.co.jp/f194403/
メニューは全てコースで
オーストラリア産特選テンダロインステーキで\2,940から。
石垣牛のももステーキが\5,040から。一番高いヒレステーキだと\12,390となる。
石垣牛のももステーキにする。ま、いいか。
予定が狂ってつかえるお金はたくさんある。
女性スタッフが目の前の鉄板で丁寧に焼いてくれる。さすがにうまかった。
メニューを書き写すと、
・サラダ
・野菜のオリーブ炒め
・島豆腐と紅いもの鉄板焼
・メイン・ディッシュ
・ゴーヤ・チャンプルー
・中味のおすまし
・新潟コシヒカリ炊立て御飯
・お漬物
・沖縄風ぜんざい
ビールを3杯飲んで、後輩が頼んでたエビが食べたくなって僕も一尾追加。
半分に切った伊勢えびをオリーブオイルで焼く。頭はヘラで煎餅のようにつぶして焼く。
自家製の粗造りなタルタルソースにつけて食べる。肉もさることながらエビもうまかった。
肉はミディアム・レアで。
2/3を最初に焼いて、残り1/3を食べてる途中に焼いて、アツアツが食べれるようにする。
この気配りが嬉しい。
炒めたガーリックチップを付け合せに
小粒の唐辛子を一本丸ごと入れた特性のソースにつけて食べる。
鉄板でジュワッと手際よく炒めるゴーヤ・チャンプルーもよし。
おすましは椎茸と、あれはなんだったのだろう?
ミミガーっぽいコリコリした何かを柔らかくしたものだった。
デザートはカキ氷を乗せた沖縄風ぜんざい。
ホテルがそのすぐ裏にあって、チェックイン。
荷物を置いてさっそくまた国際通りへ。
僕は歩いている途中で気になったアロハシャツの店に入る。「MANGO HOUSE」
http://www.mangohouse.jp/
さっそく一枚買う。赤とオレンジでヤンバルの森を描いた派手なやつ。
6,000円と安い。着てたTシャツを脱いでこちらに着替えて沖縄を歩く。
「MANGO HOUSE」は国際通りの端から端まで4軒ぐらいあっただろうか。
その他にも古着屋系のアロハの店を物色する。
宮里藍応援カフェと書かれて看板に大きく顔写真の載った店があった。
歩いているうちにたまたま目に留まった泡盛の店に入る。
取り扱っている銘柄の数については県内最大級だという。
地下を降りていくと蔵にずらりと並んだ泡盛の数たるや壮観。
数え切れない。覚えられない。
いくらでも試飲可能ということで店の人にあれやこれや飲ませてもらった。
芋焼酎っぽいもの、飲みやすくさらっとしているもの、
コクがあって後からじわっと来るもの。
7・8種類飲ませてもらったが銘柄は1つも覚えられず。
ハブ酒について聞く。ハブが入っているとそれなりにエキスが出るが、
永遠に出続けるものでもなく、結局は見た目とか飾りの意味合いが大きい。
一回飲み切ったらそれで終わりではなくて、
ハブ酒専用の泡盛を継ぎ足すことができる。
次に聞いた話で、沖縄に住んでいる人に好きな銘柄は何ですか?
と聞くと「残波」と答える人が多いけど
それって限定品で手に入りにくいとかそういうことではなくて、
地元のマックスバリュで普通に買えて
ただ単にいつも飲んでるというだけとのこと。
あと、沖縄の人は夜延々と飲むためロックではなく、
ほとんどの場合水で割って飲む。
お土産用にハブ酒の小さなビンと泡盛のミニボトル、
会社で配るために何種類かのハイチュウを買う。
食べるラー油のいろんなのが出ていて、2種類買う。
これら宅配便でお客さんのオフィスに送る。
食べるラー油は沖縄のいろんなメーカーから出ていて、
10種類ぐらいはあったのではなかろうか。
やはり島唐辛子に泡盛にという食材。
名物といえば、空港で「やぎみるく」というのが売られていた。
泡盛を買ったのは「古酒家」という店。
http://koosya.jp/
その隣の「鍵石」という民芸品の店にて、母から頼まれていた湯飲み、
これでいいだろうというのを見つけて青森に送る。
[3569] 那覇一泊ツアー その2(那覇へ) 2010-09-20 (Mon)17日の金曜日。
1週間の休みを前にして公私共に片付けておくべきことがたくさんあってバタバタする。
そんな中、夕方、携帯に電話が掛かってくる。
同じ人から昼過ぎと夕方、2回。留守電も入っている。
何だろうと思って聞いてみるとJTBからで、至急連絡をくださいと。電話で話す。
明日から明後日にかけて石垣島に台風が接近するのですが、
旅行をキャンセルしますか? 今なら台風という事情なので全額払い戻しできます。
聞くと、明日の朝空港で様子を見てキャンセルすることも可能だという。
だったら明日判断しますということにしたんだけど、
問題なのは僕が今回利用したJTBの神保町店が土日祝日休みの営業形態なので、
明日になって電話しようとしても対応不可だということ。
旅行の案内の中にはその際の連絡先が記載してあるようなので、ま、いいかと思う。
先輩と後輩には相談せず。じゃあキャンセルしようと言い出すとも思えず。
僕自身、ここまで来たからには、と成り行きに任せてみたい気持ちになる。
帰って来て、持っていく物をボストンバッグに詰める。
着替え、ノートPCとシェーバー、まっぷるの宮古島・石垣島など。
一応念のため水着をもっていく。昼に買った日焼け止め。タワレコのタオル。それぐらい。
翌朝、18日の土曜日。5時起き。
東京は快晴。石垣島の天候には関係がないが。
天気予報で台風の進路を確認する。
まっすぐ西に向かっているようで少なくとも日本縦断みたいなことにはならない。
しかし牛歩のごとくノロノロしていて18日朝が宮古島の南で、19日の朝が石垣島の南。
サーッと抜けていくことはないようだ。
とりあえず荷物を抱えて出発する。
丸の内線で銀座へ、有楽町から山手線で浜松町へ、モノレールに乗り換えて羽田へ。
道中は佐野眞一の『旅する巨人』を読む。宮本常一と渋沢敬三に関する評伝。面白い。
羽田空港の第2ターミナル、ANA側へ。
台風情報が出ていてバタバタしている、という雰囲気は全くなし。
那覇行きも欠航していない。なんだ、なんとかなるんだなと思う。
先輩と後輩と落ち合って、手荷物検査を受けて搭乗ゲートへ。
しばらく待って機内に乗り込む。ごく普通に飛行機は離陸する。那覇へ。
石垣島には行けても、台風が来てて明日の波照間島往復は無理かもね、と話す。
ANAの国内線は水かお茶ぐらいしか出なかったんだけど
前の座席の網に挟まれていた冊子を見てみたら、
ANAって世界で初めて機内で生ビールが飲めるんですね。
プレムアムモルツとエビスとあともう一つ、思い出せず。1杯1,000円。
「COEDO」という缶ビールも販売ラインナップにあった。
気になったけど、朝イチではさすがに飲まず。
ANAの独自ブランドか? と思って後で調べてみたら違ってて、
埼玉のプレミアムな地ビールの会社だった。
2時間のフライトの半分以上を眠って過ごす。
最近のバタバタで何かと疲れていた。
目が覚めると窓の外を見る。ああ、あれは三浦半島かと思う。
巨大な地図をスクリーンで眺めているかのよう。
富士山と思われる山が雲の上からてっぺんを覗かせていた。
しかし全体的に赤茶けていて冠雪なし。別な山だったかもしれない。
名古屋かどっかを過ぎてあれは海岸線が平らな場所だったが、
そこを過ぎてから飛行機は本州を離れた。
見渡す限り海、というルートを辿る。
千切れた白い雲が無数に浮かんでいる。
小さなわずかばかりの波が斑点のように青い海を覆う。
那覇が近付いて、眼圧の痛みが左目を。
針で刺すような。目を開けていられなくなる。
最近なかったので油断した。
チラッと目を開けて窓の外を見るとかすかにエメラルドグリーンの海が。
那覇到着。このところ涼しかった東京と違って、やはりまだ暑い。
石垣島行きの乗り換えは1時間後。搭乗ゲートには大勢の人が集まっていた。
欠航・キャンセルの表示もない。
暇つぶしのため免税店でも見るかと歩いていたら、アナウンスが。
JALもANAも本日の石垣島・宮古島方面は全便欠航となったと。
引き返して搭乗ゲートの表示を見たら確かに欠航。
しかし、椅子に座っている多くの人たちが平然としている。
夕方にでも飛ぶことを期待して、終日キャンセルをするつもりなのだろうか?
実はこれ、隣の羽田行きを待っていた人たちであって、
搭乗が始まったら一斉に立ち上がっていなくなった。
取り残されたのは僕らとあと数名程度。
やばい、と思う。これから先どうしよう?
JTBに電話する。台風で飛べなくなったとき用の
フリーダイヤルの電話番号が記載されていて、そこに掛けてみる。
残念なことに、ここの番号は復路で台風にあったとき専用なのだという。往路は対象外。
つかえねー。軽く苛立つ。
まずは予約を取った店舗に連絡を取ってくださいと言われ、
ムッとして土日休みのとこなんですけどと返したら
一般的にどうするべきかを説明してくれた。
航空会社のカウンターに行って空席待ちをするか、引き返すならば航空券を交換する。
宿は自分でキャンセルの連絡を入れなくてはならない。
電話を切って立ち上がり、まずは搭乗ゲートのANAのカウンターへ。
3階の1番というカウンターがキャンセル待ちの申し込みなので
そちらに行ってくださいと申し訳なさそうに言われる。
だけど明後日20日の分まで即にいっぱいになっているそうで・・・
出発ロビーを出て3階に行ってみたらその1番カウンターは長蛇の列。
スピーカーを持った係員が立っていて、
台風接近に伴う運行情報のお知らせを貼りだした大きな紙が背後に。
ウネウネとした行列は果てしなく連なり、
苛立ちや諦めのどんよりとした雰囲気に包まれている。
どうする? と2人に相談してこれはもう間違いなく、
明後日以後のキャンセル待ちでも危ういんじゃないかと。
石垣島に行かないことには波照間島も与那国島もない。
しょーがない帰りますか、ということで意見が一致する。
まあでもせっかくだから那覇で一泊するか。
石垣島と与那国島の宿泊先に電話してキャンセルする。
よくあることで慣れているのだろう、どちらもサバサバと応対される。
しかし困ったことに明日の波照間島往復のフェリーが何度電話しても電話に出ない。
留守電にすらなっていない。キャンセルできずに払い戻し不可となったりしないか。
ひたすら気を揉む。
隣の2番カウンターがフライトの変更・キャンセルが可能とのことで
そちらは全然空いていた。
欠航証明書を人数分もらって、乗り継ぎの石垣島へのフライトをキャンセルする。
石垣島→与那国島と帰りの東京行きはJALなので、今度はそちらに行って手続きする。
22日の那覇→羽田のフライトを19日に振り替える。空席があって問題なく変更できた。
最後、JTBのカウンターに行って今日一泊するホテルを予約する。
こちらも繁華街、国際通りのホテルがトリプルで取れた。
那覇は初めてですってことでモノレールの駅から近く。
台風によるトラブル価格だったか係員の男性はホテルの人にそんなふうに言ってて、
一泊6,500円となった。
最後にフェリー会社の電話番号を確認する。
手元にあったマップルの記載の通りかと。調べてもらったらその通りだという。
台風で終日欠航となったとき、事務所には誰もいなくて閉鎖されているのかもしれない。
その後何度かけても、次の日の朝にかけてもやはりつながらなかった。
波照間島のフェリー以外は一通り手続きが済んで、気を取り直して那覇へ。
[3568] 那覇一泊ツアー その1(元々の旅程) 2010-09-19 (Sun)会社の先輩と後輩と3人で行く小旅行。
3年前のソウル、2年前のバンコク、去年はお休みで、今年は遂に沖縄離島。
というか八重山諸島。
そのうち、石垣〜波照間島〜与那国島。
こんな旅程をたてる。話し始めたのは5月頃だっただろうか。
7月上旬にはJTBに行って航空券と宿とフェリーを手配した。
――――――――――――――――――――――――――――――
9/18(土) 東京→(那覇)→石垣島
――――――――――――――――――――――――――――――
08:45 - 11:15 羽田−那覇 (飛行機) ANA0123
12:30 - 13:30 那覇−石垣 (飛行機) ANA1769
石垣島のホテルに宿泊
石垣島か与那国島のどちらかで最低一度は夜、
沖縄民謡を聞きたい
――――――――――――――――――――――――――――――
9/19(日) 波照間島日帰り
――――――――――――――――――――――――――――――
08:20 - 09:20 石垣−波照間 (フェリー)
16:45 - 17:45 波照間−石垣 (フェリー)
日本最南端の碑を見に行く
石垣島のホテルに宿泊
――――――――――――――――――――――――――――――
9/20(月) 石垣島→与那国島
――――――――――――――――――――――――――――――
09:55 - 10:25 石垣−与那国 (飛行機) JTA0961
与那国島の民宿に宿泊
――――――――――――――――――――――――――――――
9/21(火) 終日与那国島
――――――――――――――――――――――――――――――
海底探検の船に乗る
自転車で島を一周してみる
日本最西端の碑を見に行く
与那国島の民宿に宿泊
――――――――――――――――――――――――――――――
9/22(水) 与那国島→石垣島→(那覇)→東京
――――――――――――――――――――――――――――――
10:00 - 14:30 与那国−石垣 (フェリー)
※予約なし、当日乗船券購入
17:10 - 18:05 石垣−那覇 (飛行機) JAL0620
18:50 - 21:15 那覇−羽田 (飛行機) JAL0922
これで八重山諸島のエッセンスを味わうはずであった・・・
[3567] 9/11-9/17 2010-09-18 (Sat)9/11(土)
7時半に起きて1日中例の作業。ノンストップで。
まるで「離」を受講していたときのよう。
キーとなる本を最初から最後までちゃんと読んでメモを取って、夕方になる。
図書館に行って借りていた本を返して、また別の予約していた本を借りる。
借りてきた本をザッとページをめくって必要なデータをチェックする。
13冊だったか、14冊だったか。
真夜中になっている。
午前0時半。疲れきって眠る。
他に何もできず。映画も観れなかった。
図書館に行くついでに、トランクルームに本を運ぶ。
昼はインスタントラーメン(塩)+肉野菜炒め+バター+コーン+わかめ。
夜、青森から荷物が届く。
鯖の味噌煮の缶詰など。リンゴもあった。
ピーマンとニシンをあえたものが入っていて、
ナマ物なのでその日のうちに食べた。
この日夜食べたのはこれだけ。
酒も飲まず。
母に電話して荷物が届いたことを伝え、
来週末の沖縄旅行のことを話す。
---
9/12(日)
この日もずっと作業。
早く起きて開始するつもりが、起きられず。
目覚まし時計をいつ止めたのか記憶もなし。9時に目を覚ます。
シーツと枕カバーとバスタオルを洗って図書館へ。
また10何冊と借りる。帰ってきてチェックする。
昼、ご飯を炊いて昨晩届いた鯖の味噌煮の缶詰を食べる。
15時ぐらいに一通り借りてきた本に目を通し終わって、
クリーニング屋に行った後にまた図書館へ。
再度5冊借りる。今回の作業はこれで打ち止めにする。
帰ってきてまた駆け足でページをめくる。5冊なのでそれほど時間はかからない。
完了して、引き続きこれまでに作成したテキストデータに対する補足作業を行って
20時過ぎに提出。他にいくつかメールを送ってひと段落。
これで終わりということは無く、
引き続き次のを担当してくださいとの依頼が来て
前々から予想がついていたので引き受ける。
来週以後も忙しい。
夜、母から電話があって、沖縄旅行に行くのなら湯飲みを買ってきて欲しいという。
真ん中が若干膨れていて例えて言うならばビア樽のような形のもの。
かつ縁が外側に反っていて飲みやすくなっているもの。
作業に区切りがついて一休みする。
昨日送られてきた荷物の中に入っていた
ホタテのマヨネーズの缶詰とペッパーポークでビールを飲む。
ウディ・アレン監督の『ギター弾きの恋』を観る。
1930年代、伝説のギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトの時代。
ショーン・ペン扮するエメットという名の金遣いの荒くて品の無い凄腕ギタリストが
俺はこの世でNo.2だと自惚れていい気な顔をして空き放題振舞っているうちに
袋小路に陥る。人生で大切なものを無くしていたことに後から気付く。
フェイク・ドキュメンタリー形式で
ウディ・アレンや高名な評論家ナット・ヘントフ(本人?)など
ジャズに造詣の深い人たちがところどころ登場してエメットの逸話を語る。
全編流れるジプシー系のギターが心地よい。
ショーン・ペンの相手役、当時は無名だったサマンサ・モートンがいい。
先日観た『モーヴァン』とは別人のよう。
引き続き、『ソラニン』を観る。
午前1時を過ぎたので途中まで。
『タッチ』で言ったら、かっちゃんが事故で死ぬまで。
ふと思うに話の構造が全く一緒。
それにしても原作の漫画を忠実に再現しているのはいいことなのか、どうなのか。
---
9/13(月)
朝、リンゴジュース。
昼、大戸屋にてカツ丼。
夜、後輩からもらった梨と青森から送られてきたリンゴ。
帰りに図書館に寄って本を返し、また借りる。
夜はずっとあれこれと作業。
淡々とした毎日が続く。
午前0時半に眠る。
金も無く、時間も無い。
大学の先輩からの合コンの誘いを断る。
---
9/14(火)
眠い。今日も作業。なかなか進まず。
昼、三幸園で豚肉と野菜と卵の炒め定食。
夜、リンゴとバナナ。
シェーバー用のクリーニング液とオイルが見つからず、
探してみたら背の低い冷蔵庫の裏に落ちていた。
見るといろんなものがここに。取り出せず。
夜、雨が降る。涼しくなる。
---
9/15(水)
仕事もそれなりにこなし、例の作業も合間に差し込む。忙しい。
昼休みも参考図書を読む。
図書館から借りたものなので書き込みは出来ず、大事な箇所は付箋を貼る。
定時であがって、夜は日比谷にて『ルナ・レガーロ』
帰って来て『ソラニン』の続きを見る。ほんと完コピだった。
昼、三幸園にて海老、トマト、卵のチリソース炒めの定食。
寝たのは午前1時近く。
夜、雨が降る。1日涼しかった。
---
9/16(木)
朝から大雨。土砂降りで目が覚める。
夜まで雨が降ったり止んだり。
昼、丸香で肉うどん+野菜天盛。
夜、トマトとバナナ。
バタバタと忙しい。
定時で上がって丸善の松丸へ。
例の作業の参考になりそうな本を探す。
この日ワークショップだったようで知ってる方何人かとお会いし、立ち話。
こっそり過ごしてこっそり帰るつもりが、そうもいかず、
そのうち買うつもりだった本、2冊買う。
網野善彦の対談集とイザベラ・バードの『日本奥地紀行』
例の作業は僕の素人っぽい発言がきっかけに問題が大きくなって
あれよあれよというまに思いがけない方向に転がっていく。
あれこれやることが終わらず、寝たのは午前1時。
会社の健康相談室からメールが届いて、
6月末の人間ドックで精密検査となりましたが、その後検査は受けましたか?と。
便に血が混じってます、大腸ガンの疑いがありますってのが
コトの発端だったんだけど、それってただ単に痔で出血してただけなんじゃないの?
っていう。ほっといていた。
検査してもなあ、時間とお金がもったいないと最初思う。
でも万が一ってこともあるしと消火器内科を予約する。
WEBで受け付けている病院があった。10月最初の土曜に行く。
---
9/17(金)
給料日。お金を下ろしに行く。
まずい。沖縄離島ツアー何の準備もしていない。
とりあえず昼に、薬局に強力な日焼け止めを買いに行く。
来週一週間休むために、あれこれ公私共々バタバタする。
今日は割りと外が暑い。30℃まで上がる。
昼、みそやで味噌+チャーシュー+コーン+バター+味玉。
夜は何も食べない。
例の作業で最低限やっとかないといけないことを片付ける。
…どうにかなった。
慌しくボストンバッグに荷物をつめる。
しかし台風が接近しているとJTBから夕方電話があって、どうしますかと。
今キャンセルするならば全額返金しますが、と申し出があるが、
明日の空港でキャンセルしても全額返金可能だという。
情況が好転することを信じて明日まで様子を見ることにする。
天気予報を見ると直撃ってほどでもないが、かなり接近している。
有島武郎の『小さき者へ』を読む。感動的。
午前23時半に眠る。
[3566] 目下ダイエット中 2010-09-17 (Fri)7月は青森に帰ったり、
「離」のストイックな生活が終わって暴飲暴食が続いたりで
以後8月にかけて「自分にご褒美あげまくり」のダラダラとした生活が続いて
目下ダイエット中。
朝はリンゴジュース、夜は特に予定が無ければトマト・バナナだけ。
ひもじいと言えばひもじいが、それでも食わなきゃ食わないでなんとかなる。
ある意味僕はとても太りやすい。
以前の実績からして、痩せようと思えば数ヶ月でかなり痩せることができる。
3年前は70kgから64kgまで落とすことができた。
「あ、なんだ、その気になればできんじゃん」
と思ってしまったのがよくないのか、というのかはっきり言ってよくなくて、
70kgを超えてやばいやばい腹が出てきたと食べるのを減らして66kgまで戻す、
というのを繰り返している。
食べる量が一定になるように調整すればいいんだろうけど、
青森に帰ったときにどうしても必要以上に食べてしまう。
なんかイベントごとがあったら必要以上に食べてしまう。
それをきっかけにしてしばらくの間なぜか食べてしまう。
なんだかなあ。ここを我慢できればと毎回思うのに、なぜかできない。
人間だもの。
食欲をコントロールする薬があればいいのに、と思う。
一錠飲むと、その日食欲が消えて無くなるというような。
でもそんなのが市販されると幼児を虐待している家庭にて悲惨なことに・・・
既に世の中には存在しているかも。医師の処方箋が必要だろうな。
食欲全般じゃなく、
脂っぽいものだけとか塩分の高いのだけを抑えるのでもいいんだが。
漢方薬に無いかな。あってもおかしくなさそうだけど。
あ、催眠術でもいいのか。
痩せたいなあ・・・
年をとってきてどんどん、肉がつきやすく落ちにくくなってきた。
30過ぎると魚を食べたくなる理由が理屈的に分かったように思う。
朝は食べず、昼は食べるが夜は軽めに。
これが3食きちんと食べるようになると太ってしまうってことなんだよな。
どうしたもんか。
あー体を動かしたい。
[3565] 夏が終わった '10 2010-09-16 (Thu)今日の朝、土砂降りの雨で目が覚めた。
東京は涼しいを通り越して、今日は寒い。
何も考えずこれまで通り半袖のYシャツで出社した。
このところ夜はエアコンをつけていない。
ああ、夏は終わったのだな。
今週はまだどこかで蝉の音が聞こえているけど、
気がついたらいつのまにか消えてしまっているのだろう。
今日から9月も広範だ。
今週末沖縄離島に行くからまだ多少救われたものの、
今年は花火を見ることも無く、サマソニに行くこともなく。
かろうじて夏っぽいイベントは
会社の人たちと立川の昭和記念公園でバーベキューをやっただけ。
その次に思い出すのは、エアコンの効いた部屋で
選抜の青森代表の試合を見たこと、・・・ぐらいだというテイタラク。
7月も8月も猛暑と暇を理由に、
何かに取り付かれたかのように映画を観まくっていた。
「だめだ、このペースだと50本越えられない」なんて真剣に焦ってた。
たった1ヶ月前のこととはいえ、あのときの自分はいったいなんだったのだろう?
あーそういえばビアガーデンには2回行ったか。
バドガールがいるところと、ジンギスカンがあるところと。
もっと行ってもよかったなあ。
なんにしても「皆で集まって」系の飲み会やイベントごとが
ことごとく会社の人たちとだった。
なんだかものすごく後退している。
他に気軽に飲みにいける人たちが周りにいなくて、会社の人たちを誘っているような。
いやーこのままいくといつになく何も無い年だった、となりそう。
この前は合コンの誘いすら断ってしまった。
ああ、あと3ヶ月で真冬。
36歳になるのか・・・
[3564] ルナ・レガーロ 2010-09-15 (Wed)今日は会社の年に1度の文化イベントで「ルナ・レガーロ」というのに行ってきた。
フジテレビが主催して、日本を代表する料理人の企画した
和洋中とデザートを食べながらロシアから来たサーカスを見るというもの。
場所は日比谷に設営された特設会場。
http://luna-regalo.jp/
4月からやってるみたいなんだけど
ずっと同じシェフの同じ料理というわけには行かず、
定期的に入れ替えているようだ。
今は第3期ということでこんなメニュー。書き写す。
・「つきぢ田村」オーナーシェフ田村隆による「節月花」
カボチャ、海老、焼きホタテ、あわ麩、ナスの揚げ浸し、人参、蟹入りチーズ卵、
コンニャク、焼きマス、枝豆団子、黒ゴマ白玉、なんこつ入り鶏のつくねの
12種類の具材を、かつおぶしをきかせた出汁ゼリーで寄せました。
まわりには4種のソース、春は赤い梅肉、夏は緑のブロッコリー、
秋が茶色のゴマ、冬は黒い赤味噌のソースを添えて、味にアクセントを出しました。
・「ホテル日航東京」調理部顧問河合隆良による
「月と大地の贈りもの〜ラグー・ルナ・レガーロ」
河合隆良シェフ特製の鴨のソーセージと各種の野菜(トマト、ごぼう、葱、
根セロリ、ブロッコリー、プチオニオン、イエロービーツ、大根など)を
トリュフをきかせた軽い煮込み(ラグー)にしました。
その上にはフォアグラのソテーを乗せて、香り高い赤ワインソースを添えました。
・「四川飯店」グループ社長、オーナーシェフ「料理の鉄人」陳健一による
「月亮的中華飯(ユェ リャン デ ゾン ファー ファン)」
中華あんには、海老、イカ、つぶ貝、小柱、鶏肉、牛肉、筍、キクラゲ、シイタケ、
人参、白菜、ベビーコーンと12種類の海鮮・肉・野菜などの具を入れ、
濃厚な白湯(パイタン)スープで味付けしました。
さらに、途中で味の変化をつけられるよう、
アジアン辛味噌(豆板醤・コチジャン・赤味噌)を添え、
ご飯の上にはキュウリとザーサイのみじん切りを星のように飾りました。
・「Toshi Yoroizuka」オーナーシェフ鎧塚俊彦による
「ルナ・エ・ソーレ(月と太陽)」
コアントロー(オレンジのリキュール)風味のカスタードの上には、
オレンジのやわらかなジュレと果肉、
さらに白ワインが入ったサヴァイヨンムースをのせ、
その上には食感が楽しいカダイフをのせました。
さらに一番上には鎧塚シェフのスペシャリテ、ピスタチオのアイスクリームを飾り、
様々な味と食感のグラデーションを演出してあります。
さすがにおいしかった。どれも甲乙つけがたし。
どの皿も量は少なくて最初のうちは
「なんだよもったいつけて」と思ったりしたものの、
食後のコーヒーまで来たときには結構腹いっぱいになっていた。
各料理の間に、ロシアから来たサーカスの小グループが入れ替わり立ち代り、
エアリアル系のパフォーマンスを繰り広げる。
こちらはなんか物足りない。
昨年シルク・ドゥ・ソレイユを見ていたのでまるで2軍のよう。
しまりがなくて緊張感にかけるというのではなく、なんだか小粒。
後から考えてみるに、下手だとか練習不足っていうのではなく、
ステージが小さいからだ。
思いっきり身体を伸ばすだけのスペースがなく、周りはテーブル席。
それじゃあつまらなくもなるよね。
その分、日本人ダンサーも交えて創作ダンスで動きをカバーする。
単刀直入に本題のアクロバットだけやってくれればいいのに、と僕なんかは思う。
入場する前、裏口の辺りを歩いていたら、外の階段の上が控え室だったのか
ドアのところに彼らロシアの若者たちがたむろしていた。
楽しそうにしているのでもなく、退屈そうにしているのでもなく。
緊張しているわけでもなく、ダラダラしているわけでもなく。
なんとなくそこにいて、なんとなく時間を過ごしていた。
その姿が、僕には哀しく、痛々しく見えた。
何がダメだったかといえば演出というかハコビだと思う。
最初からして、「私こんな格好してますがフジテレビのアナウンサーでして」って
感じで司会が出てきて、スクリーンにはその名前が映し出される。
パフォーマンスが終わると客席に行って料理の感想を聞く。
7月に結婚したばかりで今日誕生日ですってカップルを紹介して
ハッピバースデートゥーユーと歌が流れて祝うことまでした。
最後にはオリジナルグッズの当たる抽選会。
そういうのに時間が割かれてて、なんだかなあと思う。
カップルの幸せを妬んでいるのではない。
なんだこの中途半端感は? ってとこに腹が立つ。
合間合間に他の星から来たかなんかのオーナー役で
ド派手な赤の衣装にシルクハットの唐沢寿明がスクリーンが出てきて
月がどうたらこうらたらって趣向を凝らしているのに
一方で「フジのアナです」はないだろう。
ステージで記念撮影会をやってて行列までできてるし。
ああ、これが一般大衆の好むものなのか。
普段ならお金はあっても気後れして入れないような店のフレンチを食べて。
ショーがあって。有名人が目の前にいて。
そしてそこに会社の補助で安くチケットを入手できたから
僕も見に来てるというこの哀しさ。
世界観を形作ったのならばそれを貫徹しきってほしい、と僕なんかは思う。
現実を離れて、その異世界に束の間浸るために金と時間を使いたい。
例えば、シルク・ドゥ・ソレイユの偉大さがよくわかった。
パフォーマンスの質の高さもさることながら、
こんな安易に客席と入れ乱れるようなことは絶対しないということ。
異世界へと導いて、その時間が流れて、そして帰ってくる。
そこに厳然とした距離を保つ。「礼儀」のようなものがある。
ステージと客席があればシルク・ドゥ・ソレイユに限らず
当たり前といえば当たり前のことだが。
あーなんなんだか。
「向こう」で行われているショーを見ながら、一流シェフの食事を楽しむ。
余計なものは何も挟まない。
何でそういう単純なことにしなかったんだろう?
そこには何の説明もなく、何の仕掛けもしない。
僕はそんなのを期待していた。
そちらの方が、1万6000円という金額を払うに値する高級感だと思う。
最後に。
パフォーマーの着ていた衣装は石井竜也デザインによるもので
独りよがりで子供だましな雰囲気があって、
何がいいのか僕にはさっぱり分からなかった。
ロシアから来た若者たちがかわいそうだった。
あともう一つ。
幸運なことらしいんだけど、
タイトル曲を歌う城南海という奄美大島出身の若い歌手が
たまたま登場する日になっていて、ステージで歌った。
[3563] 水曜の朝、午前3時 2010-09-14 (Tue)…目が覚めた。
部屋。…の中。明るい、消さずに寝てしまったのか。
あーあ何やってんだか…
…意識が、はっきりしてくる。
起き上がろうとして、ふと思う。
僕はいつ、目蓋を開けたのか。最初から開いていた。
それはフェードインしてきた。暗闇から。徐々に。部屋の中へ。
おかしい。
首の向きを変えようとして、僕は、
首を持ち上げるのではなく、僕自身が軽く移動しているのを感じた。離れている。
空間そのものが動いている。僕は空間の一部、ないしは一点になってしまっている。
重力とでも言うのか、それを包み込む、器のようなものを感じない。
すっきりとしていた。
疲れた体を脱ぎ捨てて、生まれ変わったようだ。
さらに移動し、回転する。…回転? くるんと。
僕は、僕を見た。僕の顔が。間近で。視界いっぱいに広がっていた。
強い意思は無く、それでいて虚ろでもない。
そんな目でこちらを見ていた。
口元がかすかに動いて、呼吸している。生々しい生き物。
その息の匂いがする。
ああ?
僕は? 僕は?
向かい合ったまま、僕/彼からゆっくりと遠ざかった。
ほっとくと宇宙遊泳のようにいつまでも一定の速度で移動していく。
そうか。不思議と冷静な気分だった。
ユウタイリダツ。ボクハ、イマ、タマシイナノダ。ハハハ。
ふーん。…これがそうなのか。
向きを変えて、空中を浮かんだまま動き回るコツを覚える。
たいしたことはない。
壁に近付く。突き抜けるかと思いきや、それ以上先に進まない。
何かが、というか、壁が、遮っている。付着した埃が見えた。
そうだ、と思って手を伸ばそうとするが、
そこにこれといって腕や指に該当するものはなかった。
何も無い。
時間が経過する。僕はただ、浮かんでいるだけ。というか位置を変えるだけ。
これと言って他に何もできない。何も触れない。何も動かせない。
一通り部屋の四隅を巡り、家具の裏を覗くとすることがなくなった。飽きてしまった。
時計を見る。水曜の朝、午前3時。
僕は僕を見つめる。起きて、目を開けている。
だけど、枕に頭をつけて基本、寝ている。
明日も早い。何が起きているのかは分からないが、さっさと眠ってしまおう。
そう思って僕は僕の顔に近付いた。
中に入って、この幽体離脱を終えてしまわなければ。
でも、どこから?
鼻穴だろうかと近付くが、スッと入り込むようなことが起きない。
顔の周りをウロウロする。
入口のようなものはどこにも感じられない。
どうしたもんか。
僕は拒否されてるのか? ずっとこのままなのか?
初めて僕は恐くなった。
何かが起きているのだ、という感覚に襲われた。
パニック。
頭の後ろへ、指先へ。グルグルと回る。頭の後ろへ、指先へ。
そうだ。
いったん離れて、勢いよくぶつかってみる。
ふわっと停止して、顔の皮膚にじわっと跳ね返された。
僕は空間に転がった。
彼が僕を見ていた。
彼は目覚めたようだった。
今のがショックになったのか、瞬きを繰り返す。2回、3回。
そして起き上がった。
おが屑の詰まったぼろ人形。
醜悪。僕の姿はなんて醜悪なのだろう。
フランケンシュタインを思い出した。
そいつが今、手を伸ばして僕を捕まえようとする。
あてずっぽうに手を伸ばし、無様に失敗する。
僕はヒョイヒョイと逃れる。腕が乱暴に宙を横切る。
口元がニヤニヤと笑っている。だらしなく半開きになって。
僕はこんな笑い方をしていたのか。
僕が、僕を見ている。
僕が僕を、見ている。
どれだけそんなふうにして過ごしたのか。
突然、僕は、彼は、びくっとした。
何かに怯え始めた。
目に見えない誰かに耳元で話しかけられたかのようだった。
僕以外の誰か。
彼はパジャマのままサンダルを履いて、慌ててドアの外に出て行った。
そして勢いよくドアを閉めた。
部屋の中が静まり返った。
僕は1人、取り残された。
誰もいなくなった部屋。
僕は僕がベッドの上、眠っていた跡を眺めた。
僕は僕が戻ってくるのを待った。そうするより他、なかった。
やがてここも朝になる。朝が訪れる。
目を閉じるにも目蓋は無く、呼吸するにも肺は無く。
声も無く、夢を見ることも無く。
もしかしたら永遠に、こんなふうにして存在し続ける。
[3562] 映画と原作の関係 2010-09-13 (Mon)昨晩、映画版の『ソラニン』を半分だけ観た。
(『タッチ』で言ったら、上杉和也が事故に遭うまで)
バンドの3人のキャラクター造形だったり空気感だったり。
原作の、浅野いにおの漫画を忠実に再現している。
半分観た限りではストーリーの展開も全く一緒。
いわゆる完コピ。焼き直し。
あ、こんなふうに料理するんだと思った箇所は皆無。
この先どうなるのか分かるわけだし、
僕がこの映画を観る意味ってなんかあるんだろうか? とすら思った。
映画と原作の関係を考えた。
当たり前の話だけど、
監督サイドからこの小説なり漫画なりを映画にしたいというときには
その世界観なりストーリーの枠組みなりを借りて
そこに監督の思想をぶつけて全く別なものにしてしまうことも可能だろう。
原作と映画が対峙する。
『惑星ソラリス』について、その最良の例は
原作のスタニスワフ・レムと監督のアンドレイ・タルコフスキーだと思う。
しかし、映画会社なり出版社で立ち上がった原作ありきの「企画」ならば
雇われ監督は余計なことをしない方が無難。
新しい商品として映画というフォーマットに収まればいい。
売り出し中の若手俳優が元気な姿を見せたらなおよし。
というかそれが必須条件か。
(僕は最近の日本映画のいくつかを思い浮かべた)
後者の映画は僕としては興味ないんだけど、世の中的には断然後者なんだろうな。
まずは原作のファンに訴えかけて、その派生商品として扱う。
漫画のキャラクター・グッズの最終形のような。
そこにあるのは映画ではなく、映画のフォーマットだ。
でき上がるのは映画ではなく、動画。
何か大事なところがすっぽり抜けてて、物足りなさを僕は感じる。
まあ実際にはこんな簡単にきれいに線が引けるわけではなくて、
雇われだけど自分なりのカラーを打ち出す監督は多いだろうし、
完コピするという行為そのものが意思表示としてのアートになる例もある。
(まだ観てないけど、ヒッチコックの『サイコ』を
ガス・ヴァン・サントがリメイクしたのがそうなのだと思う)
いや、ただ単に後者の場合は若手の監督が起用されることが多いから、
まだ経験不足で「なり」が小さいのかもしれない。
ただそれだけなのかも。
映画という枠組みをまだ自由自在に使いこなせていなくて、
フォーマットだけが浮いて見える。
・・・なんかそう思えてきた。
それにしても。原作そのものが映画の場合を思ったとき、
ハリウッドのリメイクばやりの状況はいつまで続くのだろう?
