[4460] オノクラ汁講から三陸の旅へ その13 2013-02-27 (Wed)


(2/19(火)昼・夜)

気が付くと新横浜で雪。東京も雪だった。
丸の内線で荻窪へ。部屋に着いて4日分の新聞を取り込む。
着てたものを洗濯機のカゴへ。次の下着をリュックサックに詰め直す。
倉敷や尾道のあれこれを机の上に置いて、
iPhoneで撮った写真をPCに取り込んで消去する。スペースを空ける。
これら30分以内に終えることを目標とし、慌しく出て行く。

荻窪駅のみどりの窓口で北上までの新幹線の特急券・片道乗車券を購入。
義弟からもらった株主優待券で2割引となり、10,230円。
16:28 - 19:07 JR新幹線はやて105号

東京駅でビールのつまみにと今回もまた大丸の地下で
「たまひで からっ鳥」のとりどりパック、1,000円で串かつと鶏唐揚。
横の焼き鳥屋「両国鳥幸」にも目移りして1,300円で10本のセットを買う。
缶ビールは初めて見た「薫り華やぐエビス」といつものスーパードライ。

僕の乗り込んだ車両にキャバクラ嬢っぽい集団が大勢。
離れてあちこちに座っている。若いのから年増まで。
決まってスーツケースを網棚に上げてて、派手なメイク、派手な小物。
髪型もセットされているが、服装は普通。着いたら着替えるのか。
弁当を開けては写真を撮って、缶ビールを開けてはポーズを決めて。
で、携帯のキーをすごい速さで打つ。たぶんブログにアップするのだろう。
盛岡かどこかでなんらかの地方巡業がなされるのだろうか。
仙台に着いて下りていった。いったいなんだったのだろう?

19:11 北上到着。電車通学の高校生たちが在来線の階段を下りてくる。
明日の朝の電車の時刻を再確認する。06:11 一関行き。
気仙沼から陸前高田までのバスはやはり別途切符を購入するようだ。
駅を出る。何もない…。観光物産館があるけど、ひと気がない。
中の観光案内所のようなところは
雑然としたパンフレットのラックとモニターがあるだけ。
尾道や倉敷と比較すると観光に力を入れてないんだな…、と思わされる。

今回2泊する駅前のホテルメッツにチェックイン。
荷物を置いて外に出る。
風が強く雪が舞うものの、吹雪というほどでもない。
端の方だけ積もっていて、道路は地肌が露出している。
しかしツルツル滑って危ない。

歩いてるうちに飲み屋街に出る。
ピンクに水色に看板だけは派手だが、景気悪そう。外にいるのは従業員だけ。
スナックの固まっているビル。キャバクラやホストクラブと思われる店。
あとは居酒屋の類。他はみな閉まっている。やはり夜は早い。
夜食べたいと思うような店は無かった。

しばらく歩くと「さくら野百貨店」に出る。
青森駅前にもあるのでなんか急にホーム感を感じる。
閉店間際、4階の本屋だけ覗いてみる。
ホテルに帰ってサッと読めるような
北上や三陸に関する読み物があったらと思ったんだけど
北上の昔話とか現代口語訳の「遠野物語」で今の気分に合わず。
「震災復興で本当にあった忘れてはいけない話」とか
「泣ける話」というのを見かけて、なんだかなーと思う。
閉店時間を過ぎて地元の中学生と共に警備員に開けてもらって外に出る。
アーケード街もシンと静まり返っている。
セブンイレブンを見つけて夜に飲む缶ビールを買う。

駅前に出ると「Crayon Tower」という飲食店の集まっているビルがあった。
デコレーションの感じが雰囲気的には原宿を意識しているのだろうか。
平日ということもあって客の姿は皆無。
リアーナの「We Found Love」が空しくかかっていた。厳しいなあ。
調べてみたら昨年末できたばかり。
ニュースによれば52店〜56店ほど誘致して
「東北最大級の大型飲食店テナントビル」を目指すようなんだけど、
今はその半分ぐらいか、埋まっているのは。まだまだ途上。
被災地の出店者の支援も行うという。さて、どうなるか。
http://ryutsuu.biz/store/e062504.html
http://www.iwanichi.co.jp/kitakami/item_32318.html

ホテルに戻ってきて缶ビールを飲みつつ
『日本の島々、昔と今。』を読んで過ごす。
明日は早いので23時には眠る。
ホテルメッツは加湿器とLANケーブルが標準装備なのがいい。
この北上のは窓の向こうに新幹線のホームが見える。


[4459] オノクラ汁講その12 2013-02-26 (Tue)

(2/19(火)朝)

06:30 起床。今日も雨。温泉に入りに行くと先客あり。
少ししてからまた入りに行くことにする。
その間荷物を整理する。
レモン風呂は23時までとのことでお湯がぬるくなっている。

07:30 先にチェックアウトだけ済ませる。
待っている間に目の前の港を眺めていると
中学生か高校生が雨の中を走ってきてそのうちに小さな船が出て行く。
通学用か。どの島へと向かうのだろう。因島か。

売店で瀬戸田産のレモン利用したお土産を買う。それぞれ200円。
「ふるさとレモン」というホットレモンと
「がじゅり」というレモンピール。

朝食。定番のアジの開きを炙って。これうまいんですよねー。
他、シラスおろし、昆布、岩のりなど。
おちょこにオレンジ色のジュースが入っていて、
瀬戸内名産のなんかだろうか、意外と柿?
気になって聞いてみたら普通にオレンジジュースだった。

08:00 瀬戸田港の桟橋で尾道行きのフェリーを待つ間に雨が雪に変わった。
乗り込む。せっかくなので先頭の座席へ。
3列、通路、3列。反対側には小学生たちが乗る。揺れるとはしゃぐ。
黄色の帽子をかぶっていたので、もしかしたら新一年生の集まりだったのかも。
尾道着は 08:41 予定。
運転席の裏に有吉弘行の「おしい! 広島県」のポスターが貼られている。
その床にはミカンかポンカンの入ったスーパーの袋が転がっている。
料金は800円。行き先を告げて船の人に払う。メモ帳に鉛筆でチェックする。
全員徴収し終わると助手席のノートPCに入力する。
船を操縦するのは20代で、先ほどの徴収係は40代か。
船の音が大きくて払うときに何かを聞かれても聞こえないし、
こっちが何かを言っても伝わらない。1,000円札を出すと200円が返ってくる。

前方頭上のテレビはほとんど映らない。
時々瞬間的に映像が飛び込んできてすぐにグズグズっと崩れる。
尾道に近付いたらきちんと映るようになった。
「朝ズバ」ではロコモ対策の運動を
みのもんたやコメンテーターをスタジオでやってみて、
「はなまるマーケット」では陳健一親子が中華対決。

佐木島の「佐木須ノ上」に立ち寄りひとりふたりと乗り降りする。
google map を表示して適度な縮尺で地図を表示すると
船が進んでいく様子がリアルタイムに表示されて楽しい。
自分の位置を示す青い●の周りに
レーダーやソナーのように青い円が広がって消えてまた現れて広がって。
島々は茶色の木々に覆われ、その縁にポツリポツリと家が建っている。
「因島重井」でまたひとりふたり。工業団地の無機質な建物が色違いで連なる。
尾道に近付くと小型船舶用の造船所というかドックとでもいうのか。
海に面して並んでいる。

尾道駅に着いて新幹線の切符を買う。
08:52 - 09:11 JR山陽本線・岡山行(福山からサンライナーとなる)
09:31 - 13:13 JR新幹線のぞみ14号

福山駅で新幹線に乗り換える。
昼は駅弁にしようと「漫遊弁当」山陽地方のうまいものを集めたということか。
出汁で炊いたご飯の上に焼き穴子や鯛そぼろ、筍。
おかずに焼き鯛やタコや牛肉のうま煮、赤カブの漬け物、昆布巻、
デザートにオレンジ。包み紙には
「山陽・九州新幹線全線開業記念
 新大阪⇔鹿児島中央
 さくら号・みずほ号」とあった。

ホームに上がると福山城が見えた。
新幹線は7割ぐらいの乗車率か。
新神戸の辺りで目の前の低い山々の木々にうっすらと雪が積もっていた。
「つつ井」で開けなかった缶ビールを1本飲む。
『ラジカセのデザイン!』の続きを読む。
その後、有吉佐和子の『日本の島々、昔と今。』に戻る。


[4458] オノクラ汁講その11 2013-02-25 (Mon)

(2/18(月)夜)

次はその裏の耕三寺博物館へ。
http://www.kousanji.or.jp/
ガイドブックを読むと「母の菩提を追悼するために造られた寺」とあり、
重要文化財に登録された仏像を多数収蔵しているとか
美術館のコレクションには横山大観の画がなどと聞くと
そんな面白いものには全く感じられなかったんだけど。
行ってみたら、なんだこりゃ!? と。
21世紀実写版孫悟空のセットかと思った。
平等院鳳凰堂や日光東照宮など名だたる建築物を模したとか、
建てたのは実業家だという辺りがなんというか
成金趣味の買えないなら造ってしまえ精神というか。
結果いいとこ取りの折衷主義となる。
どこまで本気? ガイドブックはみな
当たり障りないことしか書いてないけど腫れ物に触るよう?
…これ以上言ったら殺されそうだ。

1936年建立とまだ100年も立っていないがゆえに妙に新しい。
堂塔の豪華絢爛な赤と白の鮮やかさがフェイクなサイケデリック感満載で。
聳え立つ救世観音大尊像とかさ。仏教系テーマパークのアトラクションのよう。
千仏洞なんて天然なのか掘ったのか洞窟の中に
第一等活地獄から第八阿鼻地獄まで
八つの地獄の絵が飾られてライトアップされて、
地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間堂・天道へ。
その先はその名の通り千体もの仏像が洞窟の中に渦巻く!
…これ、一気に作ったわけでしょう。たぶん。何年かかけて。
ここまで来ると感心してしまった。すごい。絶対見た方がいい!!
「未来心の丘」も芸術家支援となってるけど、とにかくスケールがでかい。
「5,000uの敷地に3,000トンの大理石」とあってもう何がなにやら。
これより大きなモニュメントは世界に存在するのだろうか?
真っ白な大理石の中を歩いていると、天国の中にいるような気分になった。
…これら大理石の彫刻の間から垣間見える生口島の町並みと瀬戸内海のシュールさ。

通りを隔てて金剛館では落ち着いて
重要文化財の仏像が普通に並んでいてホッとする。
2階の企画展はテーマが「宝船」これがとても面白かった。
閉館間際でじっくり見られず、かつ図録もなし。残念。
主に昭和初期がメインなんだけれども一口に宝船と言っても
画風に限らずいろんなバリエーションがありえるんですね。
どんな船なのか、誰が乗っているのか。宝とは何なのか。
江戸時代の女性が窓の外の舟を眺めているなんて洒落た意匠もありえる。
これはちょっと僕も掘り下げてみたくなった。

17:00 自転車に乗って博物館を出てコンビニでビールを買って、
そのまま帰るつもりが雨脚が弱くなったので海辺に出て
西の端のサンセットビーチまで3km走ってみることにする。
しまなみ街道はサイクリストの聖地だけあって
サイクリングロードが整備されていて走りやすく、
海辺に椰子の木が植えられていたりして眺めもいい。
気持ちよく漕いでいるうちにあっというまに到着する。
海水浴場。砂が黄色くて土のように粒度が大きい。
寄せては返す波は静かで、
波打ち際の水は透明度が高いどころか透明だった。
こんなきれいな海は沖縄でも見なかったような。
そんな冬の海が見渡す限り人の姿がなく、
貸切になってしばらくの間、波の音を聞く。
来年は自転車で1週間ぐらいかけてしまなみ街道を回ってみたいと思った。

帰りにまた雨が強くなってずぶぬれ。
部屋に戻ると温泉に入りにいく。
名物のレモン風呂。輪切りのレモンが浮いている。
ゆずとか柑橘系と一緒で、体にいいんだろうな。
お湯の流れに合わせて時計回りに少しずつレモンが回っていく。

19:00 食事。仲居さんか他の従業員の息子さんなんだろうか。
地元の高校生、という風情の男の子が白のエプロン姿で運んでくる。
天ぷら、刺身と一般的な旅館のメニューなんだけど
鍋かと思いきや牡蠣の酒蒸しであったり、
ホタテの刺身はレモンの皮に入っていたり。
煮付けの黒い魚も天ぷらの小さなオコゼっぽい魚も瀬戸田産か。
穴子の茶碗蒸しは倉敷の「梅の木」でもそうだったな。この辺りでは一般的?
梅くらげもあちこちで食べたような。
ジャコごはんとデザートはやはりレモンのゼリー。
シベリアの隕石に関する NHK の番組を見る。

母に電話をする。尾道から蒲鉾を送ったと。
東京都港区が美術館巡りのバスを土日に出していると聞く。

風呂に何度か入りに行く。21時に1階と4階の風呂を入れ替える。
4階の方はレモン風呂の木の浴槽がレモンの形に曲線で組まれている。
もうひとつの通常の風呂は足を伸ばせる家風呂のよう。
一人用。窓の向こうに雨の降り続く夜の明かりのない瀬戸田港。
23:00 フロントの閉まる前にお酒を頼む。
広島最後の夜。「酔心」の熱燗を2合、徳利を2本。

大原美術館のミュージアムショップで購入した
松井えり菜と鯉江真紀子の「AM倉敷」での作品集を兼ねた記録集を眺める。
松井えり菜はウーパールーパーに似ていると言われたことから
モチーフにするようになり、マトリョーシカや備前焼きをつくったり
被り物をして倉敷で写真を撮ったり。
もうひとつのテーマは存在感を極限まで高めた自画像。
双子になった顔がみっちりとつながりあっていたり。
鯉江真紀子は写真を使って絵を描く。
多重露出を利用して大原美術館の展示風景と倉敷の自然を重ね合わせる。
木漏れ日、夏の日差し、壁に掛けられた作品たち。
写真ないしは絵画における「時間」とはなんであろうかと考えさせる。
もう1冊、倉敷で買った『ラジカセのデザイン!』を途中まで。
SONY を中心に1970年代末の箱型、ボタンのたくさんついたラジカセたち。
機能性とデザインとがここまで融合するものなのか。
気が付いたら午前1時近く。眠る。


[4457] オノクラ汁講その10 2013-02-24 (Sun)

(2/18(月)昼)

13:50 リュックサックを背負い、瀬戸田行きのバスに乗る。
同じ時間に因島:土生港行きも同じ停留所に来ることになっていて紛らわしい。
たまに行き先の表示を間違えて走ることもあるじゃないですか。
大勢が乗り込んで、最初あれかと思わず乗り込むところだった。
瀬戸田行きは後から遅れて来た。
直通ではなく普通に市民の足。年老いたおばあさんたちが駅の近くで、
そして尾道市民病院で大半が下りていく。
バスは尾道大橋に近づいて
お台場のレインボーブリッジのように回転しながら高さを上げていく。
橋に入って灰色の空の下、灰色の海の上をバスはまっすぐに駆け抜ける。
なぜか僕は何かを突き破ってまた突き抜けていくように感じた。
島から島へ、というのがまだ馴染みない。
四畳半ぐらいの小さな島がポツリポツリと浮かんでいる。

因島をしばらく走ってから高速に入ったのだろうか。
途中のバス停がなくなる。因島行きが別にあるからだな。
生口島へ。普通に開けた住宅街のようでもあり、古びた漁師町でもあり。
潮風にさらされて無数の細かな穴が開き、
そこに目に見えない砂が詰まっているような。
その重みに耐えかねて柱や壁がわずかに歪み出しているような。
月曜の14時台は子どもたちの姿もなく。風景が淡々と通り過ぎていく。
そのところどころに公の施設なのか
直線のコンクリートでできた建物がニュッと広がっていたり
太陽光発電のパネルが並んでいたり。

終点の瀬戸田港で下りる。僕とおばあちゃんがひとりだけ。
運賃はちょうど1,000円。バスはすぐにもどこかへ走り去ってしまう。
今晩の宿「つつ井」へ。
http://www.tsutsui.yad.jp/
尾道のMさんも広島のSさんも今回薦めていた。
豪華なホテルを想像していたら、着いてみると小さな地方旅館だった。
フロントのおばちゃんに
「せっかく来てもらったのに雨で…。本当なら景色もいいのに」と。
話し好きな仲居さんは韓国か中国か来たのか。
日本人ではない、というのは初めて。まあそれもあり。
生口島はレモンの島ということで
お茶の代わりにレモンの輪切り入ったホットレモンが。
これがなかなかおいしい。売ってるなら買ってもいいかも。

荷物を降ろすと小雨の降る中、
自転車を借りて日が暮れるまでちょっとばかり瀬戸田観光を。
まずは平山郁夫美術館へ。一応。
正直よさが分からない。単に好き嫌いという意味で。
http://www.hirayama-museum.or.jp/
建物がものすごく立派。市や県が運営しているのだろうか。
入ると地域の小学校の絵画コンクールの入賞作品をたくさん飾っている。
これがもうだめ。それらの絵自体は元気があっていいんだけど。
なんというか芸術というものが何かにすりかわっているようで。
その次はリトグラフの複製、限定何百部値段いくらが並んでいる。
結局のところ一番よかったのは
唐代の魔除けだった「鎮墓獣」の像、一対だったな。
若いころの作品、特に子どものころの絵葉書や
「動物幻想」「曽我兄弟復讐之図」といった作品はいい。
ゴーギャン風の「家路」や「生家付近の人々」というスケッチの連作もいい。
しかし、例のポヤーンとした画風を確立して
「敦煌」「中尊寺」となってくるともう肌に合わず。
「曉春 橘富士 大下図」など細かな線でさっと書いてさっと着色した作品は
生野菜のサラダのパックみたいでいいんだけど。
とか何とか言いつつ、生まれ故郷の瀬戸田を描いた絵葉書を買ってしまう。


[4456] オノクラ汁講その9 2013-02-23 (Sat)

(2/18(月)朝)

07:30 目覚ましが鳴る。夢は見ない。
朝から雨。灰色の雲が均一の布のように果てしなく空を覆う。
瀬戸内の島の向こうまで。
生口島に行って自転車に乗るつもりが今日は無理か。残念。

08:00 朝食。旅館の朝食ってものが僕はとても好きなんだけど
陶板焼きの鍋で目玉焼きとベーコンを作るというのは初めて。
これはいい。豆腐に塩をつけて食べる。焼き魚はさわら。梅くらげ。
食後温泉に入りに行ってその後旅日記を打ち込む。
雨はやむ気配全くなし。
10:00 のチェックアウトぎりぎりまで待ってみるが変わらず。
ビニール傘を買って宿を出る。
向島が見渡せるポイントで足を止めると霧というか低い靄がかかっていた。

尾道城の脇をまた通り過ぎ、駅前まで下りていく。
下りとはいえ重い荷物をたくさん背負って抱えているとしんどい。
児島でジーパンを2本買って、倉敷の大原美術館で画集を3冊。
あちこちの観光案内所でもらってきたパンフレットもばかにならない。

コインロッカーにリュックサックとジーパンや画集の入った袋を預けて
駅の観光案内所で生口島:瀬戸田港行きのバス乗り場と時刻を尋ねる。
それだけを抜き出したものが用意されていて、
裏面は瀬戸田港からのフェリーの時刻表となっている。1枚もらう。

駅前のミスドに入ってノートPCを立ち上げて旅日記の続きを書く。
月曜の朝、がら空き。

11:00 を過ぎて席を立ち、アーケードの商店街を東へ。
昨日訪れられなかった「朱華園」に入る。地元では超有名店。
さすがに雨の中行列はできず。すぐ入れる。
チャーシュー麺にする。770円。
尾道ラーメンなので麺は細めの平打ち。
小指の先ほどの背脂がゴロゴロ入っている。
チャーシューは薄くて広いのが3枚。器を覆っている。
その上にメンマが乗っている。具は他にネギだけ。
http://www.ononavi.jp/eating/chinese-style/detail.html?detail_id=71
黒っぽいスープがほのかに甘辛い、
だけどすっきりした独特の味わいを持っている。
調べたら尾道ラーメンで定番とされる小魚でだしをとってなくて
鶏がらスープなのだと。だからあっさりしているのか。
確かにこれは尾道ラーメンという枠ではなくてラーメンとして完成度が高い。
1杯目なのでこの深み、何も語れず。
食べ終えてスープを一瞬で飲み干す。

せっかくなのではしごする。次は「壱番館」
http://www.f-ichibankan.com/
角煮ラーメンが一押しらしいのでそれにする。
白髪ネギ、茎わかめ、味玉、もやしなどなど具沢山。890円。
角煮はホロホロ溶けるようなのではなくて、チャーシューに近い。
これは尾道ラーメンとして食べたら普通にうまいんだけど、
「朱華園」の直後に食べたら差が歴然としているなあ。
輪郭がぼやけている。
逆の順番で食べたら、両方いけるねだったかもしれない。

昨日周りで何人か買っていたのが気になって結局僕も
「金萬堂」でレモンケーキ「Remo Remo」を買う。
会社へのお土産に。15個で2,500円ぐらいしたか。それをふたつ。
今回は長期の休みだからまあいいか。
http://www.ononavi.jp/eating/sweets/detail.html?detail_id=100
家にはこれまた気になった蒲鉾屋「桂馬」の詰め合わせのセット。
クール便で送って、冷蔵庫で4日しか持たないという。新鮮。
http://www.keima-kamaboko.com/top.html

アーケードの商店街のいくつかは完全閉店セール。
路地裏の店は逆に細々と地味に商売している。
しぶとくてあっけらかんとした尾道的な生命力を感じる。
よくあるように商店街の店舗空間のひとつが
町内会の神輿を奉るスペースになっている。
「ベッチャー祭り」というのが尾道の祭りのようだ。
名前からだと想像もつかないが、
「ベタ」、「ショーキー」、「ソバ」の3つのお面をつけた
氏子たちと獅子が子供たちを追い掛け回すとのこと。
この「ベタ」がベッチャーとなったようだ。
http://onomichi.main.jp/betcha/index.html

バスまでの時間は昨日入れなかった「あくびカフェ」で旅日記続き。
自家製の檸檬酒と八朔酒をロックで飲む。それぞれ300円ずつ。
地球儀が飾られていたり、棚には古い『地球の歩き方』が並べられていたり。
外国人の男性のスタッフは流れ流れてここなのか。
ドミトリーに宿泊するバックパッカー系の人たちや
地元の支援仲間と思われる人たちが出入りする一方で
僕のような一般的な旅行者やカフェ好きっぽい近所の人たちも利用する。
隣の席から聞こえてきた若い女性の広島弁にいいな、と思う。

その向かいにはエフエムおのみちのスタジオ。
地味っぽかったけどどうなんでしょうね。
http://www.fmo.co.jp/


[4455] オノクラ汁講その8 2013-02-22 (Fri)

(2/17(日)夜)

坂道を下りていって、商店街まで戻ってくる。
昼は昨晩Mさんから聞いた「やまねこCafe」にしようと検索してみたら
地図に出てきたのは新尾道。徒歩では無理。バスかタクシーか。
こりゃ困ったなと話していたらガイドブックを取り出したJさんが
同じ名前でもう一軒あると。海沿いの道に出たらすぐ近く。
Mさんが言ってたのはそっちの方か。
しかし、地元でも人気の店で満席。
カラフルで下北沢か高円寺かってセンスのよさ。
地元の若い人たちのアート作品を飾っているという。
http://www.ononavi.jp/eating/tearoom/detail.html?detail_id=604
もしかしたら1時間後ぐらいに空くかもしれない、
名前と携帯の番号を書いてくれたら連絡しますとのことでそうしてもらう。

商店街を散策して時間をつぶすことにする。
「尾道帆布 彩工房」
http://www.saikobo.jp/
特に僕は鞄関係で足りないものはなかったので帆船の模型を眺めたり。
他の人たちは「3-Way ポシェット」を買う。
本体の色が15色から選べて、ショルダーの紐は色も長さも変えられる。
その先には「大和湯」という昔の銭湯を利用した食堂兼特産品屋があった。
http://www.ononavi.jp/eating/tearoom/detail.html?detail_id=135

次はSさん御用達のコーヒー豆の店「classico」へ。
http://www.coffeeclassico.jp/
若いご主人はやはり外から移り住んだのだという。
最初はカフェを併設していたが、
豆販売に専念することにしたという熱の入りよう。
シックな佇まいの店にはシンプルに
産地の名前のついたコーヒー豆の入った瓶が並ぶだけ。
ケニア、イエメン、ニカラグア、パナマ、ペルー、コスタリカ。
これは確かにコーヒー好きがリピートしたくなる店だろう。

「空き家再生プロジェクト」の一環で生まれ変わった
「あなごのねどこ」というゲストハウスを見に行く。
建物には入れないものの、奥まで続く通路を歩いていってみる。
「おじいちゃんの家がこうだったなあ」と声が上がる。
併設している「あくびカフェ」は混んでて7人は入れず。
http://anago.onomichisaisei.com/

14:30 過ぎ。「やまねこCafe」は結局入れずに諦めて、
東に少し歩いていって「ら・ぽるた」というピザ屋を見つけて入る。
内装に木材をふんだんに使っている。窯もあるようだ。
1970年代のものだろうか。
パンナム提供の「世界ムード音楽の旅」というレコード入りの
分厚いカラーのヴィジュアルブックが壁に飾られていて、欲しくなった。
ハワイに始まり、スペインやブラジル。音の世界一周。
お金持ちになることがあったら、金に糸目はつけずに全集を買い取ろう…
ベジタリアン、タコ、ペスカトーレなど頼んでビールを飲む。
サラダを頼むと生地の上に野菜が乗ってくる。
デザートのアイスもそうなるっぽい。
ピザにビールは最高ですね。
まったり過ごして最後コーヒーを飲んで、この日は終わりとなる。
尾道駅に戻って、解散。

車をロープウェー近くのコインパーキングに停めたというSさんと歩いていく。
学校のことなどあれこれ話す。
ロープウェーの駅に着いたらちょうど最終の 17:15 発が出たばかりだった。
Sさんに車で送ってもらうことにする。
せっかくだからと券売所の脇あった「茶房こもん」に入る。
大林監督の「ふたり」でロケに使われた。見た目はよかったけど
働いているのがバイトの高校生っぽくてそこがイマイチだったな。
でもSさんが食べていたブルーベリー・アイスクリームのワッフルが
おいしそうだった。
サンスクリット哲学や言葉・物語・歴史・世界について話す。
絶対的なものは、存在するのか。

18:30 Sさんの車で「千光寺山荘」へ。すっかり暗くなっている。
そこでお別れ。
部屋に入ってだだっ広い和室を前にしたとき、妙に寂しい気持ちになった。
それだけ土日の倉敷・尾道が楽しかったのだろう。

窓から尾道の夜景を見下ろす。
20:00 荷物を片づけてこれまでのことを書いた後に外に出る。
昼を食べたのが遅かったので少し腹が減ってからにした。
フロントの人に駅前に出る道を聞いたら
道なりに歩いていったら「お城」に出るから
そこから階段を下りていけばいいという。
ひと気のない真っ暗な道を歩く。
千光寺山荘の付近にもホテルや民宿があったが、休業中だった。
お城の前まで来る。「全国城の博物館」とあった。ペンキで落書きされている。
明かりの灯っていない城が暗闇の中に埋没しているのは異様な光景だ。
急な石段に出て、滑るように下りていく。足元に灯篭が灯っている。
踊り場のようなところに出て尾道の夜景を見下ろす。
尾道渡船の向島側の渡し場にはパチンコ屋があった。
昼間だと白茶けてやってないように見えたけど夜だと
看赤に黄色と看板のネオンサインが煌々と点っている。
民家の間を縫うように坂道が続く。誰もいない中学校か高校の校舎と校庭。

駅前のアーケードの商店街に出る。昨晩飲んだ「yes。」のビルの脇に出た。
尾道ラーメンを食べようかと探す。
昼に通りがかって行列になっていた店へ、
「朱華園」「尾道壱番館」「つたふじ」と思うがどれも閉まっていた。
尾道の夜は早い。既にどこもかしこもシャッターが下りている。
鉄板焼きの店と飲み屋ぐらい。
ラーメン屋はいくつか開いてなくもないが
店員が暇そうにしていてたいしたことなさそう。
そんなにおなかがすいているわけでもないし、食べなくてもいいか。
コンビニで缶ビールを買って帰る。