ってのがずっと気になってる。
(リメイク権獲得競争など)
映画界を空洞化させるだけのようにしか思えないのだが・・・
[3561] 青森行き、夜行バス 2010-09-12 (Sun)こんなニュースを見かける。
「競争激化の夜行バスに新サービス続々
豪華カプセル式シートや東京−大阪間500円も」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100912-00000001-sh_mon-bus_all
東京−大阪間の場合、片道わずか500円という「限定ワンコインシート」
が提供されているのだそうな。
夜行バスって言うと『水曜どうでしょう』のサイコロの旅が
何よりもまず思い出されますが。
学生時代、青森に帰るときは必ず夜行バスだった。
東京駅からの「ラフォーレ号」
片道1万円だったか。
夏休みや年末など、帰省する時期になると母が手紙でチケットを送って来る。
僕ではなく、母が出していた。
なので、眠りの浅い僕は夜行バスだと全然眠れないんだけど、
文句は言えない。
年末に乗って帰るとたいがい後ろの方の座席では
(なぜかいつも決まって最後尾だった)
ワンカップ大関の類を飲んで、ペチャクチャと小声で話して、
ヘッドホンで大きな音で演歌を聴いている。
時々何かの弾みでその演歌の音が漏れ聞こえる。
聞いたまま眠り続けて、朝までその音が小さく聞こえていたこともある。
文句を言いたくもなるが、言えない。
出稼ぎのおどっちゃ(オヤジ)が正月に家族の顔を見に帰るところなのだから。
眠れない大学生の僕は人生というものを考える。
今はもう乗ることはなくなった。
今も出稼ぎの人たちが乗っているのだろうか。
乗ってるのは、当時の僕のように金のない若い子も多かった。
働いているのか、学生なのか。
青森駅を出たばかりの頃は携帯で津軽弁で話すのに、
東京に近付くと標準語になっている。
旅行で青森に来ています、って感じの人は少なかった。
今はどうか分からないけど、バックパッカーな外国人を見た記憶もない。
青森に住む人の、かつて青森に住んでいた人のための足。
21時に出発して、朝は6時半に青森に着く。
窓の外の暗くなった東京の風景を眺めて、本を読んで、眠れずに過ごす。
いつのまにか眠っていて、いつのまにか青森へ。
夏はいいけど、冬ともなると天候が悪いと雪で高速道路の流れが悪く、
なかなか時間通りに着かない。
数十分の遅れは当たり前で
一番大変だったときは着いたのが昼前ってこともあった。
乾パンをもらったことがあったような気がする。
懐かしいな。
でも、乗りたいとは思わない。
でなきゃ僕は何のために10何年も東京で働いてきたのか。
働き続けたのか。
そんなことを思う。
[3560] 9/6-9/10 2010-09-11 (Sat)9/6(月)
昼、「焼き鳥屋」で親子丼とサラダ。
自家製食べるラー油というのがトッピングに増えていた。
ここのランチは親子丼のみとあって、やはりうまい。
マウスの電池が切れて、コンビニに買いに行く。
ものすごく腹が減るが、夜はトマトとバナナ2本。我慢する。
例の作業。あれこれやることが多過ぎて終わらない。
あれもやっとかなきゃ、としているうちに午前1時。寝る。
夕方以後の東京は吹く風になんとなく秋の気配があるようなないような。
以前より涼しいように感じられて夜はエアコンをつけず、窓を開けて網戸。
しかし夜は寝られないだろうとエアコンをつける。
この猛暑、来週には収まるようだが・・・
---
9/7(火)
昼、三幸園で麻婆豆腐。
夜、トマトとバナナ。
例の作業。早めに切り上げて眠るつもりが、結局今日も午前0時半。
前の日遅かったので1日眠かった。
午後イチの打ち合わせも眠気を振り切るのが大変だった。
帰りの地下鉄も読まなきゃいけない本があったのに眠ってしまう。
---
9/8(水)
台風が近付き、昼過ぎまで雨。15時頃大雨、というか暴風雨。
帰れるのか? と思っていたらその後収まった。
夜もそれほど降らなかった。
そんなこともあって、ほんと久々に涼しい1日だった。
エアコンはつけず。
昼、大金星で焼き蕎麦定食。\650とリーズナブル。
焼き蕎麦もよかったけど、付いてきた唐揚がうまかった。
夜、図書館に寄って帰る。返して借りて。
相変わらずバナナとトマト。少しは痩せただろうか。
今日こそ早く寝ると思っていたはずが、結局午前0時半。
図書館の帰り、橋の袂の小さなライブハウスの前に珍しく行列が。
出演者を見たら七尾旅人出演!?
えええーーー!?
こんな間近で見られるのなら・・・
作業がなければ。残念。
---
9/9(木)
眠い。日々眠い。
今日もまた帰りに図書館に寄って借りてきた本をチェックして。
なんとか早めに切り上げて午前0時に寝た。
しかしいろんなことが遅れている。間に合うだろうか。
一日がすぐ終わる。
昨日から外が涼しい。
夜はむしろ寒い。
夏はそろそろ終わるのか。
昼、週に一度はと「まんてん」でカツコロ一緒。
食べる前は食べたくて仕方なかったのに、
いざ食べ始めるとああもういいやと思ってしまう。
量が多くて夜は何も食べない。
---
9/10(金)
もう金曜か早いなあ。あっという間だった。
昼、ジャンクなものを食べたくなって
クイック・ガスト(正式名称知らず)にて
ハンバーグと鶏の南蛮とソーセージの定食。
タルタルソースがかかっている。
プラス100円で味噌汁を豚汁に変更。〆て750円。
安いだけあって(いや、安くはないか)、おいしくもなんともなかった。
特にタルタルソースが全然ダメ。
ここ数日取り組んでいた仕事が片付く。
簡単なバッチファイルのソースコードを読む作業が随所に出てくるんだけど、
開いた途端眠くなる。眠気との戦いだった。
帰って来て図書館に行って本を借りる。
今日は遂に鞄に入りきらなくて紙袋に入れて往復する。
金曜だし少しは休むかと思ったものの
結局借りてきた本をチェックしてデータを作成しているうちに
午前0時を過ぎる。
夜は西友で買ったサラダのみ。
このところ朝読んでいた資格試験の勉強のテキストを読み終える。
午前の共通のやつ。来週からは問題集を買って解いてみようと思う。
[3559] 沖縄離島が来週末 2010-09-10 (Fri)気がついたら沖縄離島への旅行が来週末。早いもんだ。
飛行機やフェリーの時間は決まっているが、それ以外は何も予定は無く。
ここに行きたい・ここを見たい、という強い希望も特に無い。
ダイビングのライセンスを持ってはいるものの
潜ったのはそのライセンスを取ったときだけ。
それが入社時だから10数年前。
今のところさして興味は無く、泳ぐことすらしないだろう。
自転車に乗りたい、っていうぐらい。
波照間島は自転車で一周したい。
このところ民俗学のことをたまに書いているが、
そうなるとやはり沖縄・琉球的な風物が気になる。
古代から残された、記憶のよすが。
どこまで触れることができるか。
沖縄民謡も聴きたい。
沖縄で酒を飲める場所はどこに入っても
夜を徹して熱い演奏が続いているのではないか
なんてイメージを抱いている自分に先ほど気付いたのだが、
さすがにそんなわけないか。
沖縄に古代の歴史を期待するのは、
青森? 三内丸山遺跡と恐山ですね。
と言われて、そのイメージで語られるのと一緒だろうな。
うまいゴーヤ・チャンプルーを食べたいなあ、なんてことも考えたのだが、
それもまた沖縄の人からしたらイマイチな期待だったりするのか。
というか、そもそも沖縄本島の人たちと八重山諸島に住む人たちと
互いに抱く気持ちってどんななんだろう?
青森で言ったら津軽と南部の、今もネタにされるライバル意識のような。
考えてみると、沖縄と離島のことを僕は何も知らない。
ああ、僕はそれをよしとしてあわただしく旅に出てしまうのだな。
むやみやたらにエキゾチックな物事を期待するのではなく、
ただ淡々とあるがままに見聞きする。
そんな感じでありたいとは思うものの、
気持ちがまっさらなのと知識・情報がまっさらなのとは違う。
---
それにしても台風が気になる。
帰ってこれない、はいいけど、羽田から出発できない、は嫌だな。
せめて何か沖縄の唄を聞いてから旅に出たくはあるが。
モンゴル800や HY だったり、
あるいはネーネーズや喜納昌吉だったりというところしか思い浮かばない自分に
なんだかため息が出た。
ほんと、何も知らなすぎる。
[3558] 『海上の道』 2010-09-09 (Thu)先週『遠野物語』を読んでから、柳田国男の著作を拾い読みしている。
学生時代になんとなく思って、でも手が出なかったんだけど、
民俗学ってのはやっぱ面白いね。
昔読んだ「都市のフォークロア」系はその廉価版みたいだったり、
あるいは都築響一の諸作『TOKYO STYLE』のシリーズなんてのは
最もわかりやすい現代の事例集か。
日々生きててその考え方は無縁じゃないんですね。
市井の名も無き人たちの何気ない生活の姿に興味を持つ。
これはどこから来たのだろう? なんでこんなふうになっちゃったのだろう?
どこへ行くのだろう? もしかしたらあれと似てないか?
この前のあれと比べたとき、こういうところが面白くない? などなど。
直接的な民俗学の著作ではないけれども、
折口信夫の『死者の書』も面白かった。
日本人が日本語で物語を語ること、綴ること、思いを馳せること。
その最高峰なのではないか。
柳田国男最晩年の『海上の道』というのを今日の昼休みに少し読んだ。
岩波文庫のワイド版で出ている。
表題作を初めとして関連する論考を集めたもの。
そのテーマは、日本人はどこから来たのか?
恐らく日本人の祖先に当たる人たちは
中国大陸や朝鮮半島から小さな舟に乗って海を渡ってきた。
1回や2回ではなく、それぞれの時代にそれぞれの人たちが。
前後して稲作も伝わった。
(ちなみに、その頃日本列島のあちこちがことごとく無人だったのではなく、
もっと前から住んでいた人たちがいた。先住民族。
彼らは山へと追いやられ、いわゆる山人になった。漂白の人たち。
それが後に例えば天狗と思われ・・・
つまり今の日本人たちは後から来た、新しい人々だった)
不老不死の薬を求めて秦の始皇帝から遣わされた徐福の伝説も
そういった人たち、移住を試みた人たちの言い伝えることと
結びついているのではないか、とあった。
徐福の船団には約3,000人もの人たちが乗り込んでいて、
その中には子供たちも大勢含まれていたという。
彼らの真の目的は新しい地に移住し何代も生き延びていくことだったのではないか。
(僕自身はそれこそが不老不死なのだと思う。一個人ではなく、類系として)
そう、僕らの祖先は海を渡ってきた。
そしてそこに柳田国男は「なぜ?」を付け加える。
なぜ彼らは海を渡ったのか。
柳田国男によれば彼らは、宝貝(子安貝)を求めていたのだという。
これがまさしく古代の人々にとっての宝であって、命を掛けても遠くに探し求めた。
新しくたどり着いた島の砂浜にて光沢を帯びた貝を拾う。
その島(例えば、八重山諸島)が住みよいところと思われたので、
一度戻って家族を引き連れて移り住んだ。
安っぽい言い方になるけど、ロマンを感じさせる話。
彼らは海伝いに沖縄諸島へ、九州へ、瀬戸内へ、というように
太平洋の流れに乗って北上していく。
さて、どこまで到達したのだろう?
この着想の始まりが、何十年も前、若い頃渥美半島の伊良湖岬に遊んだときに
砂浜に打ち寄せられていた椰子の実を見つけたことがきっかけだったのだという。
この時間の流れが、いい。悠久で、壮大で、滔々とした。
舟に乗り移り住む日本人の祖先たちの姿にどこか、重なる。
(なお、このときの話を聞いた島崎藤村が歌詞を書いたのが、
「名も知らぬ遠き島より流れ寄る」で始まる有名な「椰子の実」の歌)
流木であったり、鯨の死骸であったり、見当もつかない破片であったり。
浜辺には古来より様々の寄物が打ち寄せられてきた。
日本人もまた、かつてはそのようなものであったのだ。
壮大なる漂着物。
そして僕らは、今や、どこにも行き場が無い。
漂うにも見果てぬ地が残されていない。
日本人は、これから先どこへと向かうのか。
[3557] 今年の夏は暑かった、のか 2010-09-08 (Wed)台風が来ているせいか、なんか久しぶりに今日、雨が降った。
今年の夏は暑かった。とにかく暑かった。
・・・と書きたいところだが、結局日中はエアコンの効いた場所にいるので
どれだけ暑いのか、皮膚感覚的にあまりよく分かっていない。
昼メシでちょっと外出するぐらい。
Cool Biz がもてはやされて以来、毎年どこもかしこも25℃〜27℃。
猛暑も冷夏も関係ない。
あまりの暑さに気が狂いそうになったこと。
ひどい熱帯夜であるとか、その場面のいくつかを思い出してみる。
汗をかいた髪の毛がうっとうしくてしょうがなくて
全部剃ってしまいたいと心の中で何かを、誰かを、呪うような。
昔の方が暑かった、と思う。
青森にいた頃は、今でも家にエアコンはなく、中学校や高校にもない。
夏に外で遊んでいたら日差しを浴びて汗だくになって帰ってくる。
学生時代も映画サークルの部室にクーラーなんてなく、扇風機だけ。
外で映画の撮影をしているときはやたら日陰をありがたがったものだ。
社会人になって一気に季節感がなくなった。
エアコンの電気代を自分で払わなくてもよいというだけで、
会社員でよかったなんて思う。
こんな暑い日に中学校や高校では外で体育をやってたりするのだろうか?
暑いのはいいとして、その後シャワーを浴びれないというのはやだな。
それは室内であってもそうだ。
とにかく、汗をかかない。かきたくない。
そもそもが不快な老廃物でしょ?
汗が何で出るのかというと、体温を調節する、下げるためのものだというのを
最近どこかで読んで、あ、そういえばそうだったな、と思い出す。
逆に捉えていた。まとわりつく暑さをさらに冗長させるもの。
うだるような暑さのときにはそれこそ焼け石に水だし、
出なきゃ出ない方がいいんじゃないか。
そうじゃないんだな。肌に吹き出てからは別として、
出るまでの間に体内の様々なものを巡らして循環させて、
体温が局所的に上昇することを防いでいる。たぶん。
夜はエアコンが1時間後に切れるようにして眠る。
汗だくになって何度か起きる日がある。
朝までそのままの日もある。
気温にはあまり関係がないようだ。
なんにせよ夏は朝起きたらシャワーを浴びて出社する。
汗をかきながら眠っているとき、いつもとは見ている夢が違うように思う。
いい夢は見ない。なんだかねじくれている。
終わりがなく、ただダラダラと果てしなく変転が続くような。
冬に見る夢とは違う。
しかしどう違うというのはうまく言えない。
これから秋になって、寒くなっていくのか。
[3556] ロシア・ジェット戦闘機ツアー 2010-09-07 (Tue)先日飲んでいたら、シベリア鉄道に乗ってモスクワ行こうってんで盛り上がって、
後日JTBに行った際にパンフレットが置いてあったので見てみたら
10日ぐらい鉄道に揺られて、モスクワからは飛行機に乗って帰ってくる
ウラジオストクから総計9260km、15日間のツアーがなんと100万円近く。
さすがにこれは無理だ・・・
老舗「ロシア旅行社」
http://www.russia.co.jp/ ←なんかすごいURLだ。
で探してみると、12日間で \387,000
http://www.russia.co.jp/si.mon.10.6_11/si.mon.6.10.6_11.html
やはり参加者は年配の方が多いみたいね。
そんなこんなでブラブラと探していたら、
「ロシアエクスプレス」という旅行会社にて
「ガラス越しに地球を見よう! ジェット戦闘機ツアー」というのを見つける。
http://www.russia-ex.com/blog/item/673.html
ミグですよミグ。すげー。乗ってみたい。
しかし、一番グレードの高い宇宙空間近く、
地上から23kmまでの高さまで行くコースだと250万。
これはもっと無理だ・・・
一番低い25分搭乗するだけのコースでも110万。
利用した人はいるのだろうか?
この旅行会社、ユニークなツアーが多くて
「ロシアの秘密ファイル:KGBツアー」ってのあった。
KGB本部のあったルビャンカに行って、ガガーリン宇宙飛行士訓練センターも訪れる。
http://www.russia-ex.com/tour/detail/732/3054.html
個人的に最も心惹かれたのが
「バイコヌール打ち上げツアー:有人宇宙船ミッション」
http://www.russia-ex.com/tour/detail/752/2940.html
航空券なしでだいたい50万。
バイコヌール宇宙基地は死ぬまでに一度は訪れてみたい場所であって、
打ち上げがなくてもいいから、いつの日か・・・と思う。
それはさておき、あれこれ見てると
今年の休みはサハリンやカムチャッカに行くってのもいいなあなんて考える。
モスクワに行ったのも早10数年以上昔。
どれだけ変わったか。気になるね。
[3555] 9/4-9/5 2010-09-06 (Mon)9/4(土)
9時起き。
机の上を片付けて、脚の下に昨日ハンズで買った板をかませる。
3度目ともなるとこなれて、テキパキしている。1時間もかからなかった。
大家さんからもらった塩ラーメンを茹でて、肉と野菜を炒めて、バター。
観ながら食べるかと TSUTAYA DISCAS からの DVD をセット、結局最後まで観る。
スポットレンタルした残りが2本と、今月から4本まとめて借りられるコースにして、
予約レンタルの残りが3本をこの土日で観なくちゃならない。
ケン・ローチ監督、『Sweet Sixteen』(2002年)
学校に行かず、ブラブラとチンピラのような生活を送っている15歳のリアム。
母親は刑務所に入って、その恋人スタンは麻薬の売人。姉はシングルマザー。
同じような境遇の友人ピンボールと共に煙草を売って、
ピザ屋のバイトをして暮らしていた。
ある日、郊外に小さいけど素敵な家を見つけたリアムは
なんとかして購入資金を捻出し、出所後の母と住もうと心に決める。
スタンとの関係がこじれていたリアムは、スタンから麻薬を盗んで売り始める・・・
まだ若い少年が悲惨な境遇に晒されて、抜け出そうとして、転落する。
ケン・ローチ監督は同情するでもなく、しかし、突き放すのでもなく。
この人は映画における”リアル”の描き方にブレがなく、方針が明確。
ある意味最も完成度の高い商業映画の監督かもしれない。
これまで何作か観た中では僕としてはこの『Sweet Sixteen』が最も面白かった。
とてもよい作品だと思う。
初期の作品『ケス』(1969年)を観てみたいが、どこかで手に入らないものか。
例の作業。図書館に行って、何冊か返して取り置きの本をまた借りる。
今回はたくさんの本に当たってナンボ。
自分の中で本に向かい合う時間の少なさ、効率の悪さがボトルネックになる。
外はとにかく暑い。8月がまだ続いている。
駅前に出て橋を渡る。遮るものなく日なたを歩いていると汗だくになる。
本を借りて外に出て図書館を出て、
自販機でペットボトルのミネラルウォーターを買って一気に飲み干す。
帰ってきてずっと、今回の作業でキーになりそうな本を読む。
ほとんどの本は目次や序文や後書きに目を通した後にさっと本文を眺めて終わる。
しかし、これを読まなきゃ全体像が見えないだろうという本もある。
半日かけてじっくりと読んで、ガチャガチャとメモを打ち込む。
ようやく読み終えて21時過ぎ。今日はこの一冊で作業が終わった。
ソーセージを茹でて缶ビールを飲みながら、
北野武監督、『菊次郎の夏』を観る。
好きな人は好きなんだろうけど、ダラダラしてるかな。
童心に帰って遊びたいってことなんだろうか。
0時半に眠る。
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9/5(日)
9時半に起きる。作業を開始。
少し進めた後、ご飯を炊いて鯖の味噌煮で食べる。わかめスープ。映画を観る。
今村昌平監督・役所広司主演、『うなぎ』(1997年)
妻を殺して刑務所に入っていた男が、出所して理髪店を営む。
心を許せるのは水槽の中のうなぎのみ。日々話しかけている。
そこに自殺を図った女性が現われ・・・
カンヌでパルムドール。アッバス・キアロスタミ監督の『桜桃の味』と共に。
ようやく観た。これはやはり現代の日本映画の1つの到達点であるように思う。
監督独特のえぐみをもった話の運びはアクが抜けてその分普遍的なものになっている。
寓話的な部分と、寓話を乗り越える部分と。
役所広司もさることながら
榎本明演じる、主人公の影、メフィストフェレス的な役がとても素晴らしい。
シーツを洗って、干して、洗濯して、クリーニング屋。
いつも通りの日曜の作業。
図書館に行ってまた本を返して借りて、帰りに西友へ。
帰ってきて本を一冊読む。
夕方、電話がかかってくるが本を読んでて邪魔されたように感じて、出ない。
夜、またかかってきて今度は出る。母からだった。
東京は暑いだろうけど、青森も今日は暑かった。
リンゴジュースを送るか、他に何か必要はないか。
今それどころじゃないのに、受け答えが雑になる。
鯖の味噌煮の缶詰を送ってもらうことにする。
21時頃その日の作業を終えて、浴槽を洗ってシャワーを浴びて、
西友で買った味付け済みの牛バラ肉とにんにくの芽を炒めて缶ビール。
ジョー・カーナハン監督、『スモーキン・エース』(2007年)
『特攻野郎Aチーム the Movie』の監督の前作。
マフィアに賞金をかけられたラスベガスのマジシャンを奪い取るために、
世界中の名うての殺し屋、FBIからザコまで集まってリゾートホテルで大騒動。
切れ目なくスムーズにストーリーとカットが展開して
アレヨアレヨという間に壮絶な殺し合いに。
これはとても面白い。ラストはちょっと弱いが、★×10個級。感心した。
思わぬ展開がスタイリッシュに語られて、頼るは果し合いのアクション。
2000年代の『レザボア・ドッグス』と呼びたい。
殺し屋の1人としてアリシア・キーズが出演している。
ウディ・アレン監督、『マンハッタン殺人ミステリー』(1993年)
マンションの向かいに住む老夫婦。知り合った途端、夫人が突然死。
どうにも旦那が怪しいとダイアン・キートン扮する妻が探偵ごっこを始め、
ウディ・アレンの夫は例によって腰が引けてて。
疲れて眠くて、後半は見てたけど全然記憶なし。
なんとなく話は覚えてるが・・・
午前1時頃に眠る。
先週の机の脚が折れてその後始末であちこちの床の上に置きっぱなしの本が
結局片付けられず。新聞もこのところ全然読んでなくて散乱している。
今まさに足の踏み場がない。
[3554] 8/30 - 9/3 2010-09-05 (Sun)8/30(月)
出社。神保町に着く頃、急に腹が・・・
オフィスのトイレへと急ぐが間に合わず。大惨事となる。
余りの光景に自分で自分に絶望する。先週に引き続き連続だ。
個室に洗面所のあるトイレで助かった。
トランクスとズボンを水で流す。
あちこち散らばったのをティッシュペーパーでぬぐう。
思考が停止する。
ひと段落着いて、このまま仕事するのはいくらなんでも無理だろうと
ずぶ濡れのトランクスとズボンを履いて、駅まで引き返し、地下鉄に乗って帰る。
会社には「急用につき、午前休」と携帯メールを送る。
19世紀末ビクトリア朝ならば「下腹部の不調に伴う二次災害」
といった表現となるだろうか。
9時を過ぎて地下鉄は空いている。しかしびしょ濡れだと座る気になれない。
入口のところにずっと立っている。
誰かが気付くんじゃないかとそればかりが気になる。
目の前の席に座っている女性は何度かチラチラと僕の下半身を見て顔をしかめている。
気付いたんじゃないか・・・
家に戻ってきて、洗濯をして暑い日差しの中で軽く干して、
着替えて会社に行く用意をして、クリーニング屋にもっていく。
(その間ロード・ダンセイニの『ペガーナの神々』を読み終える。
かなり長くかかった)
図書館へ。例の作業で必要になり、予約した本を取りに行く。
地下鉄の中でさっそく読む。岩波文庫。
新宿で降りて、タワレコへ。
DCCARD のポイントで引き換えたギフトカードで CD を買う。
このところ買いそびれた2枚。
Sonic Youth の「SYR」のシリーズの第8集。
(第7集も持ってないなと思っていたら、LPだけのようだ)
Linkin Park のデモ・トラック集。
神保町に再度出勤して、時間があったので薬局に寄って
正露丸と急に腹が差し込んだときのための薬を買う。
もっと早く買っておけばよかった。
情報処理の試験の午前の共通問題のガイドブックを買う。
あまりお金をかけたくないので、コンパクト版を。
昨日から腹が全然減ってなくて、昼は何も食べず。
まともに食べたのは昨日の昼が最後。
夜はトマト2個にバナナ1本。昨日食べる予定だったもの。
さすがに仕事をする気になれず。
定時で帰ってきて、図書館へ。予約した本の残りを取りにいく。
夜はずっと例の作業。
Derek Bailey のアルバムを BGM に。
23時半に眠る。
その後事件が・・・
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8/31(火)
朝起きてとんでもないことに。
何が起きているのかわかったとき、途方にくれた。
とりあえず出社する。
夕方竹芝本社で部会だったため、午後イチの打ち合わせに出た後、オフィスを出る。
東京駅周辺地下のラーメン屋「味噌膳」でこってり味噌を食べる。
チャーシューと味玉追加。
久々にがっつりしたものを食べた。
が、依然として腹の調子はよくない。
丸善の松丸本舗へ。例の作業で参考になりそうな本を探す。
いくつか書名をメモって、家に帰って杉並区の図書館で予約をする。
会社へ。
今度退職する後輩に贈る色紙を書いてもらうため、
これまでにかかわりのあったメンバー何人かにお願いする。
(僕が担当というのでもなかったが、今回帰社する人が少なかったため)
部会に出て、終わるとすぐ帰る。
新宿三丁目で下りて、ハンズで机の脚と床の間に挟む板を買う。
帰ってきて四苦八苦する。高さ足りず。
例の作業はほぼ進まず。
夜はバナナ2本とトマト1個。
23時半に眠る。
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9/1(水)
9月に入ったが、猛暑が続く。
昼、打ち合わせで時間を逃して13時を過ぎてキッチン南海へ。
イカフライとしょうが焼きの盛り合わせ。
夜、再度東急ハンズへ。何枚か板を買い足す。
帰ってきて当ててみる。微妙にまだ傾いている。
また買いに行かないといけないか・・・
トマト1個とバナナ2個。
例の作業が割りとはかどる。
23時半に眠る。
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9/2(木)
昼、新しい店を開拓。
白山通りの「大金星」という夜は串焼き・串揚げの店へ。
チキンカツカレーにする。
かなり大きいので揚げるのに時間がかかりますと言われ、
出てきたのを見たら確かに大きかった。
チキンカツライスのソースがカレーになってるという感じ。
先日 JTB から携帯に留守電が入っていて、チケットなど手配できたという。
昼過ぎに受け取りに行く。
健康保険組合の補助券が使えるか聞いたらその場で使えると言うことになり、
1人頭3万円のオフ。これは大きい。
シルバーウィーク、石垣島2泊・与那国島2泊の旅行が13万円弱。
なかなかリーズナブルな額に落ち着いた。
夜、編集学校仲間と飲む。池袋の「楊」という店。
激辛の汁なし坦々麺がうまいとのことで、
出てきたのは茹で過ぎの素麺にミートソースをかけたような代物だったが、
食べてみたらなかなかおいしかった。
羽根つきの餃子もいい。他の客もみな注文していた。
路地裏の小さな埋もれてしまいそうな店だけど、夜も深まったら満席。
なかなかいい店だと思う。
編集学校の互いの近況を話し合った後、
P・K・ディックや『銀河鉄道999』の話へ。
最近の映画だと『パレード』が面白かったと聞き、借りて観てみようと思う。
帰ってきて、寝るまでに時間があったので
『アナザー・カントリー』という短めの映画を観る。
イートン校の学寮を舞台に学生たちの典雅な権力争いの権謀術数が咲き乱れ、
主人公は同性愛で身を持ち崩す。
ボケーッと観ていたらいつの間にか終わっていた。なかなか面白い。
午前0時過ぎに眠る。
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9/3(金)
昨日に引き続き、新しい店の開拓。
白山通りを猿楽町方面に入ったところにある、イタリアン「ROBERTO」
日替わりの豚肩肉をハーブで煮込んだのを食べる。
ふかしたさつま芋のサラダもおいしい。
機会があれば夜また来てみたい。
http://tavolaroberto.jp/top
バタバタしているうちに1日が終わる。
金曜という雰囲気もあって仕事がほとんど進まず。
仕事を終えて新宿のハンズへ。
机の下にかませる板を買う。今度は微調整なので薄い板を3枚。
新宿三丁目から東新宿まで歩く。
後輩の送別会で韓国料理屋で遅くまで飲み食いする。
色紙が渡される。
帰って来てすぐ寝る。
そういえば最近、iPhone で音楽を聴かなくなった。
[3553] 新大久保コリアンタウン再訪 2010-09-04 (Sat)昨晩は退職する後輩の送別会。
2年前の東新宿常駐時代に PJ 参画。
なつかしの場所でやろうと新大久保の店にする。
韓国料理屋「ヘラン」
http://www.yakinikutengoku.com/shinjyuku/heran/index.html
当時ここで PJ の歓迎会をやって、その後も何回か個人的に訪れた。
他にもおいしい店はあるのかもしれないけど、
いくつかの店で昼と夜と食べた中ではこの店が最もしっくり来た。
水晶板で焼いてチョレギとネギを巻いて食べる三段バラがおいしい。
プデチゲ(軍隊鍋)もチジミもうまい。
隣の台湾料理の店「帆」もよかった。
他の人よりも早めにオフィスを出て、
新宿三丁目から東新宿、新大久保とテクテク歩く。
30分ほど前に着いてコリアンタウンをブラブラ歩く。
2年ぐらいではこの界隈、ほとんど何も変わっていなかった。
昼、あちこち食べ歩いた店の多くが相も変わらず営業している。
「明洞のり巻き」「オムニ食堂」とかね。
韓国料理屋じゃないけどとんかつの「かつ味」が何よりも懐かしかった。
前あったっけ? と思ったのは
韓流男性アイドルグループのグッズをメインに売る店。
小さめの店と、大きめの店と通りに2つあった。
大きい方はその名も「韓流百貨店」
どちらも入ってみたんだけど、
生写真だったりウチワにマグカップに原宿のジャニーズの店の拡大版のような。
そんで女性客のみ。男性客皆無。なんだか異様な熱気に包まれている。鼻息が荒い。
東方神起と、今だと BIG BANG が大きくフィーチャーされている。
K-POP だからといって女性のグループの商品は置いてなかった・・・?
というか見た記憶なし。KARA とか、少女時代とか。
どちらも奥の方に CD や DVD のコーナーがあったんだけど、
ポン・ジュノやパク・チャヌクの映画の DVD があるわけでもなく。
他には申し訳程度に化粧品の類など。
前はなかったかも? というのがもう1つあって、
スターバックス的雰囲気で全てハングルのカフェ。
メニューも日本語のを用意してないかもな・・・
雰囲気は穏やかだけど、怖くて入れない。
「ヘラン」でたらふく食べて帰ってくる。
僕らはいつも大通りを歩いて目に付いた店に入っていただけなので
本当にディープなコリアンタウンを実は知らない。
裏通りには実はこんな店があって、とか。
いつか韓国人の案内でおいしい店を教えてもらいたい、と思う。
[3552] 『遠野物語』 2010-09-03 (Fri)前々から気になっていた柳田国男の『遠野物語』
名前は知っていたけど、具体的にどういうことが書かれているのか
恥ずかしながらよく知らなかった。
民話を集めた物語集のようなもの?
図書館から借りてこの機会に読んでみた。
合わせて、同じく気になっていた森山大道の同タイトルの写真集も借りた。
柳田国男の『遠野物語』は想像していたものと全然違っていた。
一言で言って、冷徹にして孤高。
短ければ2〜3行、長くても文庫で1ページ程度の短文に番号が振られて、
狐の嫁入りだとか天狗に遭遇したとか、大まかなテーマごとに並べられているだけ。
明治42年。遠野に住んでいた詩人にして民族研究家の佐々木喜善氏の元を訪れて
語るのを書き写した。それが全て。
そこに私はこう思った、こう考えたと述べる箇所は1つもない。
じゃあそこに柳田国男はいらないじゃないか、と思うのは早計である。
それらの聞き書きした断片たちを「選んで」「並べた」という視点にこそ、
柳田国男が現われている。
単なる民話集にとどまることのない個人的な執念の賜物と
そういう個人的なしがらみを超越した普遍への到達とが同時になされている。
そこにあるのは日本人としての原風景。
恐れるべきものを恐れ、恥らうべきを恥らう。
しかしそれは「全て」ではない。ほんの一握りが、
山村で語られてきた不思議な出来事が、砂浜の貝殻のように拾われただけ。
読んでいるとこの『遠野物語』で用意された枠組、
その外側に広がる果てしない日々の何気ない連なり、広がり、
その重みを何よりも感じる。
この国の民俗学の出発点としてだけではなく、
文学作品としても一級だとされてきたことがよくわかった。
文学が追い求めた物語というもの、その大いなる流れがここには描かれている。
文庫では角川、集英社、岩波から出ていて、僕は角川のを読んだ。
角川版は続編に当たる「遠野物語拾異」が併録されていて、
その後さらに収集された話が続く。これがさらに余韻を深める。
遠野の地図が巻末に綴じられているのが何よりもいい。
時々この地図を眺めながら読んでいくと、想像力が広がっていく。
森山大道の『遠野物語』は
オリジナルのテキストに魅せられた無数のフォロワーたちのオマージュの中で
恐らく最高のものだ。僕はこれ1つしか触れていないけど、
この写真集が同じだけの深さを持って対峙しようとしているのはよく分かる。
1970年代半ば。なんだかとても東北的な、
あっけらかんとしていてどんよりとした、昭和の風景がモノクロで写されている。
『遠野物語』との直接的な関係は感じられない。
「遠野」じゃなく、どこか他の場所であったとしてもおかしくない。
「遠野」そのものではなく、
原風景としてこの国のどこにでもある「遠野的」なものを撮りたかったのではないか。
それはこんな風景だ。
山の手前に青々とした水田が広がる。不思議と精気のない祭り。
ポルノ雑誌が色褪せたかのように棚に並んでいる。狭い通りに並んだスナック。
人々の生きて、日々を語る場所は、今、現在こうなのだ。
というありのままを切り取る。
そう。「遠野」は閉じられた歴史上の一点ではない。
開かれた時空間として今もそれは日本という国の根っこを形作っている。
遠くにあって、思い浮かべるふるさと。
最後に。この素朴な写真集で素晴らしいのは
写真もさることながら巻末の森山大道の文章。
(インタビューを元に起こされている)
いかにしてこの写真集が生まれたのか、がテーマで
あれこれ感慨深いことが述べられているんだけど、
僕が最も感銘を受けたのは
カメラによって撮られたものは記録であるが、写真は記憶なのだということ。
[3551] 崩壊する部屋 2010-09-02 (Thu)月曜の夜のこと。
寝ていたら物音がした。
ミシッ ミシッ ミシッ
泥棒・・・
忍び込むんだ、こんな部屋に・・・
しかし、何かがおかしい。
そっと足音を立てずに歩いているようには思えない。
一定の間隔で何かが軋んでいるような。
目を開けて、暗闇。枕もとの明かりをつける。
相変わらず、ミシッ、ミシッと音がしている。
深呼吸をして、恐る恐るハシゴを下りていく。
誰もいない。
隠れているのか? とドアの方までそっと。
やはり、誰もいない。
なんなのだろう?
どうも机から音がしているように思う。
手を触れる。
ハシゴを上ってロフトへ。
明かりを消そうとしたら、それまでとは違う、少し大きめの音が。
そして何かがずり落ちる音。
這って行く。下りる。
机の上に積み上げた CD の山がおかしな角度で崩れている。
何が起きたんだ・・・?
幽霊・・・?
ポルターガイスト・・・?
そう思った瞬間、怖くなる。
ハシゴを上るとき、
誰かに足首を掴まれるんじゃないか・・・
横たわっても怖くてしばらくの間眠れない。
音は、しなくなった。
---
翌朝(火曜の朝)、目覚ましが鳴って起き上がる。
下りていく。
いつものようにテレビをつける。PC の電源を入れる。
・・・何かがおかしい。
昨日と違う。
机の上の本棚と細長い CD ラックが右に大きく傾いている。
どうしてだろう?
モニターも傾いている。
・・・あ、机自体が右に傾いてるんだ。
しゃがみこんで机の下を覗き込む。
スチールの脚が、飴のようにクシャッと曲がっている。
ボキッと折れたのではなく。
経年劣化ってやつと机の上に山と積み上げた本の重みと。
そこに何かしらのきっかけが加わって、こうなった。
来るべきときが来た、と思う。
いつかこんなふうになるとは予想していた。
学生時代から使っていた冷蔵庫か洗濯機が壊れる。
しかし、まさか机だったとは。
何が厄介かと言えば、机を買い換えるというお金の問題ではない。
これまで何度も書いてきたように、
元々狭い部屋に物を置き過ぎてて、CD ラックを無理やり立てていたりして、
テレビやビデオの台などもどかさなきゃいけなくて、
そしてそれらを代わりに置く場所がなくて、とてつもなく面倒だということ。
果たして、それは一人で可能なのだろうか・・・?
取り急ぎ傾いている机を何とかしなきゃいけなく、
会社の帰りに新宿のハンズに寄って脚の下にかませるものを買う。
材料のコーナーへ。
最初、アルミの合金の板を買おうとしたら厚さ 2cm ぐらいので 7000円ぐらいした。
だったら新しい机を買ったほうがいい。
木材だとそれなりに安かったので、迷わずそちらへ。
厚さ 1.5cm ぐらいので縦・横同じサイズのを2枚買う。1枚500円ぐらいか。
1枚でもよかったが、もしかしたら足りないかもと。だったら同じほうがいい。
ハンパな木切れだと安かったが、サイズや厚みが揃わない。
帰って来て、取り掛かる。
机の上のものをどかして、どかすために床の上のものをどかして、
などとしていたらそれだけで1時間以上掛かってしまった。
こんなことならもっと前に
机の上の本を整理してトランクルームにもっていけばよかった。
山積みの新聞も小まめに読んで捨てればよかった。
後悔先に立たず。
引き出しの中の書類やガラクタの山もいったん袋に移し、
さっき床の上に置いた本の山をさらに奥へと押して場所を作る。
まるで往年のゲーム、「倉庫番」のよう。
椅子なんてロフトに放り上げた。
準備が整った。
しかし、いざ机の脚に板を2枚かましてみたら、・・・
高さが全然足りなかった。しかも、前後の脚に届かず、前しかかませない。
しまった。会社行く前に冷静になってちゃんと測っておけばよかった。
このままほっとくわけにもいかないし、明日また追加で買いに行かないといけない。
編集学校系の作業が立て込んでて空いてる時間の全て取られるぐらいの勢いなのに。
こんなことしてる場合じゃないのに・・・
あちこちに片付けた本の山をそのままにして、その日を過ごす。
ふて寝。
---
昨日の夜、帰りにまたハンズへ。
同じ厚さで異なるサイズの板を組み合わせて買う。
戻ってきて、さっそく脚の下へ。
だいたいのところ高さは合うようだ。微妙に右が下。惜しい。
まあいいかと思って使い始める。
このままいくとまた少しずつ、右に傾いていくんだろうな。
やはりどこかで机は買い換えなければ。
しかし、部屋の荷物を全て外に出すぐらいの覚悟というか作業量が必要。
もはや引越しに近い。
あと、どれぐらいもつだろう?
怖い。怖くてたまらない。
[3550] 8/29 2010-09-01 (Wed)8月の映画強化月間もこれが最後。
9時起き。朝からずっと編集学校系の作業に取り組む。
ようやくエンジンが掛かってきた。黙々と作業をする。調査もの。
本来図書館に行くべきなのだが、猛暑を理由に WEB で済ませる。
明日の帰りは図書館に寄らなくては・・・
何冊か本を予約して、取り寄せる。
シーツと枕カバーとバスタオルを洗濯して干す。
今年からめんどくさがらずに必ず週1のペースで洗うようになった。
あろうがなかろうが生ゴミも必ず週に1度捨てている。
大人になった。
昼は昨晩の残り物のウィンナーを刻んで、
余っていたキムチと一緒にチャーハンにして食べる。
余りものの処分だから仕方ないけど
やはりキムチとウィンナーの相性はよくないね。
昼過ぎまで作業をして、ひと段落して、クリーニング屋へ。洗濯。
大家さんに家賃を払って、塩ラーメンのパックをもらう。
ポン・ジュノ監督の最新作、『母なる証明』(2009年)
ちょっと頭の弱い一人息子を溺愛する母。
その息子に殺人の容疑がかけられ、
うちの息子が殺人者のはずがない、真犯人を見つけなければと母は奔走する。
暮らし向きが豊かではない、貧しい家庭。
観てて自分の母を投影してしまい、いたたまれない気分が続く。
それが思いもかけない展開となって・・・、
なんにしても息子を思う母の気持ちは強い。ぞっとするぐらいに。
しかし、それが母というものなのだと思う。
いや、このストーリーはすごい。傑作。
『殺人の追憶』に『グエムル』に。この人の映画はとても面白い。
『コヨーテ・アグリー』(2000年)
監督の名を挙げるよりも、製作がジェリー・ブラッカイマーであることの方が重要か。
一本筋の通った、まごうことなきブラッカイマー・ブランドの作品。
名前がいいなあと思いつつ、ずっと観る機会がなかった。
ニュージャージーからソングライターを目指してニューヨークに出てきた
ヴァイオレットはデモテープがことごとく断られ、部屋は泥棒に入られ、
希望はなくなり、明日の生活費さえままならなくなる。
そんなときに、女性バーテンダーがカウンターの上で
ワイルドでセクシーなダンスを披露して
アルコールを派手に振りまくバー「コヨーテ・アグリー」に職を得る。
地味なヴァイオレットはこんなとこやってけないと最初は思うが、
やがてそこに自分の居場所を見出す。
田舎に残してきた父と、ニューヨークで出会った恋人と。
そんな感じのサクセス・ストーリー。ブラッカイマーのいいところが出ている。
セオリー通りのメリハリがむしろ心地いい。
決して名画ではないけど、僕としてはこれ、とても好き。
うまく伝わらないのを前提で、『ドニー・ダーコ』と同じ意味合いで大好き。
フランソワ・トリュフォー監督、『ピアニストを撃て』(1960年)
かつては名声に包まれていたピアニストが妻の自殺をきっかけに
今では場末のバーでピアノを弾いている。
そんな男が出来の悪い兄弟たちの犯す犯罪に巻き込まれて・・・
これぞヌーヴェルヴァーグ、か。
夜は何も飲み食いしたくない気分になる。
これまでの暴飲暴食で体も疲れたか。酒も飲まず。
というか腹の調子がよくない。
昼に買った粉200%のハッピーターンを少しだけ食べる。
トルコのユルマズ・ギュネイ監督の『路(みち)』という映画を観てみたいのだが、
国内では DVD が出ていない。特集上映がされたという話も聞いたことがない。
かつてビデオが一度だけ出たきりのようだ。
じゃあこのビデオを入手できないか、と思って amazon で検索しても見つからず。
ヤフオクにはレンタル落ちのがいくつか出ていた。3000円弱。意外と安い。
これなら後日また改めて入手するでも問題ないだろう、と今回は見送る。
ウディ・アレン監督、『世界中がアイ・ラブ・ユー』(1996年)
ウディ・アレン念願のミュージカル。
ハッピーな一家がさらにハッピーになって終わるという
ウディ・アレン以外が撮ったらシャレにならないような映画。
これ、だいぶ昔に見たことがあったな・・・
ジュリア・ロバーツ、ゴールディ・ホーン、ドリュー・バリモア、
ナタリー・ポートマン、エドワード・ノートン、ティム・ロス、などなど豪華な配役。
午前0時過ぎに眠る。
[3549] 8/28 2010-08-31 (Tue)早く起きるつもりが、全然起きられなかった。
目が覚めたら10時になっていた。
ジャ・ジャンクー監督、『長江哀歌』(2006年)
原題にもある「三峡」にてダム建設の長期プロジェクトが続いている。
川沿いの建物が日々取り壊されていく。
いくつかの町は即に水没している。また新しい町が水没していく。
この沈みゆく「奉節」という都市に、外から男と女がそれぞれ現れる。
男は16年前に別れた妻と子供に会いたいがために、
女は2年間音信不通の夫を探すために。
男は下流で働いているという別れた妻が戻ってくるのを待って、
町に住み着き、解体現場で働く。
この三峡の風景が何よりも素晴らしい。破壊され、手放される生活の風景として。
そこに根付く、ちっぽけな人々のむせ返るような生の息遣い。
先日ジャ・ジャンクー監督の特集上映があったようだけど
これは予定を合わせて見に行くべきだった。大画面で見るべきだった。
この日もまたご飯を炊いて、キムチとワカメスープ。
『あんにょん由美香』(2009年)
『あんにょんキムチ』が話題となった、松江哲明監督のドキュメンタリー。
2005年に亡くなり、今や伝説となりつつあるAV・ポルノ女優、林由美香を追う。
韓国の監督が日本で撮ったポルノ作品に林由美香が出演していたことをきっかけに、
その映画に関わっていた人、林由美香の周りにいた人に話を聞く。
カンパニー松尾は撮影で訪れた清里のカレー屋「ヴィラ・アフガン」まで車を出し、
(このベーコンエッグカレー、まじでうまそうだった)
平野勝之は『由美香』で一緒に北海道の峠を登った自転車旅行を再現する。
『由美香』懐かしいな。中野武蔵野館で見た記憶がある。
ドキュメンタリー映画としてはたいしたことないけど、
カンパニー松尾と平野勝之、
この2人が出てくると僕は「ハハー」とひれ伏したくなってしまう。
あと、いまおかしんじ監督の『たまゆら』を見てみたくなった。
編集学校の作業に着手。
気がつくと夕方になっている。
夜、フランクフルトとウィンナーを茹でてオリーヴオイルで炒めて食べる。
缶ビールを飲む。途中おなかいっぱいになって残す。
スティーヴン・ソダーバーグ監督の最近の作品を2本続けて観る。
『インフォーマント!』(2009年)
マット・デイモン主演。企業の内部告発がテーマ。
そつなく撮られてはいるものの・・・、
以前ソダーバーグに心酔していた僕としては厳しく見てしまう。
話としては『エリン・ブロコビッチ』の裏返しのように思うが、
あの作品に感じられた勢いがない。
というかその後のソダーバーグは
『エリン・ブロコビッチ』で確立したスタイルを
再生産しているだけのように感じられる。
『さらば、ベルリン』(2006年)
ジョージ・クルーニーとケイト・ブランシェットが主演。
トビー・マグワイヤも出ている。
第二次大戦後の、戦勝国によって分割されたベルリンが舞台。
きらびやかなモノクロ映像で描く。
やはり、そつがない。薄っぺらい。
映画としてなにか大事なところが空洞になっていて、
その穴はソダーバーグの中で年々大きくなっていくようだ。
虚無、というのではない。
チョコレートのかかったアルミホイルを噛んでいるかのよう。
23時半に眠る。
[3548] 8/27 2010-08-30 (Mon)仕事がそれほど忙しくないので、今月もう一日休むことにした。
見たい映画はまだ山ほどあるというのに(TSUTAYA DISCASの登録が300本以上)
編集学校関係のプロジェクトも本格的に始まってしまい。
休みを取るでもしないとたくさん借りた DVD が返せない。
いつも通り6時半に起きて、7時に1本目から見始める。
『渚にて』(1959年)
グレゴリー・ペックとエヴァ・ガードナーが主演。
晩年のフレッド・アステアと、
『サイコ』ノーマン・ベイツが当たり役になる前の
アンソニー・パーキンスも出演している。
米ソ冷戦による緊張が最も強かった時代の映画。
核戦争により北半球は壊滅状態にあり、
放射能が南半球に押し寄せるのも時間の問題というとき、
メルボルンの軍港にアメリカからの潜水艦が到着するところからストーリーが始まる。
わずかな望みにかけて再度出航するも、
サンフランシスコもサンディエゴも無人の町が広がっていた。引き返す以外にない。
人類最後の日々。パーティーが開かれ、無茶なカーレースに人々が集まり、
その日が近付くと全国民に睡眠薬が配れる。
ネビル・シュートの古典的名作とされる原作はだいぶ前に読んでいた。
『On The Beach』というタイトルも、『渚にて』という邦訳もいい。
受け取る人によって、その時々の境遇によって、様々なことを想起させる。
ある人は陽気なロマンスを思い浮かべるだろうし、
ある人は波打ち際の儚さを思い浮かべるだろう。
ニール・ヤングの70年代のアルバムにもあったな。
日本にも「渚にて」というそのままのタイトルのアヴァン・ポップのデュオがいる。
TSUTAYA DISCAS に返却するために外に出る。コンビニでワカメスープを買う。
猛暑。日差しが鈍器のよう。
アンドレイ・ズビャギンツェフ監督、『父、帰る』(2003年)
ロシア映画。ヴェネチア国際映画祭で最高賞に当たる金獅子賞を獲得。
まだ10代前半と思われる兄弟二人、母、祖母の4人が慎ましく暮らす一家に
12年ぶりに父が帰ってくる。
それまで何をしていたのか、なぜ戻ってきたのか、劇中では一切明かされない。
その父が翌日、2人を車に乗せて連れ出す。滝に行って釣りをしようという。
しかし計画は途中で変更され、父の”用事”のため遠くへと向かうことになる。
兄弟、特に弟は突然現れた父に戸惑い、絶えず反発する。
そして起こる悲劇・・・
父は粗野で横暴な人物のようでいて、
寡黙なうちに父として息子に教えるべきことを1つ1つ叩き込もうとしている。
しかしそれが2人には伝わらない。
すれ違った気持ちを抱えたまま、互いにどうすることもできない。
どちらかと言えば父の側に近い年齢になってしまった僕は、
父の立場からこの映画を見ていた。
突如現れて生活をかき乱す異物。
あれが嫌い、これはやりたくないとわがままを言うことで
自らの存在を主張し、対抗せずにはいられない弟。
少しだけ大人になって、子供との境目に立つ兄。
父はそんな二人を甘やかしたくない。ゆくゆくは大人の男に仕向けたい。なのに・・・
見てて何もかもが悲しかった。
素晴らしい作品である。
ご飯を炊いて、キムチとワカメスープだけで食べる。
テンギズ・アブラゼ監督、『懺悔』(1984年)
グルジア映画。スターリン批判的な内容だが、
80年代のグラスノスチ・ペレストロイカの時流に乗ってヒットしたという。
市長という権力の末端にて翻弄される男のキチガイじみた騒動を描く。
無実の罪の人たちに言いがかりをつけてどんどん捕まえて巻き起こる、喜劇と悲劇。
虚実入り交じる演出なんだけど、その幻想的な部分の入り込み方がとてもロシア的。
牧歌的で、ナチュラルにシュールというか。映画の文法がそもそも違う。
なんだかよく分からないのになんだかすごい、と思わせてしまう。
日本に住んでると最も「世界の果て」に思える映画。
朝早くおきたせいか途中どうしても眠くなって、30分だけ眠る。
見終わって、西友へ。ビールやジン、氷にミネラルウォーターを買う。
デルフィーヌ・グレーズ監督、『めざめ』(2002年)
南スペイン。闘牛士ヴィクトールは牛に刺され重傷。
一命は取り留めたものの臓器の移植が必要となる。
ロメロという名の牛はその日のうちに屠殺場へ。
皮を剥がれ、内臓が取り除かれ、肉がそれぞれの部位に分けられ、
目と角が取り出される。骨もまた分類される。
その多くが映画となる舞台となるフランスへと送られる。
一見何の関係もなさそうな5つの家族がそれぞれの部位を手に入れ、
その偶然がもたらしたかのように引き付けられていく。
というかそのつながりが明かされていく。
2000年代初めということもあってか、脚本がパズル的。
でも、それぞれの登場人物の演技はよかったように思う。
80年代テクノ系?フレンチ・ポップの Lio が出演していたようだが、
どの役だったのかよく分からず。
ノーマン・ジュイソン監督、『ザ・ハリケーン』(1999年)
デンゼル・ワシントンが無実の罪で20年以上にわたって投獄されていた
伝説のボクサー、ルービン・“ハリケーン”・カーターを演じる。
逮捕されたのは60年代の半ばで黒人差別は依然として根強かった。
目撃者によると加害者は黒人2人 → その頃街にいた黒人2人連れなら誰でもいい
という短絡的な理由(のように思える。映画を見る限り)。
証拠は後からどんどん修正され、捏造される。
真犯人を捜し、見つかって裁判をやり直すとなると
警察や検察や判事のメンツが立たない。だからやりたくない、ではなくやらない。
というか黒人が何よりも嫌い。なんでもいいからさっさと牢獄にぶち込めばいい。
当然、反対運動が起こる。
有名なのはボブ・ディランがアルバム『欲望』にて
その名の通り「ハリケーン」という曲を歌ったこと。
劇中でそのライブのシーンも登場する。
もう1人主人公の少年は偶然その自伝に出会ったことから、
周りの大人を巻き込んで釈放運動を始める。
その結果は歴史となり、映画として描かれるに至った。
ノーマン・ジュイソン監督の名前にどっか見覚えがあるなあと思って調べたら
『ジーザス・クライスト・スーパースター』を撮ってるんですね。
あと、『夜の大捜査線』
先週同様、青森から送られてきたホタテの煮汁を解凍して、
冷凍のホタテと温野菜を炒める。
久々に片栗粉を買ったので使ってみる。
炒めているところに入れてみたら、ダマになった。
しまった、煮汁に溶いてから入れればよかったと思う。
この日の最後は『特攻野郎Aチーム』の傑作選。
やはり面白い。というか懐かしい。今回見たのは最初のメキシコ行くやつ。
やっぱマードックというかモンキーだな。
映画版はけっこうオリジナル・キャストに容貌をかなり似せてたんだな、
ということに気付かされる。
冒頭でハンニバルが怪獣の着ぐるみを来て登場するのがよかった。
午前1時に眠る。
[3547] 8/23-8/26 2010-08-29 (Sun)8/23(月)
休み明け。淡々と仕事する。
取れる可能性の低い新規案件の見積もり作業を行う。
明日のビアガーデンの人数変更の電話をかける。
東京は依然として猛暑。
昼は最近食べすぎだと、近くの蕎麦屋で田舎蕎麦。
夜は家に帰って来てご飯を炊いてキムチと食べる。
和風のあっさり系キムチを買ったんだけど、ほぼ白菜のみ。
このところイカやタコが入った具沢山のキムチばかり食べていたので物足りない。
田澤拓也『虚人 寺山修司伝』を読み終える。
寺山修司も著者も母校の先輩に当たる。
母の友人の方から借りた本なので送って返さないといけない。
土日携帯の電源が切れていたことに気付かず、充電する。
こんなときに限ってメールがいくつか届いていた。
今から飲まない? とか、今から旅行に出かけます、とか。
『キャバレー』を観る。
天才振付師ボブ・フォッシーが監督、ライザ・ミネリが主演。
サントラはミュージカル版も映画版も持ってて、
特にミュージカル版は学生時代から愛聴していたというのに
肝心の作品はなぜか観たことがなかった。今回ようやく。
第二次大戦前のベルリン。ナチスが台頭し始めている。
キャバレーで歌い踊る自由気ままなアメリカ人のサリーと、
イギリスから留学してきたブライアンの出会いと別れ。
キム・ギドク監督の『うつせみ』
こんな不思議な映画久々だ。
先日観た『サマリア』もそうだけど、前半・後半で話が変わる。
というか同じ登場人物・設定なのに途中明確な境界線があって、
そこで話の流れ・向き・目的が大きく変わる。
そういう作風なのだろうか?
主人公の青年は家々を回ってチラシをドアノブに貼り付けて放置する。
後日、チラシがつけたままになっている家は留守と判断し、忍び込んで、一晩暮らす。
物は盗まない。壊れたものがあったら修理する。
洗濯物が溜まっていたら、浴室の床で洗う。
そんなふうにして入り込んだ家にて、ある日、
愛していない夫に暴力を振るわれている女性と出会う。
2人は連れ立って留守の家を転々とする。彷徨。
ある視点から要約するとこうなるんだけど、別な視点から要約するとまた異なる。
原題は「3-iron」3番アイアン。つまり、暴力の話。
男と女は劇中、無言で押し通す。
引き離されても互いの存在というか、気配を感じる。
午前0時過ぎに眠る。
---
8/24(火)
昼、立ち食いそばが食べたくなって裏の小諸そばでかき揚蕎麦にわかめ追加。
編集学校の「離」の次に関わるプロジェクトが遂に今日始まった。
この若輩者にいったい何ができるのか。正直、何がどうなるのか恐い。
夜、ビアガーデン。日比谷ニュートーキョーの屋上。
ここもジンギスカン食べ放題なんですね。銀座松屋だけじゃなかった。
この日もまた東京は猛暑日で絶好のビアガーデン日和。
屋上は風が強くて時々大変なことになったけど、まあそれもまたよし。
店員に料理をオーダーして持ってきてもらうのではなく、
棚から好きなだけもってってくださいという形式だったため
「食い放題なのに待たされて食べれない」っていう
腹立たしい状況がなく、なかなかよかった。
ジンギスカン以外にもいくつか居酒屋系のつまみあり。
ピッチャーを頼んだら例の凸型の鍋の近くに置いとくとすぐぬるくなって。
そこがちょっと難点だった。でも仕方ないか。
2時間で4200円はリーズナブル。
21時過ぎに出て、さくっと解散。
帰り道腹が急に下って、酔ってた僕は大変なことに・・・
ここには書けない。
---
8/25(水)
給料日後ということもあり、昼は恒例の「味噌や」で
味噌ラーメン+チャーシュー+バター+コーン+味玉。
真夏ゆえか客がいつもより少ない。
見積資料と別件の提案資料を手直しする。
午後、障害発生の連絡。
影響特大かと思いきや、切り分けていったらそうでもなかった。
PJ全体として悪運が強い。
僕は淡々と帳票の影響有無を見極めていった。
最初は絶望的な数だったのが、落ち着いて理論的に右に左に倒していったら
あっさりと山が小さくなっていった。
定時であがって横浜まで行ってHMVでCDを買うつもりが、予定が狂う。
でもまあ仕方なし。
20時前にようやく片付いて横浜へ。
東京駅から京浜東北線に乗る。
最初のうち混んでいたが、川崎辺りから空きだした。
横浜駅を出て、VIVREの地下へ。
8月は全店ポイントが5倍。
月末土曜の10倍が今後も行われるかどうかわからないので
確実な日に買うことにした。
渋谷店が閉店して東京近辺ではここ横浜VIVRE店が最も大きそうなんだけど、
広い店内の割には品揃えがたいしたことなし。
このところ気になっていた War と George Thorogood を探してみたら、
品切れどころかそもそも仕切りがなく、
ああ、ちょっと突っ込んだマニアックなものはそもそも置いてないんだと。
Mogwai や M.I.A. や銀杏BOYZなど、どこでも買えそうな新譜を買う。
だったらわざわざ横浜まで来る必要はないな。
というか、スカスカな店内を見るにもしかしたらこの横浜店も
そのうちなくなるのかもしれない。
売れ筋の新譜を売るだけなら店舗はそんなに大きくある必要はない。
だから豊洲や吉祥寺や立川の小型店舗ばかりが残されている。
帰ってきて、23時。
帰りの電車と地下鉄の中でテリー・ビッスンの短編集を読む。
「マックたち」は再読なんだけど、やはりすごい短編だな。
夜は何も食べず。午前0時に寝る。
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8/26(木)
午前中、PJマネジメント系の打ち合わせに出席。
先日作成した提案資料を説明。
システムが安定してきて、もしかしたらそろそろ契約が切られるかもと思っていたが、
また次の半期も契約が続きそう。ほっとする。
昼、まんてんでカツとウインナー一緒。
夜までずっと腹いっぱいで後々しまったと思う。
夜、会社を出て後輩2人を引き連れて日本橋のたいめいけんへ。
依然として腹いっぱいだったためたいした距離じゃないしと歩いていく。
日本橋に到着して、僕が入社した当時のビルを見せようとしたら
全面工事用の幕で覆われていた。老朽化が進んで取り壊されるのかもしれない。
たいめいけんは少し待たされたけど、すぐ入れた。
伊丹十三の『タンポポ』をこの前見たということもあり。
もちろん、タンポポオムライス。ビールを大ジョッキで。
由来は・・・、ってところから映画の話になる。
帰るにはちょっと早いかなとその後ルノアールでアイスティーを飲んで話す。
帰ってきて、『死ぬまでにしたい10のこと』を見る。
アラスカが舞台。主人公はどこにでもいるような23歳の若い女性。
2人の娘がいて、パートタイプの仕事に追われ、
トレーラーハウスで失業中の夫と暮らしている。
それが突然、ガンがあちこちに転移して余命2ヶ月であることを知らされる。
彼女は自分のしたいことをリストにして、1つ1つ実行していく。
毎年の娘の誕生日に送るメッセージをカセットテープに吹き込み、
刑務所に服役中の父親に会いに行き、新しい恋人を見つけ、
娘たちの新しい母親を見つける・・・
派手なところはないけど、良心的な小品。
Blondie のデボラ・ハリーが出ていた。
午前0時に眠る。
[3546] 生きるとは何か? どう生きるか? 2010-08-28 (Sat)朝は6時20分に目覚まし時計が鳴る。
特に理由はない。あるとき、たまたまこの時間にセットしてそれっきり。
シャワーを浴びて、歯を磨き、着替えて、その間 NHK の朝のニュースを見る。
7時ちょうどに部屋を出る。
燃えるゴミやペットボトルなどがあったらそれを集積場に運んでいく。
会社鞄の中から通勤定期を取り出して胸のポケットへ。
歩きながら iPhone で音楽を聴く。適当にその日の気分でアルバムを選ぶ。
7時13分頃駅のホームに到着する。1番線のホームに立つ。
即に車両は入っているがそれには乗らない。1本次のを待って最初に乗る。
荻窪駅は丸の内線の始発で、1番線と2番線から交互に発車する。
2番線からは乗らない。
なので厳密に言えば1番線→2番線→1番線と、2本次のに乗ることになる。
理由はない。そういう習慣になっている。
ホームに到着して定位置へ。4両目の2番目のドア。
目の前の車両の、1本やり過ごした後で僕がいつも座る端の席には
今日もまた初老の会社勤めの方が新聞を読みながら座っている。
今日もまた、ベンチに座って携帯を操作したまま眠り込んでいる子がいる。
発車してしばらく経ってからホームに次の車両が入ってくる。
僕はそれに乗り込む。
徹夜のバイト明けなのだろうか? 20代の小柄な女性とよくすれ違う。
僕を含めホームで待っていた人たちが乗車すると
ベンチで携帯を操作したまま眠り込んでいた子が目を覚まして
立ち上がって列の最初に並ぶ。
なんで毎日そうしているのか、どういう事情があるのか分からない。
僕より早く来ているのは確かだけど、それがどれだけ早くからなのかも分からない。
もうずっと、僕が大阪から戻ってきた4月からこの組み合わせが続いている。
そういう仕組で僕を取り囲むこの世界が成り立っていて
誰にも動かせないかのように。
「生きていく」ってそういうことなのだろうか。そういうことなのだろうと思う。
じゃあ朝起きる時間を変えたり、
2番線から乗るようになったら何かが変わるかと言えばそんなことはない。
新しい仕組がワラワラと湧き上がってそれが惰性で続くだけ。
---
このところ最も気になっているのはチリの鉱山の落盤事故。
今月5日に発生、33名の作業員がシェルターに避難して、
今月22日全員の生存が確認される。
地下の様子を探るために送り込まれた調査機器に
メモが付与されて回収されたのがきっかけとなる。
しかし、地上から穴を掘って救出に至るにはあと4ヶ月はかかるという。
僕は地下の様子が気になって、日々 YouTube のニュース画像を探す。
真っ暗闇。気温35℃、湿度85%以上という劣悪な環境下において
乏しい桃の缶詰とツナの缶詰を少しずつ交互に食べて飢えをしのいでいた。
希望と絶望。エネルギーを消耗せず、
じっと横たわって耐える以外にできることは何もない。
閉じ込められて、息が詰まりそうになって、
僕なら死ぬことを考えるのではないか・・・
その間何を考えて、無事出られた後は何を考えるか。
何を選び、何を行動するか。
その目は何を語るか。何を言葉にするか。
生きると死ぬの狭間で必死になっている人は
決して「生きるとは何か?」「どう生きるか?」なんてことは考えない。
そんな悠長な余裕はない。
生きている、生きている、生きている。
ただ、それだけ。
[3545] 8/22 2010-08-27 (Fri)8/22(日)
9時に目が覚める。
シーツと枕カバー、バスタオルを洗う。
ハル・アシュビー監督『帰郷』(1978年)
ベトナムから下半身不随となって帰還したアウトローな男と、
彼を支えているうちに、同じくベトナムに行った夫がいるにも関わらず
彼を愛するようになった女と。
主演の2人、ジョン・ヴォイトがアカデミー主演男優賞、カンヌでも主演男優賞。
ジェーン・フォンダがアカデミー主演女優賞。
この2人の存在感と演技が映画をグイグイと引っ張っていく。
特にジョン・ヴォイトが一世一代の名演。
この年のアカデミー作品賞はマイケル・チミノ監督賞『ディア・ハンター』
この2作が主要な賞をほぼ独占する形となって
アメリカにとってベトナム戦争とは? アメリカの映画は何を、どう描く?
というテーマの年となった。
なお、ジョン・ヴォイトの娘はアンジェリーナ・ジョリー。
昔はアンジェリーナ・ジョリーのことを「ジョン・ヴォイトの娘」と呼んでいたのに、
今ではジョン・ヴォイトのことを「アンジェリーナ・ジョリーの父」と呼ぶ。
なんだか感慨深い。
『狂わせたいの』(1997年)
『オー!マイキー』で有名な石橋義正監督の中篇。
最終バスに乗り遅れた会社員が謎の最終電車に乗ったところ
いきなり前の席に座っていた女性がストリップを始めて・・・
といった感じで奇怪な女性たちの登場する風変わりなエピソードが続く。
山本リンダ的な昭和ムード歌謡が見せ場になると必ず流れて、歌い踊る。
取り立てて面白いというものでもなかった。
『アイス・ストーム』(1997年)
台湾出身、『ブロークバック・マウンテン』や『グリーン・ディスティニー』で
知られるアン・リー監督が撮ったサスペンス風のホームドラマ。
監督にはアメリカの生活・家庭がどんなふうに見えたのだろう?
どことなくなんとなく、外から観察してパーツを組み立ててますという印象を受ける。
親たちも子供たちもそれぞれが歪んだ性的な関係に入り込み、崩壊する、
隣接した2つの家族の行く末。
不倫の2人がケヴィン・クラインとシガニー・ウィーヴァー。
子供たちにトビー・マグワイア、クリスティナ・リッチ、イライジャ・ウッド。
と豪華な面々。特にこの3人はまさに売り出し中でブレイク寸前だった。
今思うととても不思議な顔ぶれ。
ウディ・アレン監督『メリンダとメリンダ』(2004年)
脚本家仲間が飲んでいると、悲劇と喜劇はどちらが素晴らしいかという議論になる。
若い夫婦が友人たちを集めて食事をしていたら招かれざる客メリンダが突然現れた、
という設定から悲劇と喜劇をそれぞれ作り出すことになり・・・
それが交互に語られていくんだけど、
うーん、どちらも悲劇にも喜劇にも見えない。
いつもの(微妙に調子悪いときの)ウディ・アレンの映画でしかない。
ウィル・ファレルが出ていたけど、自身の作品ではないため怪演はなし。
先日パトリス・ルコント監督の『橋の上の娘』を見て以来、
「Sing, Sing, Sing」という往年のスイングの名曲が気になって仕方がない。
誰の演奏のだったのだろうか?
でも「Sing, Sing, Sing」って言ったら普通ベニー・グッドマンだよなあと
1曲 iTunes Store からダウンロードする。
『カー・ウォッシュ』(1976年)
ロサンゼルスの洗車場を舞台にしたドタバタ・コメディ。
一癖も二癖もある従業員たちばかりで一日中大騒ぎ。
オーディション目指して歌って踊ってばかりの二人組、
ゲイだとか、革命家気取りだとか、
変てこな帽子をかぶってるとか、チビなのにアフロがやたらでかいとか。
エピソードの羅列で特にはなしらしい話はないんだけど、
この映画何がいいかって、
ロスの架空のラジオ局からの放送を一日中流しっぱなしにしてるんですね。
なのでディスク・ジョッキーがムーディーに喋って、
一番キラキラしていた頃のディスコやソウルが次々にかかる。
サントラを amazon で見つけて即オーダーした。
これは絶対いいはず。
脚本は後に80年代ブラット・パック映画の代表格
『セント・エルモス・ファイアー』を監督するジョエル・シューマカー。
カリン・クサマ監督『ガールファイト』(2000年)
クサマという苗字からも分かるように、日本人とのハーフ。
監督の生まれ育ったブルックリンが舞台。
貧しい父子家庭に暮らす孤独な女子高生がボクシングに出会って、
モクモクと練習に励み、アマチュアの大会で勝ち上がっていく。
この作品もまたサンダンスとカンヌで評価された。
女性だからと言ってチャラチャラしない、男も女の関係なく這い上がりたい、
と強く願う主人公の姿には監督自身の思いも投影されているのではないか。
ひたすらにストイックな映画。
浴槽を洗って、シャワーを浴びる。
以前青森から送られてきた荷物の中にホタテの煮汁を凍らせたものが入っていて、
有効活用しようと昨日西友で買った安売りのホタテと、
冷凍食品の温野菜とを炒めて煮る。
缶ビールを飲む。
最後、本多猪四郎監督の『マタンゴ』(1963年)
ようやく見た。筋肉少女帯にも同名の歌があったが・・・
東宝の特撮系の作品では最も有名な作品か。
ヨットに乗った若者たちが嵐に会い、漂着した無人島には食べ物は何もなく、
放射能で突然変異したキノコが妖しく繁殖していた。
食べた人間はやがて巨大キノコへと変身する。
人間の幸せってなんなのだろう?
小さな島で皆がキノコ人間になってそれで皆が幸せだというのならば、
それでもいいではないか、と思う。
今調べたらマタンゴ役の一人に天本英世。
午前0時半に眠る。
[3544] 8/21 2010-08-26 (Thu)8/21(土)
酒を飲みながら映画を見る以外に他何もない毎日もそろそろ終わり。
がっつり見るのはこの週末が最後。いや、ギリギリ次の週までか。
しかし、気持ちを切り替えていく。夏休みもいつか終わる。
起きたら11時。
J・L・ゴダール『アワーミュージック』(2004年)
ダンテの『神曲』に倣った3部構成。地獄篇、煉獄篇、天国篇。
地獄篇はゴダールお得意の古今東西の映画とニュース映像のコラージュ。
9.11後の戦いに満ちたこの世界について検証する。
煉獄篇はゴダール本人が登場してサラエヴォへ。
書物に関する集まりにて映画とテキストの関係について講義を行うことになっている。
ゴダールを中心とした人々の集まりの前に様々な人物が現れ、語っていく。
やがてテーマはパレスチナとイスラエルの対立へ。
そう言えばゴダールの『映画史』の DVD BOX を
買っておきながらまだ見ていなかったな、ということを思い出す。
ご飯を炊いて炒飯を作る。
具は豚コマだけ。辛くないラー油を調味料代わりに使う。うまかった。
マノエル・ド・オリヴェイラ『家路』(2001年)
『夜顔』の名優ミシェル・ピッコリが出ている。
事故で妻と息子夫婦を亡くした老優の日々。
それまで演劇と映画に生きてきて、生きがいというか生きる術は他にない。
共に暮らす孫がいて、世話をしてくれる家政婦がいて、家族と言えるのはそれだけ。
イヨネスコの舞台に出演、後にジョイスの『ユリシーズ』の映画化に代役で参加。
その合間の、周りの人々とのちょっとした交流。
喜怒哀楽というほどのものでもない、ささやかな時間の連なり。
やはり素晴らしい。
『ユリシーズ』を映画化する監督がジョン・マルコビッチ。珍しい起用。
洗濯をして、その間クリーニング屋へ。西友で買い物をする。
帰ってきて洗濯物を干す。
外は暑くて、歩いていると汗だくになる。
夜飲むつもりだったウォッカをグレープフルーツ・サワーの元というのか、
それで割って飲む。結局夜までずっと飲み続け。
甲子園は沖縄の興南高校が優勝。これで史上6校目の春夏連覇となる。
リン・ラムジーというイギリスの若い監督の『モーヴァン』(2002年)
クリスマスの朝、自殺した恋人がキッチンに横たわっていた。
主人公のモーヴァンはその死体を山に埋め、彼の預金を引き出し、
一緒にスーパーでバイトしていた友人と共にスペインへバカンスに出かける。
彼が書いた小説を自分の名前で出版社に送ったところ、
破格の契約金を受け取ることになる。
人生の平衡がどんどん狂っていく。
モーヴァンはその奔流の中にそっと身を投じる。引き返すことはできない。
ゆるやかに、静かに、退廃的で破滅的。
イギリスの若い監督らしく(恐らく)自分の好きな音楽をどんどん放り込む。
The Velvet Underground「I'm Sticking With You」であるとか、
Can「I Want More」「Spoon」であるとか。
クラブで無為な時間を過ごすシーンがいくつかあって、
そこでは大音量で現代的なダンスミュージックが流れる。
サマンサ・モートンが主演。
イエジー・スコリモフスキ『ザ・シャウト/さまよえる幻響』(1978年)
この監督のことは正直、全然知らなかった。最近たまたまどこかで知った。
ロマン・ポランスキー監督の『水の中のナイフ』の脚本を
手掛けていたりするんですね。
砂丘のある小さな村で実験音楽を作曲しつつ、村の教会でオルガンを弾く夫。
その妻。2人だけの暮らしの中にある日、闖入者、謎の男が現れる。
オーストラリアでアボリジニと共に十数年暮らしたという彼は
叫び声で人を殺すことができるという。
彼は2人の家に住み着き、やがて妻と関係をもつようになる。
そして夫はある朝、彼の叫び声を砂丘にて聞くことになったのだが・・・
というミステリアスなスリラー。どことなく幻想的でグロテスク。
意外なことにカンヌでグランプリを取ってるんですね。
奇妙な電子音楽が終始流れるんだけど
担当したのはアンソニー・バンクスとマイケル・ラザフォード。
つまり Genesis の2人。そして、なんとルパート・ハイン。
缶ビールを飲み始める。つまみは、西友で買ったマグロのぶつ切りと
青森から送られてきた中にあったホタテのマヨネーズ和えの缶詰。
『いとこのビニー』(1992年)
アメリカのコメディ映画。日本じゃ誰も知らないようなB級なんだろうけど
この土日で見た中ではこれがダントツで面白かった。
訳アリ弁護士 goes to 法廷ものにハズレなし。
とにかくよかった。ラストの展開に涙した。
これだよ、これ。アメリカ映画の良心はここにあった。
みっともなさが服を着てだらしなく歩いているような弁護士をジョー・ペシ。
派手好きだけど肝っ玉の太い、男を立てるいい女を演じた
マリサ・トメイがアカデミー助演女優賞。
『クラークス』(1994年)
90年代きっての俊才(的扱いだったように思う)ケヴィン・スミスの出世作。
サンダンスやカンヌで評価されたオフビート・コメディ。
やる気のない店員2人が
コンビニと隣のレンタルビデオでダラダラとバイトする1日を描く。
何かって言うと店を閉めて、屋根の上でホッケーを始める始末。
仲間を集めて撮ったとのことで、100% 手作り。
1994年ってのが正にぴったりなんだけど、
インディー・レーベルでローファイなグランジの 7inch だしましたって感じ。
どうでもいいエピソードがダラダラと語られてしょーもねーなーと思いつつ、
どこかなんか面白さの残骸を感じて最後まで見てしまう。
先日の「うちのトコでは」のサイトのマンガを見ていたら午前1時となる。寝る。
[3543] ブラット・パック、『ブレックファスト・クラブ』 2010-08-25 (Wed)『ブレックファスト・クラブ』
アメリカのどこにでもあるような高校が舞台。
土曜。問題を起こした生徒5人が朝早くから図書室に集められ、
反省の課題として「自分とは何か」について書くよう教師から指示される。
期限は夕方まで。
それまでお互いに面識のなかった、
お嬢様、スポーツマン、不良、ガリ勉、不思議ちゃん。
互いに心の中でバカにしている。こいつらには僕の(私の)ことが分かるわけがない。
彼らはもちろん作文に取り掛かるわけがなく、はしゃいで、ふざけまくる。
口論になり、喧嘩も始める。校内も探検する。
夕方が近付いてマリファナも出回り(不良以外は初めての体験)、
輪になってお互いの境遇について語りだし、心のうちをさらけ出す。
それぞれが青春時代特有の疎外感を抱えて、一人きり悩んでいた。
そして仮初めの儚い連帯意識が芽生えた頃、禁断の質問がポロリと発せられる。
「月曜に学校でばったり会っても、まだ友達でいてくれる?」
1人が我に帰ってつい、口にしてしまう。
「・・・そんなこと、あるわけないじゃない」
切ない。余りにも切ない。
そんな話あるわけないよ! 日本じゃ考えられないよ!