日曜の夜。若者たちが歩く姿も少ない。
どこでどうしているのだろう?
観光客には見つからない隠れ家的バーにこもっているのか。
そういえばおしゃれな若者がいるのに、古着屋も中古レコード屋がない。
大きな本屋もヴィレバン的な本屋もない。若者が服を買うような店が皆無。
これは不思議。彼らはどこで服や音楽や情報を仕入れているのか。
ネットで調べて広島に出るとかそういうこと?
ここのところに気付いてから、尾道が気になって仕方なくなった。
ルーツやソースが分からない。誤解を怖れずに言えば突然変異のように思える。
そこにないからこそ、DIY的に必要最小限必要なことに、
「家」を再生するといった生活に密着したことに意識が向かうのか。
余剰的な、表面的なファッションではなく。

小雨の振る中、宿に戻っていく。
急な坂道をひーひー言いながら、息を切らして上っていく。
旅日記の続きを書く。23時で温泉が終わりと聞いたので22時に入りにいく。
僕がひとりだけで貸切。年配向けの旅館だと夜は早いのかもしれない。
出てきて缶ビールを飲みながら続きを書く。
気が付いたら寝たのは午前1時半。
ゆっくりするつもりが、昨日と変わらず。


[4454] オノクラ汁講その7 2013-02-21 (Thu)

(2/17(日)昼)

10:30 線路を渡って山側へ。石畳の急な坂道が始まる。
皆、フーフー言いながら上っていく。
ここの人たちはこれを朝昼晩と上り下りしているのか。
3人も横に並んだらいっぱいの狭い灰色の小道が
古びた家々の間を毛細血管のように張り巡らされている。
曲がりくねって、折れ曲がって。軒先のすれすれを。
あちこちに墓場がある。固まって広がっていることもあれば
小さな階段を上った先にひとつやふたつがポツンとあったり。
昨晩「yes。」で聞いた話では「墓バー」というイベントがあって
食べ物や飲み物を持ち寄って夜を楽しむことがあるようだ。
古寺巡りは持光寺、光明寺、宝土寺と続く。
最初の持光寺の「臥龍の松」は樹齢650年。
龍が飛ぶように幹を横に伸ばしていたが、
残念ながら20年ほど前に枯れてしまったとのこと。
今はその一部が残るのみ。

坂道を歩いていると「文学のこみち」と交差して
今回は入らなかったけど志賀直哉旧居など。
気が付くと尾道のあちこちで名だたる文学者・表現者の手形ならぬ足形が。
いったいいつどういうタイミングで取るものなんだろう?
公演・講演などで有名人が訪れると事前に分かっている場合に用意するのか。
珍しいところでは松崎しげる、岸田今日子や
ジャズ・ミュージシャンの坂田明など。

魔女の家のようなハーブ園? があって
「ほうきの修理中によりお休みします」とドアに貼られていたり、
ユーモラスな猫の私設博物館のようなものがあったり。
古民家の間にそういうちょっと次元の違うものがひょいと現れる。
そうかと思うと古い三重塔に出たり。

Sさんとはロープウェーを下りた先で落ち合うことにして
切符を買って乗り込む。片道280円。往復だと440円。
でも普通帰りは歩いて下りてくるか。
50円のしおりも買った。
ロープウェーに乗る。30人乗りだったか。ほぼいっぱいになった。
365mで3分。ガイドさんが一緒に乗って「右に見えますは…」とガイドする。
足元を通過する巨大な岩石の上に、言い伝えを元に光る玉を模した
球形の石が置かれていたのが気になった。

Sさんと合流。さっそく展望台の屋上へ。
目の前に山々かと思いきやその手前と奥に穏やかな海。
その向こうにさらにポコポコッと小さな島々。初めて見る風景。
瀬戸内に住んでいるとこれが見慣れたものとなるのがどこか不思議。
埼玉出身のJさんは逆に海というものが怖かったと。
僕にはこの全てが巨大な群生生物の長い眠りにつく姿に思えた。
細胞が寄り集まって何らかの器官を形作り、
それが静かな体液の中、表面に浮かび上がっている。
空気に触れてその皮膚が固くなっている。

向島に渡るための尾道大橋がかなり東の方にあって、
昨晩最終22:30を逃していたらタクシーを捕まえてぐるっと回り込んで
ものすごく割高になったんだなと。ぞっとする。
僕らが泊まったふたつ並んだ宿を探してみる。
夜中に渡船を下りて宿まで歩いたときには
その島のことは寂れたその一帯しか知らなかった。
今、こうやって遠くから見下ろしてみると
背後の向島はかなり大きいということが分かる。
ドラクエで最初の村の周囲から始めて、世界地図を手に入れたような感覚。

展望台の周りのベンチには「恋人の聖地」と書かれていて、
地図を見るとその名前の場所があった。
カップルがここを訪れると別れるとの噂があるとかないとか。
そういうの全国にありますよね。
吉祥寺の井の頭公園のボートであるとか。
Yさんは札幌のホワイト・イルミネーションを挙げる。

石段を下りていって千光寺へ。
境内の裏手が白い壁になっていて修学旅行生が
相合傘や××参上のようなものをたくさん書いている。
なかには恋人たちふたりの名前の上に「900回記念」とあって、
これってなんだったのだろう? もしかして?
リラックマのお守りや絵馬が売られていた。
本堂に向かうと読経が聞こえる。
スピーカーから聞こえてくるのはまさかテープなのか。そんなことはないか。
尾道の町並みを見下ろすとアーケードを外れた商店街の広場に
子供たちが集まって賑やかに動き回っている。白いものが覗いている。
あれは雪か。あとで近くまで行ってみると確かにそうだった。
年に一度南国の子供たちに雪に触れさせるお祭り?
昨年紀伊勝浦でも見かけた。

そのまま下りていって「イーハトーヴ尾道」のエリアへ。
http://www/ihatov.in/
古民家再生のプロジェクトとアートが結びついた実践の形か。
カフェ「梟の館」、「招き猫美術館」、「尾道ハーブ園 ブーケダルブル」、
(ロープウェーに乗る前に見かけたほうきを修理中の魔女はここだった)
「SAKA Bar」、招き猫の置物が民家の屋根や塀の上に置かれた「猫の細道」、
大林宣彦監督の短編上映や地元の美大生の作品を展示する「尾道アートスペース」
(残念ながら休館中)などから成り立っている。
せっかくだから「梟の館」に入ってみる。かつては古い別荘だったらしい。
木造の、訪れる人たちがそっと触れないと壊れそうになる繊細な空間。
その中に大小様々1,500体もの梟の剥製や置物が隙間なく溢れ出している。
よくぞここまで集めたものだ。
地元の人がお土産にもらうとそっと追加いているのかもしれない。
寒かったのでホットワインを飲む。
トイレにCDシングルのジャケットが飾られていて、天野月子「ウタカタ」
このトイレ(もちろん梟あり)の中で撮影された。
2階は梟博物館。追加料金200円で入れる。
ギシギシ鳴る階段を上っていくと小さな展示スペース。
小型のペンライトをひとりずつ手渡されて、
薄暗い中をぼんやりと照らしながら見る。
ハンガリーの陶窯「ヘレンド」が特別な会員向けに頒布した梟の置物8体や
バカラ製の梟、木を組み合わせて作ったアイヌの神殿など。
アイヌでは梟は大地の神であるとのこと。
壁には梟に関する知識を。ミミズクは梟の一種なんですね。
耳がないとかそういう区別ではなく。
ニュージーランドのキーウィも梟の仲間。


[4453] オノクラ汁講その6 2013-02-20 (Wed)

(2/17(日)朝)

07:00 目覚ましが鳴る。Kさんは既に起きている。
Cさんも布団の中で半ば起き上がってぼんやりしている。
僕は寝る前にシャワーを浴びたから髪が思いっきり寝癖。
07:30 隣の貸し別荘へ。お茶を入れてもらって
「昨晩は何時まで起きていたんですか?」などとぼけーっと話して外に出る。
朝食のために尾道渡船のフェリーに乗る。
車掌のおっちゃんが昨晩と代わっている。
尾道で仕事なのか、年老いたおじさんたち、おばさんたち。

日曜の朝。空は晴れているのに今日も寒い。
昨日の朝倉敷の美観地区の入口の倉造りのお土産屋の店先で
揚げたかまぼこを売っていて1本「たこしょうが」を買ったとき
お客さんどこから来たの? という話になり、今の倉敷は4℃だと聞いた。
日は出てたけどそれほど気温は上がらなかったのかもしれない。
尾道もまた、そう。

昨日Mさんから聞いた「しみず食堂」は
朝から魚が食べられるとのことだったが
昨晩食べたばかりだしなあとのことで、
もう一軒お薦めの「パン屋航路」へと。「暗夜航路」のもじりか。
http://tabelog.com/hiroshima/A3403/A340302/34014537/
朝8時になるかならないかのアーケードは人通りがほとんどなく、
どこもかしこもしまっている。
かろうじてここ「パン屋航路」が明かりを灯しているだけ。
小さな店内にできたての温かなパンが並ぶ。
選んでいる間にも「○○できあがりましたー」と次々に運ばれてくる。
僕はベーコンと枝豆のクロワッサンのようなもの、
チマッとした丸パンに挟んだサンドイッチを
タンドリーチキンと玉子でひとつずつ。
木次乳業のコーヒー牛乳。

店を出て歩く。どこかコーヒーの出る店で食べようと探す。
と言ってもドトールやスタバがあるわけでもなく。駅前へ。
林芙美子の旧家跡というのが商店街の中にあって、
アーケードを出ると林芙美子像があった。
足元には「放浪記」の有名な一節。
「海が見える 海が見えた 五年振りに見る尾道の海は懐かしい」
http://www.ononavi.jp/sightseeing/literature/detail.html?detail_id=333

途中にローマかどっかから来たという触れ込みの占いマシーンがあった。
「真実の口」の中に左手を入れて20秒待つと
手相を観た結果がプリントアウトされる。
前に利用した人が使い方分からなかったのか、
持ち帰らずにそのままにしていたのが千切られずくっついたまま出てきた。
とても古い機械でメッセージは全てカタカナ。1980年代半ばのPCを思い起こす。
LA BOCCA DELLA VERITA 曰く、
「シンジツ ノ クチ ガ ウラナウ:
 アナタ ハ アタエラレタ シゴト ヲ ナガイ ジカン ツヅケテ
コナシテ イク コト ノ デキル ジョウブ ナ タイシツ を モッテ
イル ヒト デス.
 (中略)
 アナタ ニ トッテ ハ オコリヨウ モ ナイヨウ ナ ジコ ニ アウ
カノウセイ アリ, コウテン ワ ノゾメナイ ノデ ヨウ チュウイ.
 モシ イマ, アナタ ノ セイカツセッケイ ヲ ハジメ ナケレバ
ロウゴ ヲ ヒンコン ナ ジョウタイ デ スゴス コト ニ ナリマス.」
ひー。結構怖いことが平気で書かれていた。

駅前でミスタードーナツが営業していたものの
さすがに持ち込んで食べるわけにはいかず。
駅の中のベンチでという案もあったけど
結局宿に戻って食べようということになる。
寒いので日当たりのいい海辺の道を歩いていく。
フェリーに乗ろうとして待っていたら
NHKの朝ドラ「てっぱん」のロケ現場にこの渡船が使われたとあった。
撮影風景が大きく何枚か貼り出されている。
よく見たらNHKに入ってディレクターとなった映画サークルの先輩だった。
一瞬何の違和感もなく「ああ、××先輩か」と思って
その直後「えぇっ? こんなところに?」と驚く。
渡った反対側には大きな掲示板に立てられ、
大林監督の作品が向島のどこで撮影されたかのマップになっている。
その脇には「あした」を撮ったときにセットとして建てられた
バスの停留所がそのまま残されている。

宿へ。とりとめなく話しながら食べる。
09:30 チェックアウト。
戸締りして所定の場所に鍵と代金を置いておく。勝手に帰るでいい。
今回の旅で最後のフェリーに乗って尾道に戻る。
駅でCさんと別れ、Hさんと合流。
この日来るはずだったUさんは来れなくなって、Mさんもこの日はパス。
近くに住んでいて車で来るSさんが遅れて来る。
この日の観光は古寺巡りの小道を歩きながらロープウェーに行って
千光寺公園の展望台へ。
三原在住のHさんが三原の観光ガイドと名物の「たこせん」をくれる。


[4452] オノクラ汁講その5 2013-02-19 (Tue)

(2/16(土)夜)

駅を出る。すぐ目の前に瀬戸内海。そのちょっと先に向島。こんな近いのか。
工業地帯のクレーンが高々とそびえる。
中空の白い小型フェリーがゆっくりと行き来する。
振り返ると山が迫っている。斜面を家々がせり出すように覆っている。
そのてっぺんに城が建っている。城?
聞くと個人が建てたものとのこと…
(追記。尾道城との名で1960年代に弘前城を模して建てられた。
 展望台として利用されたが反対にあって1990年代に閉鎖。今は廃墟)

海沿いをしばらく歩いて
「安部旅館」に向かうための「尾道渡船」の渡し場を確認したのちに
(「他の3つの渡し舟に乗ると全然違う場所に着くため気をつけてください」)
17:30 夜の宴会の店として尾道在住のMさんに紹介してもらった「保広」へ。
http://yasuhiro.co4.jp/
ここで3人合流して9人となる。
編集学校の集まり、ほとんどが27破つながり(師範代と学衆)なので
自然と教室での出来事の話となる。
焼き牡蠣に始まり、ひらめやぶり、いか、たこなど瀬戸内海で取れる魚の刺身、
オコゼのてんぷら、(何だったかは忘れたけど)白身魚の煮付け、寿司。
広島の地酒も飲んだ。これも何だったか覚えていない…
何を食べてもうまかった。皆、ご満悦。

途中僕は一度店を出て、「安部旅館」にてチェックイン。
尾道渡船のフェリーに乗って向島へ。既に暗くなっている。
自転車に乗る女子高生。カブに乗るおっちゃん。
小柄の縮まったようなおばあちゃん。市民の足か。
座席はなく、舟はぽっかりと中空になっている。
平日の朝夕は通学の自転車や通勤のカブでいっぱいになるのだろう。
わずかばかりの細長い部屋が向かって右端にあって、
小さな電気ストーブが置かれている。
(僕は観光客っぽかったのか乗るたびにその中に入ることを薦められた)
舟がやってきて、接岸して乗り込んですぐにもまた岸を離れる。
車掌的な役割の年老いたおっちゃんに運賃100円を手渡しする。
3分ぐらいで向こう岸に到着する。
時刻表はなく、岸で待っていた全員が乗り込んだら走り出す。
ただそれだけ。
この「ただそれだけ」に風情がある。
大林宣彦監督の映画、例えば「さびしんぼう」で見たなあ。

店がひとつあるだけの寂れた渡し場。
宿の人と港の駐車場で落ち合って、貸し別荘へ。
二棟あって少し高いところにあって尾道の夜景が見渡せる。
なかなか眺めがいい。これは穴場だ。
http://www.ononavi.jp/staying/cottage/detail.html?detail_id=498

渡し場の前後を走る。
「保広」に戻って急いで煮つけと寿司を食べて、酒を徳利1本(1合)飲む。
21時、閉店近くになって店を出る。

2軒目もまたMさんお薦めの店「yes。」へ。
世界初のハンドクラフト&ボトルカフェであるという。
かつては民家だったところを改装して3階と屋上。
オーナーの方がひとりで店に出ている。
本来は内装や手作り家具などを仕事としていて、店を開けるのは土日月のみ。
自分でつくった椅子や売り物のルアーが押入れに並んでいる。
奥には等身大?のキリンが2体とその手前にハンモック。
(Rさんが横になってお気に入りとなり、離れなくなる)
飲み物はボトルだけ。栓抜きだけはたくさんある。
世界一激辛のジンジャーエールを飲んで、その次はビール。
「Brew Dog」というスコットランドのブランドの「Libertine」
他にもモロッコやメキシコなどの世界のビールや、
世界一と称された皇室御用達のコーラなど。珍しいものがいっぱいある。
尾道にいてどうやって探すのかと聞いたら主にネットだと言う。
屋上を見せてもらうと客は誰もいないのにきちんとキャンドルが灯されている。
聞けば尾道好きの茂木健一郎やその他有名な人たちもこっそり来るとのことで…

「東京物語」が尾道を舞台にしているから
小津安二郎を敬愛するヴェンダースが写真家の妻を伴って尾道を訪れて
写真集を撮影したとかそういう話をした。
あとは尾道の「空き家再生プロジェクト」のことを聞く。
http://www.onomichisaisei.com/
尾道に惹かれて住み着いた人たちが行政の手を借りず、
助け合って独自に家をリフォームして生まれ変わらせているのだという。
草の根レベルの活性化が今のところうまくいっている。
なぜ尾道ではそれが可能なのか。気になる。コミューンっぽい。
困った人がいたら山の上まで荷物を運んであげるというレベルに始まり、
こっそり電線を引いたり水道工事のできる人がいるとのことで…
街を歩いているとどこかに裂け目があって不思議なものが舞い込んでいる。
そんな印象を受けた。この惹きつける力、
薬局でもないのに店の中にサトちゃんの頭部を飾っていたり
というトマソン的なものが
通りのあちこちにあったりするのと何か関係があるのだろう。

22:30 尾道渡船の最終の前に店を出る。
クレーンが緑色にライトアップされている。
Mさんに尾道のうまいお好み焼きの店を聞くと「村上」と「野口」
朝早くからやっている店は「しみず食堂」と「パン屋航路」
その他お薦めとして「やまねこカフェ」
歩いていると尾道ではけん玉がはやっているという話題になる。
Mさんもまた周りの人たち同様に「マイけん玉」をもっている。
尾道渡船の渡し場近くにけん玉カフェなるものがあった。
しかし明日は向島駅伝のため店を閉めるとのこと。

フェリーに乗って島に渡る。
宿の管理人の方から借りた懐中電灯で足元を照らして坂道を上っていく。
宿に戻って、男女別に1棟ずつ。
男性側は倉敷の酒を飲みつつあれこれ話しているうちに 01:30 を超える。
学校のことなど話す。
プロの噺家であるCさんの話は面白かった。今回も和服で参加。
大漁旗などを全国から集めてつくったという鞄が素敵だった。
パッチワークされて樹脂加工?された布の中にはねぶた絵もあった。
つまみはMさんからもらった「さより」
シャワーを浴びて眠る。


[4451] オノクラ汁講その4 2013-02-18 (Mon)

(2/16(土)昼)

11:00 いったん外に出る。待ち合わせは12時。
時間が多少余って「倉敷アイビースクエア」に戻る。
倉敷川沿いの道端にペンダント売りが店を広げている。
切子格子や漆喰で文様を形作った海鼠壁の町屋の中に証券会社があって、
「当面の相場見通し」が黒板に白のチョークでびっしりと記載されていた。
昔からそのような慣わしなのだろう。曰く
「二月六日の日経平均株価は大幅上昇し
 一万一四六三円と二〇一〇年四月につけたリー
 マンショック後の高値一万一三三九円を
 上回った」

アイビースクエア内の児島虎次郎記念館へ。
この人は洋画家として有名らしいが僕は正直よく知らず。
うまいけど何かが足りないという印象を持つ。
日本人らしからぬカラフルさがあるが、陽気なわけではない。
オリエント室へ。
先史時代のイラン:彩文土器鉢、牛頭、羊形注口土器、
地母神像、魚形土器壺、獣頭飾付双口ランプ。
エジプト:ファラオ頭部、スフィンクス、ステレ、
女神イシスまたはネフティス像、ミイラ頭胸部包被
ペルシア:吹ガラス蓋付骨壷、切子ガラス手付壺、黒褐地花文散鉢、
青釉刻線文面取壺、青釉銀化綱文六耳付大壷。
アイビースクエアに宿泊するともらえる倉紡記念館はもっと駆け足。
日本の繊維産業の歴史、メセナの歴史、地域に根ざした大企業の歴史。
その一方で大原社会問題研究所を立ち上げて運営していたところが気になった。

12:00 待ち合わせ場所である大原美術館入口横の喫茶店「エル・グレコ」へ。
冬なので枯れているけど蔦で覆われている。
昨晩のKさんを初めとして既に4人集まっていた。
今回初めてお会いする方もいる。僕はココアを飲む。
もうひとり東京から到着して、全員揃う。
駅前の方に歩いて「とんかつ梅の木」へ。
http://misokatsu-umenoki.com/
(Kさんはその間僕らの分の「川舟流し」を予約しに行ってくれる)

「梅の木」は予約なしでいけるかと思いきや、かなり混んでいた。
店の中で2組待っていて僕らは外で待つ。行列が長くなっていく。
結局30分ぐらいは待っただろうか。
僕以外はみそかつの定食にして、僕は1,500円の梅の花というセット。
みそかつとカキフライが2個、鶏つみれの紙鍋、たこの煮物、
穴子の茶碗蒸し、刺身はぶりだったか。その他に小鉢がいくつか。
油で揚げるのではなくオーブンで焼き上げるという独特なとんかつは
見た目が揚げ饅頭。なのに食べてみるとしっとりふわふわ。
なるほど、うまい。
夜に泊まる「安部旅館」から電話があって、到着時刻を伝える。

川舟流しは定員が5名ということで6人の僕らは2組に分かれる。
僕はKさんと共に先に 14:30 の方。
30分に1回の運行で休みの日は予約がすぐ埋まる。
待ってる間、1時間ほど本町通りの倉造りの町屋をそぞろ歩く。
昨晩飲んだ「荒走り」の「森田酒造」のご主人が全国から集めた
おいしいもののセレクトショップ「平翠軒」は
新米の缶詰から千房の冷凍オムソバまでこれでもかこれでもかと
狭くて歩けなくなるぐらいに珍しい調味料や各地の特産品がぎっしりと。
http://www.heisuiken.co.jp/

昨日僕が入った古本屋「ムシ・ブンコ」に皆が入っている間、
僕は向かいの小さなギャラリー「クラシカ」へ。
http://www.mapple.net/spots/G03301085104.htm
倉敷の写真家のモノクロ写真を1枚200円で売っている。
今はなき鉄橋の上を走る SL など。昭和が写っている。
店を出ると神社から出てきたお嫁さんが。
倉敷で結婚する人は川舟流しを貸し切って
事前に記念写真を撮ることが多いという。
暖かくなるとそういう光景をしばしば見かける。

もうひとつ入ったのが紙系の小物屋「如竹堂」
http://nyochiku.906.jp/
以前は掛け軸をつくる店だったようだ。
「倉敷意匠計画室」と名乗っておしゃれなマスキングテープをつくったら
それが有名になった。幾何学的な紋様もあれば町屋を模したデザインも。
店内入ってすぐに変り種の紙風船。
金魚、くらげ、アザラシ、メロン、トマト、スイカなど。
折り紙、便箋、お年玉袋から請求書、領収書まで。
日常生活で用いる紙製品がかわいらしく生まれ変わっていて、
女性たちはみなあれもこれも欲しくなったようで
目移りしながらたくさん買っていた。
僕は『ラジカセのデザイン!』という本に心ときめいて買ってしまった。
1970年代や1980年代のレトロで多機能で武骨なラジカセの数々。

舟乗り場へ。前の舟が戻ってきたら乗ることになる。
待っている間、Kさんと星野仙一博物館の話をする。
故郷に対して義理堅い人であって、楽天のキャンプを倉敷で行ったり、
オールスターゲームを一試合倉敷で行ったりしたという。

舟に乗る。編み笠をかぶるかと聞かれて、もちろんと。
かぶったところを船頭さんに写真を撮ってもらう。
前後を区切られたL字型の川を15分ずつ往復して計30分。
それぞれ200mもないだろうか。川幅も5m程度と小さい。
船頭さんは後ろに立ってのんびりのんびりと漕いでいく。
その間、あの柳は、あの桜は、あの階段はと川沿いのあれこれを解説する。
NHKの朝ドラ「てっぱん」の撮影がここで行われ、
舞台となる岸和田とするために町屋の並ぶ通りをお化粧したのだという。
(この後、尾道でも「てっぱん」の撮影にちなんだ
 あれこれを見かけることになる)
大原美術館の向かいが倉敷紡績創立者の一族である大原邸。
豪勢なお屋敷なんだけど今もまだ住んでいるとのことで非公開。
その隣に(何代目だったか忘れたが)奥さんのために建てた屋敷が
和風と洋風で二棟。昭和23年には昭和天皇が宿泊された。
その際、屋敷の前に掛かっていた石橋がふさわしくないと
下流に掛かっていたものと渡し換えたのだとか。
今あるものは児島虎次郎が欄干の龍を描いている。
この大原邸だったか、奥の井上邸だったかが270年という歴史の古さ。

舟に乗っていると寒く、下りて代わりに女性たち4人が乗り込んで
編み笠をかぶった写真を撮ると温かいものを飲もうと「倉敷珈琲館」へ。
http://www.kurashiki-coffeekan.com/
有名な店のようで混んでいた。
「琥珀の女王」が名物とウェイトレスの方が言うんだけど、
アイスコーヒーだったのでさすがに今は無理。カフェオレにする。

女性たち4人が下りてきて、15:30頃。
駅へと向かう。そろそろ尾道に行こうと。
コインロッカーに預けた荷物を出して、
15:56 - 16:56 山陽本線:下関行き、1,110円。
2人がけの席が向かい合わせて4人掛けにできるタイプの車両で
話しているうちに1時間はあっという間ですぐ到着する。


[4450] オノクラ汁講その3 2013-02-17 (Sun)

(2/16(土)朝)

07:30 起床。ビジネスホテルに泊まってるときって
なぜかいつも言葉では説明つかないような不思議な夢を見る。
枕が変わるからか。
大浴場へ。やはり僕が1人。居心地いいけど宿泊者が少ないのだろうか?
2月。観光シーズンではない。
3月に入ると音楽祭が開催されると昨晩聞いた。
山陽新聞を読むとロシアで隕石落下。
死者はないものの墜落の衝撃波でガラスが割れて負傷者が1000人を超す。

昨日買った「桃太郎ジーンズ」を履こうと
タグを取るためにフロントに行って鋏を借りる。
08:30 チェックアウト。
駅まで戻ってリュックサックをコインロッカーに預ける。
大原美術館へ。
倉敷紡績の2代目社長:大原孫三郎が建てた日本で最初の西洋美術館。
5年間のヨーロッパ留学に送るなど
生涯に渡って経済的な援助をした洋画家:児島虎次郎が
同時代のヨーロッパで集めた印象派前後の作品がベース(本館)となる。
今は、柳宗悦に始まる民藝運動の影響を受けた工芸館や
中国を中心とすると東洋館、日本の現代アートを集めた分館、
児島虎次郎自身の作品を集めた記念館、オリエントの部屋などなど幅広い。
これが私設の美術館なのだから驚く。日本最大級だろうか。
http://www.ohara.or.jp/201001/jp/index.html

まずは本館。
モネ「睡蓮」やゴーギャン「かぐわしき大地」辺りが有名ですが。
例によってキュビズムに入った辺りから真剣に見る。
ムンクの「吸血鬼」やピカソの「鳥籠」がよかった。
もっとあとの時代だと
ジョセフ・コーネル「無題(ホテル:太陽の箱)」
クリスト「梱包されたポン・ヌフ」のラフなデザイン(?)
サム・フランシス「メキシコ」
これらかな。磯辺行久という作家の
西洋の紋章をモチーフにした作品も印象に残った。
(タイトルはメモし忘れた。「ミクストメディア」とあったのを勘違いした)
当時最大の先見の明をもって購入されたエル・グレコ「受胎告知」は
特別に一室設けられていた。
19世紀末以後の西洋近現代絵画を集めた美術館の中でこの作品だけが17世紀。
しかも再評価が進んだのはここ100年でのこと。よくぞ購入したよなあ。
児島虎次郎にも輝いて見えたんだろうな。
禍々しい闇が広がる中に神々しい光が降り注ぐ。