と思いつつも人としてどこか大事な部分で共感してしまう。
等身大の自分が確かにそこにいたような錯覚を覚える。
80年代青春映画の金字塔。
支えているのは80年代という時代の雰囲気を捉えて映画にするのがうまかった
ジョン・ヒューズの脚本と演出も大きいんだけど、
やはり5人の役者としての力量と存在感と旬な勢いと
それらが一緒くたになったキラキラとした青春の輝き。
彼らは当時「ブラット・パック」と称され、もてはやされたスター俳優の集団だった。
一般的にはこの『ブレックファスト・クラブ』と
ジョエル・シューマカー監督の『セント・エルモス・ファイヤー』に出演し、
重なり合った9人の俳優たちがそこに属すとされる。
どちらも1985年。
この年が惑星直列的なピークとなり、この前後数年、
互いが互いの映画に出まくって複雑に絡み合った関係を築いた。
仲間たちの順列組み合わせで青春映画が量産される。それがヒットする。
(僕はファミリー・ツリーを書いてみようとして、調べてみて、断念した。
誰がどの映画に出ているのか主なところをまとめたのを最後に添付します)
興味深いのは、彼らのほとんどが大人になるにつれて失速していったこと。
かろうじて人気を保ったのはデミ・ムーアだけか。
むしろブラット・パックの周辺にいた役者たちの方が大成した。
ロバート・ダウニー・Jrやショーン・ペンがその代表格か。
ニコラス・ケイジも恐らく近いところにいた。
今となっては同窓会的な映画が作られることもない。
80年代は80年代のまま、忘れられた写真のように壁に掛けられている。
当時順列組み合わせを繰り返すうちに偶然生じた、たった一瞬の化学反応が2つ。
ゆえに奇跡のような、かけがえのない瞬間の記録として見るものの心を撃つ。
<付録:ブラットパックたちの出演作品>
★ブラット・パックのメンバー
☆ブラット・パックの周辺メンバー
『初体験/リッジモント・ハイ』(1982 / 脚本:キャメロン・クロウ)
☆ショーン・ペン
※ニコラス・ケイジ、フォレスト・ウィッテカーも出演
『ランブルフィッシュ』(1983 / 監督:フランシス・フォード・コッポラ)
☆マット・ディロン
☆ダイアン・レイン
※トム・ウェイツ、ソフィア・コッポラ、
ニコラス・ケイジ、デニス・ホッパー、ミッキー・ロークも出演
『アウトサイダー』(1983 / 監督:フランシス・フォード・コッポラ)
★ロブ・ロウ
★エミリオ・エステヴェス
☆マット・ディロン
☆ダイアン・レイン
☆トム・クルーズ
※トム・ウェイツ、ソフィア・コッポラも出演
『バッド・ボーイズ』(1983 / 監督:リック・ローゼンタール)
★アリー・シーディ
☆ショーン・ペン
『恋のスクランブル』(1983 / 監督:ルイス・ジョン・カリーノ)
★アンドリュー・マッカーシー
★ロブ・ロウ
☆ジョン・キューザック
☆ジョーン・キューザック
※ヴァージニア・マドセンも出演
『すてきな片想い』(1984 / 監督・脚本:ジョン・ヒューズ)
★モリー・リングウォルド
★アンソニー・マイケル・ホール
☆ジョン・キューザック
☆ジョーン・キューザック
『ブレックファスト・クラブ』(1985 / 監督・脚本:ジョン・ヒューズ)
★モリー・リングウォルド
★アリー・シーディ
★エミリオ・エステヴェス
★アンソニー・マイケル・ホール
★ジャド・ネルソン
『セント・エルモス・ファイアー』(1985 / 監督・脚本:ジョエル・シューマカー)
★アリー・シーディ
★エミリオ・エステヴェス
★ジャド・ネルソン
★アンドリュー・マッカーシー
★ロブ・ロウ
★デミ・ムーア
★メア・ウィニンガム
『ときめきサイエンス』(1985 / 監督・脚本:ジョン・ヒューズ)
★アンソニー・マイケル・ホール
☆ロバート・ダウニー・Jr
『ウィズダム/夢のかけら』(1986 / 監督・脚本:エミリオ・エステヴェス)
★エミリオ・エステヴェス
★デミ・ムーア
『きのうの夜は…』(1986 / 監督:エドワード・ズウィック)
★ロブ・ロウ
★デミ・ムーア
『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』(1986 / 脚本:ジョン・ヒューズ)
★モリー・リングウォルド
★アンドリュー・マッカーシー
☆ジェームズ・スペイダー
※ハリー・ディーン・スタントンも出演
『レス・ザン・ゼロ』(1987 / 原作:ブレット・イーストン・エリス)
★アンドリュー・マッカーシー
☆ロバート・ダウニー・Jr
☆ジェームズ・スペイダー
[3542] ジョン・ヒューズ、『プリティ・イン・ピンク』 2010-08-24 (Tue)先々週末に『プリティ・イン・ピンク / 恋人たちの街角』を観て
気になるものがあったので、先週ジョン・ヒューズ絡みの映画をさらに2本借りた。
『ときめきサイエンス』と『ブレックファスト・クラブ』
『プリティ・イン・ピンク / 恋人たちの街角』は
ある意味、僕の中で伝説の映画だった。
初期 The Phychedelic Furs の名曲「Pretty In Pink」の歌詞が元ネタになっていて、
「ピンクのドレスを着た彼女は、きれいじゃないか?」というサビのフレーズが
そのまま映画の大事なシーンとなっていた。
高校卒業のパーティーを誰と行く?
貧しい家に育ってバイトばかりのアンディは
大金持ちで気取ったブレーンと幼馴染で野暮ったいダッキーとの間で揺れ動く。
何が素晴らしいかと言えば80年代ニューウェーヴの名曲がズラリと並んだサントラ。
僕は映画を観たことがなかったのに、サントラは10何年も前から持っていた。
Suzanne Vega「Left Of Centre」
The Phychedelic Furs 「Pretty In Pink」
New Order「Shellshock」
Echo & The Bunnymen 「Bring On The Dancing Horses」
The Smiths 「Please Please Please Let Me Get What I Want」
Orchestral Manoeuvres In The Dark「If You Leave」
80'UK ファンとしては何よりも「Please Please Please Let Me Get What I Want」
New York Dolls の不遇なベーシスト、アーサー・”キラー”・ケインの
その後の人生を追ったドキュメンタリー『New York Doll』のラストでも流れていた、
歌い始められた途端名画であることが保障される、奇跡の名曲。
(でも、『プリティ・イン・ピンク』ではどこで使われていたのか・・・)
「Left Of Centre」も「Shellshock」もこの映画のために作られた曲なんですよね。
なのにどちらもベストアルバムに必ず収録される名曲。
ジョン・ヒューズ監督ってこの辺りの音楽のセンスがよくて、
『ときめきサイエンス』の主題歌は同タイトルで Oingo Boingo の書き下ろし。
トキメキ度合いがもうこれ以上ない、ってくらいに80年代な音。
このバンドの首謀者ダニー・エルフマンは
後にティム・バートン監督の作品などで知られる映画音楽の大家となる。
時期的に、この『ときめきサイエンス』の主題歌作りが
本格的に映画に関わるきっかけになったのではないかと思われる。
さえない高校生2人がコンピューターで理想の女性(もちろん、お色気系)を描いたら
そこに雷が落ちて女性が実体化、あれやこれやとノンストップで大混乱・大暴走。
女の子を誘ってパーティーを開くはずがとんでもないカオスに突入する。
素面で見ていたのに、ビール飲んでなかったのに、この映画要約できない。
なんだこりゃ、と呆気に取られる。
『ブレックファスト・クラブ』の主題歌は
Simple Minds がアメリカでブレイクするきっかけとなった
「Don't You (Forget About Me) 」
確か全米で No.1 となった。
この映画、80年代を代表する名作。
音楽のこと以外にもあれこれ語りたいので、次に続く。
[3541] 先日、こんなことがあった 2010-08-23 (Mon)先日、こんなことがあった。
mixi にて知らない人からメールが届いて、なんだろう? と思いつつ、
当たり障りのない事を返事して返した。
次の週、その方から再度メールが。何度かやりとりしている中で
「このところ暇なので映画ばかり見ています」と書いたら
「よかったらお茶でもどうですか?」となった。
素直によく分からなかったので「なぜ僕なのですか?」と返すと、
「ごめんなさい」なかったことにと、それっきり。
新たな出会い系なのだろうか? と思った。
以前「ヮ」を多用するいかにもなギャル系のメールが
毎日のように届いた時期があった。しかしそれもいつのまにかなくなった。
この方も業者が粗造する機械的なユーザーなのだろうかと
こっそりプロフィールを見てみる。(その後で、あしあとを消す)
ブログが公開されていて長年書き続けていたらそんなことはないのだろうと考えるが、
非公開なのかただ単に書いてないのか判別つかず。
プロフィールそのものから察するにはごく普通の人のようだ。
そんなこんなで、うーん。どっちなのか分からず。
結局は「世の中そんなに甘くない」という結論に倒れた。
・お茶でも、と言われて行ってみたらそこには他にも同じようなカモがいて、
「2人だけでとはそもそも言ってない」とサラリとかわされ、
例えば宗教団体に集団勧誘される。
(あるいは僕一人だけをターゲットに、大勢が代わる代わる巻き込もうとする)
・2人きりなのだが、不幸な身の上話を聞かされて
気がついたら何か高額商品を買わされていたり、
「10万ぐらいなら肩代わりします」と口走っていたり。
そんな光景を思い描いた。
そもそもなんでいきなり、会いませんか? となるのだろう。
マイミクになりませんか、ならまだしも。
そこのところが一番のポイントになった。
あと、僕のどこに興味を持ったのかが何も伝わってこないところに違和感を覚えた。
何よりもそこのところが知りたい。だから「なぜ僕なのですか?」と聞いた。
例えば小説とか青森とか海外旅行や食べることとかそういう接点に触れることなく、
暇だと言うなら会いませんかって、そんなのありえることだろうか?
なのに、なのに。
やんわりと拒絶することになったものの、その後もウダウダと
「いや、実は彼女は僕にほんとの興味があったのではないか?」
「それを僕がだめにしてしまった」
などと考えてしまう。
男子たるもの勝手に「自分だけは違う」「自分だけは例外」と思うものであって。
いや、一番厄介なのは、彼女は宗教でもサギでもない普通の人であり、
今回たまたま僕と出会ったんだけど、
会ってみたら話も気分も合わない人だったというケース。どうフェードアウトするか?
なんてことを考えてみたり。妄想が膨らむ。
・・・偉そうにも。
前から知っていた人であったり、そのとき知り合った人であったり。
映画を見るとか飲みに行くとか、そういうことが時々ある。
ふと我に返って「ああ、これって俗に言う”デート”なんだな」と思う。
だからどうした、ということはない。
ただ、このところそういう局面が全然なかった。
この先もなさそう。
何も考えず、会ってみてもよかったかもね。
このところあれこれ破れかぶれな気分ってこともあって
宗教団体やサギ事件だったとしても
それ前提に会ってみてもよかったんじゃないか、なんて。
弱ってるなー、自分。
・・・ここまでを読み返してみて、
こんなウダウダした人は女性から好かれないだろうな、と思う。
[3540] 8/16-8/19 2010-08-22 (Sun)8/16(月)
昼、丸香。11時の開店ちょっと過ぎに入ったはずが、すでに満席近く。
冷やし肉うどんにガリガリと胡椒をかけて食べる。
東京は猛暑日が続く。
夕方、竹芝本社へ。
健康保険組合からの補助券3万円分がJTBで使えると知って、今度の沖縄旅行に充てる。
キャビネにしまった私物のダンボールの中にあったはずだと探してみる。見つかる。
以前一緒のPJだった後輩の女の子が退職することになり、
皆に挨拶して回っているところに出くわす。
お盆のオフィスは閑散としていた。すぐ出る。
何か食べて帰ろうと以前入ったことのあるラーメン屋へ。
「福気」という名前だったか。がっつりとんこつ系。とんこつ味噌にする。
悪くはないのだが、こってりし過ぎてて真夏に食べるものではなかったか。
このところ、iPhone で The Magnetic Fields 「69 Songs」3枚組を聞いていた。
アーサー・ラッセルの伝記を読み終える。
帰ってきてパトリス・ルコント監督の『橋の上の娘』を観る。
モナコのサーカスで猥雑な「Sing Sing Sing」が流れるという時点で最高。
主演のヴァネッサ・パラディもなかなかいい。しかしあのラストは・・・
続けてジョン・ヒューズ監督の『ときめきサイエンス』を観る。
午前0時に眠る。
---
8/17(火)
今日もまた猛暑日。東京では練馬区の最高気温38℃を超える。
中公文庫から出ている寺山修司の伝記を読み始める。
昼、いもやで天丼を食べるつもりが、
前を通り掛かった三幸園の日替わりが麻婆豆腐だったので抗えず中に入る。
高校野球の中継で、東京同士、早稲田実業と関東一高の試合だった。
昼休み、『うちのトコでは』という県民性をテーマにした漫画を読む。
青森は一言で言って「人見知り」
自分もそうだが、全くもってその通りだと思う。
http://www.amazon.co.jp/dp/4870319853/
帰って来て、黒澤明『乱』を観る。
シェイクスピア『リア王』を戦国時代に置き換える。
仲代達矢は狂気に陥り、原田美枝子は夫をそそのかし一族を破滅に追いやる。
腹が減っていたためご飯を炊いて、鯖の味噌煮の缶詰を食べる。
『うちのトコでは』の続きを読む。
やはり青森は影が薄かった。
後半は本州と四国のを結ぶ3つの橋についての読みきり。
午前0時に眠る。
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8/18(水)
昼、「まんてん」に行ったら22日までお盆休みと貼紙。
どんだけ長いお盆休みなんだ・・・
白山通りを渡って向かいの「いもや」(天丼)へ。
普通の方の天丼、550円。安い。
昼休み、昨晩読んだ『うちのトコでは』のWEB版を見て過ごす。
最近、午後とても眠い。起きていられない。
帰りの地下鉄もまた目を閉じるとすぐ居眠り。
仕事はたいしてしてなくて定時で帰って映画を見てるだけの毎日なのに、
これまでの疲れと夏の暑さ&エアコンのだるさで体が弱っているのだろう、と思う。
夜、7月に帰省したときに持ち帰ったカレーを冷凍しておいたのを解凍して食べる。
三谷幸喜監督の『みんなのいえ』を観る。
唐沢寿明、田中邦衛、ココリコの田中直樹がそれぞれはまり役。
もっとドタバタしたブラック・コメディになるかと思いきや、意外と「いい」話へ。
続けてジョン・ヒューズ監督の『ブレックファスト・クラブ』
ブラットパックとされる役者たちの出演作品の重なり具合を調べていたら
午前0時を過ぎた。
---
8/19(木)
昼、天鴻餃子房で元祖餃子の中盛定食。
涼しい一日。気がついたら甲子園も準々決勝。
仕事で飲まずにはいられない出来事が起きて、
西友で缶ビールとつまみ(一口餃子、唐揚)を買って帰って来て飲む。
DVDの予定を変えて、笑えるものにする。『俺たちダンクシューター』
ウィル・フェレルが出演している。そこそこ笑える。
その後、若松孝二と足立正生による1971年のドキュメンタリー
『赤軍派−PFLP 世界戦争宣言』その名の通りの内容。
パレスチナの市民たちがテロリストとして生きる風景を淡々と写し取る。
「離」の次が始まる。あれこれ発表される。
システムエンジニアという経歴を買われて割と重要な役割を与えられる。
来週からまた忙しくなりそうだ。
[3539] 『特攻野郎Aチーム The Movie』『バブル』 2010-08-21 (Sat)昨日は月イチの有給消化の日。
ゆりかもめに乗ってお台場に行って、メディアージュで映画を見ることにする。
その後大江戸温泉物語、渋谷に移動して HMV へ。
夜は吉祥寺のバウスシアターでレイトショー。
そんな計画を立てる。
『特攻野郎Aチーム The Movie』が昨日、公開初日。
朝イチの回は1300円で見れるということでかなり得した。
客はガラガラ、なのに広い客席。
ホームシアターでくつろいで見てるような感覚になる。
それもあってか、この映画最高に面白かった。
無軌道・無鉄砲な4人のキャラを見てるだけで楽しい。
このメンバーのまま続編がシリーズ化されないかな。
『シンドラーのリスト』のリーアム・ニースンがリーダーの”ハンニバル”役で、
『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』で一躍脚光を浴びた
ブラッドリー・クーパーが女たらしの”フェイス”、
『第9地区』の鬼才シャルト・コプリーがキチガイ操縦士”マードック”、
”B.A.バラカス”は現役の総合格闘技レスラー。
素人のはずなのに台詞回しがやたらいい。体のこなしも当然いい。
この4人の存在感とやりとりが対等で
絶妙なバランスであっち行ったり、こっち行ったり。
こういう4人組ってたいがい1人か2人スターが出て、
残りは添え物立場になっちゃいがちだけど。
その辺りこの映画は分かってるなあ、一番大事なとこを押さえてるなあと感心した。
オリジナルのドラマは青森でも再放送されていた。
深夜枠で不定期だったような・・・
なので僕も全エピソードを熱心に見たわけではない。
当時のアメリカのアクション系のドラマだったら断然『エアーウルフ』だねえ。
同級生の間では『ナイトライダー』も人気があった。
なお。”フェイス”と昔恋仲で、今は4人を追いかける立場となった”ソーサ”は
2人が最も燃え上がっていたときに聞いたのが Steely Dan だったということで、
携帯に”フェイス”から掛かってきたときの着メロが
Steely Dan「Reelin' In The Years」
これって笑うポイントなんだろうな。
Steely Dan って日本では今でもお洒落なツウの音楽だとしても(あるいは知らない)、
アメリカでは単なる”かっこつけた懐メロ”なのかもしれない。
予告編でもやってた、戦車にパラシュートをつけて落下しながら撃ちまくるシーンが
アクション映画としての白眉だった。やるなあ。
アクアシティとメディアージュはサンリオ祭りみたいなのをやっていて、
例えばシネマ・メディアージュの広いスペースでは
ご当地キティが日本全国勢ぞろいしていた。
青森だと、ホタテ・リンゴ・三味線・ねぶた・大間のマグロ・乙女の像など。
この僕ですらかわいらしいと思う。ほしくなる。
でも、何かにつけて持ち歩くこともないだろうと買うのを我慢する。
お台場小香港の陳麻婆豆腐店で昼を食べる。
DECKSのマッスルパークが夏休みで賑わっていた。
普段の平日だと閑古鳥が鳴いているのに・・・
大江戸温泉物語へ。どこぞの茶髪バカ学生の集団がはしゃぎまくってて、
入館受付の時点で上半身裸になって走り回る者がいて、それを笑いあってたり。
居心地悪かった。露天風呂も彼らがゾロゾロと。
落ち着いて温泉に入る気にもならず、早々に出てくる。
8月の平日に休みをとっても、あんまり意味ないんだな・・・
生ビールを飲みながら高校野球を見る。
東海大相模と成田。注目の一二三投手が投げるのを初めて見た。
おっさんの店員が隣の店の女性の店員とずっとおしゃべりしてて、
ザツに注がれた生ビールもなんだかまずく。あーあ。
ゆりかもめに乗って新橋へ。そのまま銀座線で渋谷へ。
HMV が閉店間際でポイント10倍になってないかなと思ったのだが、そんなことはなく。
ざっと店内を眺めて帰ってくる。
荻窪に戻ってきて、床屋で髪を切る。
眠くなってウツラウツラして、顔を剃っているときにはずっと寝てた。
部屋に帰って1時間ほど過ごした後、吉祥寺へ。
バウスシアターで入場券を買った後、一風堂で白丸。
ちょっとした行列ができて、しばらく並ぶ。
何年か前に食べたときにはおいしいと思ったんだけど、今回は全然ダメ。
そもそもとんこつラーメンを受け付けなくなったのかもしれない。
スティーヴン・ソダーバーグ監督の2005年の幻の作品『バブル』を観る。
何もない郊外の町を舞台に、人形工場で働くどん詰まりなおばさんと若者が出てくる。
若者は緊張病から高校を辞めていて、おばさんは父親の介護に全てを奪われていた。
他にたいした仕事もなく、貧しき日々は貧しき日々のまま、ただただ繰り返される。
そこに若いシングルマザーが現れて、水面下で様々な物事がかき乱されていく。
彼らの関係性も変化する。
低予算のインディペントな作品。(調べてみたらそれでも予算160万ドル)
出演者は素人、しかも彼らの住む家をそのまま使った。
例によって変名を使いまくって、監督・撮影・編集を自らの手で。
調べてみたら脚本は違うようだ。
もしかしたらギター1本だけのインストの音楽も自ら弾いたんじゃないか?
と思ったんだけど、元 Guided By Voices のロバート・ポラードによるものだった。
低予算のインディペントな作品というと、そのちょうど10年前、
『トラフィック』『エリン・ブロコビッチ』で再度脚光を浴びる前の
不遇の時期に作られた2作品『グレイズ・アナトミー』『スキゾポリス』を思い出す。
DVD になったとき、今買っとかないとすぐなくなる、見れなくなる、
と両方買っといたんだけど、不遇は不遇、
確かにこりゃ干されるな〜 というシロモノだった。
面白いかというとそれほどでもない。興味深い、というだけ。
『バブル』も同じ匂いがした。
とはいえそもそも DVD 化されない予感がして、
今逃すと2度とお目にかかれないかもと足を運んだんだけど、
見てみたら案外いける作品だった。
『トラフィック』以後だったらこれが一番しっくりくるかも。
何気ないちょっとした物事をただあるがままに淡々と描く。
風変わりから、奇妙へ。そして、破綻する。
ああ、こういう撮り方があるのか、
フランスや北欧の監督ならあったかもしれないけど、
アメリカだとこれまでなかったかも、と思った。
先月渋谷のシネマライズでレイトショー公開。
昨日がバウスシアターでの最終日だった。
広い客席に観客はほとんどいなかった。
[3538] 渋谷HMV閉店 2010-08-20 (Fri)渋谷の HMV が明後日8/22(日)をもって閉店する。
今日は休み、お台場で映画を見て温泉に入った後で渋谷へと向かった。
(そういえば平日なのになんでこんなに人がいるのだろう?
と思ったら今日って若者たちにとってはまだ夏休みなんですね)
入ってすぐの、以前ならJ-POP、ロックやブラックの新譜が
かっこよくディスプレイされていたエリアががらんとしていた。
70%OFF のワゴンセールに多くの客が群がっていた。
1階の J-POP のコーナーはそれほどでもなかったけど、
3階のロックは棚がスカスカだった。
二度と補充されることはない。新譜だけが目立つ。
新宿高島屋や銀座 INZ の店がなくなるときも最後はこんな感じだったよな。
なんだか寂しい気持ちになった。
今日行ってみたらお台場の店もなくなっていた。
まるで元からなかったかのように。
都内からどんどん HMV が減ってきている。
特にかつて大型だった店舗。
今残っているのは、立川や吉祥寺、豊洲の
デパートやショッピングモールの中の小型店舗のみ。
CD ってほんと売れないんだな。もう何年と。
長引く不況とダウンロードの普及と。
タワレコも渋谷や新宿の店がなくなってしまう日がいつか来るのかもしれない。
新宿や池袋の Virgin Mega Store がなくなったときのことを思い出した。
こんなことになるとは学生時代想像もつかなかった。
僕の東京での生活の中心に HMV がある、
そのことを永遠不変の事実のように捉えていた。
僕が初めて HMV に出会ったのは高校3年生の夏。
とある事情で上京して、たまたま知り合った人に
「渋谷に大きな CD 屋がある」「輸入盤を売っている」と教えてもらって、
連れて行ってもらった。
今はビル一棟ごとパチンコ屋になっている ONE-OH-NINE の地下にあった。
店内は薄暗くて、なんだか怖かった。
ものすごく大きな音で体に悪そうなロックがかかっていた。
それでも僕にとっては天国のような場所に思えた。
まだ17歳のオカムラ少年は目を輝かせる。夢中になって棚を漁った。
青森では決して手に入らない、ディスクガイドでしか見たことのない
アルバムがあちこちにあった。
どれだけの間そのフロアで過ごしただろう?
上野からの寝台特急で帰るため、時間はいくらでもあった。
Gangway のナンバリング入り限定盤のレアトラックスと
(デンマークのネオアコだとは全然知らず、店頭で大々的にプッシュされていたので
なんとなく買ってしまった)
Can『Monster Movie』の輸入盤(これこそ青森で手に入らないロックの名作)を
買ったのは覚えている。
あと、もう1枚。
Can『Soundtracks』だったか、Tuxedomoon『Suite En Sous-Sol』だったか。
いや、これらは大学受験の帰りに買ったんだったか。
大学に入る。上京する。可能性が広がる。
その象徴が僕にとって、HMV であったように思う。
なんだか寂しいな。
このところ連日、閉店を惜しむアーティストたちによる
ライブイベントが店内で行われ、
昨日は終日曽我部恵一ディレクションだったようだ。
今日は夜まで何もない日で、店内はいつも通りだった。
最終日は須永辰緒や沖野修也が出演する。
見に行こうかな。どうしようかな。
さようなら、渋谷 HMV これまでありがとう。
[3537] 8/15 2010-08-19 (Thu)8/15(日)
8時半に起きて若松孝二監督の『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』を観る。
190分という長さ。「彼ら」はいかにして
「連合赤軍リンチ事件」と「連合赤軍あさま山荘事件」へと向かったから。
その過程を描こうとしたらこれだけの長さになってもおかしくないかもしれない。
実際、見てて長いとは思っても「冗長」だとは感じなかった。むしろはしょりすぎ。
60年代、金はないけど反骨精神というより闘争本能のあった
独立系ピンク映画で湯水の如くエロティックで実験的な作品を作っていた
若松孝二監督からしてみればどこかで自分なりの「総括」がしたかったのだろうか…
パレスチナにいた足立正生が日本に戻ってきて、重信房子が逮捕された今、
「俺が撮らずしてどうする」という怒りだろう。
山本直樹が『RED』を連載しているよなあとか、
小さい頃「あさま山荘」のニュース映像を見たことがあるよなあとか。
いろんなことを思いながら観る。
当時をリアルに生きた人たちの様々な主観や視点がそれぞれにあったはずで
僕は何も言えない。
どういう立場なのか、正確なのか僕には分からないが
途中途中このサイトを参考にさせてもらった。
http://yabusaka.moo.jp/asamasansou.htm
革命に身を投じた若者たちが多数登場する群像劇。
有名なところでは最後のあさま山荘まで突き進んだ ARATA と、
途中のリンチ殺人で「総括が足りない」として殺された純朴そうに見える酒井真紀と。
僕自身もまだ消化不良で今は何も言えない。
2010年代の今、手法が古すぎて肯定はできないけど否定もできない。
「否定もできない」と思う僕は
当時を美化した若松孝二監督の思いにしてやられたのだろうか?
1972年当時の人たちからしたら、テレビの向こうの立て篭もった
「いきがってる時代錯誤な迷惑者のバカは死ね」だったんじゃないか。
僕には分からない。
前から気になっていた韓国のキム・ギドク監督の作品、『サマリア』を観る。
ヨーロッパに旅行したいという無邪気な理由のために
援助交際をする友達と、その手配をしてる主人公の女の子と。
それがある日、警察がラブホテルに踏み込んで友達は飛び下りて逃げようとする。
地面に激突。病院に運ばれて翌日、死亡。
その日から主人公は客に取った相手に一人ずつ会って、
自ら客にとって、友達が得た金を返そうとする。
それをたまたま目撃した主人公の父親。背景は何も知らない。
自分の娘に援助交際をさせるような奴らは許せないと一人ずつ復讐を行う。
エスカレートして、最後は殺しにまで発展する。
主人公と父親は2人車に乗って遠くに旅に出る。
やるせない、いたたまれない。
映画にしてはいけなかったもの、見てはいけなかったものを見せられたような…
次、『散歩する惑星』
どこか別の惑星での出来事を描いたシュールなブラック・コメディ。
どうしようもなく弛緩したオフビートな感覚が売りなんだろうけど…
『イン・ハー・シューズ』
キャメロン・ディアス扮する読書障害で仕事が長続きしない妹と、
トニ・コレット扮する弁護士だけれども満たされない姉と。
2人の人生がぶつかり合って互いにはじき合って、
やがて、いないとされていた祖母の住むフロリダへと引き寄せられていく。
土日10本近く、ジャンルは雑食でガツガツと借りていく中で
何の変哲もない、フツーのアメリカ映画が見たいと思って選んだ1本。
こういうのが心に染みる。手堅く、よくできている。
キャメロン・ディアスって他には例えば『ホリデイ』が面白くて唸らされた。
キャリア選択において常に有益な一手を打ち続けている人なのではないか。
ただのお馬鹿なコメディエンヌではない。
そのしたたかさを嫌というほど感じさせられた。
昨日同様、スパゲティーを茹でてナポリタン。
『がんばれベアーズ! ニューシーズン』を観る。
これだけのペースで観てれば TSUTAYA DISCAS に登録した予約リストの
消化ペースも順調かと思いきや、そうではなく。
まだ300本以上残っている。
この週末でアカデミー・カンヌ・ヴェネチア・ベルリン、
各映画賞の受賞作品の在庫リストのページを見つけてしまったのがよくなかった。
まだ膨大に足してしまった。
いつになったらこの責め苦は終わるのか。
夜、昨年出た Brand New Heavies の2枚組ライブアルバムを聞く。
「Dream On Dreamer」など懐かしい曲が並ぶ。
[3536] 8/14 2010-08-18 (Wed)8/14(土)
9時に起きる。寝てて暑くて1度エアコンのスイッチを入れるために起きる。
この土日もまた、映画を見て終わり。
『夜顔』2006年公開なので
1908年に生まれた現役最高齢監督マノエル・ド・オリヴェイラ、98歳の作品。
言うことはないです。極上のワインってこんななんだろうか。
ほのめかされる寓意の深み。素晴らしい。
年老いた2人がパリで出会う。
過去に性的な秘密があったようだが、多くは語られない。
最後、2人が「最高級の店」で食事を取る場面がすごい。
月並みで悲しくなるけど、すごいとしか言いようがない。
その始まり方、進み方、終わり方。
なんなのだろう?
他の監督は皆、ひよっこなのだろうか?
今調べてみたらこの作品はルイス・ブニュエル監督の「昼顔」の続編なのだという。
ぞっとする。本気で怖い。
というか知らなかった僕が途方もない無知のように思えた。
『月に囚われた男』
デヴィッド・ボウイの息子ダンカン・ジョーンズの初監督作品。
公開時には渋谷HMVでやたらプッシュされていたけど。
3年契約で月の裏側に1人きり派遣された男。
主演のサム・ロックウェルが1人n役をこなして頑張るのだが、ただそれだけ。
こんなこと言いたくないが、デヴィッド・ボウイの息子じゃなかったら
この作品撮れただろうか? 凡庸すぎる。
冷蔵庫の中に余っていたバナナを2本食べる。
『がんばれ!ベアーズ』の後、『ナンニ・モレッティのエイプリル』
1990年代半ばのナンニ・モレッティ。
イタリアでは総選挙で右派ベルルスコーニが首相となり、納得がいかない。
以来、次の総選挙の動向が気になって仕方がなく
俺以外に誰が撮る!? イタリアの今を映像に!
と息巻いて選挙のドキュメンタリーを撮り始める。
(その間、長年の夢である1950年代的なミュージカルに手を出して自滅)
硬派路線を突き進むはずが最愛の妻に初めての子供が生まれることが分かって
以後、デレデレ。息子のこと以外マジでどうでもいい。
世界は僕と妻と息子を中心にして回っている。
でも、不思議なことにこの幸せいっぱいのナンニ・モレッティが
スクーターに乗っている場面を観ているとこちらも幸せな気持ちになる。
ラストにて、これしかないとミュージカルを再開。その迸る幸福感。
「いやあ、いいもの見たなあ」と思ってしまう。
撮りたいものが撮れてそれが映画になって、喜怒哀楽が観客と共有されて。
世界一幸福なコメディ監督だと思う。
陰と陽が逆転してるけど、ローマのウディ・アレン。
(『息子の部屋』は歴代のカンヌ・パルムドールの中で僕が最も好きな作品の1つ)
洗濯。西友に買い物。
帰って来て、ナポリタンを作る。
30代半ばの男性の手料理なので入れたいもの全部入れる。ケチケチしない。
ベーコンもソーセージも1パック使い切る。ピーマンと玉ねぎ。
ソースは一瓶を半分使う。
450gのパスタを土日の夜で半分ずつと茹でたらとんでもない量になる。
『ワイルド・スピード』
ヴィン・ディーゼルが主演のカーチェイスのシリーズ、その1作目。
素直に面白かった。
最新作がついこないだ劇場でやってて、見に行けばよかったと後悔した。
手に汗握るんだけど、14inch のテレビで見ててもしょうがない。
自分の人生の限界を感じた。
『エージェント・ゾーハン』
アダム・サンドラー主演のアクション・コメディ。この日一番面白いものを見た。
イスラエルの軍隊で超人的活躍をしてみせたゾーハンの夢は実は美容師になること。
パレスチナの強敵をかわし、ニューヨークへ密航。
エロティックな腕がバカ受けしてブルックリンで人気となる。
しかし、その地域は悪徳業者の再開発でモメモメしていて・・・
イスラエルとパレスチナはいがみあう必要はない、
それはこの自由の国、アメリカではなおさら可能だ。
メッセージはどうにも薄っぺらい。
でもそんなことどうでもいいと思わせるぐらい、見てて痛快な気持ちになった。
ポール・トーマス・アンダーソン監督の
『パンチドランク・ラブ』にも唸ったけど、この人すげえな。
僕がニューヨークに旅行していた2008年の6月、
街では「Zohan」とだけ書かれてドライヤーを両手に飛び跳ねた
アダム・サンドラーのポスターがあちこちに貼られていて、
「これは一体何の映画だろう?」と気になっていたんですよね。
やっと見ることができた。
面白かった。とても嬉しい。
この時点で22時。もう一本観れるかと『シーズ・ソー・ラヴリー』
観終わってあれこれ文章を書いていたら午前1時。眠る。
[3535] 『がんばれ!ベアーズ』 2010-08-17 (Tue)人間誰しも無条件に反応して抗えないストーリー展開というものがある。
先日『タンポポ』を観たときに僕は
流れ者が弱きものを助けて去っていく話にめっぽう弱いと再認識させられた。
西部劇の大半がそうですね。
もう1つ弱いのがダメチーム奮闘モノ。
笑われてたチームが思わぬ秘密兵器投入ないしはそれこそ努力で勝ち上がっていく。
だったらこれだよなあと『がんばれ!ベアーズ』を借りる。
ついでに、リチャード・リンクレイターによるリメイク
『がんばれ!ベアーズ ニューシーズン』も借りて見比べてみる。
結果、オリジナルの方が断然いい。
元マイナー・リーグのプロで今は落ちぶれ、普段はプール清掃人で食ってるという
アル中のダメ男バターメーカー監督が
ジャック・レモンとの丁々発止の名コンビが今でも語られるウォルター・マッソー。
古きよき時代の男の生き様を濃ゆい肌の匂いで体現している、そんな雰囲気があった。
そしてなんと言っても、凄腕ピッチャーを演じた天才子役テイタム・オニール。
実は家を出て行ったバターメイカーの娘。
野球の英才教育を施したが9歳(!)にして肩を壊していた。
もう1度投げさせてベアーズを優勝させようと会いに行ったら
金稼ぐって路上で(レモネード売りみたいに)スターの家の地図を売っていて、
この場面での天性のこましゃくれっぷりがたまらない。
まじでいい。ここだけ繰り返し見たい。
テイタム・オニール扮するこのアマンダが登場した途端、
映画を全部もっていってしまう。
もう一人、バイクを乗り回す背伸びしたワルにして野球の天才少年ケリー役の
ジャッキー・アール・ヘイリー。(不遇の時期を経て、カムバック。
なんと今年リメイクされた『エルム街の悪夢』フレディ・クルーガーに抜擢)
リンクレイター版はバターメイカーこそ
女たらし面を強化したビリー・ボブ・ソーントンが板についていたけど
アマンダとケリーが全然及ばない。見ごたえがない。
(でもこれって観る順番に左右されるものであって、リメイクが先だと、
オリジナルの方は素朴に感じられるのかもしれない)
話の大筋と試合の展開は全く一緒。
最初の方でデブのキャッチャーがバントを知らず、
嫌々球を拾って投げたらバターメイカーの車のボンネットのガラスを割るとか。
(なのでリンクレイター版の最後のヤンキース戦でフーパーが捕球するところは
絶対そうなるだろうな、と予想がつくがゆえにホロッとする)
とはいえ細部はさすがに現代的にアップデートされていた。
バターメイカーが連中前に飲むビールがノンアルコールだとか。
人種混成チームにアルメニア系の子が入ったとか。
黒人の子が尊敬するプレーヤーがハンク・アーロンではなく
(なぜか白人の)マーク・マグワイアだとか。
なんと言ってもリンクレイターらしいのは
ケリーをチームに引き入れようとアマンダが勝負に持ち込むのが
ゲーセンのエアホッケーからスケボーのリンクに変わってて、
ケリーがデートに誘ったのがストーンズのスタジアムコンサートではなく
その辺のスケボーバンド(つまり、スラッシュメタル系パンク)になっていたこと。
そして、チームの和が重視されるようになって表向き波風が大人しくなった反面、
個としての子供たちの悪態の言葉がボキャブラリー豊富になったこと。
あけすけになった。敵意に慎みがなくなって、「単純」になった。
これってオリジナルの70年代とリメイクの00年代の差を大きく反映している。
あと、それとなくリーグ開幕前の挨拶に今はテロの時代だとそっと差し込まれたり。
正直、なんでリチャード・リンクレイター監督が2005年という時期に
この作品をリメイクしたのか理由がよく分からない。
WBCの開催が2006年に決まって映画会社側が「野球は当たる」と考えたのだろうか?
いや、時期が微妙にずれているか。雇われ仕事なんだろうな。
リチャード・リンクレイターのフィルモグラフィーは雑食で掴みどころがない。
芸術的・実験的な作品をインディーズで撮る一方で
メジャーで今回の『がんばれ!ベアーズ』のリメイクや
『スクール・オブ・ロック』のような娯楽作品もきっちり撮ってヒットさせる。
お金のためなのかなあ。何にせよこんな器用な人なかなかいない。
とはいえ、カラフルじゃなくてくすんでいるけど色彩がクリア、
深い部分はさらっと簡潔に語ってストーリーは次へというスタンスなど、
リンクレイターのテイストは保たれている。
とか何とか言ったところで結局はテイタム・オニール。
アカデミー助演女優賞の最年少記録(10歳)を作っていまだ破られない
ピーター・ボグダノビッチ監督の名作『ペーパー・ムーン』と、これと。
僕が「天才子役」と言うとまずはこの人を思い出す。
現代の秀才ダコタ・ファニングを超える。
Wikipediaその他でその後を調べてみたら
70年代にはマイケル・ジャクソンと交際していたとか、
不遇になってヌードになったとか、
80年代はジョン・マッケンローと結婚していたけどヘロイン中毒で離婚したとか。
2008年にはコカイン購入の容疑で逮捕。
「子役は大成しない」を地で行った人のようだ。
10歳までに伝説的な作品2つに主演。
その人生は幸か、不幸か。
[3534] 『シーズ・ソー・ラヴリー』 2010-08-16 (Mon)ことあるごとに言ってきたことだが、
学生時代に出会って以来一番好きな監督はジョン・カサヴェテス。
『愛の奇跡』以外は『ラブ・ストリームス』を含めて全部観た。
DVDになったのは全部買った。
複雑な気持ちになりながら『ビッグ・トラブル』も観た。
Tsutaya Discas を利用するようになって
在庫のある DVD は何だって楽に借りられるようになった。
しかし、「これは借りちゃいけない」「見ちゃいけない」
という作品ってものが世の中にはあるもんであって。
この『シーズ・ソー・ラヴリー』がその最たるもの。
ジョン・カサヴェテスが戦前に残した脚本を息子のニック・カサヴェテスが監督。
糟糠の妻ジーナ・ローランズが1場面で登場して嬉しい気持ちになったものの、
盟友ピーター・フォークもベン・ギャザラも出演せず。
少し寂しい。
演出は普通だった。可もなく不可もなく。
脚本の良さというかカサヴェテスらしさと
主演のショーン・ペンの演技力と
(もしかしたらキャリアの中で一番いい演技かもしれないと思った)
脇役のハリー・ディーン・スタントンの存在感でもっているような。
前半、ショーン・ペンとロビン・ライト・ペンの破滅的な夫婦が
ダンスホールで踊る場面、
ジョン・カサヴェテスだったらもっとやるせなくなっていたよなあ、
なんて思いながら観る。
名も無き者たちが日常生活というものにしがみつく。
酒に溺れていたり、どうしようもない自分に絶えず振り回されている。
状況はよくない。
感情のもつれや誤解をきっかけとしたささやかな出来事が重なり合って、
さらに状況は悪くなっていく。
溺れて、息苦しくなって、簡単なことで閾値を超えて、何もかもが破綻する。
しかしそれはあくまで小市民の小さな出来事。
どれだけの感情が暴発しようと
当事者以外誰にも知られることのないまま、ひっそりと進行する。
人類とか歴史とかそんなの関係ない。あくまで、個人的な出来事。
ゆえにそのちっぽけな悲しみが、喜びが、観る者の心を捉えて離さない。
人間という生きものは途方もなく小さくて、愚かで、悲しい。
何もかもが虚構に過ぎない。
何もかもが、家族であるとか幸福であるとか、いとも簡単に崩れ去ってしまう。
(ここで昨日のアーサー・ラッセルとつながってくるのだが)
P・K・ディックと同じで
入口は千差万別だとしても結局はいつもの場所、いつもの展開に行き着く。
偉大なるワンパターン。
でもそれは、いつだって間違っていない。根源的で、誰もが求めている。
それを受け取る人、読む人・観る人にとってはひどく単純なことだ。
しかしそれを書く・撮るのはものすごく勇気が必要とされる。
90分ちょっとの小品。
うーん、やはりジョン・カサヴェテスの監督でこの作品を観たかった。
[3533] 『アーサー・ラッセル ニューヨーク、音楽、その大いなる冒険』 2010-08-15 (Sun)驚いたことにアーサー・ラッセルの伝記の翻訳が出版された。
2000年代に入ってから編集盤が何種類も発売されて
再評価が進んできたのが、ここまで来たか。
http://www.amazon.co.jp/dp/4860203623/
1951年アイオワ州の何の変哲もない田舎町に生まれ、
サンフランシスコからニューヨークへ。
現代音楽、フォーク、ディスコ、ニューウェーブなロック・ミュージックと
様々なジャンルを自由に行き来し、作曲と演奏に身も心も捧げるが、
その作品は一部のアンダーグラウンドなヒットとなった以外は
ほぼ知られることなく終わった。
1992年エイズにより、死去。
主にチェロを演奏したが、様々な楽器に精通していた。
ニューヨークでは有名なところだと詩人アレン・ギンズバーグや
現代音楽の作家フィリップ・グラスらと親交を結び、
Talking Heads のジェリー・ハリソンやその仲間たちとステージに立った。
(その縁で『Talking Heads: 77』"Psycho Killer"にてチェロを弾いているが、
そのテイクは採用されず。近年の再発にてボーナストラックとして収録された。
『Naked』でもチェロを演奏しているという)
「The Kitchen」や「The Loft」にて夜な夜な先鋭的な音楽に浸って、
80年代はディスコに接近する。ダンス・ミュージックに可能性を見出した。
リズムというものに強い興味をもっていたから、というだけではなく、
作品を「完成」させて終止符を打つのは好ましくない。
リミックスを繰り返して曲を絶えず生まれ変わらせたい。
そんな気持ちがあった。
仲間たちと演奏するのが何よりも楽しい。ほっとくと際限なくスタジオにいる。
曲を世に出したいという思いはあっても、
売るということ、ビジネスというものについては疎かった。
一言で言うならば、イノセントで不器用だった。
例えば、ボブ・ディランやブルース・スプリングスティーンをスカウトした
コロンビア・レコードのジョン・ハモンドは
次の世代のフォーク・シンガーを求めて、アーサー・ラッセルに白羽の矢を立てた。
スタジオでデモを録音して、その場で何「曲」か聴こうとした。
なのにアーサーは仲間内のミュージシャンを大勢呼び込んで
延々と終わりなきセッションを繰り広げた。
失望したジョン・ハモンドはアルバムの契約を取りやめた。
あるいは他の例として。
小さなレコード会社の契約にありついて 12inch を出すものの
気に入ったのは一部の先鋭的なミュージシャンだけ。
「パラダイス・ガレージ」の DJ だったラリー・レヴァンや
フランソワ・ケヴォーキアン、ウォルター・ギボンらによって
リミックスされることでようやくフロアで受け入れられる楽曲となった。
つまり、翻訳者が必要とされた。
僕がアーサー・ラッセルの音楽に出会ったのは
数年前の再評価ムーヴメントがまさに始まったとき。
"Let's Go Swimming"や"Go Bang"といった代表曲の収められた
Soul Jazz Recordsのコンピをたまたまどこかで見かけた。
その後の P-Vine からの再発シリーズも全部買った。
エフェクターをかけたチェロと自身のヴォーカルだけの
アンビエントでフォーキーなアルバム『World of Echo』は
「こんな音楽他に聞いたことがない」と何度も繰り返し聞ことになった。
儚くて、脆くて、どこか別の世界からそっと降り注ぐような音。
真っ白で、美しくて、だけどつたない、壊れそうな音。
今の耳で聞くと"Let's Go Swimming"や"Go Bang"も
取り立ててどうこういう曲ではない。
どの曲も単調で抑揚がなく、奇妙なウワモノが現われては消える普通のディスコ。
でもこれって当時はとんでもなく独創的な音だったんだろうな。
それが普通に聞こえるというのは
時代がようやくアーサー・ラッセルに追いついたのか。
いや、結局はアーサー・ラッセルも1つの大きな流れの中の欠片に過ぎないのだろう。
ゆえに後続のミュージシャンたちの多くが
彼の影響下にあるような錯覚を抱いてしまう。
例えば僕は先日、たまたま The Magnetic Fields『69 Love Songs』の3枚組を聞いて、
たくさんの曲というか断片が取り留めなく並ぶ様について
なんだかひどくアーサー・ラッセルっぽいなと思った。
そうだ、ジョン・カサヴェテスの脚本を息子、ニック・カサヴェテスが監督した
『シーズ・ソー・ラブリー』を観て、2人はとても似ていると思った。
人生と作品の構造と、その中を流れる力学が。
物事をどうにかしたいのに不器用でどうすることもできない。
否応もなくひどい場所へと流されていく。
それはP・K・ディックも同じだ。
この3人はとても似ている。
死後カリスマ的な再評価を受けたという点がまさにそうで、
そうなるための資質に拘泥した生涯に悩まされて
満たされないまま死ぬこととなった。
そんな不遇の人生を僕らは好む。
美しき負け犬たちの系譜。
[3532] 8/9-8/13 2010-08-14 (Sat)8/9(月)
今週前半に作らなければならなかっためんどくさい資料、一気に片付ける。
昼、もりちゃんでもつ煮定食。
定時で上がって東京駅の大丸へ。青森の母にとらやの水羊羹を買って送る。
帰りに地下街の「越後そば」で海鮮かき揚そばに生卵。
新藤兼人監督の『裸の島』を観る。
短い作品だったので、もう1本。
ウディ・アレン監督の『おいしい生活』
ウディ・アレンと仲間たちは
銀行に隣接した店を借りて地下を掘り、金庫破りを試みる。
カモフラージュとしてトレイシー・ウルマン扮する妻に
クッキーを作らせて売り始めたらNY中で話題に。
アレヨアレヨという間に大企業へ。
成金の2人は品がないと評判が悪く、
ヒュー・グラント扮する美術鑑定人に
教養を積むためのレッスンを施してもらうことにしたが・・・
午前0時過ぎに眠る。
一日中雨が降ったり止んだり。
---
8/10(火)
昼、三幸園。麻婆豆腐を食べるつもりが
月替わりメニューがスタミナ丼だったのでそちらへ。
夜はバナナとトマト。
会社の人たちと今月末の金曜にジンギスカン食べ放題のビアガーデンに行こうと
銀座の松屋とニュートーキョーに電話してみるがどちらも金曜は満席。
後輩の育成について半ば説教混じりの打ち合わせをしているうちに定時を過ぎる。
帰りの地下鉄はこのところいつのまにか眠ってばかり。
伊丹十三の『タンポポ』を観る。
流れ者(山崎務)が薄幸の美女(宮本信子)を助けてまたあてもなく去っていく。
つぶれかけたラーメン屋を救うのがテーマの、ウェスタンでありトラック野郎。
途中しょうもないショートコントがとりとめなくたくさん挟まる。
雨の中撃たれた男が「山芋の腸詰をお前に食べさせたかった」
抱き寄せた女が「わさび醤油が合うわね」
伊丹十三やりたい放題。
でもこれが監督作品の中では一番面白い、というか好きかも。
「たいめいけん」で何度も食べてきたタンポポオムライスが
映画の中でどのように使われているか、ようやく実際のシーンを見ることができた。
今をときめく渡辺謙と役所広司が端役で出演。
その後、『ハッピーフライト』からのスピンアウトである
TVドキュメンタリーのシリーズ、『FLY ! FLY ! FLY !』を1話分見る。
ボーイング社にていかにしてジャンボジェット機が作られているか。
興味深い内容ばかりで、なかなか面白かった。
23時半に眠る。
宇多田ヒカル活動休止のニュース。
---
8/11(水)
昨晩の『タンポポ』でオーソドックスな醤油ラーメンが食べたくなり、徳萬殿へ。
チャーシュー麺。たいしたことなし。
資格試験のために先週末から朝9時前と昼休みに読んでいた
「ITIL」に関する入門の本を読み終える。
銀座でジンギスカンの食べられるビアガーデン、日にちを変えて予約する。
夜はまたしてもバナナとトマト。
東陽一監督、桃井かおり主演の『もう頬づえはつかない』(1979年)
同棲し始めた同じ大学の男(若き日の奥田英二)には興味がなく、
昔惚れていたルポライター(森本レオ)には陰があり。
揺れ動くけど、平熱のまま。
将来のことは分からない、考えない。ただただ低空飛行のまま生きていく。
『FLY ! FLY ! FLY !』をもう2本見る。
午前0時に眠る。
お盆休みとなって、地下鉄がすいている。
台風4号が日本海側を北上。
---
8/12(木)
昨晩、僕が帰ってから大き目の障害が発覚。
皆遅くまでその調査や対応に追われていたようだ。
原因は判明したが、影響範囲がはっきりせず。
今日もまた引き続き全容を探る。主に帳票方面。
僕も手伝う。1年ぶりに SQL を読んだ。
夕方には落ち着いてきて、いくつか問題はありつつも
深刻なエラー事象は発生していないと判明。
夜、最後の帳票を残っていた皆で調べ終えたのが20時過ぎ。
その後お客さんと飲みにいく。ビールを飲んで終電で帰る。
昼、三幸園で麻婆豆腐。
午前1時に眠る。
「ITエンジニアのための【業務知識】がわかる本[第2版]」
というのを読み始める。
---
8/13(金)
昼、「丸香」に行ったらお盆休み。「味噌や」へ。
初めて塩ラーメンを食べてみる。味玉、コーン、バターをトッピング。
これはこれでなかなかうまい。炒め野菜が乗っていたら言うことはない。
iPhoneにワンセグチューナーをつけて八戸工大一高の試合を見るが、ぼろ負け。
先日の障害対応時の差し入れで
オフィスのミーティングスペースにハッピーターンが食べだすとやめられない。
ハッピーパウダー250%増量の製品もあるようだ。食べたい。
http://www.narinari.com/Nd/20100413379.html
ちょこちょこ打ち合わせしていたら1日が終わる。
「神保町食肉センター」でPJメンバーと焼肉。
21時過ぎに店を出てそのまま解散。
ほどよく酔ってて、23時前に眠る。
[3531] お盆な日々 2010-08-13 (Fri)今日は13日の金曜日か。
伊那かっぺいは今でもこの日にライブをやってるのだろうか?
というか世間的にはお盆。昨日から地下鉄が空いている。
仕事も暇だし、何日か休めばよかった。
先週は猛暑日が続いたようだけど、青森は涼しいだろうな。
小さい頃、津軽半島の先のほうにある親戚の家に泊まりに行ったときに聞いた
無数に折り重なった蝉の音を思い出す。
虫取り網を振り回すだけで十何匹も取れて、篭から出した蝉たちを網戸に引っ掛けた。
今はもうあれほどはいないのだろうな、と思う。
そしてなぜか今続けて思い出したのは
あれは高校の頃だったか、水で冷やしたトマトに塩を振って台所で食べたこと。
夕方、八戸工大一高の2回戦、千葉代表成田高校との試合。
オフィスにてこっそりiPhoneにワンセグチューナーをつないで観戦。
打たれ打たれて6回で 10 - 2 とかなり点差の開いたところまで見た。あーあ。
(結局このまま、負けた。2回で5点取られたところが運命の分かれ道だったか)
先週見かけて入った「神保町食肉センター」のランチが最強。
850円で豚肉のタレ、塩、みそ、その日入荷した数量限定のレバーとハツが食べ放題。
卸直結のようで肉が冷凍じゃなくて新鮮だった。
これは夜絶対うまいに違いないとPJメンバーを引き連れて行ってきた。
お盆休みじゃないかとちょっと不安になりながら。
店は営業していたが、卸元がお盆休みということでレバーは焼きも刺しもなし。
そこがちょっと残念。
しかし、特上カルビやタン塩など一通り食べて飲んで一人5000円もしなかった。
安い。また来なければ。
PJメンバーが何人かお盆休みで来週前半、休み。帰省する。
[3530] 『FLY ! FLY ! FLY !』 2010-08-12 (Thu)先日矢口史靖監督の『ハッピーフライト』を見終わった後に
映画のことをあれこれ調べていたら
スピンオフで『FLY ! FLY ! FLY !』という航空業界の裏側を探る
ドキュメンタリー番組のシリーズが作られていたことを知る。
海外旅行の楽しさの何割かは飛行機に乗ってるときにあると思う僕としては
航空機や空港というものに前々から興味があったわけで。
シリーズ最初の3本を見てみた。
どれも思わず周りの人に語りたくなる豆知識の宝庫だった。
http://www.ponycanyon.co.jp/fly/
以下ダイジェストを書きますが、これは絶対映像を見た方がいいです。
特に最初の2つは航空機ファンにはたまりません。
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「飛行機を創る人 ボーイング」
世界最大級の旅客機メーカーであるボーイングの工場を見学。
まずはその歴史ということで舞台はワシントン州シアトル。
シアトルというと僕なんかは SUBPOP / グランジだったり、
スターバックスを思い出しますが、実はボーイングの町なんですね。
住民の実に 1/3 がなんらかボーイングの工場で働いているという。
創業者は最初ヨットを作る工場を10ドルで買収するところから初めて
航空機を生産する事業へと乗り出す。
不況の時代には家具を作って乗り切りつつ、第二次大戦へ。
「B-29」を生み出し、戦後は「B-52」
アメリカを代表する航空機メーカーへと発展する。
ワシントン州レントンの工場へ。
広い工場の中はなんと組み立て途上の飛行機が一列になって
秒針の動くスピードでゆっくりと動いていた。
並んでいたユニットが順々にはめ込まれていく。
座席の組み込みはわずか16分。いわゆる、流れ生産方式。
これはトヨタに習った「カイカク」「カイゼン」なのだという。
それまでは工場の中に静止した飛行機がギュギュッと並べられ、
あるチームが作業を終えると移動して次のチームが作業・・・、としていた。
部品を抱えて移動するだけで一日の作業の1/4を浪費する。
これをなくしてしまった。
1機作るのに60日かかっていたのが、今や10日!に短縮。
最大級のボーイング747を作るエバレット工場
(東京ドーム8.5個分の大きさで、世界最大の建造物としてギネス認定)
の紹介を経て、最新モデル「787」の披露。
落ち着きを与える青を基調とした、広々とした空間。
窓のサイズが50%大きくなり、中央座席上部になんと手荷物入れがない。
飛行中のきめ細かい気圧、空調、湿度の制御が可能。
この機体の生産の一部を初めて、日本にアウトソーシング。
三菱重工業が主翼を、川崎重工業が胴体前部を、富士重工業が中央翼を。
愛知県の工場でそれぞれ製造して、専用のコンテナ機でエバレット工場へと運ぶ。
---
「飛行機の墓場 モハベ空港」
宇宙基地でもあるモハベ空港は実に東京ドーム285個分の広さ。
砂漠の近くにあるため乾燥していて、古くなった航空機の保管と解体が行われている。
最後1回持ちこたえればよい、例えばタイヤも古いのに履き替えられた状態で
「ラストフライト」を迎えた航空機が解体されるのを待っている。
元パイロットだったり、普段は空軍で働いているという整備士たちが
エンジンやレーダーといった大きなものから
「ドレインマスト」「アクチュエーター」といった素人には耳慣れぬ小さなものまで
「再利用可能」なパーツは全て外す。解体に約3週間。
これらパーツは分解検査、修理を経て他の航空会社へと売られる。
機体は2週間かけて破壊され、スクラップ業者へ。
アルミニウムや鉄として海外に売られる。
航空機は安全第一であるため、
全てのパーツについて書類が作られ、何回飛んだのかなど細かく記録が取られる。
そして一定の飛行回数などの限度を越えるとまだ使えるものだとしても廃棄される。
航空機は1年に1度検査を受けて、ライセンスを更新する。
その都度「工場出荷レベル」を保っていなければならず、
人間の体と一緒、中のパーツは何年か後には細胞のように総入れ替えとなる。
最も寿命の長い(?)機体が限度を越えると、まだ十分に飛べるとしても退役となる。
ANAのジャンボジェットが最後のフライトを終えてから2年間、解体を待っていた。
その機体には整備士や CA(キャビン・アテンダント)、パイロットらによる
「ありがとう」「さようなら」「お疲れ様でした」といった寄せ書きが。
格納庫にてお別れパーティーが開かれ、手を振って送り出すのだという。
運のいい機体は破壊されず、モックアップ(実物大の見本)として
航空会社に戻ってきて、
見習い整備士の演習や CA の緊急避難訓練に使われる。
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「空のレストラン 機内食工場」
こちら少し毛色が変わって、ファーストクラス・ビジネスクラスの機内食。
成田にある「ANAケータリングサービス」の工場。
工場と言ってもベルトコンベアにトレーが並ぶのではなく、どれも手作業。
料亭やヒルトンやセンチュリーといったホテルでの経験を積んだ調理長の下、
洋食、和食、ベーカリーの各エリアで作られた各料理が
ディッシュアップ(盛り付け)のエリアに運ばれ、
さらにミールセット(配膳)のエリアへ。
「○○便エコノミークラス、2名追加で128名に」といった細かい単位で用意される。
やはり安全第一であって、完全防護の割烹着を着て靴の底まで洗浄される。
ANAのファーストクラス・ビジネスクラスはトレイを温めて出すのではなく
数年前から CA がギャレーで盛り付けして提供するようになった。
それを可能にするためにも食材を並べる、ソースをかけるといった手順が
「3STEP」として手際よく行われるように工夫されている。
3ヶ月に1度、 CA の代表と調理長が打ち合わせの場をもって
どういうところに注意して盛り付けるべきかレクチャーを行い、
温める時間は適切かなどの実演指導を行う。
機内食の大きなポイントとして、調理した人のすぐ目の前に食べる人がいないわけで、
それを実際にサービスする人との「連携」がとても大事になってくる。
機内食の企画担当を含めて、3者の相互のフィードバックが重要となる。
ANAは赤坂の高級割烹「津やま」と業務提携を行ったり
フランス料理界の重鎮をアドバイザーに迎えたり。
贅沢な食材をふんだんに使った「フレッシュトリフのバニラアイス和え」
といったメニューは機内食に見えなかった。
いやーファーストクラスなんて乗れるわけがないのだから、
ファーストクラスの機内食が食べられるレストランがあるといいのにと思った。
なお、機内では気圧の関係で人間の味覚が鈍るため、味を強くしているそうだ。
工場で用意された機内食はカートごとにセキュリティシールが貼られ、
搬出に当たってトラックと工場は密閉状態を保たれる。
フライトの2時間前に空港に到着、
1時間で搬入、30分で CA によるチェック、残りの30分で乗客が搭乗。
カウンターでのチェックインが2時間前とされているのは
そこのところの意味もあるのだ、とのこと。
[3529] 8/7-8/8 2010-08-11 (Wed)8/7(土)
9時起き。1日中映画を見ている。
ジャン=リュック・ゴダール、アラン・レネ、
クロード・ルルーシュ、アニエス・ヴァルダらによる
1967年のドキュメンタリー『ベトナムから遠く離れて』
このタイトルはゴダールのモノローグの中にあったのだが、
ベトナムから遠く離れて私たちには何が撮れるのか?
といったようなことを語っていた。
アメリカでの反戦デモの模様や、淡々と生きる北ベトナムの人たちなど。
『ゴダールの決別』
分かったか分かんなかったかで言ったら、よく分からない。
でもなんかこれは面白いと思いながら見ている。
ある男の姿を借りて神が現れるという内容なのだろうか。
冒頭の出来事と場面と語りの組み立てがとても美しい。
それだけで最後までもっていってしまう。
西友に食べるものを買いに行く。
缶ビールを飲みながら高校野球を見る。
『ビースティ・ボーイズ 撮られっぱなし天国』
2004年のマジソン・スクエア・ガーデンのライヴを収録したんだけど、
ファン50人にビデオカメラを渡して、各自好きに撮ってきたまえ
としたのがアイデアとして秀逸。
民生用の機器なので画像が鮮明ではなく、しかも手持ちでぶれる。
それがかえってリアル。
陳腐な言い方だけど、ビースティならではのヴァイヴが伝わるというか。
『U2 魂の叫び』や、Talking Heads の『Stop Making Sense』と並ぶ
ライヴ映画の傑作だと思う。
曲目は「Root Down」「So What'cha Want」「Intergalactic」など
ベスト的な内容で、ラストはメンバーの演奏による『Sabotage』
監督・編集は今、闘病中の MCA が担当。
(昨年出るはずだった新作は MCA の復帰を待ってとなる模様)
キムチ焼きうどんを作って食べる。
『俺たちフィギュアスケーター』
訳あって男二人でフィギュアスケートの世界大会で金メダルを目指す。
ペアは男女じゃなきゃいけないとかそういう決まりは実はないんだと。
すさまじく荒唐無稽でどうでもいい話なんだけど、観てて明るい気持ちになった。
素直に面白くて笑った。
主演のコメディアン、ウィル・フェレルの映画をもっと見てみようと思う。
『俺たちダンクシューター』とか、『俺たち』系がそのようだ。
『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』
青森の高校時代から、80's UK New Wave を追い続けていた僕としては
冒頭で Psychedelic Furs の元ネタになった歌が流れた時点で涙が出る。名曲。
・・・うーん、最後はあれでよかったのか。
とにもかくにも、ジョン・ヒューズの映画が気になる。
来週また他のを借りてみてみよう。
Oingo Boingo が主題歌を担当した『ときめきサイエンス』辺りを。
青森からリンゴジュースが2箱届く。
午前0時に眠る。
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8/8(日)
9時起き。この日もまた映画を見る。
2日間でトータル10本。
『シェルブールの雨傘』
元々カラフルな映画ですが、デジタルリマスター版だからなのか色鮮やか、くっきり。
カトリーヌ・ドヌーヴ主演のミュージカル。この頃のドヌーヴは神懸り的に美しい。
戦争で引き裂かれる、若い2人の恋物語。音楽はミシェル・ルグラン。
シーツと枕カバーを選択する。
外に出て干していたら大家さんと会う。
昨晩届いたリンゴジュースを1箱渡す。
お返しにと、明太子の海苔巻きと枝豆をもらう。
海苔巻きは昼メシ代わりにさっそく食べる。
矢口史靖監督の目下最新作『ハッピーフライト』
PFFでグランプリを撮った『雨女』に始まり
『裸足のピクニック』や『秘密の花園』は面白かったなあ。
と思いつつもその後のヒットした
『ウォーターボーイズ』や『スウィングガールズ』は見ていない。
もはや押しも押されぬヒットメイカー。
ウェルメイドなコメディを撮るといえば三谷幸喜かこの人か。
『ハッピーフライト』も十分楽しませてもらった。
よくできている。ハラハラするし、グッと来る。
ANAが協力したせいか飛行機を撮った場面がことごとく
「これどうやって撮ったんだろう?」と。CGなのだろうか。
折り畳まれた車輪が格納庫から外に出るのを内側から撮っているとか。
もちろん、空を飛んでいる状態で。
それにしても綾瀬はるかってなんか好きになれない。
ウディ・アレン監督・主演の『さよなら、さよならハリウッド』
お得意の映画監督内幕モノ。
面白い。けど最近ウディ・アレンを見過ぎてて
面白いのが当たり前になってて感覚が麻痺している。
クリーニング屋へ。
雨がポツポツと降り出す。
『キャピタリズム〜マネーは踊る』見てて十分面白かったけど、
マイケル・ムーア監督はもうすっかり過去の人になってしまった。
やってることはいつも一緒で、戦う相手が違うだけ。
いや、「アメリカ」って意味では変わらないか。
えーまたブッシュが槍玉?
大統領がオバマとなって、次回作がどうなるか興味深い。
オバマを叩いても叩かなくても、期待はずれになりそうな。
枝豆を茹でる。その後、ウィンナーを茹でる。缶ビール。
最後、『マイアミ・バイス』
80年代のドラマのリバイバル。
マイケル・マン監督らしい重厚感溢れる大人の娯楽作。
普通に面白かった。公開当時、劇場で見るかどうか迷った。
これは劇場で見ておくべきだった。
午前0時に眠る。
[3528] 『裸の島』 2010-08-10 (Tue)昨晩観た。新藤兼人監督の1960年の作品。
瀬戸内の小さな島。夫婦と2人の小さな息子だけが住んでいる。
島の斜面にはわずかばかりの雑草のような作物が植えられている。
どうやら真水の湧き出る井戸はないようだ。
夫婦は小さな舟を漕いで隣の大きな島へと渡り、水を汲む。
天秤竿の前後に重たい水桶を担いで戻ってくる。
坂道を黙々と上って、フラフラになりながら上まで辿り着いて、作物に水をやる。
ただそれだけを日がな一日繰り返す。来る日も来る日も繰り返す。
舟を漕いで何度も往復する。
最初、ただその光景だけが続く。
音羽信子扮する妻が斜面でよろけて水桶を倒してしまうと、
殿村泰司扮する夫が本気で殴った。
セリフなし。音楽と、思わず漏らしたいくつかの声だけ。
それはつまり説明もないということであって、
彼らがなぜこのような島で流刑のような生活を送っているのか、さっぱり分からない。
それはもうそういうものなのだ、彼らにとってもそれが当たり前のことなのだ。
そう思うしかない。
音羽信子がとにかく素晴らしい。
日々と季節を繰り返し、ただただ生きていくより他にない。
全てを知っているような、何も知らないような、
何もかも諦めたような、全てを受け入れたような、そんな表情を終始浮かべている。
この女性には感情というものがあるのだろうか? と最初のうち思う。
しかし、子供が喜ぶと自分も喜び、
ドラム缶の風呂に入るとそっと緊張をほぐしたような顔になる。
素朴な、というよりむしろ原始的な喜怒哀楽が描かれる。
ああこの人もそれなりに人間なのだ。
なんだかホッとした気分になる。
それと同時に、どことなく落ち着かない気持ちにもなる。
無言で舟を漕ぎ、重い荷を背負って坂道を上り、
粗末な小屋に住み、乏しい食べ物にありつく。
なぜ彼らはそこまでして生きなければならないのだろうか?
というか、僕らが普段「生きる」ことの是非や美醜を語るとき、
それは「生きる+α」のアルファ、余剰の部分について語っているのだと気付く。
気付かされる。
僕らは、生きることについて何も語っていない。何も知らない。
子供たちが海で釣った魚がとても大きくて立派で、
桶に入れて「本土」(と言った方がいいだろう)に売りにいく。
どこに行っても断られて、最後やっと魚屋で引き取ってもらう。
それでもいくらかはお金になったようで、外食し、子供の衣類を買い、
4人はロープウェーに乗って丘の上へ。
このときに見下ろした下界の風景。
特に何があるわけでもない。家々が建ち並ぶだけ。
だけど文明というものを写し撮った光景として、
これほどハッとさせられるものはなかった。
制作費はたったの350万、スタッフは役者も含めて13人だけ。
独立プロゆえか完成後、国内では黙殺。
しかしモスクワ映画祭でグランプリを獲得した後、
世界60ヶ国以上で上映されることになった。
遠く向こう本土にて打ちあがる花火と、全てを投げ出した最後の慟哭と。
一生忘れられない。必見。
人間とは何なのか?
その答えのひとつが描かれている。
やはりそこには、何もないのだ。
[3527] NYでティッシュ配りをする 2010-08-09 (Mon)・海外でティッシュ配りって見たことがない。
ニューヨークであれ、バンコクであれ。
・ニューヨークでポケットティッシュって見かけなかったような。
探し回って大変だった。
というわけで、ニューヨークでティッシュ配りをしたらどうだろう?
と思った。話題づくりとなってよいのでは。
でも、もっと違うものを配ったほうがよいのかもしれない。
ボールペンとか。そのほうがずっと実用的。
いや、そもそも海外ではチラシやビラ以外に
「街角で配る」という文化がないのかもしれない。
なんでたかだか広告のために、いちいち使えるモノを配るわけ?
目に付く場所に広告スペースがあったら、それでいいじゃないか。
日本人みたいな情の感覚に薄くて、
ティッシュと広告は切り離して考えて受け取ってイチイチ見もしないかも。
(まあ僕だって受け取ったティッシュを見てどうこう考えることはないですが)
とはいえ、なんか面白そうな試みに思えるんですね。
タイムズスクエア(ニューヨークというと必ず映る場所)でティッシュ配りとかさ。
広告元はくだらないほどいいなあ。
世界的な大企業じゃなくて。
---
渋谷のセンター街を土日歩いていると
パチンコ屋だったかチンドン屋が店の前で演奏してるんですね。
メンバーはその日によって違う(ように思う)。叩く人、吹く人。
あれっていいなあ。
(じゃがたらの篠田昌已も晩年はチンドンを再発見して、戻っていった。
晩年といっても享年34歳。今の僕よりも年下)
ああ、あの人たちは食えているのだろうか。渋谷以外に見かけない。
ニューヨークの街角で演奏したら面白いことになるのではないか?