工芸館は今回最も面白かった。
濱田庄司やバーナード・リーチ。
焼き物を前にしてこれは素晴らしいと感じたのはこれが初めてかも。
民藝運動の作家であるため皿や鉢など日常生活で使う器がモチーフとなる。
なのになんでこんな鮮烈な形と色使いになるんだろうな。
(あとでしっかり画集を買った)
中でも芹沢ケイ介(金偏に圭)が素晴らしかった。
「伊曽保物語屏風」「新宮殿のための額絵」「極楽から来た挿絵集」など。
背筋がスッと伸びつつ大らかにユーモアを忘れないと言うか。
ポップでキッチュ。テイストは和風なのに無国籍なカラフルさ。
今回展示対象外で、後で画集で見つけた「沖縄絵図掛物」には度肝を抜かれた。
棟方志功も大きくフィーチャーされている。
解説には戦時中は毎年倉敷を訪れる、とあった。
ニーチェをモチーフにした作品があるとは初めて知った。
あの金釘文字の版画にて「ツァラトゥストラ」などとあるんですよ。

東洋館は駆け足で。
仏像、甲骨文字、鏡鑑、銅鼓、瓦獣、槍を持つ神将像。
外に出て新渓園というお屋敷と庭。
池の中の錦鯉がでっぷりと太っていた。
何を食べたらこんなに? 何歳? というぐらいの。
集まって群れて泳いで、僕が餌をやったわけでもないのに目の前で
水面に口を出してパクパクと呼吸する。
錦鯉はのちに倉敷川の歩いているときにもよく見たら泳いでいた。

分館。佐伯祐三はいいとして岸田劉生の辺りは苦手で。
最近の人のもあんまりピンとこない中で
小出楢重「松竹梅図屏風」
三瀬夏之介「ぼくの神様」 http://www.chukyo-u.ac.jp/extension/gallery/2009/09/002618.html
やなぎみわ「寓話シリーズ」http://www.yanagimiwa.net/fairy/index.html
この3つは印象に残った。
松井えり菜「サンライズえり菜」はインパクトありすぎて好きではないけど、
なにかとてつもない才能と感性の持ち主であることを感じた。
http://www.peeler.jp/review/1204okayama/index.html
(後に「AM倉敷(Artist Meets Kurashiki)」という滞在制作プログラムの
 昨年2012年の招待作家であったことを知り、
 思わずその図録を買ってしまった。このとき合わせて鯉江真紀子のも。
 会田誠と山口晃が合同でやったのはなんとなく見送り)


[4449] オノクラ汁講その2 2013-02-16 (Sat)

(2/15(金)午後からの続き)

最初、通りの外れの、だけど最も大きな「桃太郎ジーンズ」で買う。
この名前どこかで聞いたことがある。
石田純一であるとか杉ちゃんとか有森也実とか
芸能人ご愛用のモデルみたいなのも貼り出されている。
(本当はもっとかっこいい人たちの名前があったのだが、忘れてしまった)
僕はここでまずは1本、トレードマークの2本の白いラインが
尻ポケットではなく右腿に入ったのを買う。
店員は裾をカットしないことをくどいぐらいにしつこく薦める。
しかしスニーカーを履いてみると
どこをどう見ても長すぎて地面を引きずっている。
裾を切って縫製するのがめんどくさいのだろうか? 客は他にいないのに。
ロールアップで履いてるのが何本かあるので結局カットしてもらう。
ここのジーンズは児島にしかかないものだと思いきや、
高円寺・青山にも店舗があると聞いて最後落胆。

旧野崎家邸宅を覗く。塩の精製で一財産なしたようだ。
巨大な岩塩や代々伝わるひな飾りなどを見た。
庭園を歩くとスピーカーから説明の朗読が始まって、ちょっとやりすぎ。

ジーンズのもう一軒は「カミカゼアタック」へ。
小さな店というか工房。型紙が壁に何枚も重ねて留められていて、
生地はじゅうたんのように巻かれ、年代もののシンガーミシンも何台か。
ジーンズとジーンズになる前のパーツで溢れ返っている。
しかも名前に現れているようにここはセンスがある意味いいんですね。
鳥肌実のポスターが貼られていたり、
ロバート・ロドリゲス監督『プラネット・テラー in グラインドハウス』の
ポスターが貼られていたり。
試着室はなくて店の奥の控え室で履いてみる。
えらくかっこいい絣の生地のジーパンは残念ながらサイズが合わず。
ブーツカットを1本買うことにする。1万ちょっとで安い。
なのに腿にフィットしてタイトで、裾の適度なルーズ感がたまらない。
ここに置かれていたノートPCもなぜか
God Speed You Black Emperor の昔の楽曲を
YouTube で検索したままになっていたなあ。いい。
その他飾りは尻尾のとがったデビル系などがそれとなく。
裾を短くしてもらっている間に「よそから来られんですか?」という話になる。
僕は東京からと答える。
最近は東京のセレクトショップも「児島から」と銘打たないと売れない、と聞く。

14時近くなって昼は向かいのお好み焼き屋「米八」へ。
このあたりのお好み焼き屋ではタコが入っているのが児島らしさのようだ。
タコ、エビ、イカなど入ったデラックスにする。あと生ビール。
ご主人はなじみの客とテレビを見ながらワイドショーを観て
義足のランナーが恋人を射殺した事件やグアムの無差別殺人について話している。
僕が東京から来たと知ると
今日は通りのあちこちで店がしまっていてがっかりしたろと。
「カミカゼアタック」でも言われた。
この店は遠いけどやってるよと観光地図に印を描いて
港の近くの「D-MALL」を教えてもらう。人がいい。
食べ終えて、港の近くのヤンマーのボート修理工場など通り過ぎつつ
その「D-MALL」を訪れて15時過ぎ。
駅に寄るとちょうど岡山行きの快速が来るところだったので
慌ててリュックサックをコインロッカーから取り出して階段を走る。
本当は「ジーンズ・ミュージアム」を訪れて
オリジナル・ジーンズも作りたかったけど、2本も買ったしまあいいかと。

15:10 快速に乗って岡山へ、山陽本線に乗り換えて倉敷へ。
どちらも高校生の姿が多かった。
倉敷に到着して駅を出る。北口も南口も2階の高さで
通りの向かいに歩道橋を渡していて空中楼閣のようだった。
少しファンタジーの入った都市、そんな印象を受ける。
(北口はかつてチボリ公園というのがあったが、経営が立ち行かなくなって今は
 アウトレットモールが建っていると聞いた)
南口は天満屋デパートなどがあって、歩くとしばらくして「美観地区」へ。
小さな川の両側、白い壁に茶色い倉の赴きある旧家が並ぶ。
これが今、土産物屋やおしゃれなカフェや料亭となっている。
(ふと見ると蕎麦居酒屋の「高田屋」なんかも店を構えている)
夕暮れ。タイムスリップか時間が止まったままのよう。
その隙間に星野仙一記念館があった。

今日の宿、「倉敷アイビー・スクエア」へ。
かつてクラボウ(倉紡)の大きな工場があったという赴きある場所。
今はホテルや結婚式場、美術館など。名前の通り蔦で覆われている。
中庭として洋風のテラスがあり、夏はビアガーデンになるのだろうか。
キャンドルショップやオルゴールミュージアムなどがあった。
チェックイン。ノートPCを持ってきたのでLANケーブルありますか
と聞いたら、ありの部屋に変えてくれた。
部屋で一息ついて、さっそく「カミカゼアタック」に履き替える。
このジーンズ、履き心地がいい。

倉紡記念館の無料チケットをフロントでもらったので行こうとしたら
17時で閉館、16時半が最終入館。えらく早いなと思いきや周りもみなそうだった。
倉敷の夜はかなり早い。東京が異常なのか?
町屋の続く中をブラブラ歩いて倉敷デニムの店に入ってみたり、
なんかで金賞を取ったというコロッケを買って食べながら歩いてみたり。
山の上の神社に登ってみようかなあと入口を探したら
付近の高校なのだろうか、
丸刈りの野球部が階段を一段ずつ上っていくトレーニング。
恒例なんだろうな。盛大に掛け声を上げてふたりずつ小刻みに上っていく。
この界隈は土蔵の旧家を活かしたおしゃれな小物・雑貨屋やカフェが連なる。
「ムシ・ブンコ」という古本屋が気になった。
大原美術館は既にしまっていたが明日は見て回ることになるしと
収蔵品のカタログとそのうち棟方志功を集めたものと2冊買う。
一度ホテルに戻ってこれら置いていく。

Kさんと大原美術館の前で落ち合って、
倉敷の地酒を置いている店へと入る。「鬼の厨 しんすけ」
お通しにわかめのしゃぶしゃぶ、瀬戸内海の刺身の盛り合わせや
牡蠣の酒蒸し、タコのうま煮、乙島シャコの唐揚など。
倉敷の酒は森田酒造(近くを歩いているときに見かけた)「荒走り」など。
学校のことなどあれこれ話して、18時半から22時まで。

帰ってきてホテルの大浴場へ。混んでるかと思いきや、誰もいなくて貸切。
缶ビールを1本飲んで午前0時半に眠る。


[4448] オノクラ汁講その1 2013-02-15 (Fri)

今日から年に一度のリフレッシュ休暇。
後半は北上を基点に三陸へ。
前半は編集学校の集まりで倉敷・尾道へ。
倉敷で集まるのは本当は土曜だけど僕は1人前の日から。
せっかくだからもう少し足を伸ばして
国産ジーンズ発祥の地:児島に行ってみたかった。

昨晩1時半に布団に入って、起きたのはいつも通り6時。さすがに眠い。
荷造りはしてあって、ガスの元栓すら昨晩のうちに閉めておいたので
あとは起きて着替えて出かけるだけ。
会社員が通勤で駅に向かう中、僕は大きなリュックサックを背負って歩く。

荻窪駅で新幹線の岡山乗換え、児島行きの切符を買う。
せっかくだから岡山から先、児島までの快速はグリーン車にする。
丸の内線で東京駅へ。今回旅の友として持ってきた本は
有吉佐和子『日本の島々、昔と今。』
1970年代末に書かれた離島巡りのルポルタージュ。
今回瀬戸内海を巡るからちょうどいいかと。
(この本の中では登場しませんが)
北海道の焼尻島・天売島に始まって、種子島、屋久島。そして五島列島へ。
ポルトガルに鉄砲をもたらしたとされる王直の足取りを辿る旅になって面白い。

東京駅では「mango tree deli」で
豚肉のガパオ、ヤムウンセン というサラダ、ベトナム風揚げ春巻を買う。
新幹線が走り出してささっと食べる。
エスニックなのでビールを飲みたくなるが我慢する。
朝っぱらから周りにそんな人はいないし、昨日から風邪気味だし。
最近よく聴いている Holly Williams 『The Highway』を選んで
『日本の島々、昔と今。』を読み進めつつ、大半を寝て過ごす。
08:10 - 11:30 のぞみ15号 博多行、名古屋を出て曇り空が雨となる。

新大阪を出て新神戸をさらに西へ。
新幹線でここまで来たのは初めてだ。岡山で下りて乗り換え。
11:42 - 12:03 マリン・ライナー27号 高松行。
「マリン・パノラマ27号」と切符には書かれているが
時刻表にも車両にもその名前はなく。あくまでマリン・ライナー。
6番ホーム。端の方が別の乗り場、7番ホームとなる。
地元の女子高生たちが通り過ぎる。
グリーン車は先頭車両の先頭の席だった。運転席のすぐ後ろ。
線路の上を快速列車が滑らかに進んでいく。眺めがいい。
きびだんごの看板。工業地帯に差し掛かって、白い煙突から白い煙。
川を渡る。住宅地の合間に刈り取ったあとの田が広がる。
灰色の空と相まって、町は茶色のイメージをもつ。
児島が近づいてトンネルを3つくぐる。
3つ目を抜けると遠くに瀬戸内海が見えた。

児島駅で下りる。ここで下りる人はほとんどいなかった。
みな、特にサラリーマンはこの先、瀬戸大橋を渡って四国へと向かうのだろう。
遠くの高台に観覧車が見えた。停止している。
駅のコインロッカーにリュックサックを預けて外に出ると小雨がぱらついている。
東口を出る。すぐ目の前に児島観光港。歩道橋を渡る。他に歩いている人は皆無。
閑散としたうら寂しい街を予想する。
桟橋に出る。小さな遊覧船が横付けされている。
入口に立入禁止とあるが開いていて誰もいない。そのまま歩いていく。
端の方まで行って海を眺める。これが瀬戸内海か。
僕は東北で育って東京が長かったから西のことを知らない。
38歳にして初めて瀬戸内海を目にした。
波がまったくない。穏やかに揺れている。
灰色の空を映し出して灰色の海。
空が晴れていたら、もっときれいな青い色となっているのだろう。

駅に戻って反対側、西側へ。
児島ジーンズストリートを歩いてかっこいジーパンがあったら買おうと思う。
外に出るとだだっぴろいロータリーがあるだけで他なにもなし。
下校途中(?)の中学生たちが騒いでいる。それ以外観光客の姿はなし。
駅前に大きなヤマダ電機の店舗がある。賑わっている様子もない。
道をまっすぐ行くと公園があって
人工の池から突き出した高いモニュメントが建っている。
何らかの校内放送のようなものが遠くに聞こえる。
寂れた商店街に出て、
もしかしてここがジーンズストリートかと思ったら正にそうだった。
ここジーパン屋なんだろうなあという店の多くでシャッターが下りて閉店。
平日だからか。完全にシャッター街。しゃれにならないぐらいの。
通りには何箇所かで電柱の間に渡した紐でジーパンを干している。
これが目印なのだが、力なく垂れ下がっているだけ。
かろうじていくつか店を開いていた。
「カミカゼアタック」「Dania JAPAN」「桃太郎ジーンズ」
この3つかな。僕が気になったのは。


[4447] 2/11-2/14 2013-02-14 (Thu)

2/11(月)

11時起き。ウダウダとずっと寝てる。
自転車に乗って豪徳寺まで編工研の打ち合わせ。
22時ぐらいまで行くかと思いきや19時前にあっさり終わる。
僕の担当するテキストではなく別パートのヴィジュアル側の演出アイデア出し。
こういう作業は楽しい。あれこれ出すことができてボチボチまとまった。
戻ってきて20時前。旅行のスケジュールのうち、
2/16(土)・17(日)オノクラ汁講部分を整理して展開する。
西友で買った焼鳥で焼酎お湯割り。

夜、グラミー賞の結果を見る。
HMVのサイトで当てたらクーポン券をもらえるというのをやっていて、
Frank Ocean 一点張りにしていたらことごとくはずした。
fun. も Gotye も Black Keys も持ってたのにな…

iPhoneの曲の入れ替えをしていたら遅くなる。
午前1時半。

---
2/12(火)

来週一週間休むためにあれこれと忙しい。21時まで残業。
その後大阪から来たお客さんとの飲み会に合流する。23時まで。
帰ってきて午前0時半。尾道・倉敷汁講のメールを1本書いて送る。
昼、天鴻餃子房で野菜タンメン。
夕方、腹が減ってセブンイレブンのノリ弁当。
昼、尾道・倉敷それぞれの観光サイトから
パンフレットのPDFファイルをダウンロードする。

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2/13(水)

夜の間に雪が降ったようだ。
朝、丸の内線の中で昨日プリントアウトした尾道・倉敷のパンフレットを読む。
昨晩飲みすぎて若干二日酔い、眠い。

下期最大の難易度案件が本番リリース。
リリースモジュール(設定ファイル)の誤りに作業直前になって気づいて
急遽その場で修正してリリースするが、動作確認を行ってもうまく動かない。
青ざめる。一つ一つ切り分けていく。
切り戻し作業直前となって、これじゃないか、とお客さんが気づいて
その箇所を直して再リリースを行った。今度はうまくいった。

・結合テストに当たって設定ファイルを本番環境と検証環境とで別物にしたとき、
 テストが終わって元に戻し忘れた。それがそのまま本番環境に上がるところだった。

・サーバの改行コードがLFで、その場で修正したときに
 WindowsのPCのテキストファイルを開いて設定値をコピー&ペーストした際に
 恐らくCR+LFのCRが付与したと思われる。viからだったので気づかず。

ミスは重なるもの。その間エンドユーザー影響無しだったため、
かろうじてお咎め無しとなる。

一息ついて午後は午後で重ためのレビュー。
昼、近くの中華弁当。麻婆豆腐とチャーハン。
夜、キッチン南海でカツカレー。
19時のバッチ処理を稼働確認。
20時まで仕事終わらず。

帰ってきて週末の旅行の荷造り。
4日分の着替えともなるとけっこうな分量になって大型のリュックサック。
洗濯もする。
「ほんばこや」に一本、昔のをリサイクルして送る。
これは物議を醸しかけてスルーか。
午前1時に眠る。

---
2/14(木)

バレンタインデー。
営業の新人の子がPJの男性メンバーに配ってた。大変だ。
明日からリフレッシュ休暇。
仕事が無事に一段落するよう、少なめに入れたつもりがそれでも定時までギリギリ。
開発のパートナーさんには仕事丸投げ。
そういえば昨日の本番リリースミスは
影響を受けたエンドユーザーがいなかったということで
おとがめなしになりかけたが今日再度調べてみたら一人いたと。
その瞬間本番障害にカウント。
今月既に3つ目。仕事がイージーすぎる。

昼、PJランチ会。共栄堂でチキンカレー、ソース大盛り。
明日お会いする方の娘さんへと三省堂で絵本のプレゼントを選ぶ。

夜、豪徳寺で打ち合わせ。
アニメーターの方たちと初めて顔を合わせて打ち合わせ。
作品世界の設定のすり合わせ。
こういうの初めてなので内心おっかなびっくり。

空いている時間にあさっての集まりに向けて、
3連休につくった旅のしおりのブラッシュアップなど。
調整事項があれこれとあって。でもまあだいたい片付いた。

帰ってきて旅のしおりの最終版をメーリングリストに送って眠る。
午前1時過ぎ。明日は倉敷、普通に6時起き。


[4446] 文章表現術入門 2013-02-13 (Wed)

まあちょっとアレな話で恐縮ですが。
ギョッとする内容でまずはひきつけます。

『ある日歩いていると道端を季節はずれのゴ×××がモソモソと動いている。
 いつもなら踏みつぶすけどなんとなく、ま、いいかと思った。
 次の日また歩いていたら色白の、薄幸な感じの絶世の美女が現れて、
「昨日助けていただいたゴ×××です。お礼を言いたくて伺いました」
 なにそれ? と思って僕は無視して通り過ぎる。すると…』

人によってはこの先の展開がホラーだったりコミカルなものだったりするだろう。
少しいじってみる。

『ある日歩いていると道端を季節はずれのゴ×××がモソモソと動いている。
 いつもなら踏みつぶすけどなんとなく、ま、いいかと思った。
 次の日また歩いていたら色白の、薄幸な感じの絶世の美女が道端に立っていて
 僕に向かって話しかけてきた。「あの…」』

こんなふうにすると「僕」はつながりが分からなくて、
後に「そういうことだったのか!?」という展開になる。
これを、

『ある日浴室に季節はずれのゴ×××がモソモソと動いていた。
 いつもなら新聞紙で叩きつぶすけどなんとなく、ま、いいかと思った。
 次の日浴室に入ったら色白の、薄幸な感じの絶世の美女がうずくまっていて
 僕のことをじっと見上げていた。』

とするとつながりが分かる。微妙な差のはずなのに。
いるはずのない人がそこにいる、というところですね。

次、こんなふうに変えてみる。

『ある日歩いていると道端を季節はずれのゴ×××がモソモソと動いている。
 いつもなら踏みつぶすけどなんとなく、ま、いいかと思った。
 次の日また歩いていたら色白の、薄幸な感じの絶世の美女が現れて、
「昨日助けていただいたゴ×××です。お礼を言いたくて伺いました」
 なにそれ? と思って僕は無視して通り過ぎる。すると…。

(中略)
 そして僕は末長く幸せに暮らしましたとさ。』

途中を思いっきり読者に丸投げしてみる。
あなたはどういう展開を想像しますか?

こういうときってだいたい、順番を入れ替えますよね。
回想型にしてみたり。

『孫夫婦が賑やかに帰っていった。その静けさの中にふと、
 これまでの私の人生は幸福なものだったということを感じた。
 あの時だったのだな。

 ある日歩いていると道端を季節はずれのゴ×××がモソモソと動いていた。
 いつもなら踏みつぶすけどなんとなく、ま、いいかと思った。
 次の日また歩いていたら色白の、薄幸な感じの絶世の美女が現れて、
「昨日助けていただいたゴ×××です。お礼を言いたくて伺いました」
 なにそれ? と思って僕は無視して通り過ぎる。すると…』

この時間的距離感の伏せ具合が、
え? なんで幸福になったの? しかもゴ×××でしょ?という疑問が、
そのまま奥行きとなる。

今、会社。
ここまで書いてきて、おっと、そろそろ仕事しなくては…


[4445] 2/4-2/10 2013-02-12 (Tue)

2/4(月)

金曜の障害対応を受けて朝夕とログ確認。特に問題なし。
午前中打ち合わせ、昼は近くの中華弁当。エビチリとチャーハン。
夜は腹が減ってセブンイレブンのホットサンドと焼きビーフン。
帰ってきてリンゴの皮をむいて食べる。
例のPJの作業を再開。プロローグ的なショートストーリーの叩き台を考える。
明日は午前休ということで夜は焼酎お湯割を飲み、少しまったりすごす。
午前1時過ぎに眠る。

---
2/5(火)

花粉症の薬をもらいに毎年通ってる浜松町の貿易センタービルの内科へ。
午前休を取る。8時半起き。
低気圧の接近に伴い今日の夜から雪と言われているせいか、風が強い。
まずは図書館へ。例のPJで知らべないといけないことが出てきて何冊か借りる。
9時半、丸の内線に乗って銀座まで。山手線に乗り換えて浜松町。
病院に着くとマスクをしてぐったりした人ばかり。インフルエンザか。
しまった。こういうタイミングで来てしまうとうつるかも…
僕もマスクをしていたが、不安になってしまう。
診察まで30分ぐらい待って薬をもらうまで1時間はいたか。

昼、東京駅まで移動して久しぶりに「ジジ&ババ」でメンチカツ乗せカレー。
以前食べたときにはメンチが小さくなっていてがっかりしたけど、
今回はまた大きくなっていた。前回が何かの間違いだったのだろう。
『禅とオートバイ修理技術』を読み終える。歩いて神保町へ。

夜、教え子と飲むために恵比寿へ。
帰ってきて焼酎お湯割り。0時半に眠る。

---
2/6(水)

先週末からこの日は大雪と言われていたが、
朝起きて雪は降っていたものの積もるほどではない。
東京駅では雨。神保町まで歩いていくうちにみぞれになる。
やがて仕事をしているうちに本格的な雪へ。
湘南新宿線は午前中運休、首都圏のJRは半分程度に本数を減らしたのだとか。
こんなときでもなければ並ばず入れないと昼はキッチン南海へ。
ひらめフライとしょうが焼きの定食。
昼頃雨に戻る。

先週末の障害の続き。別事象が見つかる。しまった…
案件を仕切っていた僕が根本で誤解していて見抜けず。
SEとしての限界を感じる。
残業してまで品質を上げたいとは思わないし、障害対応したいとは思わない。
そういう姿勢が今回のような事象を生んでしまうんだろうなあ。
と言いつつも20時過ぎまであれこれ仕事する。

帰ってきて西友で「ほんだし」を買ってまた三平汁を作ってみる。
今回は酒粕を入れない。なかなかおいしくできた。
例のPJで調べもの。昨日図書館から借りた名言集の類をぱらぱらめくる。

酒を飲まずにはやってられないと焼酎お湯割を2杯飲んで寝る。
午前0時半。
イタロ・カルヴィーノの『なぜ古典を読むのか』へ。

---
2/7(木)

昼、PJランチ会。焼き鳥屋にて親子丼。
昨日の障害の件も筋道が就いて、
来週末の倉敷・尾道ツアーも懸案事項の返答メールが2人から届いて。
あれこれ片付く。
その後ずっと結合テストのシナリオ作り。
今日で終わらせようと無理していたら疲れた。

夜、豪徳寺へ。例のPJ本格的に再開、また忙しくなる。
校長はじめスタッフの方々からリライトの意見をもらう。
すぐ対応できそうなこと、ハードルの高そうなこと。
根つめて打ち合わせした方がよさそうだということになり、
次回は11日の休みに。ま、しょうがないか。
23時に出て、帰ってきて午前0時過ぎ。そのまま眠る。
夜は打ち合わせで出たサンドイッチとおにぎり。

---
2/8(金)

先日の雪が降った日よりもなんだか寒い。
昼、時間がなくて三幸園。揚げバラ肉の甘辛煮とライス。
仕事が終わらずで昼休みも仕事。
それが関係するのか午後の打ち合わせは眠くて起きていられなかった。
夕方、腹が減ってセブンイレブンのカツカレー。
キッチン南海に入りたかったが行列になっていた。
20時過ぎまで仕事して、夜、
三省堂に『野球太郎 No.003』のトークショーを聞きに行く。
帰って来て23時。午前2時までウダウダして眠る。

---
2/9(土)

9時起き。
築地で寿司、キリン横浜ビアビレッジ、横浜中華街。
帰って来て新聞を読んだり。午前1時半に寝る。

---
2/10(日)

9時半起き。洗濯やクリーニング屋。
来週の旅行のスケジュールをまとめる。何時にどのバスに乗る、など。
2/19(火) 尾道から一度東京に戻って北上へ、
その翌日2/20(水) 陸前高田への往復がタイトだ。
最初一ノ関から直通バスに乗るつもりが本数が少なく、
ぐるっと気仙沼を経由してバスに乗るしかなさそうだ。
昼、昨晩西友で買った中華惣菜セット。エビチリ、かに玉など。
HMVで買ったCDが届き、iTunesに移していく。
午後、例のPJの作業を数時間ほど進める。物語の年表を書いてみる。

夜、ジャガイモを茹でてジャーマン・ポテトを作って焼酎お湯割り。
『三月のライオン』を観る。
主演の女優がいい、笑顔や仕草がいいというだけで観ることのできる
2時間ってあるもんだ。『日本製少年』を思い出し、また観てみたくなった。
幼き頃の兄・妹の写真。
「私は兄のことが好きだった」
幼き頃の兄・妹の写真。
「兄が記憶をなくしたから、取り戻すまでの間、兄の恋人となることにした」
幼き頃の兄・妹の写真。
たったこれだけで物語が始まり、広がっていく。
そういう積み重ねをどこまでできるか。

先週の『西瓜』に引き続き、ツァイ・ミンリャン監督の『落日』を観る。
ベッタリと染みついて引きはがせない作品をつくるね。
恋愛映画として観たとき、余りにも切なかった。

その後新聞を読んだりして過ごす。
八戸市立市民病院救命救急センター 所長、今明秀氏について興味を持つ。

Lucinda Williams 「Blessed」を聴く。
ジャケットと歌詞カードにて自ら「Blessed」と書いた
大きな画用紙を掲げる無名の老若男女。
英語が母語じゃない人は自らの言葉で。
「幸せです」ってことかな。いいジャケットだと思った。
Joe Strummer & The Mescaleos『GLobal A Go-Go』を再発されて10年遅れで聴く。
予想外の素晴らしさに悔しく思う。
リアルタイムで聞いた Joe Strummer のソロ
『Earhhquake Weather』のたるさにがっかりしてそれっきりだった。

『ゼロ・ダーク・サーティ』は是非観に行きたい。
監督が『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグロー。
主演がジェシカ・チャスティン。
今年のアカデミー主演女優賞にノミネート。
『ツリー・オブ・ライフ』『ヘルプ』を観てこの女優は素晴らしいと思ったけど、
下馬評では今回も受賞はないのかな。残念。

午前1時過ぎに眠る。

iPhoneを水の張った流しの中に落とすが
一瞬で拾い上げてドライヤーで乾かしたら(今のところ)事なきを得た。


[4444] 自転車に乗って豪徳寺へ 2013-02-11 (Mon)

この日は午後、豪徳寺に引っ越した編集工学研究所にて打ち合わせ。
天気がよかったら自転車で行ってみようと思う。
13時始まりのはずが15時に変更となり、寝床でメールを読んでそのまま二度寝。
11時までウダウダトしていた。
起き上がって着替えて荷物を背負って自転車に乗って出かける。
タイヤに空気がなくなっていて大家さんからポンプを借りるつもりが、
壊れて捨ててしまったという。自転車屋に引っ張っていって空気を入れた。
以前乗ったのはいつだろう? 思い出せない。夏に二子玉川行ったときか。

杉並区立中央図書館に本を返して、そのまま住宅街を南下。
環八にどこかでぶつかるかと思いきや善福寺緑地に出て、
まあいいかと川に沿ってウネウネと走る。
去年の桜の季節、ビール片手に歩いてみたな。
あの時は混んでいて自転車に乗れなかった。
ランニングしている人たちに混ざって遊歩道を走ってると気持ちよかった。
途中で杉並区立郷土博物館の前を通り掛かる。
http://www2.city.suginami.tokyo.jp/histmus/index.asp
こちらは本館。こんなところにあったのか。分館は家のすぐ近くにある。

走っているうちに永福町の近くまで来る。
環八には出ないでそのまま桜上水、経堂へと向かう。
商店街に入って、気になっていたとんこつラーメンの店「英」に入るか迷う。
混んでいたので今回はパスする。
駅の南側に出て商店街を東へ。しばらく進み打ちに世田谷線の線路へ。
もうひとつ豪徳寺で気になっていた次郎インスパイアド系の「りらくしん」の
前を通り掛かるがここも行列。
いったん編工研に自転車を置かせてもらってまた戻ってきたら減ってるだろうか。
そう思ってまた戻ってきたら行列はなくなっていて、おおと思ったら
「CLOSE」と出ていた。13:40まで。ちょうど過ぎたばかりだった。

さて、どうするか。時間もあるし経堂まで行ってみるか。
自転車取りに行くのめんどくさいなあと思いつつ歩いていたら
世田谷線が目に留まり、乗ってみたくなる。
隣の山下まで乗って隣接する豪徳寺から小田急線に乗って経堂まで向かうことにする。
宮の坂の駅まで歩いて、ちょうど電車が来る。
駅の前には休憩所代わりに古くなった車両が置かれていた。
おばさんたちが来た電車に乗るでもなく、座席に座って世間話をしていた。
初めて乗ったのですが、バスのように前から乗って一律の140円なんですね。
走り出すと普通の電車よりもどこか目線が低い。
住宅街の中を走っていって、こういう路面電車が走る町っていいなあと思う。

小田急線もまたちょうどよく各駅停車が来て経堂へ。
ここに以前来たのは学生時代、モスクワ短期留学をジャンケンで勝ち取って
ツアーの手続きをしにいったときか。日本ユーラシア協会とかそういう名前だった。
駅前にお洒落なつくりの小振りなショッピングモールができていて、
その4階が吹き抜けの階段を上って屋上庭園となっていた。
わずかばかりのテラス、広がるのは世田谷の街並みだけどなかなかいい。

商店街を歩いて先ほど通り過ぎた「英」へ。
行列ができていて末尾に並ぶ。30分ほど待ったか。
カウンター10席ぐらいの小さな店。角煮ラーメンにする。
プラス100円で玉子かけご飯や明太子ご飯がサービスだというのでやきめしにする。
食べログなんかを見ると評価は分かれるみたいだけど
僕はうまい方ではないかと思った。臭みがないのを食べやすいと捉えるかどうか。

また小田急線に乗って豪徳寺へ。打ち合わせを終えてまた自転車に乗って帰ってくる。
経堂経由で芦花公園で環八の合流というコース。これが一番近いはず。
僕の足だと1時間で荻窪に着いた。

これから先何度も豪徳寺には自転車で通うことになりそうで、
いろんなルートを開拓してみようと思う。
思い切って環七沿いに南下するのもありか。


[4443] 旅程表2/15-2/22 2013-02-10 (Sun)

来週の旅行に向けて、個人的なメモです。すみません。

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・2/15(金) 新幹線で岡山へ。
 岡山から児島は快速マリンライナーで20分ほど。
 児島から倉敷には直通のJRはなく、一度岡山に戻って
 山陽本線の三原行や備中高梁行など。こちらも20分程度。

----------------------------------------------------------------------
・2/16(土) 倉敷〜尾道間も山陽本線の三原行や備中高梁行。
 倉敷17:05   尾道18:06  (JR山陽本線・三原行)
 倉敷17:25   尾道18:26  (JR山陽本線・三原行)

・尾道〜向島間の往復。貸別荘「安部旅館」には「尾道渡船」に乗る。
「尾道駅前渡船」や「福本渡船」ではないことに注意。
 大人100円、小児50円。
 平日5:40〜22:30、休日6:00〜22:30、5〜10分おき運行。

----------------------------------------------------------------------
・2/18(月) 尾道→生口島。尾道駅前から因島大橋まで「因島路線バス」
 http://www.go-shimanami.jp/access/p.html
 尾道駅13:00  因島大橋13:25
 尾道駅13:50  因島大橋14:15

 因島大橋から瀬戸田PAまで「しまなみライナー」
 http://www.chugokubus.jp/01highwaybus/01highwaybus11.html
 因島大橋13:14 瀬戸田BS13:24
 因島大橋13:49 瀬戸田BS13:58
 因島大橋14:19 瀬戸田BS14:28

 宿までは海沿いに歩くか。フェリー乗り場の近く。バスもある。
 http://www.go-shimanami.jp/access/q.html
 瀬戸田BS14:56 瀬戸田15:16など

----------------------------------------------------------------------
・2/19(火) 生口島から尾道、「せとうちクルージング」
 尾道駅前〜重井〜須ノ上〜瀬戸田 航路。
 http://www.onoport.jp/sightseeing/route4.html

 瀬戸田08:00  尾道08:41  (せとうちクルージング)
 尾道08:52   福山09:11  (JR山陽本線・岡山行)
 福山09:31   東京13:13  (JR新幹線のぞみ22号) もしくは

 瀬戸田09:27  尾道10:06  (せとうちクルージング)
 尾道10:18   福山10:39  (JR山陽本線・岡山行)
 福山11:06   東京14:53  (JR新幹線のぞみ22号)

・東京駅から荻窪まで戻って荷物を整理してまた東京駅へ。3時間ぐらいか。
 東京16:28   北上19:07  (JR新幹線はやて105号)
 東京16:40   北上19:32  (JR新幹線やまびこ69号)
 東京17:28   北上20:07  (JR新幹線はやて107号)
 東京18:28   北上21:11  (JR新幹線はやて109号)
 東京19:28   北上22:02  (JR新幹線はやて111号)

----------------------------------------------------------------------
・2/20(水)
 北上06:13   一ノ関06:53 (JR東北本線)
 一ノ関07:19  気仙沼08:39 (JR大船渡線)
 気仙沼10:24  陸前高田11:03(JR大船渡線振替バス大船渡・一ノ関線・盛行)
 http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/news/pdf_1353288106_1.pdf
 http://www.city.kesennuma.lg.jp/www/contents/1301734701597/files/exbus_ichinoseki_241126.pdf

 大船渡線BRTは3/2より
 http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1359612632_1.pdf

 もしくは
 北上08:56   一ノ関09:40 (JR東北本線)
 一ノ関09:43  気仙沼10:59 (JR快速スーパードラゴン)
 気仙沼11:54  陸前高田12:33(JR大船渡線振替バス大船渡・一ノ関線・盛行)

・陸前高田16:53 気仙沼17:31 (JR大船渡線振替バス大船渡・一ノ関線)
 気仙沼18:00  一ノ関19:21 (JR大船渡線)
 一ノ関19:32  北上20:12  (JR東北本線)

----------------------------------------------------------------------
・2/21(木)
 北上10:29   郡山12:00  (JR新幹線やまびこ52号)
 北上11:29   郡山13:00  (JR新幹線やまびこ54号)

 郡山13:47   磐梯熱海14:04(JR磐越西線快速・会津若松行)
 郡山14:51   磐梯熱海15:10(JR磐越西線快速・会津若松行)

----------------------------------------------------------------------
・2/22(金)
 磐梯熱海10:57 郡山11:13  (JR磐越西線)
 郡山11:37   東京12:56  (JR新幹線やまびこ136号)


[4442] 築地で寿司、キリン横浜ビアビレッジ、横浜中華街 2013-02-09 (Sat)

今日は東京を離れる後輩の送別会ということで終日遊ぶ。
朝、11時に築地市場に集合。寿司を食べるんだけど3連休初日の土曜、大混雑。
(「きつねや」のホルモン丼が気になっていつか食べてみたい。やはり行列)
場外市場の人波の中をウネウネと見て回って、結局路地に入った「虎杖」の離れへ。
どうなんでしょうね。以前たまたま入ってから僕は築地ではここなのですが。
カウンター5名、テーブル2席の小さな店。板前の方とのやりとりも楽しい。
東京を離れる後輩は最後の思い出に厚切り大トロのレアステーキ丼。6,000円。
一切れもらったら霜降り肉のようだった。
僕は炙り丼の上。3,500円。大とろ、金目鯛、牡丹海老など。
うまかったんだけどさすがに今日はかすんで見えた。
さっそくビールも飲む。昼前からのビールは上手い。
外に出て歩いていたら焼き牡蠣を露店で売ってるところがあって、食べてみる。
300円。安い。焼き白子もあった。こちらは200円。
築地の〆は「山長」で玉子焼きの串、甘いの、たれしょうゆあり。100円。

大江戸線で大門へ、浅草線経由の京急の快特に乗り換えて京急川崎で各駅。
生麦駅で下りて、工場見学のためキリン横浜ビアビレッジへ。
駅前はいい感じに寂れている。
生麦事件の生麦ですが、石碑があったりしないんですね。
工場の中に入る。14:00からの回を申し込んでたのが
13:50からの回が空いていると言われてそちらへ。臨時の増発みたい。
ここの見学は2回目。あれは7年前か?
129本の貯蔵タンク。1日1本350mlの缶ビールを1本を飲むとして4000年かかる。
瓶詰めは1分間に600本、缶だと2000本。などなど。
見るものの内容とルートは同じかもしれないけど、
前回から大幅にあれこれ変わっている印象があった。ガイドの方が違うからか。
パッキングは今回もラインが停止していてビデオ映像のみ。
土日は止まってるのかな。シフト制で365日稼動しているかと思いきや、そうではない。
今回の題材は一番絞り。麦とホップと水だけを原料とし、
濾過した一番麦芽汁のみを使用した世界で唯一のビール。
(その他の銘柄ではお湯を足して濾過した二番麦芽汁と混ぜる)
そんな話を聞くと「一番絞りがやたらうまそうに聞こえる。

前回印象になかった歴史のコーナー。
キリンビールの宣伝カーとして警視庁登録番号第1号となった
瓶の形をした車両の「ナンバーワン自動車」の実物(ではなく模型だったか)。
最後に試飲。3杯まで。
「一番絞り」と「スタウト」と「ラガー」の3種類。
最初の一杯目が「一番絞り」固定だったのはキリンビールとしての
てこ入れだったのかな。キリンといえば「ラガー」人気が根強いですよね。
田舎に行くとほんとそう感じる。
一番麦芽汁の説明を聞いた後での最初の一杯目だったので
今日は「一番絞り」がとてもうまく感じられた。

飲んでいると、ガイドの方が家でビールをおいしく飲む方法である
「三度注ぎ」をレクチャー。
・最初はグラスに並々と勢いよく注いでむしろ泡だらけにする。
・泡が5:5になる頃までジッと待つ。
 (待てない人はもう1缶、もう1グラス用意して普通に飲む)
 なった頃、減った分を注ぐ。
・6:4になった頃、再度注ぐ。
 泡が固く盛り上がって、グラスを傾けてもこぼれず、注ぎ足しても溢れない。
「誰か飲みますか?」と聞かれて後輩が手を挙げた。
最初のうちは「へー」と飲んでいたのが、
「しまった、これはできたて樽生ではなく、普通の缶ビールだ」と気づいてがっかり…

ビアビレッジを出て、歩いて新子安の駅まで行って桜木町へ。
ランドマークタワーの展望台に上り、少しランドマークプラザを見た後に、
ワールドポーターズへの小道を歩いて赤レンガ倉庫へ。
この界隈、どこもかしこも混んでいる。
山下公園を半分歩いて中華街へ。
明日から旧正月。媽祖廟に行ったら人形を立てようとしていて、
テレビカメラの撮影クルーが入って撮影していた。
願い事を叶えるために銅鑼を叩いて両手を触れる。
音というか振動を吸収するのはなんらかの呪術的効果を感じる。
1軒目は「謝甜記」でお粥を食べて、2軒目は以前入ったことのある「均元楼」へ。
ここはおいしいし、それほど有名じゃないのでいつ行っても空いてる。
しかも個室がOK。でもここ、昔旅館だったんだろうな。
2階の個室は畳の床の間ありの部屋に円卓。不思議な空間。
紹興酒をボトルで何本も飲む。

東横線に乗って帰ってくる。特急、ほんと速い。


[4441] 『野球太郎 No.003』トークイベント 2013-02-08 (Fri)

仕事を終えてすぐ裏の三省堂へ。
『野球太郎 No.003』発売記念のトークイベントを見に行く。
全然野球に詳しくない僕でも前回聞きに行ったらとても面白かったので。
http://knuckleball-stadium.com/

この前はドラフトの直後だったな。
順位と投球映像を見ながら選手と各球団を評価する。
今回のテーマもやはりドラフト。一年後の注目選手。
最初に話題に上ったのが九州共立大学のピッチャー大瀬良。
流しのブルペンキャッチャーこと安倍昌彦氏は一位になるでしょうと。
早くも年明け10日にその球を受けたのだそうだ。
普通のピッチャーなら正月休み明けで覚束ないところを彼はいい球投げてきた。
年末も投球練習を行い、年明けは5日から。
「球を投げていないと不安だから」
天才型ではなくコツコツと努力を積み重ねてきたタイプゆえに。
阿部氏はもっと体重を掛けて前のめりに投げるようになったら、
もっと右手が前にギリギリまで伸びてマウンドを広く使うようになったら、
面白いことになりそうだという。
野球もバックネット裏で球の速さを見るよりも
1塁側・3塁側の真横からピッチャーの投球フォームを見るのがいい。

次は東海大の菅野へ。
彼は体重を掛けずに重心の位置が変わらずにコントロールよく剛速球を投げる。
その投球はどこに特徴があるかというと左腕。
ギリギリまでミットを伸ばしてそれをさらに外側に反らす。
それを戻す一瞬の「ため」が大事なのだという。ふーむ。

話は途中で日ハムに説得されてメジャー行きを翻した大谷へ。
やはり渋い発言となる。
なぜ高卒でメジャーで成功する選手が少ないのか、
両親も交えて日ハムサイドは滔々と説明したみたいだけど
だったらなぜ二刀流が成功するのかを説明しないのか? なるほどなあ。
ここ40年でもしかしたらそれができたかも、と言えるのは江川卓だけではないか。
そんな逸材を若いうちに翻弄してしまうのはどうか、
まだ未知数の魅力を放つピッチャーとしてじっくり育てた方がいい。
そう、大谷はその身体能力の高さから素晴らしい球を投げるけど、
それだけで勝負してしまっている。
ピッチャーとしてのいやらしい駆け引きを学んだらもっとすごいことになる。

などなど。最後に質問コーナー。
なんでドラフトはピッチャーばかりがもてはやされるのかと聞かれて、
「金属バットの野球と木のバットは全く別の球技です。
 握り方に始まり、切り替えるのに何年もかかる」
「そして今の高校野球の監督は、金属バットで育ってきている」
この発言に何か深いものを感じた。


[4440] 名言を集める 2013-02-07 (Thu)

このところ訳あって古今東西の名言を集めていた。
以下、図書館から借りてきてメモを取ったもののいくつか。
「これはいい」と思ったのもあるし、
「これはこの人の発言だったのか」というものもある。

島崎晋 『名言でたどる世界の歴史』
関厚夫 『一日一名言』
本多正英『英語の名言名句』
今回はこの3冊より。

「神々はわたしを死へ招いたのだ」
 ヘクトル(トロイの王子)『イリアス』

「空に飛ぶ鳥なく、地には走る獣なし」
 玄奘『大唐西域記』

「その前では、サラセン人(ムスリム)も恐怖に蒼ざめて死ぬ」
 コンスタンティノープル市民

「戦は他国にさせておけ。汝は結婚せよ」
 ハプスブルク家

「空間をもって時間にかえる」
 蒋介石

「わたしは、一人のものに可能なことは、
 すべての人に可能である、と信じて疑わない」
 マハトマ・ガンジー

「秀吉が政治家であるとすれば、
 信長は前衛芸術家であり、家康は高級官僚である」
 司馬遼太郎

「二人が出会える場所は見つかるだろうか。
 君のいる沈黙の世界でも、僕のいる音の世界でもないところに」
『愛は静けさの中に』より

「人間は一人では生きることも死ぬこともできない哀れな動物だ、と私は思う」
 高峰秀子

「私の上に降る雪は 真綿のやうでありました」
 中原中也

「希望が私たちに生命を吹き込んだ。
 再び勇気をもたらし、強い気持ちにしてくれたのだ」
 アンネ・フランク

「心だけが、正しくものを見ることができるのさ。
 本当に大切なものは目には見えないんだよ」
『星の王子さま』より

「私は人間ではないのである。私はダイナマイトだ」
 フリードリヒ・ニーチェ

「人は正しく堕ちる道を堕ちきることが必要なのだ」
 坂口安吾

「言葉というやつはいつも理解を妨げるものです」
 マルセル・マルソー

「1杯目は君が酒を飲み、2杯目は酒が酒を飲み、
 そしてその後は酒が君を飲むんだ」
 F.スコット・フィッツジェラルド

「醜い女などいない。怠け心の女がいるだけだ」
 ヘレナ・ルービンスタイン

「この世でもっとも美しいものは最も無用なものである。
 クジャクやユリがその例である」
 ジョン・ラスキン

「犬が人を噛んでもニュースではないが、人が犬を噛めばニュースだ」
 ジョン・ボガート

「結婚における幸福はまったく偶然事でございます」
『高慢と偏見』より

「女は全員結婚すべし。男は誰も結婚すべからず」
 ベンジャミン・ディズレーリ

「金がなくても若くていられるが、金なしで年を取るわけにはいかない」
『やけたトタン屋根の上の猫』より

「人生には二つの悲劇がある。一つは心の欲するものが手に入らないこと。
 一つは手に入れてしまうことだ」
 ジョージ・バーナード・ショー

「夏の午後ーー夏の午後。この二語はつねに私にとって、
 英語という言語における最高に美しい二語であった」
 ヘンリー・ジェイムズ

「真実を語るには二人が必要だ。喋る人と聞く人とが」
 ヘンリー・デイビッド・ソロー


[4439] 渋谷、恵比寿 2013-02-06 (Wed)

昨晩は上京した教え子と恵比寿に飲みに行く。
「pork & Sausage あいびき」
http://www.itadakimasu.jp/
看板メニューのソーセージがホームページの写真よりもむちむちっとはるかに大きく、
それがアツアツの鉄板に乗って出てきて、うわ、やるなあと思った。普通逆なのに。
カウンターの上に置かれた豚の足一本丸ごとから削りとる生ハムも
ジャーキーなんじゃないかと思うぐらいにパンチがあって。
酢の入ったオリジナルなチューハイも酸味と炭酸が絶妙。
何味か当てたら50円引きの「なぞ味」もヒント出してもらって
こっちが当てるまで何度もトライさせてもらえた。やさしい。
塩モツ煮込みもお通しのレバーペーストもうまかった。
いい店だ。また来よう。
恵比寿を開拓したいと思いつつ、なかなか叶わず。

神保町から半蔵門線に乗って、しまった、恵比寿までは行かないんだったと。
待ち合わせの時間まで30分近くあったので渋谷駅から歩いてみる。
日曜の新宿から原宿まで明治通りを歩いた続き。今度もまた明治通りを。
こちらもまたもちろん初めてなのですが、
前を通り掛かるとお洒落なビストロやバーがガンガンに空いてて
もしかしたらこの辺り、穴場なのかもしれない。
平日の19時前という時間だったからかもしれないけど。
これが恵比寿のエリアに入るとまた人通りが多くなって店も混みだす。

飲んでてあれこれ話してて
沖縄に男性一人旅は警戒されると聞いた。ふーむ。
自家製カレーの良し悪しは水とタマネギで決まるとも。
母と自分と同じようなカレーのつくり方をしているのに味が全然違う。
どこに差があるのかと話して、この結論に。そうかもしれない。


[4438] 何かの終わりの部分だけ書いてみる 2013-02-05 (Tue)

人生が旅に例えられるのなら、日々の暮らしも小さな旅になるんじゃないか。
私はそんなふうに思って生きていくことにした。
毎日同じ駅で下りる電車も違う一日へと連れて行く。
同じ日が繰り返されるなんて、ありえない。
私だけのささやかな幸福とはいえ探し求めるものがあるのならば、
向かうべき場所があるのならば立派な旅人になる。

そんな私は今日はどこまで来たのか、
今ここがどこなのか、日誌をつけることにした。
3丁目のパン屋さんが今日で3回目だとしても
その途中で見かける風景は少しずつ違う。
光の傾き、風の匂い、聞こえる声。感覚を閉ざしてはいけない。
子どもたちが手をつないで歩いている。手を離して風船が飛んでいく。
あの風船はどこに行くのか。私は男の子と一緒になって空を見上げる。
泣きそうになった女の子の頬を、しゃがんでハンカチで拭いてあげる。
笑ってほしい。そんな出会いがいつだってある。

いつだって旅の途中。
四季があって、誰かとめぐり会って、それはどこまでも続く。
晴れた日があって雨の日もあって。
鼻唄を歌いながら、お気に入りの傘を差して私は歩いて行く。
そんな私を見かけたのなら、あなたとともに旅のひと時を分かち合いたい。
行き先が違っていても一瞬だけでも触れ合いたい。
そこでさよならになってもいい。
あなたもまた一人の旅人なのだから。

ハローハロー。こんにちは。聞こえますか?
私は今、ここにいます。
あなたは今、どこにいますか?


[4437] 1/28-2/3 2013-02-04 (Mon)

1/28(月)

今期再難関の案件、東阪またいだ結合テストを開始。
テレビ会議で言ったことの認識が食い違っていて実施がもたついたり、
最初はばたついたものの午後はおおむね順調に進む。
そうすると先方から今日無理してでも全部終わらせたいとリクエストが来て、
要員を残業させる予定がそもそもなかったのに
22時・23時まで残すのはいくらなんでもNGでそう答えたらムッとされた。
東京側のお客さんもそこまでしなくていいと言ってもらえて。
一応こちら側の主張は通ったものの
これまで大阪側のお客さんとは良好な関係を維持してきたので
しこりを残したのは残念。

昼、そんなわけでバタバタしてて11時に買った
近くの中華弁当(チャーハンと麻婆豆腐)が13時半まで食べられなかったり。
夜、セブンイレブンのサラダと掻き揚げそば。

帰ってきて新聞を読んで、
『禅とオートバイ修理技術』の続きを。驚愕の展開へ。
23時には布団に入って、Rockin'on JAPAN の先月号を。

---
1/29(火)

昨日からの結合テストが昼過ぎに終了。
相変わらずギクシャクはしたものの大きな問題はなし。
昼、もう一軒の中華弁当。カレーとチャーハン。
午後はボチボチと仕事をして帰ってくる。
今期最高に難易度の高い案件がようやく一山超えて
夜、ひとり打ち上げ。フライドチキンと餃子で焼酎お湯割り。

シャーデー、2011年のライヴDVDをボケーッと観る。
日本に来ることがあったら絶対観に行きたい。
チケット取るの難しそうだけど。
シャーデーはほんと素晴らしいね。
セクシーなのに上品で、知的でユーモアがあって。孤高の人。
最後のメンバー紹介で笑いながら
「この人がオシャレと同じぐらいにベースの練習をしていたら
私たちは今頃世界を極めていたわ」と言う。
それは、私たちにとってはあなたが最高のベーシストよ、
ということの裏返しであって。他のメンバーにもこんな感じ。
知性ってこういうことなんだなあと。

---
1/30(水)

昼、大戸屋にて蒸し鍋定食。メンチカツ追加。
1日の大半が打ち合わせ。
夕方の打ち合わせが長引いてまとめているうちに残業。
後輩たちと飲みに行きたくもなるが、我慢する。
夜はご飯を炊いて焼いた鮭とセブンイレブンのチキン南蛮、ワカメスープ。
復活後の『Ele-King』の『vol.6 エレクトロニック・レディランド』が
amazon から届いて読む。Julia Holter, U.S. Girls, Maria Minerva など
いくつか気になるアーティストが出てくる。
Ela Olreans のアルバムをダウンロードして聴く。
The Boats で歌っていたのは Cuushe だったことを知る。
恥ずかしながら声の感じからツジコノリコだと勘違いしていた。
午前0時半に眠る。

---
1/31(木)

昼、半分のメンバーでPJランチ会。
坦々麺を食べようということで「かつぎや」に行くがいっぱいだったので
裏の「辣椒漢」へ。程よい酸味に山椒の辛さ。こっちの方が本格的か。
前回汁なしの「正宗坦々麺」だったので今回は汁ありの「日式坦々麺」へ。
夜、冷凍庫の焼いた鮭を温め直して食べるのも飽きてきて、
じゃがいもとにんじんもあることだしと西友でネギと酒かすを買って
家に帰って三平汁を作って食べる。
母のは澄んだ透明の塩味のスープで、どうやってだしをとっていたのだろうか。
分からず普通に濃縮の昆布つゆを使う。酒かすは使うの初めて。少し入れすぎる。
だいたいのところうまくつくれた。来週もまた試そう。
メールを書いたり新聞など読んでいるうちに23時を過ぎる。
『禅とオートバイ修理技術』の上巻を読み終える。

---
2/1(金)

ここ数年着てなかった Karrimor のジャケットで出社。
昼、PJメンバーと「いもや」の天ぷらへ。エビ定食におしんこ。
カラッと揚げたては衣がスパイシー。

夕方、リリース後の初回稼動確認として本番サーバでログを見ていたら
出力されるエラーコードがなんだかおかしい。調べてみると不具合。
A or B のときに出力されるべきエラーコードが B のときのみとなっていた。
テスト時には A or B のみテストしていて、A のみ B のみはテストしていなかった。
余りにも初歩的なミス。
この日のうちに修正、動作確認、リリースし直し。
そこまで遅くはならず、19時半には片付く。
気がついたのが早かったので対象者はひとりだけ、大事にはならなかった。
この日たまたま発生したエラーコードのため見過ごしていた可能性が高かった。
危ないところだった。

この日は会社の懇親会。まあ僕は行かず。
後輩がハワイ旅行をあてたらしい。

ジャガイモとニンジンが余っている。
西友で買った鶏肉とタマネギ、ニンニクでポトフを作って食べる。
鶏肉でもいいんだな。仕上げにバターを入れたらうまかった。
焼酎お湯割を呑みながら
デヴィッド・クローネンバーグ監督の『イグジステンズ』を観る。
ウィレム・デフォーが出ているのがいい。
Rockin'on の最新号などをウダウダ読みながら過ごし、午前1時に眠る。

例のPJこの数週間休んでブラブラしてたけど、招集がかかった。
2月はまた忙しくなりそう。

---
2/2(土)

最高気温20℃? 温かい一日だった。
8時半起き。眼科へ。大事には至らず。
その後丸の内線に乗って池袋へ。
『禅とオートバイ修理技術』の続きを読む。途中ウツラウツラする。
池袋に着いて「沌ちん」で味噌ラーメンを食べる。
クリーミーだけどしつこくなく、僕は好き。
食べてそのまま帰ってくる。
クリーニング屋。洗濯。例のPJに関して資料に目を通し、電話で話す。
夜、ジャーマンポテトを作って食べるが、
つくり終えたあとにケチャップが部屋にないことに気づく。

台湾映画の『西瓜』を看る。『エル・トポ』以来のヘンテコな映画。
と思いつつ、しっかり引き込まれる。忘れられない映画になりそう。
見終わって調べて気づく。ツァイ・ミンリャン監督だったのか。
日本版のDVDはなぜか竹書房から出ている。
かなり気になる。他の作品を見てみることにしよう。

その後 Slipknot の2枚組ベストの特典DVDのクリップ集を観る。
映画の『バイオハザード』のゾンビが群がる場面と
ダイヴしてモッシュピットがもみくちゃになる場面とをつなげてた。
なるほどなと思った。
それにしても9人目のメンバーがどこにいる誰なのかよくわからなかった。

---
2/3(日)