そういうのを、プロデュースしてみたい。
今調べてみたら「全日本チンドンコンクール」というのが
毎年富山で行われているとのこと。1955年から。歴史は古い。
http://www.ccis-toyama.or.jp/toyama/cin/top.html
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ニューヨークのタイムズスクエアで
チンドン屋の演奏に合わせてティッシュ配りかな。
[3526] 八戸工大一高 vs 英明 2010-08-08 (Sun)昨日、夏の甲子園の初日。
ふと見たら青森代表、八戸工大一高が15:20からの第三試合に登場とあって、
おおっと思い、缶ビール片手に観戦した。
八戸工大一高が甲子園に出てくるのは嬉しい。
僕が高校野球に初めて興味を持った、あれは中1だったか、
春の選抜に初出場してベスト8となる。
そのときのピッチャーがプロに行くかもと噂されていたが早稲田に進学。
その後のことを聞かない。
初戦は部員10人だけで甲子園に来た香川の丸亀商業。
準々決勝で戦った関東一高は決勝にまで駒を進めてPL学園に敗れる。
(その関東一高が今年も出場している)
その後青森は、県外からの球児を集めた青森山田と光星学院の二強時代となる。
それはそれでレベルが上がり、最近だと光星学院は坂本勇人を輩出したが、
(それまでは夏は出場しても毎回一回戦負けだったイメージがある)
気分的にはあんまり釈然とせず、どこか嬉しくない。
今回、夏の青森県大会を八戸工大一高が制したというのは
変化の兆しと捉えていいのかな。
さて、試合は3回表の満塁のピンチをしのいで5回裏には一挙4点を獲得。
そのすぐ後、6回表には同点に追いつかれるが、
8回裏にさらに4点追加で突き放す。
両チームとも打力を前面に押し出していたものの
最初のうちは進塁しても得点につながらず。
どちらのピッチャーも危なっかしいところはありつつも要所要所は締めていた。
八戸工大一高は強いチームという印象はなかったけど、
ひょうひょうとしていて
甲子園で一戦一戦揉まれていく中で風格が出て行くんじゃないかと。
次の試合で千葉の成田高校に勝てたら、
得体の知れない自信が生まれて大きく脱皮するかも。
青森山田でもなく、光星学院でもなく、八戸工大一高の野球。
仕事が暇だし、一度ぐらいは甲子園まで行って試合を見たいなあと思う。
[3525] 7/31-8/6 2010-08-07 (Sat)7/31(土)
8時起き。渋谷へ。
月末の土曜なのでHMVでCDを買うのだが、ポイント10倍ではなかった。
残念。もうこういうサービスはなくなるのか。
今後HMVで買うべきかどうか。
今月は飲んだりなんだりでお金を使うことが多く、25,000円分に抑える。
The Innocence Mission や Donna Regina の新譜。
旧譜ではなぜか気になって、細野晴臣『はらいそ』など。
神坐でラーメンを食べて、銀座線で新橋、乗り換えて浜松町へ。
竹芝桟橋のベンチやエアコンの効いたフェリーの待合室で時間をつぶして、
ニューピアホールへ。
以後、感門之盟の回、参照。
---
8/1(日)
明け方帰って来て、眠る。
帰りの地下鉄でも眠り続けて、家に着いたのは6時頃か。
エアコンかけっぱなしで起きたのは13時。
何もする気になれず。
日中は洗濯、クリーニング屋など。
夜、F・コッポラ監督の70年代、アメリカン・ニューシネマ時代の
『カンバセーション 盗聴』を見る。ジーン・ハックマン主演。
カンヌでパルムドール。
盗聴のプロがP・K・ディック的妄想に取り付かれ破滅する。
西友で買った半額の鉄火巻など食べながら、缶ビール。
新聞をまとめて読む。
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8/2(月)
青森ではねぶた祭り開始。
昼、このところ新人向けレクチャーが12時までというスケジュールで
時間をずらして13時から外で食べている。
今日はキッチン南海へ。コロッケとしょうが焼きの盛り合わせ。
夜、銀座テアトルシネマにて『ぼくのエリ 200歳の少女』を見る。
帰りに東京駅まで歩いて、地下の立ち食い「越後そば」にてかき揚そばに生玉子。
残念ながら海鮮かき揚は売り切れ。
しかしかき揚はその場で揚げて、サクサクパリパリ。うまかった。
ここのそばを食べてしまったら小諸そばで食べられない。
とある方からぼくが昔書いた小説を読みたいとメールをもらう。
いくつかファイルを送る。素直に嬉しい。
午前0時に眠る。
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8/3(火)
昼、三幸園に行く。
「今月のおすすめ」だったゴーヤチャンプルーを食べようとしたら
メニューにない。ああ、あれは7月だけだったのか。
では、ということで他に気になっていたレバネギ炒めにする。
夜、渋谷へ。
『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』を見る。
渋谷ってどんどん品がなくなっているな、と思う。
見終わって腹が減っていて、「七志」という通り沿いの目立つラーメン屋へ入る。
とんこつ系。特筆すべきことはなし。
なんとなくウダウダしているうちに午前0時。眠る。
レコファンで前から探していた Donna Regina の90年代の作品を見つける。
Fania から出た Willie Colon のライブアルバムが気になって、買う。
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8/4(水)
朝、地下鉄の中でアーサー・ラッセルの伝記を読みふけっていたら熱中して、
気がついたら小川町まで来ていた。慌てて引き返す。
夜、久しぶりに残業で長々と打ち合わせ。今後のことを。
簡単に提案資料を作らなければならなくなった。
2週間の新人向けレクチャーは明日1回を残すのみとなって、
次はこちらの仕事を。
昼、最近行ってないなと「まんてん」でカツコロ一緒。
夜は何も食べず。酒も飲まず。
『シンドラーのリスト』を見る。
堂々3時間以上もあって、前半の1時間半ほど。
さすが骨太の演出。グイグイ引っ張っていく。
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8/5(木)
昼、いつも一人で食べていたのを、たまにはとPJの後輩たちと。
前から気になっていた焼肉屋「神保町食肉センター」へ。
ランチは850円で食べ放題。豚の塩、味噌、タレとレバー、ハツ。
とんでもなく安い。卸直結のようで、肉も新鮮だった。冷凍ではない。
焼いてて思うのは、ビール飲みたい!ということ。
今年一番の発見だと来週は夜また来ようと決める。
ごはんをお代わりしたため、夜は何も食べず。
新人向けレクチャーのカリキュラムが一通り終わって一息つく。
夕方、竹芝本社へ。いくつか野暮用をこなす。
オフィスの本棚から次の情報処理の試験の勉強で役立ちそうな本を借りる。
帰り道、携帯で母と話す。
お盆には水羊羹を送ってほしいと言う。
帰って来て『シンドラーのリスト』の続きを見る。
クライマックスから涙止まらず。
リーアム・ニースン扮するシンドラーの「あと一人救えた」というセリフに号泣。
その後、会社から借りてきた『テルマエ・ロマエ』を読む。
爆笑ってほどではないが、続きが気になる。
また35℃を超えた猛暑日に。
午前0時に眠る。
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8/6(金)
一日中、内部の打ち合わせがあれこれと続く。
昼、近くの中華料理屋の弁当でスタミナ丼的なものを。
夕方、大森へ。
[3524] 大森を歩く 2010-08-06 (Fri)もうだいぶ前、2001年〜2003年? 頃に
大森で常駐していたときのPJの同窓会がお客さんを交えて行われる。
定時に神保町を出て、東京駅まで行って京浜急行で大森へ。
品川から先、大井町・大森という風景が懐かしい。
まずは北口の小さな駅ビルの小さなレコファンへ。
仕事サボってよくCDを眺めに来たなあと。
昨今の不景気の中、とっくになくなってるのではないかと思いきや、
しっかりと生き残っていた。嬉しい。
JRの線路沿いに歩いて、昔のお客さんのビルの前まで行って、そこから通りを南へ。
昔夜よく食べに行ったラーメン屋「一本槍」
好きだったのは白醤油だったか味噌だったか。またいつか食べに来たい。
しながわ区民公園。
仕事で行き詰まったら一人ここに来てベンチに座って途方にくれていたなあ・・・
時間があるので、南北に細長い公園をグルッと一周歩いてみる。
日も暮れて人影はない。たまにランニングしている人に出会うぐらい。
ベンチに座る人もなく、乏しい明かりに照らされた木々に覆われた道を歩いていると
まるで森の中にいるかのよう。
花見シーズンには近くのコンビニでビールを買いこんで、
PJの人たちと夜遅くに飲んだりしたな。
水族館はもちろん閉まっていた。
学生時代、東京近辺の水族館をあちこちパーツごとに撮影した映画を撮って、
ここしながわ水族館は都内で唯一イルカのショーがあるってことで
その場面を撮影した。
公園を出て、ブラブラと歩く。
前から気になっていた怪しげな格安ソープはなくなっていた。
と思う。代わりに別なソープとなっていた。外見が変わっただけか。
最初の方のお客さんのオフィスは見つからず。
何回か入った回転寿司屋がなかったり、見慣れない居酒屋があったり。
時が流れたんだな、と実感する。
複合施設大森ベルポートに入ってみる。
吹き抜けのフロアにはカウボーイハットをかぶって揃いの振り付けで踊る人たち。
生バンドが演奏している。毎月第一金曜開催の
「American Pop Night」というカントリー・ダンス&ミュージックの集い。
ベルポート名物?
詳しくは、http://www.aa.alles.or.jp/~yaoko/bellport.html
ここで初めて見かけたときには「ナ、ナンダ、コレハ」とギョッとしたけど
今回なんだかこれが一番懐かしかった。
アトレの鳥良で飲む。
「あの頃は・・・」とあちこちで思い出話に花が咲く。
「ところで今、どうしてんの?」と。
当時のお客さんのリーダーが今や社長に。とてもお世話になった。
気さくな方でどんどん僕らの話の輪に入っていく。
「オカムラさんは火消し役として大活躍だったねえ。
オカムラさんがいたからこそ、このPJは・・・」
ねぎらいの言葉が嬉しかった。
最後、一人ずつとがっちり握手。
入社して3年目から5年目。
僕のSEとしての経験の土台を作ったPJなので特に感慨深い。
遅くまで飲んで、終電で帰ってくる。
[3523] 行方知れズ 2010-08-05 (Thu)100歳以上の高齢者が実は死んでいたとか所在不明だとか。
足立区111歳の例の事件をきっかけに、全国で続々と判明して日々増え続けている。
今日の時点で50人以上だったか。
意図的に死亡を隠して遺族が年金・見舞金などを不法に掠める詐欺行為もあれば、
身寄りもないままひっそりと亡くなって誰にも知られることがなく
それっきりになったというケースもあるだろう。
管理やケアが行き届かなかった自治体もあるだろう。
戸籍という紙切れだけは何十年とそこに仕舞い込まれているが、
リアルな人物の動向は一切把握されていない。実態がない。
なんだか現代的だな、と思った。
100歳以上の高齢者でこれだけいるのだから、
もっと下の世代ならば何千人、何万人規模となるのではないか。
行方不明となった人たち、ある日忽然と消えた人たち。
あちこち調べてみたら
国内での1年間における行方不明者数は毎年約10万人にも上るという。
しかもこれは届出があった数。
孤独な若者やお年寄りが人知れず、となると実態は分からない。
どこに行ったのか。生きているのか。
なんだか、ぞっとする。
僕の人生においても、もう何年何十年と音信普通のうちに
どこでどうしているのかさっぱり分からなくなった人、記憶の薄れた人は山ほどいる。
本人はそのつもりがなくても多くの人から忘れられ、
積極的に周りと接触を取ることもなく、過去に興味はなく、
そのときそのときをひっそりと生きている失踪予備軍の人が
世の中には無数に存在しそうだ。
その気になったら、僕にもそれは可能なのだなと思う。
---
青森の母と電話で話をする。
この週末にリンゴジュースを送るという。
青森は昨日今日と東京のような暑さで34℃の猛暑日だという。
暑い夏が続く。
この国を覆い尽くす。
その中をひっそりと生きている人たちがいる。
[3522] 『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』 2010-08-04 (Wed)映画なしには生きていけない。その2。
ということで引き続き
『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』を見てきた。
昨日は渋谷。仕事が終わって、夜、シネセゾンで。
独身最後の夜を気のおけない仲間たちと
飲んでくれてバカ騒ぎして過ごすバチェラー・パーティー。
オープンカーでラスベガスに直行。
高級ホテルのスィートに泊まって、華やかな夜景を見下ろす屋上で乾杯。
以後、ストリップを見に行って勢いでストリップ嬢と結婚式を挙げたりと大はしゃぎ。
翌朝起きたら部屋はメチャクチャでバスルームに虎がいて、
クローゼットに赤ん坊、そして新郎が消えていた。
その間記憶、全くなし。
残された3人の仲間はひどい二日酔い(英語でハングオーバー)をもろともせず、
新郎を捜すために昨晩の足取りを追う。
そこから始まるてんやわんやの大騒動。
全米では『メリーに首ったけ』を抜いて
コメディ映画史上No.1の興行成績を挙げたという。
ゴールデングローブ賞のコメディ部門でも受賞。
じゃあそれが面白いかって言うと腹抱えて大爆笑ってことはなかった。
早い話、ジョークの連発ではなかったにせよ
ネイティブじゃないと分からない
台詞回しの妙が感じ取れなかったんじゃないかと。
とはいえ、僕は見ててずっとささやかな幸福な気分に浸ってた。
「あーわかるわかる」って。
気のおけない仲間たちと朝までズーッと飲んでて、
はしゃぎまくってエスカレートして、それがまだ続いてる。
生きててこれほど愉快なことはない。
その感覚がスクリーンを通してほわーんと伝わってくる。
終わってほしくないなーという類の映画。
酒を飲んだら止まらなくて記憶をなくしてばかり、
(普通の人と比べたら)やらかしてばかりの僕としては
それはまたそれで「あーわかるわかる」って感じで。
今すぐ新郎を結婚式場に送ってかないと間に合わない!
丁々発止の喧嘩を繰り広げながらも仲間たちは一つのゴールに向かって突き進む。
小粒ながら心に残る映画となった。
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帰って来て mixi のニュースを何気なく見ていたら、
居酒屋の飲み放題は禁止すべきかどうかってのがあった。
際限無く飲んで危険だという。
言ってることのわけがわかんない。
飲みまくる人は飲み放題だろうとなんだろうと関係なく飲みまくるんだよ!
むしろ、飲み放題があった方が金の心配が減っていい。
酔っ払ってたら結局いくらだろうと気前よく払っちゃうとはいえ。
20歳前後のウブで金のない時期は抑制が効くかもしれないけど、
30過ぎたらどうでもよくなって、絶対あったほうがリーズナブル。
どうせ、飲みたい奴は飲むんだよ。
そもそも、20歳以上という現行の規制も無駄だと思う。
法律で20歳からと決まってるという理由で断ってるやつって見たことない。
高校が終わって18・19で大学や会社に入ったらそりゃ
先輩たちから構わん構わんって飲まされるし。
何の意味もない。
だから僕は大人になる年齢って実質的に18歳だと思うんだよね。
成人式の年齢は引き下げたほうがいい。
20歳でバカ騒ぎしている連中は18歳だろうと22歳だろうとバカ騒ぎするに決まってる。
だったら早めに「あとは自己責任」とした方がいい。
・・・話が思いっきりそれた。
結局何が言いたいかというと、
いい年こいて自己規制なしで飲みまくって青春の燃えカスにすがって生きている、
そんな僕のような人間にはなんだかとても愛おしい映画だった、ということ。
そしてまだまだ飲み続けるよ、ということ。
[3521] 『ぼくのエリ 200歳の少女』 2010-08-03 (Tue)映画を見る以外にしたいことが何もない。
そんな日々が続く。
(あとは、酒飲んで酔っ払いたい)
『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』面白そうだな。
映画館でポスター見て気になったんだけど。まだやってるかな。
サブタイトルが全てを物語ってるのがいいよね。
あと、予告編で見た『ゾンビランド』も腹抱えて笑えそう。
『リトル・ミス・サンシャイン』の女の子が出ている。
そんなわけで、『ぼくのエリ 200歳の少女』
銀座テアトルシネマで見た。
スウェーデンの映画。
12歳の孤独な少年が隣に引っ越してきた、同い年の不思議な女の子に恋をする。
夜しか会えない。自分のことを何も語ろうとしない。
彼女は、吸血鬼だった・・・
あちこちで評判がよかったんだけど、確かにこれは秀逸な作品だった。
忘れられない。これから先ジワジワとそのよさが自分の中に浸透しそう。
淡い初恋の話。
なのに女の子は吸血鬼で、生きている人間の血を啜らないことには生きていけない。
魅入られた中年男を手下にして見知らぬ人を殺させている。
その町にいられなくなると次の町へというあてのない旅を繰り返す。
それが200年も続いた。外見は12歳のままで。
たぶん、手下の男性を都度使い捨てながら。
そして今、とある何もない平凡な町で少年と出会った。
この設定がたまらなくいいんだけど、
北欧ストックホルム郊外の雪に閉ざされた町という舞台、
この組み合わせが何よりも素晴らしい。
窓の向こうの真っ白な凍えそうな空気が儚くて、切ない。
世界に一歩踏み出すことを畏れた、汚れなき子供たち。
どれだけ人を殺すことになろうと、その恋心のように無垢なまま。
当分はそれでいいだろう。
しかし、映画では描かれることのなかった2人の行く末を思うと・・・
主役の2人がどちらも映画初出演というのが驚き、
というかそれだからこそよかったのか。
血飛沫を浴びた女の子の顔が目に焼き付いて離れない。
そんな彼女をそっと抱きかかえる男の子の表情。
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残念なのはタイトルで、『ぼくのエリ』は安っぽいし、
『200歳の少女』もまた別の意味で安っぽい。
原題の『私を入れて』(Let the Right One In)の方がよかったのでは。
なお、ハリウッドでのリメイクが決まっていて、早くも今年公開。
『クローバーフィールド』の監督で
『(500)日のサマー』のクロエ・モレッツが主演だという。
どっちも好きだけど、これはちょっと場違いなセレクションではないか・・・
単なるティーンエイジャー吸血鬼映画で終わりそう。
[3520] こういう作品を書こうと思う。 2010-08-02 (Mon)こういう作品を書こうと思う。
何かに出会うんだけど、それが何なのかわからない。
何かが変わるんだけど、それが何なのかわからない。
得体の知れない不安や恐れ。
だけどそれは常に水面下にあって、決して表には出ない。
なんだか、もどかしい。
いくつかの予感。手探りで物事が進んでいく。
登場人物は2人の男女と、そこに加わるもう1人。
三角形の重心が少しずつ変化していく。
1週間か1ヶ月か、期間を限定した出来事。
だけどその過去と未来が伸びていて、つながっているようにする。
そのスナップショット。大きな流れの中の一滴。
途中から始まって、途中のまま終わる。
何気ない日々のようでいて、それは絶えず変化している。
どこかが。目に見える場所と目に見えない場所。
舞台は現代の東京。
普通の人々。
声。触れることのできるもの、できないもの。
空間とその境になるもの。そこを行き来するもの。
おかしくなってしまった、時間の感覚。
心のどこかに空いた穴は埋められるのか。
自分ひとりではそれはできなくて、誰かがそれを埋める。
その、プロセス。
お互いに何かをそっと差し出す。
気がつかないような、ささやかなもの。
何かが起こる。何かが変わる。
そして日々は続いていく。
それが、生きるということ。
受け入れる。肯定する。
見方を変えたらそれは肯定できるのではないか。
そういう試みを日々繰り返す。
言葉には出さずとも、選び取った行動に現れている。
誰か1人は、そのような人物として描かれる。
しかし触発されて他の2人が安易な”成長”を遂げる、とはしたくない。
変化だけを迎える。
閉じられたものとはしない。
永遠に未完成。
そして、正解はない。
あてもない風が、いつだって吹き抜けているような。
[3519] 感門之盟 2010-08-01 (Sun)昨日はイシス編集学校の卒業式イベント「感門之盟」に出席。
(会場が竹芝のニューピアホールで、会社の近くだったのがなんかちょっと・・・)
今回のテーマは「edit cross 2010 乱世の編集」
22破の突破と6離の退院を祝してってことなんだけど、
「イシス編集学校10周年記念」の方が大きくフィーチャーされていた。
この10年の歩みということでクロニクル的な映像がスクリーンに映し出され、
草創期に活躍された方たちの話を伺うといったコーナーがあった。
それに、松岡校長とゲストの面々によるクロストーク。
江戸学者田中優子、慶応大学の金子郁容、資生堂会長福原義春といった
校長周辺のおなじみの方たちに始まり、文部科学副大臣の鈴木寛、
そしてなんと町田康。
僕ら離の学衆(生徒)たちの座るブロックの横がゲスト席で、
僕は一つ空席を挟んで町田康の隣に座った。
「メシ喰うな」でのギラギラした、
あるいはその後のギョロッとした目つきはそこになく、
ごく普通の疲れた人のように見えた。
だけどかなり神経質そうで、話しかけるなどもってのほか
という負のオーラをジワジワと放っていた。
握手やサインを求めたら怒って席を立ってソソクサと出て行ってしまいそうな。
あと、千夜千冊も10周年ということで
第1000夜「良寛全集」の一節が能楽師安田登によって詠まれた。
恥ずかしながら初めて、生で能楽師の声を聞いた。
会場に響き渡る濃密な声に聞き入る。いいもんです。
10周年ってことで拡大版となり、
それまで遠ざかっていた人たちもお祝いに国内各地から駆けつける。
師範代を初め、僕もこれまで縁のあった何人かの方たちと再会することができた。
思いがけない方から声をかけられて驚いたり。
逆に、今日来てるはずなんだけどなあという方に会えなかったり。
離の退院式。退院証をもらって校長と握手。
僕はなんとなくおもいつきで裸足でステージに上ったのだが、
何で裸足なんですか?と突っ込みを受けてうまく答えられずシドロモドロ。
大失敗というか大失態だった。
最後、校長の講義。5つのエディティング・モデルの話。
・苗代
・デュアル・スタンダード
・from / to の編集
・たくさんの私
・Inter Score
合間に映像がいくつか映し出されて、
二十五菩薩の祭りとクリスチャン・ディオールのファッション・ショーとが
here / there を行き来するものたちのパレードということで
実は通じるものがあるとされ、ふーむそうなのかと驚く。
その後立食のパーティーがあって、2次会で朝まで飲む。
というか途中から空いてた部屋でゴロゴロと寝てた。
パーティーで発表があったんだけど、
編集学校は今後さらにコユイ方向に向かうようだ。
僕はこれから先どこまで関わるのだろう、と思う。
退院式も終わって、これで長かった離も一区切り。
後半2/3で失速して、結局消化不良に終わる。
何が分かったわけでもなく、何が変わったわけでもなく。
依然モヤモヤとしたまま。
そんなこともあって昨日の僕は終始大人しかった。
少なくとも無邪気にはしゃぐ気にはなれず。
冬に教える側、師範代になるためのコースを受講するけど、
それまではしばらくブランクというか静養期間。
僕もそうだけど何人か一緒に離を受けた人に聞いたら
終わった途端ぐったりして何もする気になれずと。
そうだよなあ。僕だけじゃなくてよかった。
そんなこんなで今日から8月。
[3518] 7/24-7/30 2010-07-31 (Sat)7/24(土)
暑くて目が覚めてエアコンをつけてタイマーをセットして、
というのを何回か繰り返して10時に起きる。
この土日に TSUTAYA DISCAS から借りて見るつもりの DVD が10本。
まずは『12人の怒れる男』
シドニー・ルメット監督の名作を巨匠ニキータ・ミハルコフがリメイク。
舞台をチェチェンとの紛争に揺れる現代のモスクワに置く。
しかしただたんに時間と場所と小道具を置き換えただけではなく、
+αのひねりが効いている。さすが、やるなあと唸った。
オリジナルを知ってても、これを見るべき。お勧めの1本。
その後、床屋へ。『岳』の12巻が出ているのを知る。
待っている間に11巻と10巻を読む。
高円寺に行ってスタ丼屋へ。スタ丼肉増しを食べて帰ってくる。
大家さんに家賃を払って、トマトをもらう。
続けて、セルゲイ・ボドロフ監督の『コーカサスの虜』
これもチェチェンとロシアの争いがテーマ。
パク・チャヌク監督の新作『渇き』
3月の大阪にいた頃に見るつもりが、忙しくて見逃した。
ウディ・アレン監督の『マッチポイント』
スカーレット・ヨハンセンとジョナサン・リース・マイヤーズが出演。
コメディ的な要素を廃して、硬質な作品。
最近のウディ・アレンの中ではベストだと思う。
夜、何も食べず。缶ビールとウィスキーソーダ。
昼に買った『岳』の12巻を読んで寝る。
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7/25(日)
9時半に目が覚める。
クリント・イーストウッド監督の『スペース・カウボーイズ』を観る。
公開当時は今のように巨匠扱いされていなくて、キワモノを撮った感があった。
設定の順列組み合わせで
「シニアが宇宙に向かうってのはどうだ?」と決まったかのような。
しかし見てみるとなかなかきちんと作られていた。
トミー・リー・ジョーンズやドナルド・サザーランドが出演している。
途中、インスタントラーメンに一食分がパックされた
味玉、メンマ、チャーシューを入れて食べる。
物足りなくて昨日大家さんからもらったトマトも追加で。
次は『ヒューマン・ネイチュア』
チャーリー・カウフマンが脚本でミシェル・ゴンドリーが監督。
類人猿だとして森で育てられた男を演じたリス・エヴァンスがよかった。
その後『アラキメンタリ』その名の通り、アラーキーのドキュメンタリー。
この人は「いきもの」としてほんと面白い。
洗濯、クリーニング屋。
ペドロ・アルモドバル監督の『バッド・エデュケーション』
ガエル・ガルシア・ベルナルが主演で、寄宿舎同性愛もの。
主要登場人物に女性ゼロで見ていて、個人的に面白くない。
ガエル・ガルシア・ベルナルの役者っぷりはよかったけど。
ウディ・アレン監督の『僕のニューヨークライフ』は今一つ。
以前青森から送られてきた荷物の中にスイートコーンの缶詰があって、
ベーコンと一緒にバターで炒めて、ビールのつまみにする。
クリント・イーストウッドの肝いりで1996年、
カーネギー・ホールで開催されたジャズのコンサートを収録した
『アフター・アワーズ』を見る。
その後、なぜか読みたくなった『じみへん』の最新巻(去年出たやつ)を。
フラカンの『世田谷夜明け前』を聞きながら。
名曲とされる「深夜高速」が入っている。
ウダウダして、午前1時近くに眠る。
夜、雷が鳴っていたように思う。
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7/26(月)
新人がPJに配属され、早速神保町の客先に常駐開始。
夜、歓迎会。水道橋近くの店でもつ鍋。夏の鍋料理もいいもんです。
昼、九段下の天ぷらの「いもや」に行ったら閉店の貼紙が。
24日が最後だったようだ。
いつも混んでて、昔なじみの固定客が多そうで不況知らずな印象があったが・・・
また一つ昭和の名店がなくなったわけで残念だ。
白山通りの天丼の「いもや」に行こうかとも考えるが、炎天下歩きたくなく、
しかし天丼は食べたくで通りを渡って向かいの「天や」に入る。
前から気になっていた夏の上天丼を食べるがやはりイマイチ。
マインドマップのツールをダウンロードして、分析資料を作る。
23時過ぎに帰って来て、そのまま寝る。
エアコンをつけて1時間で切る。
暑くて午前2時過ぎに目が覚める。
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7/27(火)
新人向けレクチャー始まる。今日のテーマはISP業界とはなんぞや?
終わったのが12時だったので、昼、13時になるのを待って食べに行く。
近くの三幸園で、日替わりの麻婆豆腐定食。
夕方、部会で竹芝に戻る。1時間半、ずっと眠くてウトウトしていた。
夜、西友に寄って帰る。
バナナ2本とトマト1個。
ドキュメンタリー映画『大野一雄 ひとりごとのように』を見た後、
スティーヴン・ソダーバーグが製作でフィリップ・グラスが音楽の
新感覚のドキュメンタリー『ナコイカッツィ』へ。
映画というよりはイメージビデオ。
証券取引所での過密した取引、スタジアムで熱狂する人々、
レッドカーペットを歩くセレブ。
様々なデジタル映像が変容しながら取り留めなく流れていく。
何を言いたいのかわからない。兵士と戦争の光景は告発なのか、賛美なのか。
久々に「あかん、こりゃしんどい」という映画。
劇場で見たら確実に全編寝てた。
ライブでステージ後方のスクリーンに映し出される映像としてはいいけど、
それだけを単体で見せられているかのような。
23時半に眠る。
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7/28(水)
昼、打ち合わせがあったりして14時半。
キッチン南海でカツカレー。
夜、バナナ、トマト、リンゴジュース。
帰りは疲れてて地下鉄でずっと寝てる。
そう言えば先週は寝過ごして折り返したこともあったな。
そういうときに限って19時に宅急便を受け取ることになっていて、
慌てて引き返して家に戻ったらちょうど宅急便のライトバンが目の前に止まってて。
危ういところだった。
(あくまで先週の話)
アニエス・ヴェルダ監督・主演の自伝的作品『アニエスの浜辺』を観る。
今月、何十本と映画を見たが、これがベスト。★10個。
撮影時に80歳の誕生日を迎えたというのに
チャーミングで瑞々しい感性はまるで今が旬のようで。
ユニークな発想に基づく、カラフルで人懐っこい映像。
『アニー・リーボヴイッツ レンズの向こうの人生』
世界を代表する写真家のドキュメンタリー。
ルシンダ・ウィリアムス『West』のジャケットの写真が
この人の手によるものだと知る。というか久々に手に取って、
プロデューサーがハル・ウィルナーだということに気づいた。
それはさておき。アニー・リーボウィッツとアラーキーと
写真家のドキュメンタリーを1週間に2本見たわけだが。
アニー・リーボウィッツは場の中に入っていく。アラーキーは場を作る。
知らなかったのだが、アニー・リーボウィッツはスーザン・ソンタグの恋人だった。
The Gun Club『Miami』を聞く。
今週の新聞をまとめて読む。23時半に眠る。
---
7/29(木)
朝から雨。久々に涼しくなる。
夜はエアコンを入れず。
昼、時間がなくて近くの中華料理屋の弁当を買って食べる。
エビチリ、セロリの炒めなど。
夜、バナナとトマト。
クリント・イーストウッド監督・主演の『目撃』を観る。
その後、今月の新聞をまとめて読む。
ワールドカップや参院選。
70年代アメリカのシンガーソングライターの紙ジャケを何枚か聞く。
23時半に眠る。
---
7/30(金)
カジュアル・フライデー。
真っ赤に鶴の着物古着アロハ(+ジーパン、サンダル)で出社したら
やはり人目を引いた。
このところ無精髭を生やしていて、「喫茶店のマスターみたい」と言われる。
今日もまた朝から雨で涼しい。
昼、三幸園でゴーヤチャンプルーとライス。
夜、お客さん側の7月末退職の方の送別会。
水道橋のグランドホテルというところで
バドガールのビアガーデンをやってるということで、行ってみる。
僕が今回幹事だったので早めにオフィスを出て、オープン前に並ぶ。
ホテルのホームページには全部で60名しか入れないと書いてあって、
かつ予約不可。総勢12名となって大丈夫かヒヤヒヤだった。
無事入ることができて、ビアガーデンを楽しむ。
なんかまたはしゃいでしまったな。
途中、ビンゴが行われて当たって景品のバドワイザーストラップをもらった。
バドガールとの記念撮影(ポラロイド)もあった。
閉店ギリギリまでいて、もう一軒行く。
終電近くまで飲んでて水道橋からJRで帰る。
例によって新宿から激混み。
午前1時半に眠る。
今年上京してきたばかりの後輩の女の子は
酔っ払って乗る電車の方向が分かってなかったけど
無事帰れただろうか?
[3517] バチカン市国 2010-07-30 (Fri)先日、イタリア旅行に行った方からバチカン市国の絵葉書をもらった。
庭園を教皇が歩いているというものだ。
「結局15分しかいなかったですね。入ってすぐお土産買って出てきました」
イタリアはあんまり興味がないが、
バチカンについては前からちょっと気になっている。
Wikipediaで調べてみた。
公用語が「ラテン語」となっていて、へぇーと思う。やっぱそうなんだ。
人口は821人。
中立を保つために国連におけるバチカン代表は投票権を持たない、
とあったのが印象に残った。軍事力も保有していない。
面積は約0.44km²
ディズニーランドよりも小さいという。
島国のようなものだ。
---
世界の「ミニ国家」というリンクがあった。
モナコやマルタは知っていたが、「マルタ騎士団」って国があるんですね。
正式名称は「ロードス及びマルタにおけるエルサレムの聖ヨハネ病院独立騎士修道会」
こんなふうに説明がなされていた。
「十字軍時代のパレスチナに発祥した聖ヨハネ騎士団が現在まで存続したもので、
ロードス島及びマルタ島における旧来の領土を喪失しているため国土を有さないが、
国際連合にオブザーバーとして参加する主権実体(sovereign entity)でもある」
国というよりは、団体。「人口」は11,000人。事務局はローマにある。
日本は国として認めてなくて、外交関係を持たない。
「独自のコインや切手を発行している」とあって、マニアにはたまらないだろうな。
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「サンマリノ」もイタリアの中。世界最古の共和国であるという。
ミニ国家って興味深いね。
長期でイタリアに旅行するならば、これら回ってみたい。
---
映画とか小説の舞台としてよさそう。
小さな閉ざされた独立国家の中で生まれ育って、
その外に出たことのない男たちや女たちの数奇な人生を描く。
なぜその国は独立しているのか、なぜ外に出られないのか。
内と外と、どちらの側が隔離しているのか。
どういう言葉を話すのか。どこから収入を得ているのか。
川を隔てて向こうは別の国で、
そこには貧しき(富める)人たちが住んでいるとか、
離れ離れの2人が禁じられた恋に陥るとか。
しばらくの間、想像を膨らませてみようと思う。
[3516] 1994夏 2010-07-29 (Thu)梅雨が明けて、このところ暑かった。
ようやく今日雨が降った。
モスクワでは130年の観測史上での最高気温37℃を記録したと先週ニュースで見た。
ウォッカを飲んでプールに飛び込んで溺れる人が続出とどこかで聞いた。
1994年の8月、1ヶ月をモスクワで過ごしたことを思い出す。
確かにそんな暑くはなかった。
後半ともなるとむしろ夜は寒かった。
日中も20℃半ばで、秋の気配が少しずつ忍び寄っていた。
その夏、日本は猛暑だった。
最高気温38℃だったかの一番暑い日に自転車に乗って小平から立川まで。
パスポートを申請するんだったか、受け取るんだったか。死にそうになった。
毎晩熱帯夜。日本を脱出できて、モスクワには涼しい印象しかない。
(余談だが、日本の新聞に毎日目を通している方から
ビートたけしがバイクの横転で重症、というニュースを知らされる。
その他いろんなニュースを教えてもらってのに、
なぜかこのことだけが今も印象に強く残っている)
水不足となったのはこの年だったか。関係ないか。
米の備蓄がないということで、あちこちでタイ米を食べたような。
やはりおいしくはなかったな。その後見かけない。
9月になって、1週間ほど青森に戻った。
何をしていたのか記憶にない。高校時代の友達にでも会ったのだろうか?
(翌年1995年の夏休みは、20歳、人生で最も文学にのめりこんでいる時期で、
『ユリシーズ』を初めとして貪るように読んでいた)
そうだ、当時髪を脱色していて、茶色。親戚の集まりで笑われたように思う。
しかしそれがいつだったか。
お盆の時期には日本にいなかったし、9月に集まることもないだろう。
既にしてほとんどの記憶が曖昧なものとなっている。
東京に戻ってきて、バイトの日々。
何事もなかったかのように夜は麻雀を打つ。
それが朝まで。明け方、駅前の立ち食い蕎麦屋に行って牛メシを食べる。
そんな19歳。
ダラダラとクーラーのある部屋に集まって、ボケーッとアイスを食べて。
今思うとこのときが人生の特異点となって、「夏」の基準になっている。
もう16年も昔のこと。
あれからどれだけの夏が過ぎたか。
季節はただ繰り返すだけになった。
冬になって、夏になって。
もはや、とりとめもなく。
エアコンの効いた真っ暗な部屋で、昔のことを思いながら横たわり、眠る。
[3515] 『大野一雄 ひとりごとのように』 2010-07-28 (Wed)日本を代表する舞踏家、大野一雄。
今年6月1日に103歳で亡くなる。
とある方とのやりとりの中で、東中野のポレポレ座で追悼上映ということで
『大野一雄 ひとりごとのように』がレイトショーされているのを知る。
先週末まで。見に行くつもりが、あれこれタイミングが悪くて逃す。
TSUTAYA DISCAS で借りれたので、昨日の夜見てみた。
(というかここだけの話、ポレポレ座が苦手なんですよね)
かなり遅まきながら僕がこの人のことを知ったのは
Antony & The Johnsons の昨年のアルバム『The Crying Light』のジャケットにて
そのポートレートが使用されていたのがきっかけ。
今年初めの来日公演では同じく舞踏家である息子、
大野慶人とのコラボレーションだったという。
先週末23日の上映では終了後にその大野慶人の舞踏が披露されたようだ。
『大野一雄 ひとりごとのように』は2001年、95歳のときの公演とその練習風景、
そして第3回織部賞グランプリを受けて授賞式での姿を捉えたもの。
前年、腰を痛めたということで自ら立ち上がれない。
椅子に座って、あるいは息子に支えられながら主に上半身だけで踊る。
手や腕が自立した(そして年老いた)生命のようにクネクネと動く。
正直、鬼気迫るというものではない。残骸だと思った。恍惚の残骸。
だけど、しゃんとしてたときはすごかったんだろうな、とも思った。
織部賞の授賞式の場面にて往年の姿が少しだけ会場のスクリーンに映し出される。
そこのところを垣間見て初めて、そのすごさの片鱗に触れることができた。
やはり舞踏は足腰なのだなあ、と門外漢ながら感想をもつ。
95歳の誕生日を祝しての講演。
パッと咲く、そして、スラッと散っていく。
ただそれだけを椅子に座って、全身の動きを両腕に託して儚く繰り返す。
稽古場では床に座り込んで、履いていた靴を脱いで手に取って振りかざす。
「私は踊りたいんだ、なのに踊れないんだから家に帰れと周りから言われた」と
か細い声で悲痛な叫びを挙げる。何度も、何度も。
代表作とされる「ラ・アルヘンチーナ頌」「わたしのお母さん」
これら映像が残っていないものだろうか?
YouTubeだとこの辺りがよさそう。
http://www.youtube.com/watch?v=cG4H4yeNHs0
[3514] 「いもや」閉店 2010-07-27 (Tue)昨日の昼、九段下近くの天ぷらの「いもや」に行ったら、閉店の貼紙が。
24日が最後だった。
いつ行っても混んでたし、
景気の良し悪しに関係なく古馴染みの固定客が多そうだが・・・
一般人には分からない、何かしら時代の流れというものがあったのだろう。
神保町にはもう一軒天ぷらの店があるはずなので
「もうあの味に出会えない」ということはなく実質的に困りはしないのだが
いつも行っていた店が突然なくなってしまうのはやはり寂しい。
揚げる人と、食器を片付ける人と、おばさんと。いつ行っても3人。
僕はほとんどの場合、海老定食におしんこだった。
(普通の定食と海老定食と追加しかない)
店に入ると「定食?」と聞かれ、「海老で、あと、おしんこ」と答える。
最近行った2回は1000円札で払ったら
おしんこの分100円を数え忘れていたり、
海老定食850円のはずが定食650円と思われたり。
「おっ!ラッキー」って黙ってたんだけど、
もし経営難で店を閉めたんだとしたらとても申し訳ないことをした。
あのプリプリした大ぶりの海老がサクッと香ばしい衣に包まれて
ホクホクと揚げたてで3本。かぼちゃと春菊。
あれで850円は安いなあ。市井の天ぷら屋のチャンピオンだった。
もっと高くて偉そうで、世の中たいしておいしくない天ぷら屋ばっかりだ。
僕はとある育英会の奨学金をもらっていて、
18歳で大学進学のため上京したときに
育英会を通じて、寄付している支援者の方から
「青春を謳歌してこれからの人生がんばってください」といった内容の葉書を頂いた。
(これはアトランダムにその年の新入生に送られたものだろう)
お礼の葉書を送ったら再度葉書を頂いた。
これが天ぷらだったか天丼だったか「いもや」とあって、
神保町に来ることがあったら天丼(定食?)をごちそうしますとなってたのに
結局機会がなく行かずじまい。
大学1・2年の頃は古本に興味はなく、
小平の奥に住んでいたので往復の電車賃だけで普通の店で普通に天丼が食べられた。
社会人となって神保町のお客さんのところに常駐する。
天ぷらの店だったり、天丼の店だったり。
「あの葉書を頂いたのはこの人だろうか」
と思いながらカウンターに座って黙って食べる。
そんなこともあり、僕にとって「いもや」は格別の味となった。
なんで昭和の名店がこんなあっさりと消えてしまうのだろうか?