9時起き。「ほんばこや」のちょっとした作業。
スザンナ・ホフスとマシュー・スィートによるカバー集のvol.2を聞く。
「All The Young Dudes」「You're So Vein」「I've Seen All Good People」
「Hello It's Me」「Dreamin'」「Killer Queen」など。
洋楽の入り口ってこういうのがいいのかも。

その後丸の内線で池袋、歩いて新宿、渋谷。
明治神宮では福豆が売られていた。買うかどうか迷ってやめた。
Cafe Miyama にて「ほんばこや」の打ち合わせ。
貸会議室を借りる。最近こういうスペース東京で多いですね。
終わって「成」という居酒屋で飲む。いい店だと思う。
昼に食べた「蒙古タンメン中本」の辛いタンメンが久しぶりだったので
夜は腹の調子が悪く、何度もトイレへ。
22時まで飲んで帰ってくる。

学校から次の半期のオファー。また忙しくなりそうだ。


[4436] 池袋、新宿〜渋谷 2013-02-03 (Sun)

昨日の東京は20℃を超えたのだとか。
ダウンジャケットだと暑かった。
今日もまたその名残なのか温かい1日だった。
予定のない暇な時期もそろそろ終わりそうで、終日ブラブラと出歩いていた。

10時過ぎに部屋を出る。
昨日同様、池袋まで丸の内線で往復して『禅とオートバイ修理技術』を読む。
池袋に着いて12時前、どこで食べようか。
「蒙古タンメン中本」に行ってみることにする。池袋は初めて。
うまいけど体によくないだろうなあ…、とこのところずっと食べてなかった。
入ってみたら狭い店舗の中で10人ほど待ち。
食べ終わる頃には外を出て2階の店舗、階段の外まで行列になっていた。
Karrimor や mont-bell を着るようになってからアウトドアブランドが気になって
L-Breath と好日山荘に入ったのち、東武百貨店へ。
メトロポリタンプラザはルミネに変わってたんですね…
地下に入ってエチカへ。
カフェを見つけて紅茶を飲みながら『禅とオートバイ修理技術』の続きを。

この日は17時半から「ほんばこや」の打ち合わせが渋谷であった。
丸の内線で新宿まで移動して、14時前。渋谷まで歩いてみることにする。
新宿から代々木まで、原宿から渋谷までは何度もあったけど、
代々木から原宿までを歩いたことがない。
なんとなくパンクな気分で crass のベストを聞きながら
高島屋のタイムズスクエアを歩いて、代々木へ。
それぞれにおしゃれな新宿と原宿に挟まれて
駅前のチェーン店居酒屋の並びも垢抜けず取り残されたように思う。
共産党のビルがあった。この周りが閑散として人通りがない。
全共闘時代に「代々木」と言うと…、ということを思いだす。

南に下っていって、明治通りへ。住所は千駄ヶ谷となる。
副都心線の北参道駅。カレー屋がちらほらとある。
「イトキン」と書かれたビルがいくつか並んでいて、気になった。
原宿駅方面に向かう。人通りがグッと多くなる。
どこをどう見ても男性な人がメイド服を着て無言で歩いている。
それを外国人観光客が喜んで写真に撮っている。

なんとはなしに明治神宮へ。
緑の中、幅広い道を歩くというのは気持ちいい。
最近疲れ気味の目にもよいように感じる。
正月には初詣客で埋まるのか。想像がつかない。
歩いていたら日本酒の樽が奉納されている角に出る。
その向かいには道を隔ててワインの樽が積み重ねられていた。
「「和魂洋才」を旨とし、わが国の伝統のこころを守りつつ」
明治天皇は積極的に西洋を取り入れ、食事には葡萄酒を好んだとのこと。
樽はブルゴーニュから奉納とのこと。

参拝しておみくじを引く。ここのは大吉・凶というのではなくて、
ありがたい言葉が書かれているだけ。「あれ?」という感じ。
周りの人たちも首をかしげていた。
僕が引いたのは明治天皇のお言葉だったかな。
最初勝手が分からなくて、外国人向けの英語のを引いてしまった。
これもまた時代の分からない天皇によるものだった。うーむ。

引き続き歩いて、渋谷へ。
○|○|の前でアイドル・グループがイベント。
集まりまで1時間ほど時間がある。
スタバでもドトールでもどこでもいいから入って
『禅とオートバイ修理技術』を読もうとするがどこも混んでそうで。
渋谷ってなんでこんなに人が多いのか…
EXCELSIOR CAFE に入ったんだったか。
2階席は混み合っておりますと言われた。
渋谷に落ち着いて本を読める喫茶店はあるのだろうか?

それと路上をノロノロ走ってるあの宣伝用のトラックは…、なんなんだろ。
アイドルグループとかソーシャルゲームとか。
僕のようなおじさん世代だと逆に反感を抱くけど。


[4435] 眼科へ 2013-02-02 (Sat)

午前中、眼科へ。
2週間前にも来てみたのだが保険証を紛失してこのときは受診せず。
再発行されたのでようやく診察を受けることができた。

年末に左眼の飛蚊症に気づく。大きくはならないけどなくなりもしない。
それが見えるのか何なのか気になって捉えようとしたのが眼を酷使したのか
ここ数週間は目も疲れて視力が下がったように思う。
遠くがぼんやりと滲んで見える。左眼の方が特に。そんな状態。
これまでにも何度か疲れ目から一時的に視力が下がったことがあった。
しかしそれも目薬を定期的に打ったり目を休めるようにしていると
いつのまにか自然と直っていた。今回もそうなってくれるといいのだが。
この2週間の間で飛蚊症よりもそちらの方が気になるように変わった。

この前よりも早く9時に到着するが前回同様満席。
たまたま近くにあったのがここなんだけど、ここに限らずどこもそうなんだろうな。
眼鏡・コンタクト人口も高いし、眼科っていつも大勢患者を抱えているように思う。
(そう言えば20世紀前半は貧しい地域に伝染性の眼病で失明する人が多く、
 全国の町村で目医者が今よりも二倍か三倍はいたと聞いたことがある)

1時間近く待つ。壁には緑内障への注意喚起のポスターが貼られている。
紙いっぱいに広がる幾何学的な升目模様。
1mぐらい離れて眺めたときに欠けたところがないか自己診断する。
40代以上の30人にひとりが緑内障になるという。
一度欠けてしまった領域は元に戻らない。薬でどうこう、とならない。
こういうことが平気で書かれているから、眼科が一番怖い。

僕の番になる。まずは視力の検査からというので片目ずつ覗いてみると
草原の中に建つ家がピンとが合ったり合わなかったりを繰り返す。
調節能力を試されているのだろうか。
次は眼圧。人間ドックでもやるけど眼球に空気が吹き付けられる。
これ、何度受けても慣れない。ビクッとしてしまう。
その次にようやく視力の測定。
左眼の視力が大幅に下がっているんじゃないかと怖かったけど、
受けてみたら普通に両目とも1.5あった。左眼ももっと先まで見えたな…
今は2.5ぐらいあったのが2.0にまで落ちた状態なのか。
なんにせよほっとする。

診察室でもっと詳細な検査を受ける。
鋭い光を当てながら眼球を上、右上、右、右下、下、左下、左、左上と動かして
測定器越しに医者が毛細血管の状態などを調べる。
終わってもう一度今度はルーペで覗き込む。
結果左眼は生理的な飛蚊症であって、問題なし。
一言で言えば眼の老化。網膜剥離などの病気ではなかった。

ただ、眼圧がどちらも正常よりも高かったので
ビタミンの入った眼精疲労の目薬をもらって一ヶ月様子を見ることになった。
視神経を束ねる箇所がゆるくなって、疲れ目の原因となる。
不思議なことに右眼の方が眼圧が高かった。

大事にならずにすんでよかった。
目薬を差して、しばらく様子を見る。


[4434] 「微熱」 2013-02-01 (Fri)

時々「人類」のことを思う。僕やあなたが属している、人類。
あてもなく、ぼんやりと。
ベランダに出て煙草を吸いながら。東京の夜景を眺めながら。

妻が寝込んでこれで3日になる。会社も休んでいる。
女性だからというわけでもないが、
僕の身の回りでは誰よりも「それ」に影響を受けやすかった。
微熱が上がる。38℃。
その時期が来るとそれ以上となることはない。それ以下になることもない。
妻は時々ベッドから起き上がって、毛布に包まってソファーに寝そべって
無言でテレビを眺めている。
熱を計った体温計をテーブルの上に放り投げていつのまにか眠っている。
僕はお粥を作って食べさせ、5歳の息子と3歳の娘にも簡単な食事を作る。

子どもたちが無邪気にはしゃいでいる。
小さなぬいぐるみを手に誰もいないリビングを走り回っている。
時々ピタッとふたり立ち止まって、そこに何もないはずの天井を眺める。
口をわずかに動かしてその向こうの誰かと会話をしている。
病気ひとつ経験したことのない健康な体。エネルギーの塊だ。
彼らは新しい人類なのだと人は言う。
5年前に古い世界は終わってしまったのだと言う人もいる。
僕らは常に微熱を抱えて生きるようになった。
人類はかつての平熱を失った。

宇宙から来た未知のウィルスなのか「神の怒り」なのか。
いがみ合っていた国家が連携して研究しても、原因は見つからなかった。
僕もまた微熱を通り越して、体温がゆるやかに上昇していくことがある。
そんなときは眩暈がして遠くに白い光が見えるように感じる。
周期性や規則性はなく、月の満ち欠けにも関係はなく。
あくまでランダムに。誰かの気まぐれに付き従うかのように。

ソファーで眠っている妻に毛布を掛けると
僕は子どもたちに上着を着せて寒くないようにして外に出た。
マンションの外にある公園に向かった。
敷地内に足を踏み入れると子どもたちは上着を脱ぎ捨てて砂利道を駆け出した。
僕はそれを拾い上げてダウンジャケットを着た自分の腕に掛けた。
あちこちで元気な笑い声が聞こえた。
半袖姿の子どもたちが砂場でとてつもなく大きな砂の城をつくり、
ジャングルジムの上で逆立ちを競い合う。

ひとりが肩に乗ってもうひとりがその上に乗って、さらにもうひとり。
大人を超える高さになって、その柱が何組も寄り集まって「巨人」をつくる。
巨人同士が戦い合う。負けた方が吸収されてさらに大きな巨人となる。
それが子どもたちの間ではやっていた。
大人たちがどれだけ嫌がってやめさせようとしても
全世界の子どもたちが夢中になっていつも日が暮れるまで続けた。
僕の息子は最初顔の位置に着き、その後娘が目となった。
僕はそんなふたりをずっと眺めていた。
ひとりポツンといつものように
終わらない微熱、押し寄せる寒気に身を任せながら。


[4433] 最近疲れてます。 2013-01-31 (Thu)

ちょっと前に facebook / twitter に書いたことですが。

ラーメン屋の湯切りがオーバーアクションで芝居がかってると
「ああ、この店は自己満足でラーメンをつくってるのだな」と思って、
二度と行かない。「湯切り入ります! セイヤッ!!」とか。
それが「何とか切り」と必殺技のように呼ばれてるとか。
アホか。さっさと運んで来い。

そんなわけで。
なんかこう普通のラーメン屋って最近出会ってないなあと。
気軽に入って、普通にラーメンが出てきて、ボケーッと食べられるような。
変なこだわりもなく、愛想が良くも悪くもなく、
内装やBGMに凝ることもなく、清潔で淡々としている店。
一言で言うと気さくに入れる店。

どこそこの店の二代目とか継承とか言ってる時点で
借り物っぽくて中身がなさそうだなーと思いつつ
入った途端意味不明な掛け声を店員皆が叫ぶとか、疲れます。
そんで背脂の使い方とか研究しまくってるのに頼んだトッピングを忘れるとか。
浅草の某製麺所の極太麺を使っているとデカデカと書いているとか。
食べ終わったら丼を上に戻して布巾で拭くのが「マナー」とされていて
知らないのは野暮だとされるとか。
常連さんばっかりで店長がずっと誰かと話してて、
お得意さんにだけは「例のあれ」を出すとか。
1日限定10食という割にはいつ行ってもあるとか。
どこそこの有名店の店長が来たとかで色紙や一緒に撮った写真を貼ってるとか。
なんかもう新しくできる店のことごとくがめんどくさい。
ラーメンが文化になるのはいいけど
サブカルチャーになるのはあんまいいことない。

魚介とんこつという語義矛盾も野菜がエベレストとかもういいからさ、
普通にしょうゆ味で澄んだスープのあっさりしたラーメンを食べたい。
そういうのは古くからの客の少ない店にしかないのか。
(でもその場合、ほんとにダメな店も多いからなかなか入れない)
調味料も食材も必殺技もゴテゴテと足していくばかり。
どうしてシンプルに削ぎ落としていく方向にラーメン界は向かわないのか?
早い話、量とか奇抜さとか常連や仲間内のつながりを大事にするとか
ごまかしてるとしか思えないんですよ。

すいません。最近疲れてます。


[4432] オートバイというもの 2013-01-30 (Wed)

『禅とオートバイ修理技術』という本を今、読んでいる。
70年代カウンターカルチャーのバイブルのような本。
主人公は友人たちとまだ幼い息子と共にバイクに乗ってアメリカ中西部を旅をする。
その合間合間に謎めいた哲学的思索を深めていく。
(それはかつての抹殺された人格によるものであって、記憶を取り戻していく)

彼らはハイウェイを避けてひと気のない郡道をひた走る。
果てしなく広がる田舎の一本道。
同じ光景が続いて一見退屈そうだけど、
思うところあって何かをじっくり考えてみたいのならば
それはきっと素晴らしい旅になるだろう。
僕もまたバイクに乗ってみたいと思った。
単なる移動手段ではなく、旅のお供でもなく。
それ以上のものになりえるということを初めて、知った。

これまでバイクというものにはほとんど興味を持ったことがない。
『イージー・ライダー』であるとか70年代のアメリカ映画を見たとき、
国井律子氏のエッセイ『アタシはバイクで旅に出る』のシリーズを読んだとき、
少し心を動かされる。しかし、乗りたいとまでは思わなかった。
自分にはペダルを自分で漕ぐ自転車の方が合っている。

そもそも周りにバイク乗りっていないんですね。
親戚、友人、同僚を見渡してみてほんの数えるほどしかいない。
自然と自分の身の回りの世界にオートバイというものが入ってこない。
小さい頃に従兄弟が乗ってて、土日にガレージでいじってて、
後ろに乗せてくれたという体験があったりすると違うんだろうけど。

しかも青森で育つとなかなかお目にかからなかったような。
冬に雪で閉ざされると誰も乗らないですよね。
街中をスーパーカブで頑張ってトロトロ走ってる
おっちゃんを見かけることはあっても、
スリップしやすい山道を走る向こう見ずな人は若者であっても皆無。
その分逆に、夏、南から来たバイク乗りたちの方が印象に残ったような。
竜飛岬のワインディングロードを風のように駆け抜けていたり、
埠頭で北海道へと渡るフェリーを待っていたり。
彼ら、彼女たちは別世界の人たちだった。

そんなわけで僕はバイクどころか原付すら乗ったことがない。
乗ったら人生変わるのかね。
40代が近づいて興味をもって始めたことって一生続きそうな気がする。
どこかで何かきっかけがあれば、僕も乗るかもしれない。
憧れのようなものが芽生えた。


[4431] パンクロックというもの 2013-01-29 (Tue)

最近、パンクロックについて考える。
中1のときにブルーハーツと「TRAIN-TRAIN」に出会って以来の
長い付き合いなわけですが、年を追うごとになんだかよくわからなくなってくる。
ロックはパンクとパンクじゃないものとに分けられるようでいて…
いや、そもそもどこからどこまでがパンクなのか。
というより、ロックは全てパンクじゃないのか。

代表的なものを挙げるのはたやすい。
しかし、Crass や Discharge と
Green Day や Offspring が同じかというと全然違う。
単に時代や地域のことではなくて。
Ramones は誰に聞いてもパンクと答えるだろうけど、
具体的に「I Wanna Be Your Boyfriend」がそうかというとなんか違う。
かといってサブジャンルをどんどん定義していくとつまらなくなっていく。
同じように、どこが周辺なんだろうか。
例えば日本だと The ピーズやフラワーカンパニーズはどうなのか。

曲や演奏の形式ではなくて、態度やイメージなんだろうな、
というところでいつも思考が停止する。
反抗、Noを突きつけること、拳を振り上げること。
いや、そうなのか。それだと薄っぺらくないか。

飢餓があって、そこから焦りが生まれて、苛立ちが募っていく。
それを吐き出すのだから曲は短くもなり、単純にもなる。
その裏返しに寂しさや孤独があるから、人目をひきつけたくなる。
だけどディスコミュニケーションは永遠について回って、仲間内で群れるようになる。
最近、そういう音楽なのだと思っている。
ディスコミュニケーションが解消されるとき、パンクはパンクでなくなる。
卒業するというか。
(しかし、なかなか卒業できない。たぶん、僕も含めてほとんどの人は一生できない)

そこには未来はなく、居心地のよいコミュニティの中で
内向きの視線が捕えた過去と現実とだけがある。
「No Future」とは実はそういうことなのだ。
あくまで現実に対する批評であって、変革を実は求めていない。
逆説的にそういうものなんじゃないかと最近考える。
やりばのない、反抗。

そんな僕が今、この辺りがパンクだと思うのは
The Pop Group「Fores of Oppression」
Gang of Four「At Home He's a Tourist」
Public image Ltd. 「Four Enclosed Walls」
The Smiths 「Queen Is Dead」
世間的にはニューウェーヴとされる実験的な音楽の方がパンク。
閉鎖的な批評性をどんどん高めていったから。
Sex Pistols や The Clash 辺りよりも。
いや、10年後には一回りしてそっちこそパンクと戻っていくのか。


[4430] 1/21-1/27 2013-01-28 (Mon)

1/21(月)

飛蚊症に関係するんだろうけど、異様に目が疲れている。
遠くのものがぼやけて見える。これまではそんなとき、
しばらくすると自然に治ったもんだけど今度はどうなんだろう。
左目だけ視力が下がっているのかもしれない。肩こりも激しい。
なくした保険証の再発行の手続きをする。

新しい PC へとデータ移行して使い始めた。快適。

昼、大戸屋にてえびかつ定食。
夜は焼いた鮭とごはん。のり。わかめスープ。
食べながら Salyu のライヴ DVD を何曲か観る。鍵盤を小林武史のふたりだけ。
夜は新聞を読んだり。

ようやく風邪が治った。

---
1/22(火)

依然として目が疲れていて、ブルーベリー+ルテインのサプリメントを買いに行く。
しばらく飲んでみることにする。
昼、大戸屋にてチキンかあさん煮定食。
夜、図書館に寄る。書庫から持ってきてもらう間に
図書館サイトのパスワード変更を行う。
帰ってきて短い書評(ってほどでもないか)をふたつ書いて
「ほんばこや」にアップする。
夜は昨日に引き続き、焼いた鮭とごはん。
セブンイレブンのエビマヨのサラダ。わかめスープ。

---
1/23(水)

昼、大戸屋も飽きて「三幸園」へ。レバネギ炒めとライス。
夜、PJの送別会。近くの「バル マラケシュ」へ。
料理はうまかったがワインが中心。ラムやウォッカがない。
あと2階席は禁煙で、喫煙者は下に吸いに行かなくてはならない。
そうか。その辺り、予約時に気がつかなかった。
店そのものは好評だった。また利用しよう。
2軒目は「とんちゃん」でさくっと23時過ぎまで。
「カラベラ小劇場」は例によって入れず。なんなのか。
午前1時に眠る。

---
1/24(木)

来週の結合テストの準備をメリメリと進める。
PJランチ会。デニーロが月イチのクリームの日。
トマトソースとサーモン、かぼちゃ、ズッキーニだったか。
帰って来てご飯を炊いて鮭とワカメスープ。
セブンイレブンで買った豚シャブサラダ。
午前0時過ぎに眠る。

ようやく『エスケープ・ヴェロシティ』を読み終える。

今週はひたすら Archers of Loaf ばかり聞いてる。
LP/MP3オンリー?のライブアルバムを見つけてダウンロード。
あとB面集も amazon でオーダー。

---
1/25(金)

結合テストの準備で今週は終わり。
昼、御茶ノ水と神保町の間にあるラーメン屋「美空」へ。
生姜が入ってて珍しい。評判ほどのものではないな。僕的に。
夜は残業。19時にオフィスを出る。
ルミネの地下の練り物屋にて2パックで半額のイカフライなど買う。
あと西友の焼鳥。夜、焼酎お湯割を呑みながら
『ONCE ダブリンの街角で』を観る。
拙いけど、音楽好きにはたまらない、いい映画だった。
「Following Story」は名曲だ。

---
1/26(土)

9時起き。上司の家で新年会。清瀬へ。
酔っ払って帰って来て23時には眠る。
Gotie 『Making Mirrors』を今頃聞く。
普通に内容が素晴らしい。あくまで、普通として。
一時期 Gotie「Somebody That I Used To Know」
をラジオで聞きまくってたもんですが。
アルバムの中で聞くとやはり
「なぜこれが全世界で爆発的なヒット?」と思う。
他、Elin Ruth のサンプラーがよかった。

---
1/27(日)

9時起き。床屋へ。待ってる間、『禅とオートバイ修理技術』を読む。
終わって高円寺へ。スタ丼屋でしょうが丼を食べて帰ってくる。
昨日食べ過ぎてあまり腹は減ってなかったんだけど。
こういう時って大食いを続けたくなるもんで。怖い怖い。
帰って来て洗濯、クリーニング屋。
アパートの契約更改の書類を記載して判を押して家賃と一緒に渡しに行く。
(連帯保証人も自分で書くようなかたちだけの簡単なもの)

先週に引き続き、丸の内線の中で読書。池袋まで行ってまた戻ってくる。

夜、『愛を読む人』を観る。後半、え? と驚きの展開。
「アウシュビッツものは確実に感動できるだろう」
と思って選んでる自分がどこかにいることは否定できない。
『ソフィーの選択』のメリル・ストリープであるとか、役者の全存在が試される。

焼酎お湯割といつもの砂肝燻製など。
Alicia Keys の新作を聞く。特に心には残らず。


[4429] 『ONCE ダブリンの街角で』 2013-01-27 (Sun)

金曜の夜、会社から帰って来てから『ONCE ダブリンの街角で』を観た。
ダブリンの街角で歌っている年食ってパッとしない風貌のギター弾きが
チェコ移民をピアノの弾ける若い女性と出会い、
演奏や曲作りを通じて恋が生まれかける。
しかし男にはかつて愛した女がいて、女は祖国に旦那を残していて。
拙い作品だけど(特に撮影は素人っぽい)、音楽好きにはたまらない佳作だった。

とにかく曲がいいんですね。
学校を辞めて13歳からバスキングをしていたというグレン・ハンサード
(聞いたことないけど Frames というバンドでの活動が長いようだ)
と、映画出演時には19歳だったマルケタ・イルグロヴァ。
(どこかあどけなさが残っていて、
 掃除機を引きずって街を歩くシーンは男心をくすぐりますね)
主役のふたりは役者ではなく、それぞれにシンガー・ソングライターで。
映画では自分たちでつくった曲を歌った。これがどれも素晴らしい。
主題歌「Falling Slowly」はこの年のアカデミー賞歌曲賞を受賞する。
http://www.youtube.com/watch?v=CoSL_qayMCc

その後ふたりは The Swell Season というグループを結成してアルバムを2枚発表。
実際に恋人同士となるが、2枚目の制作を前にして破局。
マルケタ・イルグロヴァは先日紹介の
NoiseTrade からのライヴアルバムが素晴らしいですね。
http://noisetrade.com/marketairglova

映画と主演のふたりについてはこのブログを。
http://naokoguide.blog33.fc2.com/blog-entry-514.html

なお、最近になってミュージカルとして生まれ変わって
2012年度のトニー賞を受賞したようだ。
見てみると、えー… なんか全然違う。
http://www.youtube.com/watch?v=9NXMlRoUIAk


[4428] 清瀬なう 2013-01-26 (Sat)

今日は上司の家でPJの新年会。場所は西武池袋線の清瀬。
バスには乗らずふとした気まぐれで荻窪から歩いて、
下井草を経由して環八に出て練馬高野台へ。
30分ぐらいで着いた。たいした距離じゃない。
(それにしても、環八の地下が地下鉄になったらどれだけいいことか)

買出しの集合が12時で、11時には到着する。
初めての街を歩くのは楽しい。
北口は西友に直結。さすが西武王国。
南口の商店街はいい感じに寂れていたなあ。
小さなCDショップがあって、amazon / TSUTAYA / YouTube の時代に
これからも頑張って続けてほしいなあと思った。
通り掛かったら僕の父の世代の方がシャッターを開けていた。
ひとりかふたりで、店をやってるんだろうな。

今日のテーマはお好み焼きとたこ焼きで、西友で食材を買いすぎた。
お好み焼きは牡蠣にシーフードミックス、めんたい・もち・チーズが
焼かれずに終わった。はしゃぎすぎたな。
たこ焼きはノーマルに蛸でつくったあとは、
ミートボール、コーンととろけるチーズ、イカの塩辛、
惣菜のエビチリでつくってみた。どれもうまかったな。
ホットプレートのたこ焼器で焼くのは初めてだったけど、
竹串でクルッとひっくり返すのもうまくいって
たこ焼ってなかなか面白いなあと。
日本酒にワインに、つまみはローストビーフに自家製ピクルスに
たくさん持ち寄って。楽しい時間を過ごす。

帰りもまた、練馬高野台から荻窪まで歩いた。


[4427] 生姜を飲む 2013-01-25 (Fri)

この冬は家でオフィスでインスタントの
しょうが湯やジンジャーミルクティーばかり飲んでいた。
風を引いたときにはこれとホットレモンを交互に飲んでいた。

ジンジャーミルクティーって最初見かけたときは
正直ゲテモノかと思った。抹茶ラテ以来の。
それがはまるもんですね。
そう言われてみるとミルクティーってスパイシーな方がうまい。
チャイってそうですよね。
というかスパイスをマイルドにしてコクを出すミルクの力か。

この前飲んでて話したときには風邪を引いたら
自分で生姜を摩り下ろして入れるといいと聞いた。
そうかもしれない。
玉子酒に入れるといいかも?
というか今、検索したら風邪の特効薬として熱燗に摩り下ろした生姜を入れる、
ってのがあった。これ、相当効きそう。

インスタントのジンジャーミルクティーは
「Tea's Tea」よりも「Blendy」の方が濃厚でおいしいと思う。
しかし、オフィスの近くのコンビ二から今週消えて、
一昨日最後の1本を飲んでしまって、
あああれはもはや幻となるのかとなんだかやきもきしている。
生産が追いつかなくて一時的に欠品ならばいいんだけど。

しょうが湯はコンビ二で「大辛」というのを見つけて買ったことがある。
クラシエから当社比9倍というもの。確かにヒリヒリ濃厚だった。
風邪の引き始めの頃、これ飲めば治るんじゃないかと
藁にもすがる思いで飲んでいた。
(クラシエのしょうが湯は葛根湯を買うとおまけで一袋ついてくるのがいいですね)

amazon を見ていたら弘前屋というところが出している
「りんご生姜湯」がおいしそうだった。
生姜とりんごも合いますね。
というかなんかものすごく健康によさそう。
http://shop.e-cosmo.co.jp/i-shop/product.pasp?cm_id=218778&to=pr

今日の昼は神保町と御茶ノ水の間のラーメン屋「美空」へ。
摩り下ろした生姜が麺の上に乗っている。
店内で行列待ち。ラーメンそのものは普通だけど、ラーメンに生姜もありだな。
http://tabelog.com/tokyo/A1310/A131003/13121616/


[4426] 私的 NoiseTrade ガイド 2013-01-24 (Thu)

以前アメリカの NoiseTrade というレーベルのことを書いた。
レーベル独自のサンプラーやライブやデモの音源集が
無料でダウンロードできる。

1-25ドルの寄付がほんとは望ましいけど
海外のサイトにカード番号を入力するのもなあと
僕は Twitter でのプロモートに協力するようにしている。
(ほんとはそっちも不要なようだ)

アルバムがたくさんありすぎて
そのほとんどが日本人には馴染みのない名前ばかり。
ガイドの代わりに、これまでに僕がダウンロードしたのを挙げます。
有名なアーティスト、あるいはジャケットから気になったものを。
★がおすすめです。

その他にも Ben Folds, Antenna, Flogging Molly, Calexico
といった名前を見かけた。
Saddle Creek レーベルのサンプラーもあったかな。

ここでたまたま出会った Josh Rouse や Holly Williams が気になって
HMV でアルバムを取り寄せてみる。そういうサイクルが続いている。
自分の知らなかった音楽やアーティストと出会うのに
NoiseTrade はとてもいいですね。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
■Rachael Yamagata『The NoiseTrade Loft Sessions Mixtape and More』★
 http://noisetrade.com/rachaelyamagata

 2012年11月にダウンロード・オンリーで発売された『Heavyweight EP』
 と双子のような関係。ピアノが中心のアコースティックな曲が並ぶ。
 アウトテイク集なんだろうか? それにしては曲がいい。
 『Heavyweight EP』に収録された「It'll Do」や
 『Loose Ends EP』の「Parade」なども入っている。
 単なるサンプラーではなく、1枚のアルバムと捉えてもおかしくない内容。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
■Holly Williams『Holly Williams: Introduction』★
 http://noisetrade.com/hollywilliams

 最近公開されたばかり。トップページで見かけて気になった。
 全然知らなかったんだけど今までに何枚かアルバムを出している。
 ジャンルで言ったらオルタナ・カントリー系か。
 今年2月に発売される新作『Highway』の曲を抜粋して
 ギターだけとかアコースティックなライヴ・バージョンで演奏している。
 トム・ウェイツのカヴァー「Hold On」も収録。
 『Highway』はなかなか期待できそうなアルバム。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
■Josh Rouse『Summertime』★
 http://noisetrade.com/joshrouse

 ナッシュビル出身、ヴァレンシアに移住したシンガーソングライター。
 いくつかは国内盤も発売されている。
 日曜に吹きぬける風のような、飾り気のない小粋な歌を歌う。
 こちらはこれまでのアルバムからのコンピレーション。たくさん入ってお得。
 新作『Josh Rouse and The Long Vacations』もダウンロード可能。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
■Marketa Irglova『Live from San Francisco』★
 http://noisetrade.com/marketairglova
 
 このような作品に出会うのが醍醐味だったりする。
『ONCE ダブリンの街角で』で脚光を浴び、
 主題歌「Falling Slowly」でアカデミー賞の歌曲賞を受賞した
 マルケタ・イルグロヴァの2011年のソロ・コンサート。必聴。
「Falling Slowly」も最後、歌われます。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
■BOY『Music from BOY』★
 http://noisetrade.com/boy

 スイス生まれの女の子とドイツ生まれの女の子が
 ハンブルクで出会って結成とのこと。ドイツでは既に人気なのだとか。
 暗くした Au Revoir Simone みたいな。
 シンプルな何気ない曲なんだけど、何かが、”something”がある。
 2月にワールドワイドで発売されるアルバム『Mutual Friends』を僕も買う。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
■The Civil Wars『Live at Eddie's Attic』★
 http://noisetrade.com/thecivilwars

 『Barton Hollow』が2012年グラミー賞の最優秀フォーク・アルバム賞と
 最優秀カントリー・デュオ/グループ・パフォーマンス賞を獲得。
 確かにこの手のデュオでは頭2つぐらい抜け出た存在なのに
 残念ながら方向性の違いを理由に解散。もったいない。
 ギターとピアノのシンプルな演奏に、芳醇なワインのようなコーラス。
 ヴォーカルのジョイ・ウィリアムズは才能のある人なので
 これからソロで活躍すると思う。
 シャーデーのカヴァー「No Ordinary Love」も歌われます。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
■JD Souther『NoiseTrade Sampler』★
 http://noisetrade.com/jdsouther

 名曲の数々を提供し”6番目のイーグルス”ことJ・D・サウザー。
 NoiseTradeは比較的若いミュージシャンのアルバムが多いので
 その父親の世代って珍しい。NoiseTradeの懐の広さを感じた。
 2009年の『If The World Was You』が24年ぶりのアルバムだったそうですが
 そんなブランクを一切感じさせない若々しい声。
 1970年代はAORで大ヒットしましたが、最近の音はジャジーです。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
■Sufjan Stevens『Silver & Gold (NoiseTrade Holiday Sampler)』
 http://noisetrade.com/sufjanstevens

 ドリーミーなシンガーソングライターとしてはもはや第一人者ですが。
 こういうの参加してそうだなあと思ったらやっぱりそうだった。
 まだ聞いてないけど、クリスマスソングを集めたもの。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
■Low『Plays Nice Places』
 http://noisetrade.com/low

 ポストロック/音響系の人たちとずっと思ってて
 このところご無沙汰にしていたらいつのまにか女性コーラスも入った
 アメリカン・インディーロックの良心みたいな感じになっていた。
 寂しさを知る優しさというか。こういう年の取り方もあるんだな。
 3月にはニューアルバムが出るとのこと。こちらはライブ音源で
 1曲目は Death Cab For Cutie のベン・ギバードが参加している。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
■Sloan『Select Singles 1992-2011』
 http://noisetrade.com/sloan

 以前出したベストアルバム『A Sides Win : Singles 1992-2005』を
 コンパイルし直した感じ。1曲目は「Underwhelmed」で同じだし。
 少しコンパクトになったかな。この手のパワーポップのバンドは
 たくさん詰め込まず、いい曲がいくつか続いてさっと終わるといいですね。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
■Rhett Miller『Live at Eddie's Attic』
 http://noisetrade.com/rhettmiller

 Old 97のフロントマン、レット・ミラーのソロ。
 ギターだけでひとり歌う。客席が近い。熱い。
 これまでに出たアルバムのジャケットを見ると意外とイケメンなんですね。
 しかもどのアルバムも自分の顔が写ってる。自分好き?

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
■Aimee Mann『NoiseTrade Sampler』
 http://noisetrade.com/aimeemann

 こちらは(エイミー・マン側からすると)お手軽なサンプラー。
 ジャケットも『Charmer』そのままだし。
 名盤『Bachelor No2』から最新作『Charmer』まで1曲ずつで5曲。
 だったら映画『マグノリア』の主題歌となって有名な
「Save Me」を収録するかと思いきやしなかったのがエイミー・マンらしさか。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
■Chris Stamey『Chris Stamey Sampler』
 http://noisetrade.com/chrisstamey

 元 dB's のクリス・ステイミーの00年代以後の
 いくつかのソロアルバムからこちらも5曲を抜粋。
 その中のひとつは Yo La Tengo との『A Question of Temperature』
 1970年代から活動してる人だけど
 アメリカのインディー・ギター・ロックの良心とでも呼ぶべきか。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
■Autechre『Tri Repetae』
 http://noisetrade.com/autechre

 NoiseTradeはシンガーソングライター系に限らずエレクトロニカなど
 いろんなジャンルを網羅してますが、驚いたのはこのオウテカ。
 こちらは1995年のオリジナルアルバム。3枚目だったかな。
 珍しくNoiseTradeオンリーのサンプラーやライブアルバムではない。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
■A Guy Called Gerald『How Long Is Now』
 http://noisetrade.com/aguycalledgerald

 オウテカと比べると、この人ならまあありそうかなと。
 808 State の初期メンバーで今もベルリン在住なのか。
 3曲入りで詳しいことは分からないけど
 聞いてみたら表題作はチルアウト寄りのハウスだった。

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■Guster『Live Acoustic Sampler』
 http://noisetrade.com/guster

 アメリカのごく普通の”いい”ロックバンドなんだけど
 ヴァイオリンも入ったアコースティックな編成で
 曲のよさ、ポップさが際立ちますね。
 こちらはダウンロード・オンリーで発売されたアルバムからの抜粋。

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■Futurebirds『Exhume』
 http://noisetrade.com/futurebirds

 ヒゲもじゃのメンバーがいたり、写真を見てこいつら何歳なんだ?
 と気になってダウンロード。カントリー系ロックなんだけど、
 Fleet Foxes や Band of Horses から繊細さを薄めて、
 ガチャガチャときな臭さを密造酒で足しこんだ感じ。
 ギターがギャンギャンなってる曲がかっこいい。
 これを書いている時点で、Top Downloads の1番がこのアルバム。

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■Jars of Clay『Gather and Build: A Collection』
 http://noisetrade.com/jarsofclay

 今回取り上げる中では一番美しい曲を書くけど僕自身はフィットせず。
 草食動物化した U2 / Coldplay というか。
 『Essential』が出てるのでアメリカではメジャーなのか、と思いきや、
 クリスチャン系なんですね…。だから曲が思いっきり優しいのか。
(日本ではあまり馴染みがないけど、アメリカでは一大勢力)
 Sara Goves『Invisible Empires - Acoustic EP』もよかったです。

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■Jay Nash『Diamonds and Blood』
 http://noisetrade.com/jaynash

 ライアン・アダムス系の骨太・実直なシンガーソングライター。
 曲も唄も悪くはないんだけど、というかいいんだけど
 この手の歌い手はアメリカでは飽和状態なんだろうなと。既視感あり。
 その他、例えば Matthew Mayfield『A Banquet for Ghosts』もそんな感じ。

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■Kyler England『NoiseTrade Sampler』
 http://noisetrade.com/kylerengland

 こちらもまた、今、アメリカの女性シンガーソングライターって
 こういう感じのが基準なんだろうなと。
 ピアノやギターによるオーガニックな音ではなく
 打ち込みを使って現代的で都会的な音を聞かせる。
 単館係の映画ではなく、ドラマの主題化が似合うような。
 The Rescues というバンドも手掛けていて、そちらもNoiseTradeにあり。

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■Hillary Hand『Paper Doll』
 http://noisetrade.com/hillaryhand

 全然知らなくてジャケットが気になって聞いてみた。
 無料だから気軽に手を出せるのがいいですね。
 ピアノを弾きながら歌う、どこかマジカルで神経質なポップ。
 未来のレイチェル・ヤマガタか。
 解説を読んだら曲作りを初めて1年なんだとか。

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■Aaron Smith『Love Stoned』
 http://noisetrade.com/aaronsmith

 こちらもジャケットから。ジャンルは Pop / Rap となっていて
 Aaron Smith を検索するとフットボールの選手が出てくる。ここが元ネタか。
 最初ラップかと思いきや、ロックでもありポップでもあり。
 屈折しつつも笑い飛ばして、明るくカラフルで面白い音を出している。
 ちょっと気になる。一昨年出した曲は LMFAO が絡んでいるようだ。
 http://aaronsmithmusic.com/site/

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■Katie Herzig『Nothing! Shhhhhhhhhhhh』
 http://noisetrade.com/katieherzig

 ジャケットがユニークだったので聞いてみた。
 ピアノから始まるエクスペリメンタル・ポップ。
 1曲だけなので判断つかず、他にも聞いてみたいところ。
 NoiseTradeをシングルの発表の場にするケース、けっこうあります。
 Twitterの自動プロモートを投稿したら
 本人のアカウントからお気に入りに登録されてびっくり。
 Low のときにもありましたが、そういうのってうれしいですよね。


[4425] 「砂鉄」 2013-01-23 (Wed)

友達の家でゆるいパーティー。
朝まで飲むことになって気がついたら眠っていた。
夜更けに目を覚ますと部屋の中は暗くなっていて、
隅の方で知らない二人がキスをしていた。
私は寝ぼけたフリをして立ち上がりわざとヨロヨロ歩いて
その辺にあったサンダルを履いてドアを開け、外に出た。
背後から囁く声が聞こえた。「だれ?」とか言ってた。

通りを隔てて目の前に小さな公園がある。
誰もいなかった。腕時計を見た。もう少しで夜が明ける時間だ。
ブランコに乗って、揺れた。遠くを車が横切った。
こんなとこでわたしなにしてんだろうな。

「ねえ」
振り向くと誰かが立ってた。
ミカコの友だち、だったかもしれない。名前が思い出せない。
昨日隣に座って少し話した。学校のこととか、就職のこととか。
クシャクシャになった、自分のものじゃないシャツを着てる。
「飲まない? どっちがいい?」
缶ビールと缶チューハイ。私はチューハイにした。
彼女は隣のブランコに腰を下ろした。
「カンパイ」缶を持ち上げたから、私もそうした。

特に話すことはなかった。ポツリポツリと互いに自分のことを語るだけ。
交差してるのかしてないのか。でも時々、
小声で「あ!」とか「え?」とか言い合って、なぜか笑えた。
頭の片隅でどこか眠たかった。始発になったら帰ろう、と思った。
向こうも同じことを考えていたみたいで、
「どうする?」って聞かれて
家の中に戻って荷物を取って、出ようとした。

「あ、オレも行く」
二階から降りてきた男の子が酔っ払った感じもなくて、普通についてきた。
あなたの友だち? 向こうもそう思っているのか。聞くまでもなかった。
三人で特に会話もなく、駅までの少し遠い距離を歩いた。
白々とだらしなく夜が明けた。
信号が赤になって立ち止まる。
男の子が私に話しかけてきて、私は物憂げに答えた。
何を聞かれてるのか、何を答えているのか、分からなくなった。
こんなとこで、わたし、なにしてんだろうな。

駅に着いて、どっち? という話になる。
男の子は反対方向だった。彼女も、そう。
そこで別れて別々の階段を上ってホームに出た。
向こう側、少し離れたところに二人は立っていた。
男の子が話しかけて、女の子が笑う。少し、近づいている。
私のことなんてもう忘れてしまっただろう。

電車が入ってきて、座ることができた。
窓の向こう、二人の姿が消えていく。私は探した。
でも、二度と会うことはないだろう。
この一日は終わったのでもなく、始まったのでもなく。
宙ぶらりんになってまだ続いている。
私は顔を上げて風景を眺めた。
東京が、広がっている。
全てがまっさらになって地平線の彼方まで。そんな東京を思い描く。
次の駅に着いて下りる人がいた。乗ってくる人がいた。
私の知らない誰かが、隣に座った。


[4424] 「流刑」 2013-01-22 (Tue)

こんにちは。お元気ですか。
前にも書きましたが、お返事は特に期待していません。
この前つい送ってしまったおせっかいな手紙が
あなたの元に届いたのかどうか分からないのですが
わたしの元に戻ってくることはありませんでした。
だから少なくとも封筒だけは、そこに記されたわたしの文字だけは、
あなたの目に触れたのではないかと思っています。

封筒のことを話しておきたいです。
ゴワゴワしたかたい紙に驚いたかもしれません。
あれはわたしがこの村に来て教わったすき方で
初めてひとりでつくってみたものです。この便せんだってそうです。
秋の日に拾い上げた落ち葉をくだいて、少し混ぜています。

さっそくですが、この前の続きを書きます。
わたしの父はわたしが13歳のときに家を出て行きました。
そのときいろいろあって、初めて、わたしが母だと思っていた人は
血のつながりがなかったことを知りました。
父が何番目かに愛した女性だったのでしょう。
今日のような吹雪の日にあの人は帰ってきたわたしを呼び寄せ、
石油ストーブに手をかざして温まりながら、その話をしたのでした。
世の中には知らなくたっていいこともあります。
わたしはそのことを知りたくはありませんでした。
あの人のことをこれまで通りお母さんと呼びたかった。
甘えたかった。つつましく生きていきたかった。

わたしは何かを叫んで、何かを突き飛ばして、
家を飛び出すと暗くなるまで外にいました。雪が頭や肩に降りつもりました。
街はずれをどこをどう歩いていたのか。
それをどうやって探したのか。あの人が迎えに来ました。
わたしの目の前に無言で立っていて、うなずくと、ふたり並んで無言で帰りました。
わたしは、泣いていました。
あなたにも会わせたかった。
その話はそれっきりで、何事もなかったかのように月日が過ぎ去って、
わたしが17歳のときに流行り病で亡くなりました。
父はどこにいるのか分からず、わたしはひとりであの人の写真を抱えました。

こんなことを書いたからといってあなたがわたしを許してくれることはきっとない、
それは分かっています。
わたしの暗い過去を語ってあなたの慈悲にすがろうとしているのでもありません。
あなたがわたしのことを日々、鬼だと言っていたこと、
心の中で憎んでいたこと、知ってます。そう、鬼だったのでしょう。
そんなわたしにも人としての過去があったのです。

これが最後です。あなたに向けてもう二度と筆を取らないことを約束します。
さようなら。くれぐれも体には気をつけて。

追伸。
ここで過ごす初めての冬。窓の外には村が広がっています。
明日はわたしたち囚人のために
村の人たちが火祭りを演じてくれることになっています。
今はそれだけが楽しみです。


[4423] 1/14-1/20 2013-01-21 (Mon)

1/14(月)

朝起きて大雨。聞こえなくなって窓を空けたら大雪。
この日は予定がなく、1日をノソノソと過ごす。
Rockin'on を読んだり、溜まっていた新聞を読んだり。
TSUTAYA DISCAS から届いた『冒険者たち』を観たり。
夜には『ヤンヤン・夏の思い出』の後半を。
昨日観ようとしたら盤面が跳んで観れなかった。
問い合わせしたら替わりのがすぐ届いた。
Aimer / Regina Spektor / Perfume など初回特典の DVD をまとめて観る。
The ピーズ『赤羽39』を聞く。なかなかいい。

昨日に続き、昼夜と母のカレー。これが最後。
夜のはセブンイレブンで買ったソーセージを追加。
鍋に油を入れて炒めて、そのままその鍋でカレーを温める。

風邪薬を1日朝昼晩と飲んでいたら少しよくなる。
昼は調子よかったが、夜になってぶり返す。

---
1/15(火)

大雪後の出社。僕は普通に会社に就いて仕事を始めたけど、
茨城在住の方は午前中雪かきをしてから出社とのこと。
(自分の家のとこだけではなく周りのおばあさんだけの家の分も、とか偉いなあ)
氷になって路面はツルツル。気を緩めると僕でも転びそうになる。
あるいは解けてグジュグジュになるか。どちらにせよ歩きにくい。

昼、大戸屋にて玉ねぎ丸ごとのスープ鍋定食にメンチカツ追加。
夜は冷凍庫に入れていた焼鮭を温めて、セブンイレブンの粕漬けときんぴらごぼう。
例のPJも今週は特に作業の依頼もなくいったん離れてみる。暇になる。
新聞を読んだり、Underworld『Barking』のDVDを観たり。
23時には寝床に入って『エスケープ・ヴェロシティ』の続きを読む。

来週の送別会の打ち合わせで予約した店へ。年末に訪れた裏のバル。
予算を元にメニューを選ぶ。応対が熱心でよかった。
すぐにも見積もりをメールで送ってくれた。

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1/16(水)

11月・12月の突貫作業の疲れからか年末からえらく肩が凝っている。
年末年始休んだ分も一週間で吹き飛んだ。今日はついに頭痛が。
なんなのか。年末に気づいた左目のゴミが影響してそうな。
何よりも目がぼやけてて疲れている。
しばらく様子を見ていたけど眼科に行ったほうがよさそうだ。

新しいノートPCが届く。3年言い続けてようやく新品が。
LANにつないでセットアップを始めたら楽しくて仕方がない。
ブラウザにプロキシを設定したらWEBページが表示されたとか
そういうローレベルなことが意外と嬉しい。
ファイルサーバに接続してネットワークプレースを追加してとかやってたら
1日が終わってしまった。

昼、大戸屋ランチ。夜、同じく焼き鮭。セブンイレブンのポテトサラダ。
この日も暇。夜は長いようでいてぼんやりしているうちに時間が過ぎていってしまう。
『エスケープ・ヴェロシティ』を読む。
サブタイトルが世紀末サイバー・カルチャーだったか。
『ニューロマンサー』や Throbbing Gristle や
Survival Research Laboratories への言及が嬉しい。

2月に会社の後輩たちと行くビール工場の予約をWEBで。
リフレッシュ休暇で泊まるメッツ北上の予約を電話で。
義弟からもらったJR東日本の株主優待券を使うつもりが、
今はお得なキャンペーンがありますよってことでそちらにする。
結局は優待券使わず。いいのか悪いのか。

月曜に Grimes の解説を読んでいたら野田努で、
Julia Holter と Juliana Barwick が気になった。
今朝 Inter FM で聞いた Alice Russel がまた気になって。
全然別件で山中千尋も坂田尚子も気になる。
最初に戻ってポスト・クラシカルの流れから Hauschka が、と
どんどん派生していってキリがないというか
ホイホイ買っていたら金が続かなくて我慢するしかなくて悶々とする。
NoiseTrade でリリースされた Holly Williams もダウンロードしなくては。

午前0時には寝る。

---
1/17(木)

昼、PJランチ会。改装後の「丸香」へ。
肉得盛カレーうどんにかしわ天と野菜天を追加。
店は使いやすくなったけどその分席は減った。
夜、後輩と飲む。品川の「やまや」へ。もつ煮、うまかった。
年末に丸の内の店に行ったらいっぱいで入れなかったんだよなあ。
社内システムのことなどあれこれと話していたら3時間はすぐ。閉店時間となる。
まだ少し咳が出る。

メールサーバ置き換えの案件に関わっているのだが、
定時を過ぎてから一発目の送信テスト。
案の定うまくいかずにはまる。
なかなか出られず、店に入るのが遅れる。

---
1/18(金)

再来週の大阪側との結合テストの準備がしばらく続く。
昼、またPJメンバーと。「九州」にてチャンポン大盛り。
夜、腹が減って後輩たちを誘って近くにできた「銀だこ」で軽く飲んで食べる。
店内忙しくて回ってない。バイトは多いのに。
それはそうとたこ焼きでビールを飲むのはうまい。
その後一杯引っ掛けた勢いで意を決して噂の
「テキーラとマルガリータの店 カラベラ小劇場」の重いドアを押してみる。
スナック? 意外と広いガラガラの店内は
ソファーに向かい合って座る妙齢の女性2人のみ。
「今日は予約でいっぱいなんです」と断られた。
門前払い。引き返すしかない。幻を見ていたとしか思えず。
帰って来てぼんやり過ごして寝る。

土日にビルが法定停電とのことでフロアのPCは全て電源ケーブルを抜いて、
プリンタや電気ポットなども電源を落としておく。
2階の男子トイレの詰まり、今日廊下に長々とケーブルを引いて作業していたが
解消された雰囲気が伺えない。まだ当分かかるか。

---
1/19(土)

9時起き。空は晴れている。
例のPJは1週間音沙汰なし。
これは本当に僕のパートが一区切りついたってことなんだろうなと
この週末は何もしないことに決める。
家から最も近い四面道の眼科へ。混んでいてまた今度にする。
新宿へ。オフィスで使っている新しいPCにデータ移行するために
ヨドバシでフラッシュメモリを買う。
移行元のハードディスクが35Gだったので16Gのを買えばだいたい足りるか。
11時のオープンに合わせてタワレコに入って
Beastie Boys『Ill Communication』と Archers of Loaf『Vee Vee』
のデラックス・エディション、Suzi Quatro 再発の3枚目を買う。
昼、歌舞伎町方面へ。「アカシア」と迷って「桂花ラーメン」へ。
DiskUnionの2階で予備のCDプラケースを買う。

池袋に移動して西武百貨店でトランクスを買う。荻窪に戻ってくる。
この間、JRではなくて丸の内線で。けっこうな長さの読書ができて、いい。
『エスケープ・ヴェロシティ』の続きを読む。
15時ぐらいに帰って来て、そこから先はひたすら NoiseTrade から
アルバムを落として iTunes に入れて聞き込む。

夜、『乙女の祈り』を観た。ニュージーランド映画。
『ロード・オブ・ザ・リング』で脚光を浴びる前のピーター・ジャクソン監督。
映画初主演のケイト・ウィンストレット。共にやりたい放題。
一番の立役者はもう一人の主演、メラニー・リンスキーなのであるが。
実在の事件を元にしているとは知っていたけど。
ジュリエットは服役後英国に渡って作家となり、歴史ミステリーの大家となる。
ベストセラーを出し、エドガー賞も受賞。そういう人生もあるんだな。

夜は寒く、焼酎お湯割り。西友で買った刺身のぶつ切り。
年末の帰省で買って食べなかったイカの燻製など。
元旦の新聞をようやく読む。午前0時半に眠る。
今日はセンター試験か。

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1/20(日)

9時起き。今日もブラブラ過ごす。
NoiseTrade でダウンロードしたアルバムを聞きながら新聞を読む。
さて、何をするかと考えたときに昨日同様荻窪−池袋間を丸の内線で往復して
『エスケープ・ヴェロシティ』の続きを読むことにする。10時半に部屋を出る。
池袋に着いて、まずは昼を。サンシャインの方に歩いていって見かけた
「麺屋武蔵二天」にする。二天ってすごい名前だけど、豚天・鳥天のこと。
二天ラーメンにする。両方入っている。スープも揚げ立ての天ぷらもうまいけど、
つけ麺がメインだから太麺しかないのが残念。きしめんみたい。

スニーカーを買おうと思う。
オニツカタイガーは最近デザインがいまひとつなんだよなーと
パルコの中を歩いていたら PATRICK のスニーカーが目に留まって
これかっこいいじゃん、と。青の、一番安い1万のを。
今度からは PATRICK だな。
タワレコへ。昨日買った Archers of Loaf『Vee Vee』が
あまりにもかっこよかったので、もう一枚買う。
『White Trash Heroes』このタイトルからしてグッと来る。
90年代半ばに活動していたバンドなんだけど、
このやさぐれてるのにメロディアスなギター、
なんでこれまで出会わなかったのだろう?