この世はとかく世知辛い。
[3513] 『イーストウッド・アフター・アワーズ』 2010-07-26 (Mon)昨晩、『イーストウッド・アフター・アワーズ』を観た。
クリント・イーストウッドの肝いりで1996年、
カーネギー・ホールで開催されたジャズのコンサート。
「Misty」の連弾でスタート。
若き日(なので40年代)に出会った大御所を次々に舞台に登場して、
古き良き時代のジャズを演奏する。
合間合間に『恐怖のメロディ』や『タイトロープ』など、
その曲を使った映画がインサートされる。
若手ではジョシュア・レッドマンが出演。当時は旬だった。
息子のカイル・イーストウッドのカルテットも1曲披露。
最後は弦楽器入りのビッグバンドとなる。
クリント・イーストウッドは家族と共にボックス席にいて、
上から一観客としてにこやかに見守っている。
こういうのを企画して実現するのって男の夢だよなー。
「アフター・アワーズ」って普通は
ライブの終了後に残ったミュージシャンたちが何よりも自分たちの楽しみのために
セッションを続けることを意味する。
ここではクリント・イーストウッドが若き日の撮影現場での仕事の後、
練習を兼ねてピアノを夜弾いていたことを指す。
真夜中のバーで気のおけない仲間たちと
クールなセッションを繰り広げる姿が思い浮かぶ。
2枚組のライブアルバムの方は一昨年かな、入手して愛聴していた。
フィルムと併走する、映画音楽としてのジャズには独特な緊張感があるもんだけど
そこから一歩離れてステージの上で曲が奏でられると、何かが抜け落ちる。
ゆえに良くも悪くも甘くてノスタルジック。
でも、ジャズに対する愛に満ち溢れていて居心地がよかった。
クリント・イーストウッドの映画音楽を集めたコンピレーションがあったらいいなー、
と思って探してみたら、あった。廃盤らしくて入手困難なのが残念。
『クリント・イーストウッドの世界』
http://www.amazon.co.jp/dp/B00005QYUV/
「ミスティ」も「許されざる者」の「クラウディアのテーマ」も入っている。
これは欲しい。
[3512] 牧神の午後 2010-07-25 (Sun)時間も空間もあちこちに穴が空いている。
目には見えない穴がポッカリと口を開けている。
そこをいろんなものが出入りしている。
もちろん、そいつらも僕らの目には見えない。
計測できるものや観測できるものが
この宇宙に存在する全て、この宇宙を構成する全てではないと思う。
かと言って今さら第2のエーテルを探したいわけではなく、
死後の世界やオカルトについて語りたいわけでもない。
もしかしたらこの世界はどこまでいってもバーチャルであって、
リアルなんてないのかもしれない。時々そんなふうに考える。
全ては夢の中。全ては誰かの書いたシナリオの中。
ふとした弾みで、どんどん書き換わっていってしまう。
穴が空いているけど、僕らがそこに入り込むことはない。
言うなれば次元が違う。メタなレイヤーと言っていいかもしれない。
この世界を動かしている何らかのプログラミング言語があって、
穴とはその処理の流れのようなものだ。
とはいえそれは完璧な記述がなされず、救いがたいほどのバグに満ちている。
そしてそこには神様なんてものはいない。
ただしその不在を埋める何かはあるのではないかと思う。
「それ」に捧げるための儀式や祭祀を僕らは受け持って日々繰り返している。
右から左への時間の「流れ」みたいなものはなく、「生きる」というものもない。
点が線になる、線が点に戻る。ただそれだけ。
言い換えるならば永遠が一瞬であり、一瞬が永遠となるということ。
生成と持続、そして消滅。
[3511] 恋をするなら 2010-07-24 (Sat)床屋でかかっていたラジオを聞いていたら
(久米宏の番組に東大の文化人類学者が出演していた)
「恋」という言葉は日本にしかない、欧米にはないという話をしていた。
そう言われてみれば確かにそうだ。
「愛」という言葉に包含されるのか。
その様々な様相の1つとなってしまうのだろう。
2人の間での惹かれあい、やがてはもつれあう力学として働く愛もあれば
自分以外の他者全般に働く愛もある。
その、一局面としての恋。
英語に「恋」を表す語彙がないとしても
映画や小説の翻訳のタイトルに「恋」はたくさん出てくる。
例『それでも恋するバルセロナ』(Vicky Cristina Barcelona)
多くの場合、原題にはそういう要素がない。
しかしそこに恋的なものを嗅ぎ取って抽出するのは
とても日本人的なフィルターってことになるのだろう。
刹那的なものに身をやつし、焦がす行為。
2人の間でうつろうものを見つめ、声に出し、触れようとする。
求めようとすると逃れるのに、そこにあるのを確かめようとする。
脆くて、儚くて、うたかたに消える。
---
話は全然変わって、最近身の回りで子供が生まれたり、結婚が決まったりで
「オカムラさん、結婚の予定はないんですか?」
「子供は若いうちに作ったほうがいいぞ」
「婚活しないとやばいですよ」
などなど、あちこちで心配される。
しないと思う。
いろんなことがめんどくさいから。
1人きりに慣れてしまって、それが染み付いてしまったから。
そこに何かを求めたいという気持ちがないから。
でも、例えば今日のような夏の土曜、することもなく
部屋の中で借りてきた DVD を見て1日が過ぎていく。
明日、日曜もそんな感じ。
来週も。再来週も。それで夏が終わる。
そんなんでいいのか、と心のどこかで思う。
しかし今さらどうすることもできない。
30も半ばに差し掛かったら、いろんなことを諦めてゆく。
これもまたその1つだ。
このところ映画ばっかり見てて、様々な恋が目の前を通り過ぎていく。
缶ビール飲みながら、ぼんやりといろんなことが通り過ぎていく。
世間では猛暑が続く。
気がついたら冬になっていて、僕は36歳になっている。
[3510] 7/17-7/23 2010-07-23 (Fri)7/17(土)
暑くて目が覚めてエアコンのスイッチを入れて
1時間後に停止とタイマーをセットして寝る、を繰り返す。
最終的に起きたのは11時。
昨日遅くまで飲んでいたので何もする気なし。出かけるのはやめる。
1日映画を見て過ごすことにする。
とある方から勧められた『インサイド・ディープ・スロート』を観る。
ドキュメンタリー映画としてとても秀逸だった。
洗濯をした後、腹が減って外に食べに行く。
高円寺にスタ丼屋があると知り、行ってみる。
生姜丼(肉増し)にする。
商店街を抜けて、青梅街道へ。
新高円寺の駅がどこか分からなくて歩いているうちに南阿佐ヶ谷が近くなり。
逆方向だと引き返す。
途中で見かけたリサイクルショップが気になって入ってみる。
よさげなTシャツがあるじゃん、と買う。
値札がついてなくて、レジに持っていったら315円だった。
西友で食べるものを買って、帰ってくる。
その後はずっとノンストップで映画を見る。
『戦場のピアニスト』を見た後、ピアニストつながりで『真夜中のピアニスト』を、
ポランスキーつながりで『チャイナタウン』を。
最後にジョージ・クルーニー監督の『グッドナイト&グッドラック』
手堅い演出に驚く。
『戦場のピアニスト』は劇場で見たらとてつもなく感動しただろうな。
肝心な場面、14インチの小さなテレビでもこれだけ心震えたのに、
大画面で見たら。ああ。
『真夜中のピアニスト』は僕にしては珍しくフランス映画。
タイトルがいいよね。
不動産ブローカーで裏社会に生きる主人公が
かつての夢だったピアニストを目指し・・・
『チャイナタウン』はジャック・ニコルソンとフェイ・ダナウェイ。
アメリカン・ニューシネマの代表作とされる。
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7/18(日)
東京小旅行(月島〜豊洲〜お台場)を参照。
帰ってきて、クリーニング屋へ。
朝から何も食べてなくて腹が減って、ご飯を炊く。
ヱスビーのチョイ辛ラー油をかけて食べる。割とうまい。
映画を3本見る。
『アイリス』『バッド・ルーテナント』『フィクサー』
牛角の「やみつき塩キャベツ」とキムチでビールを飲む。
午前0時前に眠る。
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7/19(月)
昭和記念公園BBQを参照。
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7/20(火)
暑い。とにかく暑い。
昼、ボルツでベーコンと野菜のカレー。
今回のPJでは初めて。ずっとご無沙汰。
ボルツの周り、竹橋方面って他に目立った食べ物屋がないので
あの辺り行かないんですよね。
給料日だが、残業代もなくお金は使えない・・・
夜、定時後に顧客と打ち合わせ。
その後飲みに行く。
ようやく『地の果て 至上の時』を読み終える。
iPhone に取り込んだアルバムが featuring とかしてて
アーティスト名が異なっていると別々のアルバムに分かれてしまう。
こっちは1枚のアルバムのつもりが、まとめて聞けなくて不便。
調べたらコンピレーションにする方法が分かって、いくつかのアルバムで試してみる。
なんだかんだで寝たのは午前1時。
神保町に集英社があるということで One Piece 祭りというのをやっているが、
具体的に何が行われているのかよく分からず。
街頭にスタッフは立っているが。
三省堂のエスカレーターで各巻の表紙の絵が飾られていたぐらい。
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7/21(水)
昼、ダイエット中につき近くの蕎麦屋にて田舎そば。
サントリーの黒烏龍茶を飲んでみたいと思って探すがなぜか見つからず。
品薄のわけはなくてたまたま近くの自販機・コンビニで扱ってないだけか。
代替品として黒豆茶的なものを飲む。
夜、前のPJの飲み会で焼肉やるかもということだったが音沙汰なしで帰ってくる。
西友で買った温野菜ディップ、バナナ2本、
オリーヴオイルをかけたトマト1個を食べる。
1日中、来週の新人向けレクチャーの資料の用意を行う。
天才脚本家チャーリー・カウフマンの初監督作品『脳内ニューヨーク』と
ウディ・アレンの90年代半ばの『ブロードウェイと銃弾』を観る。
どちらも主要な登場人物にエレンとオリーヴという2人がいて、偶然に驚く。
23時半に眠る。
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7/22(木)
昼、「味噌や」で味噌オロチョン+チャーシュー+バター+コーン+味玉。
仕事が暇だったので竹芝本社に行って、新人発表のリハーサルを見る。
三田も大門も大勢の人が乗り降りしてて、何があるのだろうと思う。
後輩2人が昼まだだったということでハマサイトに入る。
12時半頃。店はどこも混んでいる。
どの店も500円程度の弁当を提供していて、どこも完売。
外を出て歩く。真夏の真昼の移動は暑すぎ。
竹芝桟橋のフェリー会社に寄って、伊豆七島の旅行のパンフレットをもらう。
新人のプレゼンを聞く。皆可もなく不可もなく発表をする。
パワーポイントもそつなくできている。
終わって、後輩たちと隣のビルの喫茶店でソフトクリームを食べて帰ってくる。
九州の観光地の話をする。
夜、昨日に引き続き、バナナ2本とオリーブオイルをかけたトマト2個。
ショーン・ペン主演の『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』と
リチャード・リンクレイター監督の『ファーストフード・ネイション』
後者はなかなか秀逸な映画だった。
ミッキーズというハンバーガーの全米チェーン。
パテに牛糞が混入されているという噂が流れ、コロラド州の生肉工場へ。
そこでは劣悪な環境でメキシコからの不法移民が働いていた。
一方、店で働いていた女子高生は青臭い環境保護グループの活動にのめりこむ。
アーサー・ラッセルの伝記を読み始める。
iPhoneにもアーサー・ラッセルのベストを入れる。
午前0時に眠る。突然大雨。
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7/23(金)
東京は3日連続の猛暑日。
昨晩雨が降ったのが何ももたらさなかったようだ。
外を歩いているとお湯の中を漂っているみたいな。
辛いものを食べたいと昼、「かつぎや」で排骨乗せ坦々麺。
外に出たら汗だくとなる。
このところ朝出社してから9時の仕事開始までと昼休み、
淡々と資格試験の勉強をしている。
週明けからの新人向けレクチャーの準備を進める。
夜、東中野のポレポレ座に大野一雄のドキュメンタリーを見に行くつもりが、
今映画を見たら絶対に寝そうだというのと、TSUTAYAから借りられることがわかって
部門の新人配属の飲み会へと予定を変える。
飲み始めたらやはりキリがなく。3次会まで行く。
午前0時前に店を出る。
東京駅ではガラガラだったのが、新宿を過ぎて大変な混雑に。
駅に着いたら午前1時近く。
[3509] すけべな女の子 2010-07-22 (Thu)くるりのシングルB面の曲に「すけべな女の子」というのがある。
いいタイトルだと思う。だけどどういう曲だったか、思い出せない。
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こんなことを言う(書く)のもなんだが、
日々、生きていて多くの女性とすれ違う。
地下鉄の向かい側に座っている。
様々な店でさまざまな物を売っていて僕はそれを買う。
彼女たちに性欲があるように見えない。
性的な物事に関心があって、昼に夜にそれぞれの性生活があるように思えない。
隠している、というよりも元からなさそうな。
そんな僕は世間知らずなのだろうか。
それゆえに、向かい側の席に座って眠っているきれいな女性が
夜、どんなことをしているかを僕はいつも想像する。
素人系のアダルトビデオの中で行われているようなこと。
アメリカの有料動画サイトでジャンル別に行われているようなこと。
そういうのに関心があって、普通に毎晩試しているのか。
全く興味がなくて、淡々としているのか。
めくるめくような夜なんて、よほどの事がない限り実際にはないのだと思う。
安手のファンタジーだ。
いや、いや。あるいは。そう、そう。
吊革広告を見ると昨今の女性誌においては、
性的な行為を習熟度の段階に分けてレクチャーするような特集が
さも普通のことのように定期的に組まれている。
実際、よく売れていると聞く。
世の中は「進んでいる」のだろうか。
そこには「男を喜ばせる」とある。
交感神経の作用により、正常な性行為に対する欲求が高まる。
副交感神経の作用により、異常な性行為に対する欲求が高まる。
人は日々、バランスをとって生きている。
だとしたら、そのバランスが崩れてきているのだろうか。
ただ単に人々があけすけに語るようになっただけなのだろうか。
前者だった場合、文化とか環境とかと呼ばれるものにおける何かが
過剰になり、飽和したということなのか。
そんなこんながあって、日々新しい世代の子供たちが生まれてくる。
街で妊娠した女性が歩いているのを見かける。
一人で、あるいは配偶者と共に。
いろんな意味で、不思議な気持ちがする。
そのとき、どんなことをしたのか。
でも、それには何の関係もなく。
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「すけべな女の子」というのが実際にこの世に存在するのなら、
それはとても魅力的なことのように思う。
いったい、どこにいるんだろう?
[3508] 『バッド・ルーテナント』 2010-07-21 (Wed)日曜の夜、ヴェルナー・ヘルツォーク監督の最新作『バッド・ルーテナント』を見た。
アベル・フェラーラ監督の作品のリメイクとなるが、
借りたのは設定だけで、全然別の作品と言っていいだろう。
アベル・フェラーラがすごいと聞いたのは
学生時代の夜勤のバイトで調剤薬局の事務をやっていたときだった。
バイトで深夜の薬剤師をやっている面々の中に、
マニアックな映画にやたら詳しい人がいた。
「いやーすごいよ、オカムラ君あれは見なよ」と言われて見たものの、
作品の独特の臭みにいいも悪いも・・・、という状態。
とはいえものすごく背徳的で、映画にしたところで
全然儲からない題材だということはすぐに分かった。
そしてそういうのが好きなのだろうと。
気になったけど、入手しにくいということもあって、以来他の作品は見ていない。
一方、ヴェルナー・ヘルツォークは大好き。
この人こそ映画「監督」だと思う。
作品というのは個々の場面がどうこうじゃなくて
全体としてガツンとどうなのよ?
どんな「世界」を描きたいのよ?
そうなったとき、この人ほど愚直に自分を出しきる人は他にいない。
いや、ほんと、デヴィッド・リンチよりも「その世界」に入れ込んでて、
ジョン・ウォータースよりもスタイリッシュなキチガイ。
感動する。素直に、心、動かされる。
船が山を登る『フィツカラルド』は男として、ガチの勝負で泣いた。
「あなたの好きな映画10本を選ぶ」というとき、
『フィツカラルド』を永遠の10位とし不動とすることを決めた。
ラストシーンの椅子のように。
(まあ、もちろん、そんなこと聞かれるわけはないのですが)
そんな僕としてはこの『バッド・ルーテナント』物足りなく。
デヴィッド・リンチやジョン・ウォータースの最新作なら及第点だろうけど
なんでヘルツォークの最新作がこの程度なのだろうと。
世界も作品もグネグネと歪んでてどうしようもないのは確か。
でも端的に言って、ロマンがない。華がない。
『コブラ・ヴェルデ』のラストシーン、クラウス・キンスキーは無駄だと知ってて
それでも浜辺で動かない舟を曳く。曳き続ける。あれがどれだけ泣かせるか。
そうなんですよね。この人、基本はどうしようもないぐらいロマンチストなんですよ。
ニコラス・ケイジが無駄にすごい。なぜそこまで怪演するという。
このところ『アダプテーション』と『バッド・ルーテナント』を見てわかった。
今最もイカレてる役者はニコラス・ケイジだ。
なのに日本では今でも、枕詞はアカデミー賞主演男優。
このギャップなんなのだろう。
[3507] 昭和記念公園BBQ 2010-07-20 (Tue)昨日は3連休最後。会社の人たちと昭和記念公園でバーベキュー。
去年もここでやったので勝手は分かっている。
10時集合で、部屋を出たのは8時半。
9時過ぎには立川に着いてそこから西立川まで一駅歩く。
この日もまた日差しが強い。日焼け止めを塗った腕がヒリヒリする。
昨日の歩き回りで赤くなっている。
公園の壁に沿って歩く。時々木陰となる。9時半から入園開始で、
自転車の入口から入ろうとする親子連れが炎天下長い列を作っている。
9時45分に集合場所の西立川の駅に着く。後輩が1人先に来ていた。
10時になっても僕を入れて4人。集まりがとてもよくない。
次の電車を待っても誰も来ない。仕方なく駅前のスーパーに買いに行く。
バーベキュー日和で肉も魚も買い尽くされているのではないか? と思いきや
意外とふんだんに食材が並んでて。見越して仕入れてるんだろうな。
目に付いたものをどんどんカゴの中に入れていく。
4〜5人前の焼肉のセットとか、カルビやハラミのパック。
棒に刺したソーセージ。ホイル焼き用の野菜。うるめいわしにさんまの干物。
カゴ4つ、ショッピングカート2台にあれこれと溢れ返る。
チューハイの缶やウーロン茶のペットボトル。
キッチンタオルにウエットティッシュ。
買い過ぎだろうか? ・・・やはり買いすぎだった。後半、肉が余った。
15人ぐらいの参加者で買い物が3万3000円だったか。
この2/3ぐらいの量がちょうどいいのだろう。
買い物をしているうちにバラバラと参加者が合流する。
発泡スチロールの箱に氷を詰めて、肉を入れて運ぶ。
氷は製氷箱が空になる寸前で、最後のを掬う。
バーベキュー用の食材は事前に大量に仕入れることができても、
さすがに氷は一度にたくさん作れない。
駅を経由して、公園の入口へ。
学生たちなんだろう。若者が多い。
それにしても最近の女の子たちのこれからバーベキューをするとは思えない、
火や煙にそぐわないペラペラの格好はなんなのだろう?
アウトドアなイベントではなくて、サークルの飲み会や合コンの延長なんだろうな。
バーベキューガーデンへと向かう。
プールの側を通ると水が気持ちよさそうで。
全て放り投げて飛び込みたくなった。
受付でテントや機材を借りる。せっせと往復する。
混雑する時間帯に直撃して、時間がかかった。
売店にて世界のビールが売られていて、初めて見るオーストラリアの缶ビールだとか。
後で余裕があったら飲むかと思っていたら、結局そんな暇はなかった。
バーベキュー開始。
いつも通り自然と僕が肉を焼く係となる。
ひたすら袋やパックから肉を取り出して網の上に並べて、
後輩が休む間もなくひっくり返す。
豚肉系は脂が炭の上にボタボタと落ちて派手に炎が吹き上がる。
一瞬にして肉が焼ける。
紙皿の上に移してタレをかけて、
テントの下の椅子にまったりしている家族連れの先輩たち・後輩たちや
木陰の作にもたれてビールを飲んでいる先輩たちに運ぶ。
なんだか普段のウィーク・デイよりもチャキチャキ仕事をした。
今回の大当たりは生ビールサーバを借りたことで、
冷たい生ビールがいくらでも飲めた。
10リットルのサーバを途中で飲み尽くして、もう1台お替りする。
それにしても生ビールサーバって中に氷が入ってて冷やしてるだけなんですね。
最後に焼きそばを。15時の制限時間いっぱいまで焼いて食べる。後片付けをする。
ビールを飲めるだけ飲んで酔っ払って、まっすぐ帰ってくる。
シャワーを浴びて、疲れきって夕方眠ってしまう。
目が覚めたら外は暗くて21時。
ウディ・アレン監督の『タロットカード殺人事件』を観る。
ウディ・アレンが主演だったので、シニカルでコミカル。面白かった。
昼散々飲んだので、夜は缶ビールもウィスキーソーダも飲まず。
23時半に眠る。
[3506] 東京小旅行(月島〜豊洲〜お台場) 2010-07-19 (Mon)3連休2日目の昨日は例によって予定はなく。
歩きたい気分となって東京駅へ。
茅場町で働いていた頃、よくサボって月島まで歩いていったなあと。
朝8時に起きて、そのまま出掛ける。
手ぶらで歩きたく、カーゴパンツのポケットにiPhoneと薄い文庫本を突っ込む。
ロード・ダンセイニの『ぺガーナの神々』
東京駅に着いてからは浜田真理子の2枚組のライブアルバムを聞く。
『ゴンドラの唄』から始まる。
休日の茅場町は相変わらず閑散としている。
働いていたのは7・8年前? 店の並びもほとんど変わっていない。
ハンバーグ丼の「津々井」や親子丼の「いしばし」
会社の入っていたビルの1階が自前のコンビニ・文具屋だったのが、
セブンイレブンに変わっていた。
昔ここで映画取らせてもらったんだよなあ。
「このビルで働いています」って言ったら許可してくれた。
永代橋に出て、遊歩道に下りて川沿いに歩く。
風が強く吹きつけてきて、真夏の空の下、涼しくて気持ちいい。
ランニングしている人たちや、ボールで遊ぶ親子。
のんびりした時間が流れている。
中央大橋を渡って、月島へ。
この辺りから上品な超高層マンションが立ち並ぶ。
もんじゃの商店街には入っていかず、さっと通り抜けて清澄通りへ。
さらにまた橋を渡る。砂色に肌色。目の前には柔らかい色彩のマンションたち。
橋の上からは昔ながらの工場も見える。
地名では佃というのか晴海というのか。
グラウンドが三面の野球場になっていて、会社の野球部の対抗戦が行われていた。
豊洲へ。今回目的地に考えていたララポートに入ってみる。
船橋のも大きいけど、これもまたでかいね。
ブラブラとする。いろんな店が入っているけど、特に買いたいものはなし。
Right-Onなんかでは服買わないし。
HMVが生き残っていた。
浮世絵美術館ってのがあって、500円払って入ってみる。
とても小さい。企画展しかやらないようだ。
この時期のテーマは隅田川の花火となっていて、
船遊びの情景や橋に押し寄せる観客たちなど。
歌川国芳や歌川国貞の名前があったように思う。
NHKで今やっている竜馬のタイトルバックで使われたという2つの絵が飾られていた。
このララポートから水上バスが出ていると知って、乗ってみる。
浅草方面とお台場方面とあって、お台場へ。500円。
小さなフェリーが水しぶきを上げて川をグイグイと下っていく。
コロナビールが売られていたので、デッキに出て背もたれに寄りかかりながら飲む。
レインボーブリッジの大きな影をくぐる。
お台場はフジテレビ主催の「お台場合衆国」で人また人。
フジの社屋だけじゃなくて、近くの公園がメインの会場になっていた。
子供たちやカップルや観光客がウジャウジャとワサワサと。
日本科学未来館もまた炎天下、入場町の列ができている。
プラネタリウムじゃなくて、「ドラえもんの科学みらい展」かな。
大江戸温泉物語へ。7周年謝恩企画ってことで2000円ちょっとで入れた。
(いつも通り3000円近い入場料だったら引き返すつもりでいた)
夏で暑いので利用者が少ないかと思いきやさにあらず。
この中もまたごった返していた。
真夏の露天風呂ってのもいいもんであって、
お湯から出てベンチに座って風に吹かれているとなかなか気持ちいい。
お湯に入っているよりも、出て風に当たっていることの方が多かった。
風呂を後にして浴衣で館内を歩き回る。
コークハイを飲んで帰る。つまみなし。
こういうところで食べてもたいしたことないしと。
テレコムセンターからゆりかもめに乗って帰ってくる。
本当はこれが半分で、後半はレインボーブリッジを歩いて、
とも最初は考えていたんだけど、「もういいや」という気分になり。
腕や顔が日焼けし始めていて、これ以上歩くとやばいかもというのもあって。
久しぶりに乗ったゆりかもめは景色を眺めているうちに寝てしまう。
東京駅から丸の内線に乗ってもやはり眠くなり。
[3505] 『インサイド・ディープ・スロート』 etc. 2010-07-18 (Sun)・元美容師だった監督のジェラルド・ダミアーノは結局、
『ディープ・スロート』で儲けることはなかった。
「タイムズ」紙で取り上げられ、一般市民もが劇場に足を運ぶようになって
ニューヨークのタイムズ・スクエアでの初公開から2年を経て
それでもまだ全米で大ヒット。
なのにその何百万ドルもの興行収入は全てマフィアに持っていかれた。
以後の監督作品も成功しなかった。
・主演のリンダ・ラブレイスはその後フェミニズムの擁護者となって
『ディープ・スロート』を非難する。
「観客がこの映画を見る度に私はレイプされる」
しかし、田舎に引っ越してひっそりと生きようとしても
かつてこの映画に主演したことがばれて何度も職場から追い出される。
結果50を過ぎて再度ヌード雑誌に出演することになる。
交通事故をきっかけに死去。
・ニクソン時代の反ポルノ運動により
『ディープ・スロート』の製作者・上映者は共謀罪でまとめて起訴されるが、
ジェラルド・ダミアーノやリンダ・ラブレイスは不起訴処分となる。
しかし主演男優のハリー・リームスだけが見せしめで有罪となる。
大統領が民主党のカーターとなってようやく自由の身となるが、
ポルノ男優以外に仕事はない。アル中となって物乞いにまで落ちていく。
その後キリスト教に改心し、不動産業者として成功する。
・ジェラルド・ダミアーノ監督はポルノと映画との融合が
ハリウッドで成されるのではないかと予想するが、
80年代以後反対の方向に進んでいく。
ビデオの普及によりポルノは安手の、金を生む機械に成り下がる。
もはや「性の解放」でも「反体制」でもない。
『ディープ・スロート』とそのアイコンであるリンダ・ラブレイスは
”表現”の分野にて新たな扉を開いたが、今や省みられることはなくなった。
・僕自身は『ディープ・スロート』を面白いともなんとも思わなかった。
古臭いだけ。70年代初めのアメリカが映っていることと
ありがちな安っぽくてファンキーな音楽がよかったこと、それぐらい。
ネット社会になってさらに多岐にわたるポルノ業界に僕も毒されているんだろうな。
[3504] 7/15 - 7/16 2010-07-17 (Sat)7/15(木)
昼、三幸園で麻婆豆腐とライス。
夜、帰ってきてコンビニのサラダとバナナ3本。
サラダには先日青森で買ったリンゴのケチャップをかけてみる。
『(500)日のサマー』を観る。
ヒロインがスミスやベルセバの好きな女の子ってことになるんだけど、
そんな女の子実際に存在するのだろうか。日本に。
いるにはいるんだろうけど、僕の周りにはいない。
その手のバンドとその影響を受けたバンドの曲がふんだんに使われてて、
僕のような人間だと「いいねえ〜」と思う。
主人公はカラオケにて Pixies 「Here Comes Your Man」を歌う。
1曲、男性シンガーソングライター系のギターと歌だけの曲があって、
あ、これどこかで聞いたことがある、名曲だなあと
サントラを買おうかとしたのだが、
探して全曲試聴してみたらその曲が入っていなかった。
Feistやレジーナ・スペクターの曲が収録されている。
続けて、ウディ・アレン『それでも恋するバルセロナ』を観る。
先日婚約発表をしたペネロペ・クルスとハビエル・バルデムが主演。
くっついたり離れたりを繰り返す腐れ縁的関係を演じる。
そこにスカーレット・ヨハンセンが加わって三角関係になる。なんだか意味深。
それにしても。このところアルモドバル監督の作品を
集中的に見ているということもあり、
ペネロペ・クロスは当代きっての名女優だなあと思う。
---
7/16(金)
いつも通り6:15に目覚ましが鳴って、止める。
思わず二度寝。気がついたら7時前。
飛び起きて歯を磨き、着替えて外に出る。
その間、7・8分。
間に合っていつもの時間の地下鉄に乗る。
カジュアルフライデーにつき、Tシャツ、ジーパン、サンダル。
新人が見学に来るということでTシャツは恒例の気合の入った昇り竜。
昼、吉野家でうな丼のダブルと豚汁。
ノンアルコールビールを飲みながら仕事をする。
発泡酒並みの値段がするのはなぜなのだろう?
新人向けレクチャーの資料をかき集めてプリントアウトする。
夜、PJの飲み会。久々に参加する。見学に来た新人を交えて、盛り上がる。
楽しい時間を過ごす。
しかし、中華料理の店は食べ放題を謳っていたのに、
「最初の料理が全部出てから注文できます」と言い、
それが全部出た頃に「ではお料理がラストオーダーになります」
マジで怒った。中国人相手に。
じゃあってんでこれとこれとこれとこれとたくさん頼む。
そうすると「テーブルに乗り切らないので困ります」と。
最悪。二度と行かない。呼び出すのを押してもなかなか来ないし。
しかしオーダーは全て通す。
その後、新人が高円寺に住んでいるということで
二人で総武線に乗って帰って、高円寺で下りて「抱瓶」へ。
バンドをやってたと聞いてロックの話をする。
終電を思いっきり逃して店を出たのは1時半ぐらいか?
荻窪まで歩いて帰ってくる。2時半過ぎ。
iPhone で James Brown 『In The Jungle Groove』を聞く。
梅雨が明けたのか、空が青い。
蒸し暑くなる。
[3503] 7/10 - 7/14 2010-07-16 (Fri)7/10(土)
腹が痛くて目が覚め、7時半。
再度寝て起きたら11時だった。シャワーを浴びて着替えて出かける。
中野へ。ボーナス支給翌日。recomints で中古CDを買う。
店舗が統廃合されて、CDはこれまで3店舗だったのが2店舗となった。
日本のは同じ場所だったが、洋楽はメタルと一緒になった。
その分品揃えは薄くなったのだろうな・・・
買った中で珍しいものは、パルコのレーベルが出した
Camera Obscure の初期シングル集。日本独自編集。
Ann Brigs の初期作品集とソロアルバムの1枚目のコンパイル。
Ryan Adams 『Gold』の初回盤2枚組は残念なことに家帰って調べたら即に持ってた。
何となく目に留まって買った Son Volt の昨年出た新作
『American Central Dust』が聞いてみたら思いの他よかった。
Wilco よりも好きかもしれない。
日本では、『Bad Sun Rising』スティーヴ・アルビニがプロデュースした
ノイズ・ジャンク系のコンピ。
Boredoms の「Thalidomide Car」ってよく名前を聞くけど、
ここに入っていたのか! 他に、思い出波止場やゼニゲバ、マリア観音など。
フラカンの「深夜高速」を聞いたことなくて、そろそろ買うかと思っていたら
『世田谷夜明け前』を安く見つける。
あと、曽我部恵一の「Sketch of Shimokitazawa」
恒例の、住友。
ビールを飲みながら買ったばかりのCDのライナーノーツを読む。
イカの塩焼きをつまみにする。その後かき揚定食の上。
調子に乗ってもう一本ビール。
吉祥寺へ。ヨドバシで浄水器の替えのカセットを買う。
バウスシアターで『ソウルパワー』を見る。
ビールを飲みすぎて途中寝てしまう。
駅前に人だかりがしていて、菅直人応援演説だという。
ヨドバシの前では大勢の警官が集まっていて、
今度は自民党総裁谷垣禎一。吉祥寺は意外と焦点だったか。
帰って来て、阪本順治監督、赤井英和主演の『どついたるねん』を見る。
作品の出来に関係なく面白い映画ってあるもんだ。
赤井英和がとにかく素晴らしい。
この映画に出るためにボクシングやってたんじゃないかってぐらい。
その後、青山真治監督の出世作『Helpless』
後半まで来て、「これ、見てる」と気付く。
山奥のドライブインで野球のユニフォームを着たオヤジを見て思い出す。
人間の記憶とは不思議なもんだ。
西友で買った安い刺身切り落としの盛り合わせをサーモン、マグロ、イカと買って
缶ビールを飲む。
午前23時半に眠る。
---
7/11(日)
8時半に目を覚ます。東西線に乗って木場へ。
村上春樹の『走ることについて語るときに僕の語ること』を読み終える。
109シネマで『アウトレイジ』を観る。初回。午前中だからか、客席はガラガラ。
ヒットしてないのかもしれない。
見終わって、ギャザリアの陳健一麻婆豆腐店へ。
仕事が大変だった頃の懐かしの味。うまかった。ご飯をおかわり。
生ビールと唐辛子とピーナツのつまみも追加する。
帰り、茅場町で下りて少し歩く。有楽町まで。外はそれほど暑くない。
交通会館でパスポートを受け取る。
丸の内線に乗って新宿三丁目で下りて、高島屋へ。
ハンズでスポンジなど掃除用品をいくつか買う。
タワレコで浜田真理子のライブアルバムを買う。
ヨドバシでCDラックを買おうとするが、いつものが見当たらず。
吉祥寺のヨドバシデも見つからず。
生産終了かもしれない。もっと前に買っておけばよかった。
帰って来て、洗濯、クリーニング。
雨が降りだす。強くなる。
夜、DVD2本。
アルモドバル監督の最新作『抱擁のとき』(ペネロペ・クルスが主演)
やはりこの人の脚本はただものではない。
パズルや謎解きのような展開でいて、
生きるとはどういうことか、親子の関係性とはどうあるべきか、
重たいテーマがサラサラと語られる。
続けて、『クィーン』ヘレン・ミレンがアカデミー主演女優賞。
これは最近見た映画の中では群を抜いて素晴らしい映画だった。
完璧。泣いた。
午前0時半に眠る。
スペイン−オランダ戦を見たかったが・・・
---
7/12(月)
昼、七條でミックスフライ。うまい。
秋の情報処理試験で「ITサービスマネージャ」を受けようと申し込み、
三省堂でテキストを買ってきて早速読み始める。
ITIL関係。この分野興味あるわけではないが、これまでの経歴からしたら
これが一番受かりやすいように思った。
ボーナスが出たこともあって、その他いくつか本を買う。
テリー・ビッスンの短編集とアーサー・ラッセルの伝記。
仕事を終えて、池袋西部へ。
キャサリン・ハムネットのいつもの履き潰したのを買い換える。
半袖のYシャツと靴下を買う。
スーツを1着買うつもりでいて、このところ定番のラルフ・ローレンへ。
夏のセールで手ごろな価格になった、いい感じのがあったんだけど、
サイズに合うものがなく諦める。残念。
不景気でボーナスもはかばかしくなく、
今年はスーツを新調せず貯金に回すことにする。
光麺でラーメンを食べて帰る。
骨太光麺という新メニューができていた。
魚介ごってり太麺系で最近の流行りか。六厘舎的な。
ビールは我慢する。
丸の内線でぐるっと回って帰ってくる。
その間中上健次の『地の果て 至上の時』を読む。
帰ってきて、スパイク・ジョーンズ監督の『アダプテーション』を見る。
原作があって脚色してるみたいなんだけど、原作に関係ある場面は半分以下。
この原作をいかに脚本化するか? といったメタ的な内容。
それがどんどん予想外の展開となり・・・
チャーリー・カウフマンが脚本なんだけど、
スパイク・ジョーンズやあの一派の才能はすごいな、と思う。
23時半に寝るが、暑くて午前1時ごろ目が覚める。
エアコンをつける。
---
7/13(火)
このところ小雨が降ったりやんだり。
昼、大戸屋で鯖塩焼き定食と納豆。
今月末に入ってくる新人向けのあれこれのレクチャーを担当することになり、
その計画を立て始める。
そもそもISP業界とは? というところから始めるため、かなりの分量になりそう。
夜、岩波ホールに『パリ20区、僕たちのクラス』を見に行く。
その前にキッチン南海でイカフライとしょうが焼きの盛り合わせ定食を食べる。
前から探していた Mice Parade「True Meaning Of Boodleybaye」の中古が
amazon を見ていたら JANIS2 にあるということが分かり、買いに行く。
家に帰って、これ、既に持っていたことを知る。ショック。
23時半に眠る。
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7/14(水)
昼、DiskUnionにこのところ間違って買った
(持ってたことを忘れてた)
CDを2枚売りに行く。
その後、蕎麦屋でせいろの大盛り。ごまだれがついていた。
夜、吉祥寺へ。
20時よりバウスシアターで『ストーンズ・イン・エグザイル』を見る。
18時半過ぎに着いたらチケットの発売は19時からとのことで、
その間ホープ軒でチャーシュー麺を食べる。
学生時代に終電を逃して夜通し飲んでて、初めてここで食べたときに
なんてうまいのだろうと思ったものだが。
帰ってきて23時半に眠る。
夜、暑くて目が覚めてエアコンを入れる。
[3502] 『ストーンズ・イン・エグザイル』 2010-07-15 (Thu)昨日の夜、吉祥寺のバウスシアターに
『ストーンズ・イン・エグザイル』のレイトショーを見に行った。
副題は『「メイン・ストリートのならず者」の真実』
1971年、ストーンズは93%という不当な税金を逃れるために
イギリスを離れ、キース・リチャーズの借りた邸宅のある、南仏に移住。
そこにストーンズのメンバーやその家族、
ボビー・キースを初めとするサポート・ミュージシャンが集まり、
写真家や麻薬の密売人、様々な人間が入り乱れて
地下のスタジオで夜な夜なセッションを繰り広げる。
そして完成したのが1972年の2枚組『メイン・ストリートのならず者』
猥雑で荒削りなブルースやカントリーが雑多に並んで当時の評価は低かったものの、
今ではストーンズの最高傑作に挙げられる。
今年その『メイン・ストリート…』がデラックス・エディションで再発。
当時の未完成曲に対して40年近い時を経てオーヴァー・ダブを施し、
ボーナス・ディスクとして加えたのが話題になった。
今回のドキュメンタリーの公開は一連の作業の集大成なのだろう。
いろんな角度からこのアルバムを観る(聴く)ことができるようになった。
最盛期のストーンズはとにかくかっこいい。言葉にするだけ無駄。
周りに出入りする人間たちもダーティーな魅力を振りまいている。
時代の雰囲気が真空パックされたような。
なので良くも悪くもそれだけで成り立っている映画。
素材は当時の写真と8mmで撮影されたと思われるホーム・ムーヴィーだけ。
それだけでは足りないからと
現在のミック・ジャガーとチャーリー・ワッツが登場して
レコーディングに使用したスタジオを訪れたり、
ベネチオ・デル・トロ、ジャック・ホワイト、シェリル・クロウ、
マーティン・スコセッシ、ドン・ウォズらのインタビューを最初と最後に配置したり。
ドキュメンタリー映画としては凡庸な出来。
未完の『コックサッカー・ブルース』の貴重な映像として
熱狂的でセクシーなステージの模様が挟まれたりするが、断片的で物足りない。
ちなみに、音が全然よくない。
(監督のロバート・フランクは有名な写真家で、
『メイン・ストリート…』のジャケットの例の写真のコラージュを担当している。
これ、映画を見て初めて知ったのですが、8mmで撮った写真なんですね)
まあでも、ロックの最盛期は今どれだけ頑張ろうと勝てなくて
1968年から1972年までであって、
その最も美しい瞬間の1つ、後は腐って滅びゆく、
その最後の夕暮れのような瞬間がここに保存されているのは貴重。
ストーンズは向かうところ敵なしというか、
若さや才能、いろんなものが一緒くたになって思うがままに生きている。
楽器を手に映っている姿はとにかくふてぶてしい。
主役はなんと言ってもキース。
今は異教の魔法使いのようだが、この頃は正に悪魔のようだった。
ギターがギターに見えない。まるでそれ自体が生命をもつ寡黙な生き物。
手なずけて狩場に放つ時を待っている。
そのキースがこんな名言を吐く。
「ミックは計画的で、オレは朝起きてから考える」
「ミックがロックで、オレがロールさ」
チラシを見たら、キースの恋人アニタ・パレンバーグが
この歴史的なセッションについて、更なる名言を残していた。
「セックス、ドラッグ&ロックンロール。
正しくはロックンロール、ドラッグ&セックスだったわ」
---
ストーンズのメンバーでは誰が一番好きですか?