P'PARRCO の ASBEE で PATRICK のスニーカーを見たら
ネイビーでとてもかっこいいのがあって、これ欲しい! でもサイズがない。
ABC-MART や池袋西武8階のスポーツ用品では見当たらず。
銀座に出る。ABC-MARTにネイビーはあったが、モデルが違う。うーんどうするか。
他の取り扱い店を回ってるうちに ESTNATION へ。
ああ、このシャツいいなあというのを見つけて買う。
2万。高いけど今月は住宅補助が出ているということもあり。なんとかなるか。
結局モデル違いのネイビーも買う。1万8千円。
けっこうな散財になってしまった。しばらく服や靴は買わない。

帰って来てまた NoiseTrade で入手したアルバムを聞く。
Archers of Loaf『Vee Vee』のボーナスCDを聞く。
4-Track Demo がメインで、どれもさらにささくれだっている。ライブ音源にやられる。
オリジナルアルバムに匹敵する内容。
ギターを歪めて激しく鳴らすことの意味がよく分かっている。
でかい音が気持ちいいとかそういう話じゃなくて。
人が日々生きていて接するリアルな感情はこういう音でしか描けないのだ、
ということ。

『J・エドガー』を観た。
予備的情報のほとんどを忘れて観たら最後の最後まで
主演がディカプリオだと分からなかった。それぐらいよかった。
ジュディ・デンチ演じる母と夜、踊るシーンは狂気としか思えなかった。
ケネディのオブセッションの強いエルロイの作品と重ね合わせたとき、感慨深かった。

iTunes について調べたいことがあったのでLibroへ。
iPhone や iPad のガイドブックやムックはあっても、iTunes のはないんですね。


[4422] 地下鉄読書 2013-01-20 (Sun)

自分にとって最も気楽にかつ集中して
本が読める場所は地下鉄の中だと気づいて、
途中で乗り降りありつつも
土日は丸の内線で荻窪−池袋間をそれぞれ往復した。
往復1時間半で読書にちょうどいい長さ。
車内は温かいし、椅子も柔らかい。
これであと個室になったら言うことない。

最近部屋の中で読まないんですね。
大学の寮の部屋から長年使い続けてきた
硬い椅子で読んでると疲れる。
かといって寝床の中で長時間読むのも疲れる。
読書にとって「椅子」というものがいかに大事か。
使うのはページをめくる指と視力と
そこにつながった右脳左脳だけではない。
読書は全身体を使う行為だ。

電車が移動している、揺れているというのもいい。
揺れている場所での読書って
頭に入りやすい気がなんとなくする。
読んでいるうちに眠くなって後半は昼寝、というのもいい。
読書に「空間」がつきものだとしたら、
そこに「移動」の要素が加わることで
意味合いが豊かに変わるものってのがどこかにあると思う。

facebook でこの話をしたら
「茗荷谷〜本郷三丁目あたり、すっごく眠くならない?」
と言われて、むむー確かに。
地上に出て、のんびりした風景が広がってるからか。


[4421] 初めての眼科 2013-01-19 (Sat)

年末に帰省してずっと本を読んでいたら
視界に埃が入り込んでいるのに気づいた。
真ん中から左側に浮かんで、下か左にツツーッと移動する。
そしてまた現れる。それを何度も何度も繰り返す。
なんだろう? ゴミが入ったのだろうか? それともまつげに?
右目はなんともなく、左目だけのようだ。
しばらく様子を見て、そのうち消えるかもしれないと思った。
しかし、その後3週間近く経過して状況は変わらず。
視界の中のわずかばかりの黒い糸くずは小さくもならないが、大きくもならない。
もしかしたらはっきり気づいたのがこのときであって、
もっと前からこういう状態だったような気がする。

これは俗に言う「飛蚊症」というものなのか。
でもあれはもっとたくさんの黒い染みなのではないか?
会社の周りの人に相談というか、雑談程度に話してみると
誰もが病院に行った方がいいと言う。
一方、これが関係するのか最近目が疲れていてそれが周り回って肩こりが激しい。
(焦点として本来合わせている箇所と染みと左目が2点を捉えているからか)

先週の3連休は風邪を引いて身動きがとれず、今日の朝ようやく行ってきた。
9時半に診察開始でそれに合わせて
家から一番近くのところに行ってみたら待合室が既にいっぱい。半分は子どもたち。
そうか、視力が低下して生まれて初めて眼鏡をかけるんだな…
うわーこれをずっと待っていたら午前中終わってしまうな、とぐったりする。

そこに追い討ちを掛けるように保険証を忘れてきていた。
というかいつも入れっぱなしにしてそこにしかありえない
財布の中に見当たらないのでこれは紛失してしまったか。
受付で話すと後ほど提示して差額が戻ってくるのは今月中までだという。
これは週明けに紛失・再発行の手続きをしても間に合わないだろうな。

とりあえず空いていた椅子に座って「飛蚊症」について書かれた
小さなリーフレットを読んでみる。
「飛蚊症」そのものは病気ではないようだ。眼球の中の硝子体の濁り。
生まれつきだったら気にしなくていいし、老化現象にも伴って生じる。
しかしその原因が網膜剥離や網膜裂孔となるときもあって、
急速に浮遊物が増えたときには早急に診断を受けた方がいい。
失明することもありえる。

怖い、と思いつつも今の時点ではまだ大丈夫かと判断した。
診断を受けて一通り検査を受けても様子見となりそうな気がする。
とりあえず保険証が再発行されたらまた来よう。
正直、眼科にはびびってるんですね。
視力はずっと2.0を保ち続けて自分で来たのはこれが初めて。
小さいときに妹が眼鏡を掛けるというので一緒についていったとき、
待合室で退屈して廊下を歩いていたら奥の一室のドアが開いていて、
ベッドに横になっている老婆の目に注射器の針が刺さって固定されていたんですね。
ひー!! あれがどうもトラウマで…
どんなホラー/スプラッター映画をその後見てもあのときの映像に勝てるものがない。

結局のところこの糸くずを抱えて生きていくことになるのか。
これから先の何年か何十年かを。悪化させないように注意しながら。
先ほど少し調べてみたら日本では手術は一般的ではないようだ。
網膜剥離なんかじゃないよな、というのをはっきりさせるために
来月保険証ができたら受診するか…


[4420] 今年の旅行計画 2013-01-18 (Fri)

2月に取る1週間の休みを計画して、宿の手配をする。
あれこれ二転三転した結果、このような感じになった。
変則的に前半後半に分かれる。

 2/15(金) 倉敷泊  ※会社を全休か午後休か定時後ダッシュか未定
 2/16(土) 尾道泊  ※土日は学校の同窓会的集まり
 2/17(日) 尾道泊
 2/18(月) 生口島泊
 2/19(火) 北上泊  ※一度東京に戻ってきて移動
 2/10(水) 北上泊  ※バスで陸前高田市を訪れて戻ってくる
 2/11(木) 磐梯熱海温泉泊

余談。正月に義弟に会ったら「お兄さん、ぜひ使ってください」と
JR東日本の株主サービス券をもらった。
ホテルメッツやメトロポリタンが割引になる。
これは使わないと申し訳ないよなあと今回後半の東北旅行となる。
ホテルメッツ北上に電話して宿泊予約したら
「今ですと、お得なキャンペーンでもっとお安くお泊まりになられますが、
いかがなされますか?」と聞かれて、
思わず「あ、じゃあそれで」と答えてしまった。
…電話を切ったあとでなんかおかしいと気付いた。
恐らく使わずじまいになりそうで、
facebookでやり取りしているうちに従兄弟に譲ることになった。
株主優待券の方は新幹線乗るときに使う予定。これで義理は果たせるか…

学校関係の都合で去年もこの時期に休みを取って旅行だった。
熊野古道だった。そのときに日本を旅するのもいいなと思った。
そしたら今年も、となった。
もうずっと海外行ってないな。それもやばい。

生口島は瀬戸内海にあって、以前、直島の辺りを訪れることを書いたけど、
岡山県倉敷からすると東南の方角。広島県尾道からだと遠くなり、
だったら尾道の近くの島にしようと目的地を変える。

尾道では舟に乗って向かいにある向島で宿泊する。
ここでは同窓会で集まった皆と泊まる。
探したら1〜4人ぐらいまでの貸し別荘を二棟貸してくれるところがあって
両方借りて男女分かれて泊まるにはちょうどよさそう。
でも1月・2月の予約を見たら僕のしか入ってないみたいで。大丈夫か、ここ?
意外な落とし穴があるのかな。冬は暖房がないとか。

北上は陸前高田市から最も近い新幹線の駅+ホテルメッツということで。
どうせ行くなら遠野市にも行ってみたいが…
欲張らないほうがいいか。

磐梯熱海温泉は郡山の先の。
2年前震災直後に泊まりに行って、今回またふと訪れてみたくなった。
僕にとっての震災体験の原点に戻っていくというか。


[4419] 「夏休み、1999」 2013-01-17 (Thu)

一応、ドアをノックしてみた。最初は軽く、トントンと。次に強く、ドンドンと。
「キョ…」と言い出しかけてやめた。なんだか揉め事を抱えてるみたいでヤだった。
日差しが眩しい。後ろに下がるとうなじに当たった。そのまま空を見上げた。
階段を上って2階の真ん中の部屋。それとなく見てみたら新聞は溜まっていなかった。
でも、そもそもキョウコは新聞なんか読まないかもしれない。いや、読まない。
いたずら心が出てきてノブに手を掛けて回したら、回った。
なんとなく予想がついた。こうなるんじゃないかって。
そのままそーっとドアを開ける。中に入って後ろ手に閉める。
「おじゃましまーす…」薄暗い。明かりはどこだったか。ま、いいか。
冷蔵庫があってその向かいにユニットバスがあって、その奥に小さな部屋。
ツンと来る匂いがした。でも生ゴミとかそういうのじゃない。なんだろう?
畳。折り畳みの安いテーブル。机。本棚。テレビ。鏡台。雑誌の束。
真正面の窓が開いたままになっている。無用心だな。
締め切ってなかったからモアッと蒸し暑くはなっていなかった。
本棚を見るとわたしが貸してそれっきりになっていた漫画が入っていた。
「これ、わたしのなのに」手に取って立ったまま読み始めた。

「キョウコ、いないよね」誰かが言い出した。
電話してもつながらないし、メールしても返ってこない。
わたしの知る限りこれで3日。バイトにも来なかったって。
「タカシくんもさ、行方不明」そう、彼の場合は1週間になる。
タカシくんとキョウコはつきあってる。そう信じてる子もいた。
「だから消えたんだよ」「ふたり揃ってだと怪しいからさ」
誰かがタカシくんのアパートに行ってみたらおんなじふうに鍵がかかってなくて
普通に入ることができて、今すぐにでも帰ってきそうだった、でも帰ってこなかった。
わたしは違うと思う。ふたりはつきあっていない。
なぜってナガオカくんも消えてしまって10日になるから。
夏休みだからふらっと田舎に帰ったんだよ。あいつ、そういうとこ無口だからさ。
ほとんどの人はそう思ってる。ちがうよ。わたしだけは、つながりがあると思う。
だけど残念なことにわたしはナガオカくんがどこに住んでいるのか知らない。
だから証明できない。ああ、でもそのことは全然大事じゃない。
この夏の暑さにひとりずつ溶けて消えていなくなっていく。
そしてなにかしら、向こう側にいる。わたしたちの知らないところ。
彼ら3人にいったいなにがあったのか。
なぜ、わたしには「なにも起こらない」のか。
今、この瞬間にも誰かが同じようにアパートの部屋の中からいなくなっている。

遠くの路地のどこかで、カキ氷屋がラッパを鳴らしてゆっくりと通り過ぎる。
おばあさんが鐘のついたリヤカーを引く。群がる子どもたちの声。
わたしはハンカチで汗をそっとぬぐうと茶色の鞄の中にしまった。
急いでめくって漫画を読み終える。もって帰ろうか? いや、そのままにしよう。
本を戻した。ギー。…え? そのときドアの開く音がした。
「キョ…」振り向くとそこには知らない誰かが立っていた。
「だれ?」わたしと、その人の声が重なった。「そっちこそ」
男の子。同い年だと思う。なのに知らない。タカシくんやナガオカくんの友だち?
おかしなことにならないうちに帰った方がいいかもしれない。
わたしはその人の脇をすり抜けて靴を履いて出て行こうとした。
「待って」きみは? キョウコさんのこと知ってるの?「あなたは?」
「突然いなくなったから、気になって、来てみたら」
わたしは彼を見つめた。彼もわたしを見つめた。ふたりして、なにも言わずにいる。
「ねえ」(変だと思うかもしれないけど、僕の周りでさ、何人か消えてしまったんだ)
彼がそんなふうに言ってくれないかと思う。…もちろん、そういう話にはならない。
ただ、ごく普通のことみたいな感じでこんな話にはなった。
「ねえ」そうだ、どこかで冷たいものを飲まない? 暑いからさ。駅前まで出て。
わたしはどうしていいかわからなくなって、うなずいていた。
気がつくと靴を履いて階段を降りて、彼の横を歩いていた。
金網越しに線路を見下ろす小道。彼が立ち止まると目の前で電車がすれ違った。
(この人とわたし、どちらが先に消えてしまうのだろう)
「暑いね」彼がそう言うから、「暑いね」わたしも笑って繰り返した。


[4418] 「Division」 2013-01-16 (Wed)

”彼”が目を覚ましたのを感じた。
僕の頭の中に空洞が開いた。
彼の呼吸に合わせてフイゴのように軋んで、情報の残骸が突き抜けていった。
「オハヨウ」
今日は”彼女”が側にいるみたいだ。喜んでいる。笑い声が聞こえる。
彼は意識を遠くに向けて、僕の心の中が遠心力で引きずられる。
満員電車の中、吊革につかまる僕の顔が歪んだ。
目の前に座っている人も同じ瞬間に顔をしかめた。
もしかしたら僕と同じ”パーツ”なのかもしれない。
「次は、飯田橋。飯田橋」
ドアが開くと僕はホームに出た。空気を、吸いたくなった。

人の脳の中には100億から1000億のニューロンが詰まっているという。
地球の人口が閾値である100億を越えたとき、最初の”意識”が生まれた。
それはひとつの大きなものだった。この星を包み込むほどの。
人類は初めて一体感を得た。有無を言わさない圧倒的な感覚だった。
喜びに浸って、見知らぬ人と抱き合って、地には平和が訪れた。
幸福な30日だった…。多くの人たちはそれを”神”と呼んだ。

次の満月が空に浮かぶとき、”意識”は半分に分割された。
性別でも肌の色でも知能指数の上下でもなく。
目の前のある人は僕と同類で、ある人は異類と分けられた。
対になる”意識”同士がいがみ合っていたから、
僕らも2つの陣営に分かれることになった。
突如として戦争が始まった。
誰と誰が戦っているのか理解できない、抽象的な殺し合い。
それでも人類の増え続けるスピードの方が速かった。

次の30日で1/4となり、その次の30日で1/8となった。
”意識”の間にも様々な立場が生まれ、文字通り白黒つけられなくなった。
戦争は終わった。人類も”彼ら”も危うい均衡を保つようになった。
受精卵の分割を誰もが思い起こした。
科学者は分けられたひとつひとつを分類して、名前をつけた。
その時々で自分がどの”グループ”に属しているのか把握しようとした。
いや、人類が上からの目線でそれを呼ぶことはできなかった。
いつしか自分たちのことを”パーツ”と呼ぶようになった。

1/16, 1/32, 1/64 そして今、1/128まで来た。
僕は僕と同じ”パーツ”の人に出会うことが少なくなった。
いつの日か、分割の単位が人類の人口を追い越してしまうときが来るだろう。
そのとき何が起こるのか誰にも分からない。
…しかもそれは意外と早く訪れる。
耐えて生き延びた人類の頭の中には何百もの”意識”が同居することになるのか。
それが果てしなく続くのか。

時々、”パーツ”から外れる人がいる。
”解放”のときが来ると、すぐに分かるのだそうだ。
そして数日の後に衰弱して死ぬ。老廃物だから。
ヒトとしての年齢には関係ない。社会的役割も意味がない。
新しい”パーツ”がこの星のどこかに生まれて、あなたが用済みになるというだけ。
その瞬間は例えようもないほど、清々しいのだという。
それまでの人生であなたを拘束していたもの全てから解き放たれる。
「悟りを開く」とまで例えた人がいた。

僕がホームに降り立ったとき、心の中に小さな裂け目が生まれるのを感じた。
それは見る見る間に広がって、溢れ出した透明な光が全てを追い越していった。
僕は僕を覆っていたボロボロの皮膚が、今や無駄となった衣服が、
千切れてふんわりとした風に乗ってはぎ取られていくのを感じた。
浮かび上がった僕は僕の人生のあらゆる瞬間を一瞬にして辿り直した。
ああ、ああ…
これがもしかして、そうなのか?
呼吸。僕の吸う息と、僕の吐く息と。
これは、僕のものだ。僕だけのものだ。

気がつくと僕はホームに降り立っていた。
「ナカジマくん? ねえ、ナカジマくんでしょ? どうしたの?」


[4417] 1/7-1/13 2013-01-15 (Tue)

1/7(月)

風邪っぽい。職場近くのドラッグストアに葛根湯を買いに行く。
お茶を飲んでるうちに寒気と喉の痛みが消える。
こういうのは早めに予防策を打つのがいいな。
夜は飲まなくても大丈夫か。

昼、「もりちゃん」にて日替わり定食。
カツカレーの目玉焼き乗せ。モツ煮変更。
夜、残業ののち新宿へ。
母からもらったお金で mont-bell にてフリース・ジャケットを買う。
閉店間際の荻窪ルミネのユニクロで部屋着用のフリースを買う。
家に帰ってさっそく着る。割と温かい。

年明け食べ過ぎてあまり腹が減っていない。
リンゴだけで終わり。新聞を読む。
午前0時過ぎに眠る。
例のPJの作業はお休み。

尾道・倉敷汁講に関してそろそろダンドリしないと、
とあちこちにメールを送る。

---
1/8(火)

うむむ。どうも風邪が…
しまった。葛根湯を夜も飲んでいたらもしかしたら押さえられたか…
ひどくはないが、ぼんやりと寒気・喉の痛み。

昼、大戸屋にて四元豚と野菜の蒸し鍋定食。とろろ。
夜、定時後すぐ帰ってきてリンゴ、母のカレーを温めて食べる。
年末の新聞をまとめて読む。
風邪を理由に今日も例のPJはお休み。
昼休みと夜と尾道・倉敷汁講の調整であちこちメールを送る。
午前0時前に眠る。
温かくしようとスウェット上下にフリースに靴下を履いて布団にもぐりこむ。

---
1/9(水)

風邪が続く。鼻水が出て、咳も軽く出る。
マスクをするほどでもないが、
時々出るのでヴィタミンC系ののど飴を買って一日中舐めている。

昼、打ち合わせが長引いてPJメンバーと「BECO SHNIN」へ。
牛タンステーキ丼を食べる。ビール工場見学の話となり、2月の土日に行くかとなる。
築地で昼を食べて、午後見学して、夜は横浜の中華街へ。そんなプランとなる。
今週は遊びや旅行の調整ばかりだ。

夕方、セブンイレブンの焼きビーフンとサラダ。
定時過ぎに出て小田急線に乗って豪徳寺へ。例のPJの打ち合わせ。
前の会議が長引いて全員揃わず、世間話程度にあれこれ話して
書き直しポイントや検討箇所、スケジュールなど確認する。
22時を過ぎて校長に挨拶に行く。
感門之盟の打ち合わせに加わってアドバイスしていた。
新しい編集工学研究所1階のオープンスペースにて皆に囲まれて話す。
「じゃあ岡村さんも」ということになって校長のすぐ横に空いていたソファーへ。
怖くて生きた心地がしない。
終わって、少し校長と話す。
これまで書いてきたものが概ね好感触だったのでホッとする。
「今回かなり学んだろう」と言われる。
その後なぜか、「岡村って普段どんな仕事してんだ?」ってなり。

午前0時に帰ってくる。午前1時に眠る。
『工作舎オデッセイ』を読み終わる。ロルカの詩集もすぐ読み終わる。

---
1/10(木)

風邪、四日目。
昼、PJランチ会でタイ料理「メナムのほとり」へ。
挽肉とバジルの炒め、トムヤムクンなど。
昼休みに尾道と倉敷の宿を調べる。
夕方、また別の飲み会の予約。裏の「Bal Marrakech」で送別会。
年末に訪れてなかなかよかった店。
夜、お客さんとPJ新年会。「川府」へ。2次会は「はるだんじ」
風邪がよくならない中、最初の店でビールを飲んでいたら鼻が詰まって
2軒目はひたすら焼酎お湯割。飲んでると体が温まって鼻もスーッと通る。
丸の内線の終電で帰ってくる。寝たのは午前1時。
次何を読むかと山を見たらふと気になって『エスケープ・ベロシティ』へ。

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1/11(金)

風邪5日目。一進一退。重くはならないけど、良くもならない。
昼、「味噌や」でいつものトッピング。味玉を頼んだつもりが忘れられていた。
カジュアルフライデーなので
先日買った mont-bell のライニングジャケットを着てみる。思いのほか温かい。
外に出るときダウンジャケットを着てなくても寒くない。これはすごい。
昼休みは引き続き、尾道と倉敷の宿を探す。

オフィスの男子トイレが壊れて修理中となる。
1階のトイレは男女兼用で1階の飲食店の従業員のためのもの。
いつ行っても使用中でわざわざ隣のビルにまで行く。

夜はまた豪徳寺へ。校長ディレクション(つまりレビュー)
僕のところだけが先行して進みまくってて
(と言ってもスケジュール通りなのが僕だけだったというか)
周りに合わせていく展開になるのかなと先月から予防線を張りまくっていたら
「岡村のところはもういいんじゃないか」という展開へ。ほっとする。
今回も終電逃すのかと思いきや、あっさり22時過ぎに終わって
アフターで話してて23時には解放。
荻窪まで環八沿いに歩くつもりでいたのに、
普通に小田急線と丸の内線で帰ってこれた。

午前1時に眠る。夜は打ち合わせで出たおにぎり2個だけ。

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1/12(土)

風邪よくならず。むしろ悪化?
6時に目が覚めて二度寝したら11時半だった…
3連休の初日だし、ま、いいか。
高円寺へ。風邪だしスタ丼を食べようと
高円寺まで着いてから財布を忘れていたことに気づく。
引き返して出直し。諦めて荻窪で適当に、とはしない。
財布を見つけて再度高円寺へ。
スタ丼肉増し、豚汁変更、ミニサラダ。客が全然いなかった。
数ヶ月来ていない間に高円寺の店も少し入れ替わっていた。
帰って来て例のPJの昨日のディレクションを受けてメモを書いて送る。
これが3時間程度。夕方になる。

2月半ばの尾道・倉敷汁講の宿の手配を担当して
先日から引き続き空いているところを探しているうちに
(もうそろそろめぼしい旅館やホテルは満室なんですね)
尾道にて一軒宿を二棟貸しますってのを見つけて、これだと。
空いてた。即予約。
これが3時間で夜になっている。もう終わるか、って気分。

夜は食べず。
エドワード・ヤン監督の「ヤンヤン・夏の思い出」を最初の1時間観る。
予備知識無しで観たら現代劇で驚いた。
少年時代ファンタジーものだと勝手に想像してた。
明日は仕事をしようと午前0時過ぎに眠る。

---
1/13(日)

咳で目が覚める。午前5時。咳が止まらない。
もう一度寝て、午前8時半。
この日はずっと書き直しの作業を進める。
風邪を引いてるということもあって部屋から一歩も出ない。
昼・夜と母のカレーのみ。
22時過ぎに終わった。明日は1日オフだな。予定なし。
とはいえ風邪だし来月の旅行もあってお金を使えないしで
まったりすごすことになるか。
母から電話があって、次の週末に鮭を焼いたのを送るという。
Working Week の1枚目のリマスタリング再発を聞いて
午前0時過ぎに眠る。

週の前半、風邪の引き始めの頃は葛根湯を飲んでいたが、
ひどくなってからは何も飲まず。
ルルとかパブロンとか風邪薬を飲むという発想がなくなっていた。
眠くなってボーっとするのが嫌なので避けていたんだけど
明日は何もしないし飲んどいた方がいいか、
薬箱の中にあったよなあとルルを見つけて飲んでみたら使用期限が2007年だった。
しまった。ま、大丈夫か。


[4416] 都心で大雪 2013-01-14 (Mon)

今日の朝目が覚めたら大雨。
音がしなくなったなと思った頃に布団の外に出て
雨戸を開けたら大粒のぼたん雪。地面に積もっていた。
午後になってもやまず。注意報か警報も出た。
クリーニング屋に向かうためにブーツを履いて外へ。
足首までの深さ。ここ数年こんなに降ったことあるだろうか?
雪かきをしている家は皆無。道路も車の通り道が出来上がっているだけ。
ノロノロと行き交う車はチェーンをつけているわけもなく、スタッドレスでもないか。
都内を走る車はトランクに積んでいてこんな日は履き替えたりするんですかね。
あんまり想像もつかない。

当たり前の話なんですけど、東京の人は雪かきしないんですね。
どこに捨てたらいいかわからないし(それでもめたくないし)、
スコップなんてないし(あっても小さいし)、
そもそも雪かきするものという発想がたぶんない。
税金を払っているんだから私の家の前の雪を片付けろ、
と区役所にクレームをつけている人もいるんだろうか、
なんて想像したらダークな気持ちになった。
除雪費用なんて潤沢に組んでるわけないし。

今日は15時の時点で中央線が止まっていて都心のJRはことごとく遅延が発生。
青森行きの飛行機も欠航。
明日は大丈夫だろうか。今日が祝日でよかったけど、このまま雪が残ると混乱かも。
今日が成人式という自治体もあったりするのかな。振袖だと悲惨だ…

それにしても東京って全然雪が振らないね。
十数年住んでて言う感想じゃないけど。
大阪の方がよっぽど雪が降ってる印象がある。
大雨や台風の影響も少ない。
東京は実は住みやすいのか…

明日会社休みにならないかな。
百歩譲って「大雪で交通機関が麻痺した中で頑張って通勤した手当て」など。


[4415] カレーのつくり方 2013-01-13 (Sun)

たまには料理がしたい、カレーをつくりたい、と思う。
カレーのつくり方ってネットで調べたり、人に聞いたことがない。
どうなんですかね。
材料を切って、鍋で炒めて、水を入れて煮て、アクをすくって、
あとは一定の時間煮て、その間ご飯を炊いて、カレーのルウを入れたら出来上がり。
その気になればカレーのルウの箱にも標準的なつくり方が記載されている。
じゃあそれがジャガイモ何個で水は何ccで何分煮ればいいのか、
なんてことは何回かつくっていくうちにだいたい勘で分かってくる。
肉だとこれぐらいのパックひとつ、というような。
大事なことは、最初のうちはキッチンから離れず、鍋の様子を伺ってることだと思う。
少なくともほったらかして煮過ぎってことにはならない。

僕なりのカレーのつくり方のポイント。

・リンゴを入れる。なければリンゴジュース。
 4・5日食べるとしてリンゴ半個を摩り下ろして入れる。
 200mlぐらいの小さいサイズの缶ジュースだと1本。
 人によってはヨーグルトだったりコーヒーだったりしますが。
 隠し味としては青森県民である以上、やはりこれですね。
 バーモントカレーだってリンゴが入ってるじゃないですか。

・金銭的な余裕があれば、肉は組み合わせで。
 豚と牛、豚と鶏など。なんなんでしょうね。
 これだけは人から聞いて「絶対試そう」と即断だったんですが。
 味に深みが出ますと聞いて、確かにそんな気がする。
 ハーフの女の子がエキゾチックでキレイなのと一緒なのかな。
 豚同士で角切りと細切れを合わせるのもあり。
 当たり前の話だけど、豚肉とシーフードみたいなのはおいしくならない。

・ルーも組み合わせですね。
 青森の家ではゴールデンカレー中辛とバーモントカレー甘口だった。
 東京に出てきてからジャワカレーだったりあれこれ試しましたが、
 一番の組み合わせは上記ゴールデンカレー+バーモントカレーに
 どうしてもなってしまう。かといって自分でつくると
 母の味とは似ても似つかないものになる。不思議。

・仕上げにバターとケチャップとソースを入れる。
 味が適度に分かりやすく、安っぽく、家庭の味になるのがいい。
 一言で言えば、親しみやすくなる。
 これも母がしてたのを真似。隠し味程度に。さすがに醤油は入れない。

・凝らない。タマネギはみじん切りで飴色になるまでとか。
 細やかなことをしだすとカレーの神様は手のひらからすり抜けてしまうように思う。
 ザックリとした思い切りの良さと
 何回かつくってこなれていく中で手際がよくなる、悩まなくなる、
 というのが大事かな。
 カレーだから何分煮るってのはなくて、
 この鍋のサイズでこの具の量でこの水の量でこの火加減だとこうなるってのを
 体感値として覚えておくことが重要。

以上です。
書いていたら、いろんな人のいろんなカレーが食べてみたくなった…


[4414] 鉄拳「振り子」 2013-01-12 (Sat)

さきほど Yahoo! トップに
「<福岡市>飲酒事故撲滅へ 鉄拳さんのパラパラ漫画をCMに」
とあって、見てみた。
http://www.city.fukuoka.lg.jp/shisei/jigyou-torikumi/bokumetsu/index.html

泣いてしまった。
鉄拳のあの絵が不器用にチラチラと動いているというだけで
たまらなく切ない気持ちになってボロボロと無条件に涙が出てしまう。

その後「振り子」を久々に見返して、もっと泣けた。
http://www.youtube.com/watch?v=XPBfaMsA97o

振り子の使い方がいいですよね。淡々と繰り返しつつ、でも、という。
絵の優しさも素晴らしいけど、その動かし方に人という生き物の息遣いを感じる。
その一方でハリウッド映画のように緻密なカメラアングルがある。

MUSEの「Exogenesis Symphony Part3」を背景に流していたわけですが、
鉄拳の動画を見た MUSE が公式 PV に採用したというのが
今思うと2012年のロック界で最もいい話だった。

その後鉄拳は MUSE の「Follow Me」も手掛けた。
http://www.youtube.com/watch?v=uPEUY_gYXEA

それ以上に僕の方から伝えることもなく。
10年以上前、ネタ見せ番組を見ていたときには
スケッチブックを抱えて出ていたけど、外見のインパクトしか残っていなかった。
ネタでは勝負できないのか。
しかし今、その才能が真っ当な方向性で実を結んで多くの人から評価される。
そのパラパラアニメ以上に鉄拳という人に起きたことこそが、いい話だと思う。

先日発売された鉄拳の DVD での「振り子」は MUSE の楽曲ではないみたいなんですね。
やっぱそこのところが残念で僕は買わなかった。
MUSE 側も単発の DVD シングルにしたら売れると思うけど。
たぶんもはや彼らにとってはそういうお金の問題ではないんだろうね。


[4413] Diamond Dust 2013-01-11 (Fri)

知らない街 ひとりきり歩く
初めての夜 凍えそうな指先をかざす
雪が降りそうだと すれ違う人が言ってた
コートの襟を立てて 灯かりがひとつふたつ
ここがどこなのか 誰にもわからないのに
わたしはあなたに 会いに行こうとしている