と聞かれたら迷わず、ブライアン・ジョーンズと答える。
しかし、ストーンズが成熟して一回りも二回りも大きくなったのは
ブライアン・ジョーンズがグループを追放され、失意の死を遂げた後からだった。
彼がいたままのストーンズだったならば
決して『メイン・ストリート…』は生まれることがなかっただろう。
そう思うと複雑な気持ちになる。
『ストーンズ・イン・エグザイル』には
僕の気付いた限りでブライアン・ジョーンズに関する言及が一言もない。
ストーンズはその亡霊に惑わされることがなかった。
いや、この頃だけではなく、その後ずっとそうだ。
永久に抹殺されたかのようだ。
そしてアニタ・パレンバーグは最初、
ブライアン・ジョーンズが出会って、恋人となったのだった。
[3501] 『パリ20区、僕たちのクラス』 2010-07-14 (Wed)昨日の夜、岩波ホールに『パリ20区、僕たちのクラス』を見に行った。
神保町で長いこと働いてきたのに、実は初めて。
なんだか格式があって、敷居が高そうで・・・
入ってみたらやはり年齢層が高く、
眼鏡をかけてスカーフを巻いた知的なおばさんたちというか。
2008年度のカンヌでパルムドール。
ローラン・カンテ監督という名前は全然聞いたことがなく、
公開も2年遅れでようやく1箇所のみ。
手持ちカメラで照明なし、擬似ドキュメンタリー風、音楽はいっさい流れない。
ダルデンヌ兄弟の作風と表面的な感触がよく似ている。
カンヌってこういうの好きなんだろうな、と思わせる。
プログラムを読んでいたら1年間みっちりリハーサルを行ったとのことで、
その辺りもダルデンヌ兄弟に通じるところがある。
テイクを重ねるというところも。
でも、ダルデンヌ兄弟だと完璧主義ゆえに繰り返すところを
このローラン・カンテは撮りながらテイクを変質させていくようだ。
(最初は長く全体を撮って、次は短く焦点を絞っていく。
3台のカメラの捉える対象が主人公の先生、発言している生徒、教室と
役割が明確に決まっている。
たぶんそれがうまくカットを割ることにつながっているのでは)
確かに、細部の描き方に差異があるように思う。
ダルデンヌ兄弟の作品が点のつながって
薄っすらと儚い線になっていく過程を描いていくようだとしたら
『パリ20区、僕たちのクラス』は最初からしなやかな線がすっと伸びている。
マリ、モロッコ、中国、カリブ海の島。
移民たちの多く住む、パリ20区の公立中学。1年間の国語の授業。24人の生徒たち。
(裕福な家の子は私立の学校に入る)
大人である先生と、大人の入口に立った子供たちが本気でぶつかり合う。
言葉と言葉を徹底的にやり合う。
問題児がいて、うまく溶け込めない子がいて、思春期で。
先生は彼ら・彼女たちの可能性を開く手助けをしたいと願っている。
授業にて正しい言葉を愚直に教え続けることが彼にとっての唯一の手段となる。
しかし、何よりも悩める子供たちに、その思いが伝わらない。
教育の場は脆くて切ないものとなる。
真摯な映画だった。
人間が集まって、状況をよりよくしようとして、
あるいは責任をきちんと果たそうとして、意見を交わし、戦わせる。
人としてとても大切なことの一つが丹念に描かれていた。
物事の本質に立ち返ったかのようだった。
世の中のほとんどの映画で登場人物たちが発しているのは
活きた言葉ではなく、単なるセリフだ。
次の場面につなぐためのセリフと
「ああ」とか「今日は天気がいい」といったような反応のセリフ。
それを順番通りに声に出して並べているだけ。
そんなの、つまらないよな。
僕がこれまで見てきた映画って、いったいなんだったのだろう。
必見。でも、全国のシネコンでロードショーってはなんか違う。
やはり岩波ホールが似合うのか。
(DVDになったら絶対買います)
[3500] ドラマと葛藤 2010-07-13 (Tue)昨晩スパイク・ジョーンズ監督、チャーリー・カウフマン脚本の
『アダプテーション』を見ていたら
脚本家志望の人を対象としたセミナーの場面があって、
「ドラマには葛藤が必要だ」と語られていた。
以前読んだ『ハリウッド脚本術』にも似たようなことが書かれていた。
http://www.amazon.co.jp/dp/484590117X/
昔の僕なら否定的に感じたろうけど、今の僕はその通りだと思う。
葛藤がないとつまらない、ではなく、
葛藤こそが全ての根底にあるものだ、という意味で。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
Yahoo! 辞書(大辞泉)より
1 人と人が互いに譲らず対立し、いがみ合うこと。「親子の―」
2 心の中に相反する動機・欲求・感情などが存在し、そのいずれをとるか迷うこと。
「義理と人情とのあいだで―する」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「何も起きない淡々とした話」というものが僕も好きだった。
そこにはいわゆる葛藤、心の迷いがないかのように思える。
しかし、葛藤というものを広く捉えて、
その構造の中において複数の力が作用し合うこととするならば、
それがぶつかり合うのであれ、絡み合うのであれ、平行線を辿るのであれ、
葛藤のない物語というものは存在しない。
マクロな視点であれ、ミクロな視点であれ、どこかしらにそれは存在する。
一見何の事件もない日常の出来事を描いたようであっても
それが言葉にされたならば
作者と語り手、登場人物と出来事、どのような組み合わせであれ
そこには何らかの異なる力学とその「間」「関係性」が絶えず動いているのだ。
(本当に何も起きていないのならば、そもそも言葉に出されることもない)
それらを抽出して濃縮したのがドラマというもの。つまり、焦点。
人は力学の錯綜っぷりと行方の途方もなさに心そそられる。
その流れに身を浸してみたい。
語られたお話を「知識」として知りたいのではない。擬似的に体験したい。
そのために想像力というものが働く。
もっと言うとそれらの作品内で働く諸々の力は
個々の作品の中で生まれ、完結して閉じられたものではなく、
歴史の始まりの地点から今この瞬間、そして未来とされるものに至るまで
この世界を様々に覆い、貫いている無数の力を切り取ったものだ。
そしてそれは標本でもなく、剥製でもない。
作品は読者を通じて動いて、変化して、外とつながっていく。
私たちはいつだって想像力の浜辺を歩いている。
さざなみが寄せては返す。
津波が押し寄せて、全てを流し去るのを期待する。
そこで何と出会うか、何を話すか。
これまで何度か物語とは? ということを書いてきたけど、
現時点での僕のスタンスとしては以上となります。
[3499] 『アウトレイジ』 2010-07-12 (Mon)北野武監督の最新作。カンヌに出品されるも、無冠。
それも頷ける。面白いんだか面白くないんだか、日本人でもよく分からないと思う。
日曜午前の木場の109シネマはガラガラだった。ヒットしてないんだろうな。
http://office-kitano.co.jp/outrage/main.html
面白い・面白くないで言ったら、そりゃ面白い。
でも、『ソナチネ』までをリアルタイムに青春時代に見ていた僕としては
『アウトレイジ』はかなりぬるかった。緊張感が薄くなった。
『Takeshi's』『監督・ばんざい!」もつまらなかったしなあ。
『アキレスと亀』は「いい話」ではあったけど、いい映画ではなかった。
残念だ。北野武は終わったのか。
悪者ばかりの群像劇。
それを北野流にスタイリッシュに描いてそつがない。
そこのところはうまいんだけど、スピード感がないんだよね。
もったいつけてるというか。きびきびしてない。
かといって重厚かというとそうでもない。
初期の頃の省略と間合い。
それを活かすところ、離れるところが逆転していた。
---
役者の演技はよかったね。
椎名桔平ってこんなにいい役者だったか。全ての場面、ホレボレしながら見ていた。
もう1人、杉本哲太。いろいろ出ている役者さんなのだが、正直これまで知らなかった。
この2人のヤクザがいたら日本もよくなるのになあ、なんて思った。
いや、ああいうふうに生きて、ああいうふうに死にたい。
人物像は全然違うけど、60年代の東映ヤクザ映画を見た後の気分ってこうだったんだろうな。
---
つくづく、残念だ。
先日『Dolls』を借りてみたけど、これも映画としては今一つ、二つ。
それまでの作品を焼直して、その死生観をクローズアップしただけのような。
初期の諸作は異物だったからこそ、面白かった。
見る側がそこに自分を投影できた。
しかし今や押しも押されぬ世界的な大監督となって、
そのスタイルが主流となってしまうと憑き物が落ちた。
凝り固まって、余裕と隙間が生まれてしまった。
新境地は、もうないんだろうな。
最初の頃の「お笑いをやってたビートたけしが映画を撮った!?」
ってのが結局一番の衝撃。
見る側も撮る側もそれを早々と乗り越えたようでいて
いつまでたってもついて回ってる。
そこのところの距離感がその時々で見る側も撮る側もぶれているように思う。
たけし流のお笑いを取り込んだ作品を撮ってみて、笑えたり、笑えなかったり。
笑えない場面に「らしいな」と思ってみたり。
笑いと暴力を封印した映画に挑んでほしいな、と
一映画ファンとして僭越ながら希望する。
[3498] 『ソウルパワー ザイール'74 伝説の音楽祭』 2010-07-11 (Sun)金曜の夜、バウスシアターに『Burning』を見に行ったら
昼間は『ソウルパワー ザイール'74 伝説の音楽祭』という映画をやっていることを知る。
1974年、モハメド・アリがザイールのキンシャサで
ジョージ・フォアマンと行った世界ヘビー級タイトルマッチ。
これは記録が残され、試合そのものは
『モハメド・アリ かけがえのない日々』として映画化されるが、
そのとき合わせて開催されていたブラックミュージックのフェスティバル
「ザイール'74」もまた撮影されていた。
その125時間にも及ぶフィルムが30年以上もの年月を経てようやく編集されたというもの。
http://www.uplink.co.jp/soulpower/
メンツがすごい。
ジェームス・ブラウン & The J.B.'s, B.B.キング,
ザ・クルセイダーズ, セリア・クルーズ&ファニア・オール・スターズ ...
などなど、そして地元ザイールのミュージシャンやパフォーマーたち。
僕としては全盛期のジェームス・ブラウン& The J.B.'s が
ステージの上で動いているのを見てみたかったのだが
(僕は気が付かなかったが、メイシオ・パーカーもいたようだ)、
それ以上に興味津々だったのが、ファニア・オール・スターズなんですね。
70年代サルサを代表するグループ。
Music Magazine 系の何かで知って、『Live At The Cheetah』ってのを聞いたらこれがすごい。
熱帯の暑くてけだるい夜を吹き飛ばすような迫力の音。演奏の切れ味がよすぎ。
このときの演奏にはエディ・パルミエリもいたようで、
ステージの上で目立って煽ってたのが彼なのだろうか。
ジェームス・ブラウンもそうだけど、モハメド・アリのハイ・テンションぶり。
ぶっといオーラというかヴァイヴが汗のように飛び散り、
じっとしてられずとにかく喋りまくる。
なんかかなり胡散臭いんだけど、
リングでスパーリングしている場面での身のこなしには華麗なものがあった。
よく言われる「蝶のように舞い、蜂のように刺す」ですね。
映画はステージの場面だけではなく舞台裏も大事にする。
アメリカのミュージシャンが「ルーツ」であるアフリカへと戻る、
その喜びと興奮も漏らさず伝えようとする。
集まってそこに楽器があればすぐ演奏が始まる。
例えそれが飛行機の中だろうと。
フルートとヴァイオリンとウィスキーのポケットボトルを叩いて。
街頭でも普通にボンゴを叩いて踊りだして。
有名なミュージシャンも無名の街の人も一緒になって笑顔で踊る。
そういうときに生まれる、単純だけど芳醇な音楽がいいんですね。
実は、昼にビールを瓶で2本飲んでからの鑑賞だったため、途中寝てしまった。
B.B.キングとザ・クルセイダーズが全く記憶ない。
ザ・クルセイダーズはサポートのギタリストとして、
ラリー・カールトンが出ていたようなのに・・・
未公開の演奏シーンをふんだんに足した DVD が出たら買ってもう1度見ようと思う。
吉祥寺で見て、帰りは iPhone で
スライ&ファミリー・ストーンを聞きながら荻窪まで戻った。
この時期のスライならこういうの絶対出ないだろうな。
ほっといてくれって感じで。
人として浮き沈みのあったスライもいいが、
「ゴッドファーザー・オブ・ファンク」を全うしたジェームス・ブラウンに
軍配を上げたい気分となる。
[3497] Mogwai 『Burning』 2010-07-10 (Sat)5月に入った辺りから Mogwai にはまっている。
静と動のコントラストのくっきりした、ヴォーカルなしの轟音。
iPhone に入れて歩くにはちょうどいい。
・2作目『Come On Die Young』
(初期の代表作)
・EP『My Father My King』
(スティーヴ・アルビニがプロデュースで、スタジオ録音では
この曲が最も Mogwai の何たるかを体現しているのではないか)
・『ジダン 神が愛した男』のサントラ
(音が映像的なので、映画にとても馴染むんですね)
・『BBC Sessions』
(他にライヴ音源がなかったので。「Like Herod」など代表曲が演奏されている)
ほんとはもっと入れたいのだが、容量の都合上、
厳選しているうちにこの4枚に落ち着いた。
このバンド、とにかくライヴがすさまじい。
僕も一度だけフジロックで観たことがある。
当時は「開戦前夜」と評されていた。確かに、その通りだった。
その Mogwai が遂にライヴアルバムを出す。
しかも、当日のステージを映像にした DVD が付属するという。
これは絶対買いだと思っていたら、先日、この映像パート『Burning』を
吉祥寺のバウスシアターで公開するというニュースを見つける。
7/9(金)と7/16(金)のレイトショーのみ。
さっそく昨日見に行ってきた。
http://www.bakuon-bb.net/mogwai/index.html
バウスシアターは以前から「爆音映画祭」というイベントを
年に一回のペースで開催していて、気になっていた。
映画館の音響設備ではなくライヴ用のPAで、音量最大限にして映画を鑑賞する。
第三回のセレクションを見てみたら
The Band の『ラスト・ワルツ』や
Joy Division の『コントロール』といったロック系だけではなく、
『バグダッド・カフェ』や『鉄男』『ポーラX』などが上映されていた。
http://www.bakuon-bb.net/2010/program.php
今回の『Burning』の上映もこの「爆音」の流れのようだ。
上映は本編が『Burning』で、最初に短編『Adelia, I Want To Love』を。
前作『The Hawk Is Howling』付属の DVD に収録されていた作品。
音楽と映像を重ね合わせたものとしては非常に秀逸。
発売された頃、センスいいなあと唸りながら鑑賞した。
単なるミュージック・クリップではない。映画の域に達している。
Mogwai がイタリアの小さな村の小さな音楽フェスティバルに出演するために
空港へ向かい、到着後村へとバスに乗って移動、会場でセッティングしてリハーサルをする。
村での何気ない光景が間に挟まる。
主催者のおばあちゃんが登場して、祭りの夜に足を踏み入れる。
そこでは無言で Mogwai が演奏している。
ただそれだけ。なのに、間合いの緊密さが心地よい。
監督が同一人物だったため、『Burning』も同様のテイスト。モノクロとなる。
ニューヨークでのステージと、オフショットがちらほらと。ただそれだけ。無愛想。
『Adelia, I Want To Love』にはまだインタビューの音声があったけど、それもなくなった。
いや、逆に余計なものいっさい省いて素晴らしい出来になった。
100%ピュアな、Mogwai と Mogwai の何たるかだけで全てが成り立っている。
僕は彼らの音楽は、世界一美しい音だと思う。
孤独で、儚くて、詩的で、暴力的。触れると壊れそうだ。
夜明けの青と灰色の交じり合った一瞬を捉えたかのような。
地球が回転し、様々な出来事が起こっている。その全てを捉えたかのような。
ステージの上には4人の男がギターを抱えて立っていて、ドラムが単調なリズムを叩き、
音を解き放つその瞬間が訪れるのを待っている。
その立ち姿に僕はサム・ペキンパーの『ワイルド・バンチ』を思い出した。
それが、どこまでもざらついた映像で描かれる。
ライヴを映画化したものとして、単純に演奏のインパクトだけで選ぶのなら、
僕はこの『Burning』が現時点で最高だと思う。
ラストシーンに震えた。
客席からは拍手が。
これはスクリーンで観て正解だった。
時間が許せば来週もう1度観たい。
[3496] 7/6 - 7/9 2010-07-09 (Fri)7/6(火)
後輩から借りた『1Q84 BOOK3』を読み始める。
帰ってきてから『トウキョウソナタ』を見る。
昼、いもやで天ぷら定食とおしんこ。
夜、青森から持ち帰ってきた母のカレー。
1日遅れで離の退院認定メールが届く。
あの卒業論文ではだめだったか、と1日ずっと絶望の淵をさまよい、
あれこれと先のことを考えた。
そろそろここから立ち去る潮時なのではないかと思う。
午前0時に眠る。
---
7/7(水)
昨日今日と空いている時間ずっと読み続けて、『1Q84 BOOK3』を読み終える。
昼、もりちゃんでもつ煮定食。
夜、この日もまた青森から持ち帰ってきた母のカレー。
七夕。関係なし。短冊に願い事を書くということもない。
JTBに行って、沖縄離島ツアーの手配をする。
終日ネガティブなことを考える。
寝る前にたまっていた新聞を読む。
23時半に眠る。
---
7/8(木)
帰ってきて、70年代のアメリカ映画『ネットワーク』を観る。
フェイ・ダナウェイやロバート・デュバルが出ている。なかなかいい。
やはり僕はこの頃の映画が一番好きなのだ。
中上健次の『地の果て 至上のとき』を読み始める。
秋幸三部作の三作目。やはり面白い。
昼、ボーナス前日ということで金の余裕も生まれ、
味噌やで味噌ラーメン+チャーシュー+バター+コーン+味玉。
夜は引き続きカレー。
心に隙間が生まれるとやはりネガティブなことを考える。
寝る前にたまっていた新聞を読む。
23時半に眠る。
---
7/9(金)
ボーナス支給日。振り込まれた額を見たら可もなく不可もなく。
この不景気なご時勢、もらえるだけでもありがたいのか。
全社員いきなり50%OFFとなってないか恐かった。
沖縄離島ツアーで20万円は消えるし、
このところHMVでCDを山ほどオーダーしてしまったし、
これ以上はあまり使えないな。
湯川潮音のインディーズでの1stアルバムをiPhoneに入れて、聞く。
いい声している。
昼、JTBに行って3人分の頭金を払う。
帰りの水曜日、与那国島→石垣島間はフェリーが出ない日なんじゃないか?
という疑惑は、再度電話をかけて調べてもらう。
一昨日手配した後にマップルを眺めていたら
水曜は石垣島→与那国島のフェリーが出航する曜日とあって、
これは間違って手配したんじゃないか、
本来飛行機を予約するべきだったんじゃないかと。
しかし、電話して聞いてもらったら今年の4月から逆になったようで、
それがあちこちのガイドブックやWEBサイトに反映されていなかったと判明。
事なきを得る。
昼、ボーナス支給日だったのでエチオピアでチキン野菜カレー。
ビールと豆のサラダ。中瓶一本ぐらいなら全然酔わない。
金曜ともあって、疲れている。
昨日・今日と単純作業系の仕事をしていて、そういうの好きなはずが、
余りの単調さに眠くなる。というか今、何かにつけてやる気がなく。
たいして仕事してないのに、心も体も重い。
カジュアル・フライデーだったので、
先日お客さんからもらった中国土産のゲバラTシャツを着て出社。
後輩は同じく、マルクスTシャツ。
午後から雨。大雨。
定時後、吉祥寺へ。
バウスシアターのレイトショーで Mogwai のライブ映像作品を観る。
アーケード街の新しい(?)ラーメン屋に入って、全部乗せ。たいしたことなし。
その後整理券をもらいに行く。
ヨドバシのタワレコで、二階堂和美の新作と
湯川潮音のインディーズでのミニアルバムを買う。
バウスシアターに戻る途中、DRAMAの前を通り掛かったらワゴンセールで
中古CDが1枚100円。
Prong, Velvet Monkeys, James, Cubic U(宇多田ヒカル)
Velvet Monkeys はあれですよ。
Don Flaming のグループで、Thurston Moor や J Mascis がゲスト参加。
Pussy Galore 〜 Free Kitten の Julia Cafritz も。無駄に豪華。
Rough Trade だったということもあって、再発されず。
先ほど amazon で見てみたら、5000円近い価格となっていた。やったね。
Mogwai『Burning』を観る。終わった頃、雨が上がっている。
[3495] 沖縄離島ツアー '10 2010-07-08 (Thu)9月のシルヴァーウィークに沖縄離島へ行く。
3年前に韓国、2年前にバンコクに行った先輩と後輩と、いつもの3人で。
昨日JTBに行って航空券、フェリー、ホテルを手配して、明日頭金を払う。
沖縄もいいが(というか、行ったことはないが)
どうせなら日本の最西端:与那国島と最南端:波照間島に行ってみたい。
こんな日程になる。
--------
9/18(土)
--------
朝、羽田から飛行機で那覇へ、乗り継いで石垣島へ。
安いホテルに泊まる。
--------
9/19(日)
--------
朝、フェリーで波照間島へ。夕方戻ってくる。
最南端まで自転車で(?)行ってみる。
安いホテルに泊まる。
--------
9/20(月)
--------
朝、飛行機で与那国島へ。
最西端まで自転車で(?)行ってみる。レンタカーもありか。
民宿に泊まる。
--------
9/21(火)
--------
海底遺跡を見に行くかも。
他、ブラブラと。
民宿に泊まる。
--------
9/22(水)
--------
夕方、飛行機で与那国島−石垣島−羽田と乗り継いで夜、到着。
---
これでだいたい16万ぐらい。トータルで20万ぐらいか。
けっこうするね。
ハワイに行ったほうがよっぽど安上がりだったか。
何が高いって、石垣島までの往復が10万ぐらいするんですよね。
石垣島−与那国島は節約かつ海好きってこともあって
フェリーで往復したかったんだけど、残念なことに毎日出航してなくて、
石垣島→与那国島: 水・土
石垣島←与那国島: 月・木
今回の日程と合わず、断念。飛行機となる。
夜はダラダラとビールと泡盛を飲んで、昼は海を眺めて。
(ダイビングのライセンスを持ってるけど、10年以上潜ってない)
自転車に乗って島を一周したら気持ちいいだろうな。
そんなとこです。
今から楽しみ。
[3494] 『1Q84 BOOK3』 2010-07-07 (Wed)今週ようやく暇になって、後輩から借りた『1Q84 BOOK3』を読み始めた。
昨日の朝の地下鉄、昼休み、帰りの地下鉄、夜に部屋の中で、
今日の朝の地下鉄、昼休み、仕事中こっそり、帰りの地下鉄、夜に部屋の中で。
600ページを2日で一気に読んだ。
しかし、結論から先に言うとこれはつまらなかった。
初めて、村上春樹の小説で失望した。
タイトルが同じで数字だけが足された続編なんて、書かれるべきではなかった。
BOOK2の終わりまでに構築された物語世界の中でずっと堂々巡りしている。
ただ、その輪郭がほんの少しぶれるだけ。
広がらない、先に進まない。「結果」として起きえることを文章にしただけ。
もどかしい。
青豆は幽閉されていて、天吾は自分が何をすべきか分からず同じ場所に留まっている。
仕方なく、前作までは脇役だった牛河が間をつなぐ。
即に読者が知っていることを探っていく。
猫の町の看護婦たちぐらいしか登場人物は増えない。しかも、それほど重要ではない。
若くして亡くなった天吾の母だとか、NHKの集金人だとか、
BOOK1・2までの物事が繰り返し現れて、少しずれた場所に収まっていく。
全てが予定調和。
物語が激しく揺さぶられて異なる次元を垣間見せることは、一瞬足りともない。
なぜ村上春樹はこの3作目を書く気になったのか。
売れるからでもなく、評判のためでもなく。読者へのサービスでもない。
不思議だ。何も見えてこない。
なんだか、村上春樹のそっくりさんが書いたかのようだ。
もはや80年代ではない。
『羊をめぐる冒険』に対して、
全く別の続編として『ダンス・ダンス・ダンス』が語られたような、
そんな時代ではなくなった。
なんだか寂しく思った。
言いたかったことは、世界とは多元的なものである。
でも、信じることができれば、愛する人が隣にいてくれたら大丈夫。
そういうことなのだろうか。
なぜそれが結末の予想がつく600ページを必要とするのだろう?
なぜ、読者の想像力を補完しなければならなかったのだろう?
それが今の村上春樹にとっての物語を語るということなのか。
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今日は七夕。
青豆と天吾を思い出す。
やはりBOOK2で、続きを「予感させたまま」終わるべきだった。
出会うべきものは、出会ってはならない。
これは鉄則であるように思う。
[3493] 「イングロリアス・バスターズ」「トウキョウソナタ」 2010-07-06 (Tue)昨晩、タランティーノ監督の「イングロリアス・バスターズ」を観た。
面白かった。特に言うことはない。
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続けて今晩観たのは、黒沢清監督の目下最新作「トウキョウソナタ」
突然のリストラを受けて緩やかな崩壊の始まる4人家族と、その再生を描く。
前半、ジワジワと締め付けるように得体の知れない緊張感の高まっていく展開はさすが。
身につまされるのは冒頭の主人公、香川照之の首の切られ方。
「佐々木さん、あなた何ができますか? 会社のために」
そんなようなことを言われる。
「ないなら、出て行ってください」
転職活動で受けた会社でも同じことを言われる。
「今ここで、説明していただけませんか?」
ゾッとした。いくら映画の中とはいえ、僕もそろそろこんなふうに言われるのだ。
35歳。どこかで分岐点があって、
それがあっさりと気付かぬうちに過ぎてしまったように思う。
そしてそれはもう、引き返せない。
沈み行く船に乗って、いつのまにか首まで浸かっていて、
そして救命ボートは行ってしまった。
そんなセリフもあった。
これまで好き勝手に生きてきた僕は
残りの人生でそのツケを払うだけで終わってしまうかもしれない。
それを防ぐために今から何をするか? というのもこれと言って思いつかない。
仕事に向き合う態度を改めるとか。でも、どんなふうに?
資格? ないよりはましだけど、1つや2つじゃ今更焼け石に水。
何よりも、実生活ではノホホンと仕事ごっこしてて、サボりまくってて、
映画見て初めて「やっべー」と思うテイタラク。
僕の今の直属の上司は同期だからねえ。
黒沢清は人の神経を逆撫でするのがほんと、うまい。
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「イングロリアス・バスターズ」は、どうしたんだ? タランティーノ?
と言いたくなるような王道路線。手堅い演出でグイグイもっていく。
それまで好き放題やってた人が人生の後半を意識しだしたかのような・・・
主演のブラピも、あるときから「ヘラヘラした人」をそつなく演じます
という芸風をきっちり磨く路線へと転換したような。
やばい。
[3492] 青森帰省その4 2010-07-05 (Mon)前の晩は情熱大陸に松岡正剛が出るというので、
先日買った iPhone 用のワンセグチューナーで見てみた。
青森の片田舎だからか、きれいな受信は難しい。
最後にスタッフロールを見たら演出がピンク四天王の一人、
『雷魚』が秀逸だった瀬々敬久だった。
あー今こういう仕事してるんだ・・・
最後、「編集とは何ですか?」と聞かれて松岡正剛はこう答える。
「既知と未知と。既知を3割から4割、未知を6割から7割に持っていくこと」
7時に目が覚める。昨晩本編を読み終えた『博士と狂人』の後書きなどを読む。
朝食後、家中に掃除機をかけて部屋を雑巾掛けしてバスが時間が来るのを待つ。
今回、母はバス停まで見送りに来ない。
元気なときは見送りに来ないということに気がつく。
風邪を引いた、具合が悪くてずっと寝てたというときは無理してでもバス停まで来る。
その母が最後にこんなことを言う。
「親ってものは、元気であって悪いことをしなければそれでいいものだから」
バスに乗って、青森市街へ。
混んでいてずっと立っている。
成田本店に入ったら高橋竹山のCDが目に留まる。
今年、生誕100年なんだそうな。ということは太宰治と1個違いか。
CDはRAB青森放送がコンパイルしたもので、東京だと手に入らないだろうと。
後ほど駅のホームで開けてみたら、未発表曲集だった。
ニューヨークでのライブ音源もあれば、油川幼稚園(!)での演奏も。
新町を端まで行って、駅まで戻ってくる。
駅前のバス停が様変わりしていることに気付く。整然としていた。
駅の中も改札周りが敷居で区切られていたり、小奇麗に生まれ変わっていた。
新幹線の駅が別なところにできて、こちらは今後寂れていくだろうというのに・・・
お土産屋を見て時間をつぶす。
地元メーカーが辛くないラー油を出しているのを見つける。
リンゴチップ入りだったりしたら買ってもよかったんだけど、
特にこれといって青森っぽさがなかったので買わなかった。
改札をくぐって駅弁売り場を見ていたら新発売のホタテ貝焼き味噌弁当だったか、
そういうのを見つけて「おおっ」と思い買おうとするが売り切れだった。残念。
特急に乗って八戸へ。今度こそ見納め。
今後よほどのことがない限り、八戸から特急に乗って青森へってことはないだろう。
缶ビールを飲みながらぼんやりと見つめる。
八戸で乗り換える。
田子町名産のにんにくを使ったスタミナ弁当というのを見つけて、買う。
ご飯の上にとんかつのおろしにんにくソースと、生姜焼き。
なかなかうまい弁当だった。
村上春樹のこの前出た文庫、『走ることについて語るときに僕の語ること』を読む。
「走る」に託した自伝的内容。
事前に買った缶ビールを飲み終えると、ワゴン販売でウィスキーの水割りを買う。
いつのまにか、うたたね。
帰ってきた東京はもちろんのこと暑かった。
クリーニング屋へ。
大家さんにお土産をもっていく。荷物を受け取ってもらっていた。
金曜の朝、部屋を出た後で目覚まし時計を止めてなかったことを思い出す。
この3日間、毎朝うるさかっただろうな・・・
[3491] 青森帰省その3 2010-07-04 (Sun)7時に目を覚ます。鳥の声が聞こえる。
一風呂浴びて、朝食。鮭の切り身、山うど、イカの刺身など。
リンゴのドレッシングがあっておいしかった。
宿を出るまでまだ時間があるとのことで散歩する。
昨日同様みずばしょうの湿原へ。
あたり一帯深い霧がかかっている。遠くから見たら雲の中だったのではないか。
まだ朝早いというのに、近くの小学校の体育館へと何台もの車が向かっている。
霧の向こうの湿原、その真ん中の浮島は幻想的な風景だった。
戻ってきて最後にもう一度入浴。一人になってぼんやりとお湯に浸かる。
宿を出て車に乗って、近くに
『地球交響曲 <ガイアシンフォニー>』の第二番で取り上げられた
佐藤初女の運営する施設「森のイスキア」があるというので行ってみる。
湯段温泉の別荘地の奥にあって、庭に鐘が建てられていたのが印象的だった。
この人のことはこれまで何度か聞いてきたような。
悩んでる人たちの話に耳を傾け、とにかく聞いて、そして助言はせず、
ただ一緒になっておにぎりを握るのだという。
嶽温泉街を出た先の山野草の店へ。
ここは庭園用品全般の店で、
ガマガエルの置物や敷石用の巨大な岩石なんかがゴロゴロしている。
見方によってはかなりシュール。
一番すごかったのは犀みたいなのに乗った布袋さん、原寸大。
山水を模した巨大な盆栽みたいなのの値札を見たら150万円。
いったい誰が買うのか? でも買うんだろうなあ。田舎の金持ちが…
山を下りて、JAつがる弘前の運営する「四季彩館」へ。
ソフトクリームを買って食べながら、中で売られている野菜を見る。
おみやげにリンゴで作られたカレールーと田子町特産のにんにくせんべいを買う。
母は安かったからと、1苗50円のラベンダーを10個。
その後、藤田記念庭園へ。
明治時代の貴族院議員藤田謙一の別宅。
この人のことは知らなかったんだけど、日本商工会議所の初代会頭だったとのこと。
洋館の資料館には後藤新平と一緒に写った写真が飾られていた。
坂の上にあって、高台部と低地部に分かれる。境を滝が流れる。
下りていくと花菖蒲が咲き誇る池。
茶屋の脇に水琴窟があった。実物を初めて見た。
傍に近付いて耳を近づけると時折かすかにポロンポロンと聞こえた。
和館と考古館(弘前近辺の弥生土器など、遺跡からの出土物を展示)を見た後、
大正浪漫をモチーフにしたという喫茶室で一休みする。リンゴサイダーを飲む。
「弘前りんご公園」にも立ち寄る。
子供向けの広場のあるちょっとした公園。広い敷地の半分がリンゴ園となっている。
リンゴの花の咲く春の頃に来るとなかなかの景色だろう。
今は小さな青い実が成り始めている。
小高い丘の上の展望台へ。弘前市が一望できる。
東屋の日陰へ。吹きぬける風が冷たくて気持ちいい。
空は晴れて、今日は岩木山がどっしりと見える。
石碑があちこちにあって、
通りがかるとセンサーが検地するのか自動的に「りんごの唄」が流れるというものや、
弘前を代表する作家石坂洋二郎のものとか。
「アメリカン・ビューティー」であるとか、
世界各地のリンゴの木が植えられている一角があった。
施設内の子供向けのリンゴ学習コーナーでは、
どの品種を掛け合わせてどのリンゴが作られたかの紹介や世界各国の生産量の紹介。
勝手に僕は日本が世界一かと想っていたのですが、実際は14位辺りなんですね。
1位はダントツで中国。イタリアはフランスは日本の3倍近い生産量。以外。
お土産屋にて会社へのお菓子を買い、自分用にリンゴ・ケチャップというのを買う。
リンゴの果肉から作ってるんだけど、果たしてどんな味なのか。
リンゴをそのままの形で炭にしてケースに入れられたものがたくさん売られていた。
山のホテルでも見かけた。
「彦庵」というそば屋で昼食。
田舎蕎麦を食べたくもあったが、帆立かき揚丼に惹かれる。なかなかうまかった。
後は帰ってくるだけ。
疲れてずっと寝ていた。
車内でかかっていた栗コーダーカルテット。初めて聞いた。
『ウクレレ栗コーダー』だったか。
「ウルトラセブンの歌」や「ボヘミアン・ラプソディ」のゆるゆるなカバーが秀逸だった。