白めく街 ひとりきり歩く
初めての朝 凍えそうな吐息が消えてく
冬は続くんだと あの子どもたちが言ってた
ブーツをそっと下ろす 足跡ひとつふたつ
ここがどこなのか 誰にもわからないのに
わたしはあなたに 会いに行こうとしていた

行き先のない列車に乗って
名前のない駅で降りて
失われた街の真っ白な通りを
途切れ途切れの声がかき消されて
氷の上を
今 氷の上を

ここがどこなのか 誰にもわからないのに
わたしはあなたに 会いに行こうとしている


[4412] 杉並区、世田谷区 2013-01-10 (Thu)

時間があったので駅の南口を歩いてみる。
年末に初めて下りてこの日2回目。
『Let's 豪徳寺!』って漫画があって
当時青森の中学生だった僕が知っていたぐらいだから
大きな町かと思いきや全然そんなことはなくて、小さくて静かで穏やかな住宅街。
駅前はチラホラと飲食店があるだけで特に何もない。
あとで聞いてみたらやはり昼食べる場所に苦労しているという。
オフィス街ではないから競争もなく、
出てくるのが遅いしたいしておいしいわけでもない。
うーん、そうか。

なんかこういう小さくまとまった住宅街って世田谷区っぽいなと思った。
杉並区とはどこか佇まいが違う。
いや、私鉄とJRの違いなのかな。それは確実に違う。

何がどう、と具体的にうまく言えないけど感覚的に
世田谷区と杉並区は雰囲気が違うし、練馬区もまた違う。
道の広さとか家々の密集度かもしれないし、
匂いとか吹きぬける風とか降りかかる影かもしれない。
公園の造りや公共施設の佇まいというのもある。
自転車に乗って環八を南に下っていくと世田谷区に入った途端
自転車用のレーンが歩道の脇に出てきたりして、そういうのは分かりやすい。

無機質で抽象的な住宅街なんてものはどこにも存在しないんですね。
住んでる人の生活があり、気候や地形があり、
文化や社会、好みやしきたり、出入りするものが生まれるのだから、
そしてそれが随所に滲み出るのだから、ひとつひとつが生き物のように違う。
その集合体ともなると複雑な有機体となる。
町が人を呼び、人が町を独自のものへと変えていく。
「駅前」の風景はどれをとってもユニークなものだ。

なんだか僕はふと、漠然とだけど杉並区のことが好きなのかもしれないと思う。
長年住み続けた愛着というか。
杉並区の内と外とを分けて考えようとしているのかも。
そういう事情もある。


[4411] 瀬戸内海 2013-01-09 (Wed)

学校関係の同窓会的集まりで2月の土日に尾道・倉敷を訪れることになりそうで、
日にちはまだ確定せず、タイミングが会えば今年の1週間の休みと重なる。
そうなったら僕はひとり引き続き、そのまま西日本を回ってみようと考える。
だったら瀬戸内海の島をいくつか舟で渡ってみたい。
アートの島とされる3島、直島・豊島・犬島はいつか行ってみたかった。
http://www.benesse-artsite.jp/

というか、瀬戸内海を見てみたい。
日本海でもなく、太平洋でもない第三の海。
穏やかなのか、静かなのか。
アーシュラ・K・ル=グィンに『内海の漁師』という短編集があって
「内海の漁師」とは何を指すかと言うと浦島太郎のことなんですね。
だとするとここで言う内海とは瀬戸内海のことなのか。
昔、そんなことを考えた。
(ちなみに、SFなので時間が関係します)

誰から聞いた話だったか、本で読んだのか、
瀬戸内海に浮かぶ小さい島を訪れたとき、とても静かだった。
なぜかと考えたとき、道路がなくて自動車が走っていないからだった。
どういう風景なのだろう。
僕は新藤兼人監督の『裸の島』を思い出す。
一家族だけが住む島。小屋を建て、畑を耕し、来る日も来る日も無言で水を運ぶ。
監督は確か広島出身だった。あれはやはり瀬戸内海なのだろう。
どこでもない海、どこでもない島、寓意的などこでもない国のようでありながら。

1週間の休みと重ならなかったら
尾道・倉敷は1泊2日で戻ってきて、休みの方は東北を回る予定。
以前書いたけど、陸前高田市へ。
どちらを選ぶか悩ましいけど、結局は時間を見つけて両方訪れるのだと思う。


[4410] mont-bell / ユニクロ / J.Crew 2013-01-08 (Tue)

青森でのこと。吹雪で大雪の日に母が突然お金をくれて、
これで温かいフリースを買いなさいと。
ユニクロなんかじゃなく、mont-bellがいい。
タンスから出してくる。物がしっかりしてて、もう何年も着てるという。
そのお金を貯めるでもいいし、CDを買うでもよかったんだけど、
せっかくだからその mont-bell で買うことにした。
日曜に青森から戻ってきたら東京の部屋の中がえらく寒くて
手がかじかむぐらいになったんですね。
エアコンのリモコンがずっと見つからず。
セラミック・ファンヒーターだけ。
こりゃフリースを上に羽織った方がよかろうと。
(というか1週間も不在にしていると
 生活空間というものはここまで寒々とするものなのか)

昨日、会社の帰りに mont-bell の新宿の店に寄ってみた。
登山が趣味の母と違って、僕は入るのは初めて。
自分の着る物として考えたことはなかった。地味というか人がよさそうで。
明るくても落ち着いた色合いのダウンジャケットやプルオーバー。
店内をグルッと回ってみて、40代も近づいて
これから先こういう服を着るのも選択肢としてありかと思った。
「クリマエア」なるフリース素材のライニングジャケットを買うことにした。
えらく軽くて薄い。試着したときには温かさがどんなもんか分からなかったけど、
きっとこれは旅先で重宝するだろうと思った。色は鮮やかな青。
母からもらったお金とほぼぴったりの額だった。

部屋着のはずがけっこういいものを買ってしまったのでもったいなくて着れない。
帰り道、それこそユニクロでいいんじゃないかとふと思う。
閉店間際の荻窪ルミネ3階のユニクロへ。
1,980円のフリースのフルジップジャケットがセールで1,280円。
こういうのでいいんじゃないか。こちらも明るい青を買う。
帰って来てさっそく着た。今、着てる。割と温かい。
これならエアコン無しでもこの冬を過ごせるかもしれない。
(着てるときがどうこう、よりも脱いだときに寒さが分かる)

11月の3連休か。千歳船橋の巨大なユニクロに入ったときには
客の多さというかレジ待ちの行列に驚かされて早々に出てきた。
昨日は数年ぶりにユニクロの商品を手に取った。
前回は2010年か。大阪に2ヶ月出張になってウィークリーマンションを借りたとき、
天満橋の京阪シティモールでスウェット上下とスリッパを買った。
そのときのスウェットは今でも着てる、というか今着てる。

昨日は目当てのフリースを買ったあと、しばらく店内をブラブラと見て回った。
ああこのパーカーいいな、色もデザインもいい。しかも安い。
そう思ったのがいくつかあったんだけど買わない。
ユニクロは部屋着であって、僕は外には着ていかない。
値段の問題ではなくて、同じのを着てる人に遭遇したり、
「あ、岡村さんが今日着てるのはユニクロで売ってたやつだな」
と気づかれるのがなんとなく、いやなわけで。
でもそんな僕も5年後にはオールシーズン、
着る物全部ユニクロでいいんじゃないかってなりそうな気がする。

そういえば。以前、J.Crewでよくセーターなんかを買ってた。
最近見かけないなあと思っていたら日本から撤退してたんですね…
調べてみたら2008年にレナウンとの契約が終わって
2009年には店舗を閉じていったと。もう3・4年になる。
知らなかった。僕の中でその手のことは時計が止まっている。


[4409] 12/24-12/28 2013-01-07 (Mon)

12/24(月)

9時半起き。この日は予定なし。のんびり過ごす。
シーツと枕カバーを洗って干す。
ずっと前から読んでいる『にほんのかたちをよむ事典』の続きを読む。
500ページ近くあるうち、ようやく最後の100ページまで来た。
いらなくなったメールの整理をしたり
最近 HMV から届いた CD を iTunes に 取り込んで、
amazon からジャケットの画像をダウンロードして
なんてしているうちに午前中が終わってしまう。
昼はリンゴを食べて、ご飯を炊いて昨日西友で買ったかき揚と白身魚のフライ。
『秒速5センチメートル』を観る。切ない。でも淡い。

午後、西友へ。家庭用品のコーナーにてピンチハンガー、シャンプーとリンス、
オフィスの観葉植物のための腐葉土と栄養剤を買う。
年末だけあってレジが混んでいた。
ルミネの地下でチキンのバーレルを買って、西友で追加のフライドチキン。缶ビール。
帰って来て壊れたピンチハンガーをゴミ袋に入れたり、
浄水器のカートリッジを取り替えたり、年末大掃除らしきことはしてないけど、
それらしきことを多少してみる。
ロルカのCDが届いて、聞く。溜まっていた新聞を片付ける。
Led Zeppelin 『Cerebration Day』を観る。圧巻。

---
12/25(火)

昼、大戸屋にて新メニュー「たまねぎ丸ごと一個使ったスープ鍋定食」に
ご飯を入れてリゾット風にしてみた。やはり、うまかった。
グツグツ煮込んだスープをご飯がたっぷり吸い込む。
しかし、消化がよすぎる。
夕方腹が減ってセブンイレブンの焼きビーフンとチキンカツサンド。
家に帰ってリンゴを皮むいて食べる。

Amy Winehouse の1st『Frank』ってそういえば持ってなかったな、
iPhone にデラックス・エディションの2枚組を入れて年末年始に聞こうと
帰りに八重洲口のタワレコに寄る。レジが異様に混んでいる。
「嵐」の発売日だったようだ。

編集工学研究所の納会お誘いのメールが届く。
明後日。なんでこんなに急なのかね?
むっとして最初断りの返信をするが、思い直して参加へ。
昨今のPJの状況についてもメールでやりとりしてわだかまっていたものがほどけた。
今週は原稿を寝かせよう、少し離れようと原稿に手を入れず。
午前0時半に眠る。

---
12/26(水)

昼、神保町食べ納め第一弾としてPJメンバーと「丸香」に行ったら改装のため休業中。
知らなかった…。1/15ぐらいまでだったか。
近くの「魚百」にて唐揚定食。
この日は打ち合わせばかりで一日が終わる。

夕方になって腹が減ってセブンイレブンのチャーハン。
おいしいんだろうけど甘めのタレで個人的には好きではない。
夜、部屋の中がなんだか異様に寒い。
ようやく、『にほんのかたちをよむ事典』を読み終える。
ようやく、年賀状に取り掛かる。2月に熊野古道を歩いたときの写真を使う。
インクがちょうど無くなる。今年は23枚。
年々出す数が減っていく。
父と関わりのあった年上の方が亡くなったりで。増えることはない。
終わって、コンビニで買ったスモークタンと川海老の空揚げで焼酎お湯割。
午前1時に眠る。

Rachael Yamagata のサイトでのダウンロード販売オンリーのEP
『Loose Ends』を購入してiPhoneに取り込む。

---
12/27(木)

朝、母から電話。印鑑登録の証明書を取ってきてほしいと。
昼、PJランチ会。これを食べないと年を納められないなあと
やきとり屋の親子丼。大盛。自家製食べるラー油が最高。
DiskUnionにCDを売りに行く。3,000円となる。
予想通り昨晩の Amy Wineouse を買った分と相殺。

午後イチで今Q最後の勉強会。3ヶ月ほぼ毎週続けた。
先週が支払方法で今週が法人会会員。
ま、長くからいるってことでバーッと喋り倒すだけですが。
提示で出て、夜、豪徳寺へ。編集工学研究所の納会に出席。
思ってたよりも食事が出て、酒も出て、酔っ払って帰ってくる。
印鑑登録のカードを探すが見つからず。証明書を自動発行できない。
明日の朝役所に行かないといけないか。
午前1時半に眠る。

昼を食べているときには「年末年始って雰囲気感じないね」と言っていたのが、
午後、お客さんから来年の手帳やカレンダーをもらって、
壁に掛けていたのを新しいのに替えたら急にそれらしい気分になった。
そういうことか。
来年の手帳はNTT東日本のを使ってみることにする。

『工作舎オデッセイ』を読み始める。

セキュリティ・インシデント事例の社内eラーニングを受講。
過去事例が凄惨過ぎる。パートナーが名簿を業者に売ったとか、
PJ資料やメールの入ったノートPCを持ち出して車上荒らしにあったとか、
宴会で紛失したとか。

---
12/28(金)

朝7時半まで寝て、駅前の杉並区役所の分室へ。
8時半の窓口開始の少し早めに着いて他に誰も並んでいない。
年末だからもっと混むかと思っていた。
印鑑登録のカード紛失と再発行手続き。
さくっと終わって出社。

昼、今度こそ神保町食べ納めということで「食肉センター」へ。
年末だから空いてるだろうと行ってみて実際、いつもより行列は少なかったけど
それでも30分は待った。結局11時半の開店からの第1陣がはけるまで
きっちり待たないといけないのだな。
僕らの入った後は2階席がごそっと入れ替わった。
レバー×2、ハツ、豚肉の塩と味噌。ご飯3杯、サラダ、スープ。
これだけ食べて850円でしかも肉が冷凍じゃなくおろしたてなんだからなー。
やはり神保町最強のランチだ。

夕方、仕事をひと段落して机の上を多少片付けて納会へ。
余り人と話さず、食べてばかり。
近くにできたばかりの銀だこの揚げたてがうまい。
今年はビンゴがあたらなかった。
最後まで飲んで、片付けも手伝う。
残っていた後輩たちと一杯だけ飲みにいく。
すずらん通りに最近オープンしたバル。
混んでて立ち飲み。いい感じの店だった。また来よう。
帰って来て明日の帰省の準備をする。
リュックサックに着替えを詰めたり。ノートPCを立ち上げてみたり。
また少し酒を飲んで、午前0時に眠る。


[4408] 青森帰省その9 2013-01-06 (Sun)

東京に戻る日。
7時に目が覚めて布団の中でウツラウツラする。
昨晩はその後西岸良平の昔の短編集を読んで過ごしていた。
「地球最後の日」や「街あかり」など。いいですね。
耕助・久美子・ワニ丸のシリーズを読むうちに眠る。
朝は昨日のカレー。野菜はブロッコリーなど。
雪かきをする。昨日は昼から夕方に掛けて晴れていたので
積もってないかなと思いきや、しっかり降り積もっていた。
いつも通りなら30分ぐらいで終わるはずが、
母から家の裏の屋根から伸びた雪庇を落としてほしいと頼まれ、
スコップが届かず雪の中脚立を持ち出す。
終わって掃除機を掛け、部屋の拭き掃除をしているうちに妹夫婦が到着する。
リュックサックを背負って、母のカレーを小分けした者を紙袋に持って
青森の家を後にする。

10時半。
昨日の「またべい」に引き続いて今日は「長尾中華そば」に連れて行ってもらう。
新青森駅の近く。昔は西バイパスの別なところにあったのが移転したと聞いたけど、
もしかしたら新幹線の開業に合わせて、なのかもしれない。
煮干ラーメンとしてはここが一番有名なのかな。市内に何店舗かある。
お台場のラーメンパークにも出店したことがある。カップ麺にもなった。
壁のひとつは全国の有名店のカップ麺のふたで埋め尽くされていた。
朝7時から営業。「朝ラー」という幟が立っていて、ライスとお新香がサービス。
11時を前にして片付けられ、モニターも普通にテレビ番組をやっていたのが
店の紹介のビデオに変わった。
「裏メニュー」と書かれたカードがどうどうと入り口に鋲で貼られ、
裏返すと「ごくにぼ」とあった。煮干の相当きついやつ。
頼もうとしたら11時からということで今回は諦める。
「こくにぼし」にする。味玉とチャーシューを追加。
トッピングには煮干せんべいなどもあった。
メニューもつけ麺に味噌ラーメンと豊富。
サンロード青森の系列店は四川風坦坦麺の店だったな…
食べてみた結論として
あっさりは「またべい」がいいし、こってりは「ひらこ屋」がいい。
しかし東京に進出することがあったら、懐かしくなって食べに行くと思う。

新幹線まで少し時間があって、本屋に行きたいと
裏のショッピングモール、マエダガーラへ車で向かってもらう。
もうずっと前にできたのに、入るのは初めて。とても広い。2階の本屋へ。
昨日本屋で見かけた『ラーメンウォーカー青森』を買って帰るつもりが、
店には見本しかなく、ボロボロ。諦める。

駅で妹夫婦と分かれる。
大家さんへのお土産にりんご蕎麦というのを見つける。
恐らく蕎麦の中にりんごの果肉か皮が入っている。
自分には「スタミナ源たれ」を1本。ハイチュウの赤いりんご。
缶ビールを買って乗り込んで、Rockin'on の最新号を読みながら過ごす。
隣に僕よりも少し下ぐらいの年齢の女性が座って、小型のスーツケースを足元へ。
窮屈そうにしていたので上の荷物棚にあげようかと声を掛けるが、断られた。
Uターンラッシュも今日までか。通路は指定席がなく立っている人でいっぱい。
八戸や盛岡まで空いている席を見つけるとちゃっかり座る人もいる。
通り掛かる車掌もどの席が本当に空いているのか分かっているもので、
「盛岡からは満席ですよ」と声を掛けられている人もいた。
秋田からは「こまち」号を連結する。大雪のために7分遅れた。

東京へ。外を歩いている分には寒くないんだけど、部屋の中が異様に寒い。
これまではセラミック・ファンヒーターでしのいでいたのが手がかじかむ。
エアコンのリモコンは数ヶ月前から見つからず…。本格的にやばくなってきた。
しばらく人が生活していなかった空間は気温が落ちていくものなんだな、たぶん。

大家さんにお土産を渡して、休みの間の新聞と年賀状を受け取る。
年賀状を出しそびれていた人に追加で宛名をプリントアウトして出しに行く。
クリーニング屋に行くと年始ということでタオルをもらう。
僕は佐川急便のいつもの配達の方にりんごをあげる。
これから先は焼酎お湯割であったまって、
届いた年賀状と休みの間の新聞をまとめて読むつもり。


[4407] 青森帰省その8 2013-01-05 (Sat)

7時半起き。
昨晩のしゃぶしゃぶの残りを
タマネギと一緒に玉子とじにしてごはんにかける。三平汁。
掃除機をかける。
雪は昨日ほどじゃないがそれなりに降っている。
片付けるのに30分ぐらいか。
突然母がお金をくれて、登山用品の店で
しっかりしたフリースを買いなさいと。
ユニクロなんかじゃダメ、モンベルがいいという。
「東京ならいくらでも買えるでしょ?」

妹夫婦が昼過ぎまで空いているということで車で
「またべい」まで連れて行ってくれる。
空は一週間ぶりの快晴。下北半島がくっきりと見える。
浅虫に向かう途中、手前に見える山が
夏山に白い塗料を塗ったんじゃないかというぐらいに見事な雪山で。
青空を背景に幻でも見てるような気持ちになった。
スイスだったかフランスだったかモンブランの写真のよう。
これを見ただけでも外に出た甲斐があった。

「またべい」は混んでるかと思いきや割りと空いていた。
田舎の食堂みたい。パロマの煙突式のストーブもあったし。
広い駐車場に中はテーブル席がいくつかあって20人から30人は入れるか。
混んでるときは外に並ぶという。
車が止まって入れ代わり立ち代わり客が出入りする。
おにぎりやライス以外にラーメンのメニューは
中・大・特大のサイズ指定のみ。
具はネギとメンマとチャーシューのみ。
味玉などのトッピングはなし。
こういう店のラーメンはほんと、完成度が高い。
大にする。580円。安すぎ。
「ひらこ屋」と甲乙つけがたいですね。

佃方面の本屋に寄ってもらって
帰りの新幹線で読む Rockin' on の最新号を買う。
そのまま南へ、通っていた高校の辺りを走る。
校舎も建て替えてガラッと変わったのだとか。
近くに駅もできるらしい。
西バイパスの方に出てカブストアへ。妹が母に頼まれた買い物を。
中に入るとむちゃくちゃ大きかった。

家に帰ってくると天気がよかったからか屋根の雪がどんどん落ちてくる。
それを裏山に片付ける。
降ったばかりの雪だとさらさらとした粉雪だろうけど、
何日か何週間か屋根に堆積するうちに凍りに近付いていく。
なので量は少なくても固くて思い。結構時間がかかる。
終わって缶ビールを飲んだらえらくうまかった。

その後の時間は『ベスト・アメリカン・短編ミステリ 2012』を読む。
2012年版はジョー・R・ランズデールが入ってるのは嬉しいけど、
ジョイス・キャロル・オーツが入っていないのが残念。
ゲスト・エディターのハーラン・コーベンの趣味か。
そもそも僕の好きな作品が少なかった。

夕方、温泉銭湯。今日も客は少ない。
久々に吹雪でも雪でもなく晴れた空の下を歩く。

夜は最終日前日恒例の母カレー。
明日持って帰る。そしてまた例によって、
袋を二重にするかしないかといったことでなぜか口論になる。
僕はいらないと何度も言ってるのに、
これだと小さいかなあ大きいかなあという感じで。
最後僕は怒鳴ってしまう。

駄菓子ベスト50を決める番組を最初の方だけ見た。
50位エイトチョコ、49位きなこ棒、48位フェリックスガム。
面白そうだったけど
『ベスト・アメリカン・短編ミステリ 2012』に戻った。

青森で眠る最後の夜。
缶ビールを飲んで過ごす。


[4406] 青森帰省その7 2013-01-04 (Fri)

8時起き。
朝食はハムなど。あんまり食べないようにしている。
掃除機をかける。
雪かき。この1週間で一番降った。
物置の壁など風の当たるところだと深くなってて膝ぐらいまで。
二人掛かりでも一時間かかった。
僕は家の裏につくられた雪山へとスノーダンプで運ぶ。
母は融雪の機械を使う。地面に空けた四角い穴に雪を入れると
上からノズルで茶色い油混じりのお湯が噴出されて溶かしていく。
ボイラーのような機械が設置されて、灯油を使う。
毎回毎回煙突代わりの円筒を立てる。
灯油代も馬鹿にならないから僕がいるときは使わなくてもと思うが、
というか僕1人で自分のペース片付ける方が気楽でよいのだが、
母は手伝う、融雪を使うと言う。

この日は例の原稿の手直しを朝から晩まで。
夕方には終わるかなと思いきや、結構かかった。
明日は妹の旦那が車を出して
ラーメン屋に連れて行ってもらえることになったので
今日のうちに仕事を終えておきたくなった。
終わって今、缶ビールを飲んでいる。
おせちの最後の残りのザーサイやクラゲをつまみに。

夕方、銭湯へ。年末年始の混んでる時期を過ぎて
さすがに今日は空いていた。
そういえば昨日は入ったら刺青をした方がいてギョッとしたんだけど、
2・3年前にも見かけたことがあったなあと。
孫をふたり連れていて、元気に男湯の中をはしゃぎ回る。
四つんばいになった手足のそれぞれに
ケロリンの黄色い風呂桶を突っ込んで床を走り回る。
ほったらかしなのかなあと思っていたら
「周りの人に迷惑だからやめなさい」と怒る。おや?
しかしそれが僕にぶつかってきたときだったのでヒヤヒヤする。
僕は何食わぬ顔をして浴槽に浸かりにいく。

夜は三平汁(青森だけだろうか? 
鮭のカマ、ネギ、ジャガイモで味付けは塩)と
先日の冷凍保存していたしゃぶしゃぶ。
アメリカ短編ミステリ年間傑作選を読んで寝る。

本来ならば今日から仕事始め。
年末年始の対応は問題なく済んだのだろう。
申し訳ない。


[4405] 青森帰省その6 2013-01-03 (Thu)

昨日で折り返し地点となって今回の帰省も後半へ。
いつもならこの3日に帰るのに、明日休みを取ってさらにあと3日。
毎回毎回「あと1日あったらなあ」と思うのが叶ったようで嬉しい。

朝、ゆで卵、余っていた魚肉ソーセージなど。
家中に掃除機をかけて雪かき。この日は朝と昼に2回。
猛吹雪ではなくなったが、雪はシンシンと降り続ける。
時々風が吹き荒れる。
昨晩は方角の定まらず吹き荒れる風。
除雪車が遠くで動いているのが聞こえた。

箱根駅伝復路。日体大がそのまま行きましたね。
東洋、駒沢、早稲田の3強と言われたなか、思わぬ伏兵か。
区間賞は全体で1人でも、復路はずっと個人2位が続いて。
往路もそんな感じ。1区の7位が一番低かった。
突出しなくていい。皆、上位の結果を淡々と残す。
駅伝ってそういうことか。
東洋大は区間賞が2人でも何人か調子の振るわないランナーがいた。
中央大ってその後棄権してたんですね。
連続シード権獲得の記録が途切れる。
復路はオープン参加で8区だったかほんとだったら区間賞の走り。
あれは無念だろうなあ。全体的にも復路よかった。
来年は中央大を応援したくなりますね。
神奈川大や青山学院の若いランナーが頑張って走ったら
区間賞というのもよかったですね。
あと忘れられないのは10区。
4位帝京と5位早稲田が最後の最後まで併走して。
どこでラストスパートを仕掛けるか。
帝京のランナーはもう1秒ごとに振り返るって感じで。
最後やはりスパートがかかったんだけど
帝京はその徹底したマンツーマンディフェンス?
があったから鼻差で勝つことができた。

などなどありつつも、やはり総じて地味だったな。
今年は20分経過で襷が途絶える、もなし。
20分繰り上げスタートになるかどうかは
その大学のがんばりよりも1位のチームの速さなんだろな。
昨年の東洋は歴代新記録を出すぐらいだから速すぎた。

箱根駅伝が終わると正月も終わった気分になる。
おせちも残っていたのをあらかた食べ終える。
トマス・ピンチョンも最後の200ページを読み終えた。
上下1700ページ。ふー。
トマス・ピンチョン的ごった煮・
超ハイスピードおもちゃ箱ひっくり返す的感覚で
19世紀・20世紀の世界史を概観し、
レンズを換えて、ズームを変えて、裏返して、
省略して、意外な接点を見いだして、
巨大な、現実よりもリアルな模型を作り上げる。
情報とは可能性の広がりとその選択なのだなと思い知らされる。
上巻のアメリカ篇はポップでカラフル、
下巻のヨーロッパ篇は陰鬱で灰色。
少し息切れしてるかなと思う箇所もあったけど、
やはり最後の見えてきた辺りからの
こう広げたものをこう収束させるのかという手際には
毎度のことながら感心させられる。
最後の最後にアナザー・ワールドを垣間見せるというか。
(それまでにも多々ほのめかされはしますが)
正月早々、これが今年の読書No.1となっている可能性が高い。

別の部屋で母が寝ているということもあって、
iPhone に接続しているスピーカーは
聞こえるか聞こえないかぐらいの小さな音にして音楽を聞く。
ほんとの意味でのバック・グラウンド・ミュージック。
これもまたいい。

この後は例の原稿の見直しを少しやって、
アメリカ短編ミステリ年間傑作選に戻る。
明日も一日手直し。


[4404] 青森帰省その5 2013-01-02 (Wed)

7時半起き。
昼まで箱根駅伝を見ててその後トマス・ピンチョンを読んでいたら
それだけで一日が終わる。正月ってそんなもんか。

朝、玉子焼き。ごはん、味噌汁。
家中に掃除機をかけて母と雪かき。
その間箱根駅伝の1区・2区をチラチラと見る。
3区・4区・5区は iPhone であれこれ調べものしながら。
亜細亜大と東海大が出てないんですね。
それ以外はいつもの安定した顔ぶれ。
2区での日大ゴボウ抜きはお家芸として目新しいものはなく。
区間記録も生まれず今年は総じて地味であった。
東洋、早稲田、日体大で首位争いとなった5区山登りぐらいかな。
東洋大:柏原が卒業して今年の5区はどうなるか、というのが一番の話題か。
(柏原はゲスト解説。昨日のニューイヤー駅伝はいまひとつだったようだ)
スターというか話題性のある選手が不在。
学生陸上界では東洋大の設楽と早稲田の大迫が…、
と言われてもさすがにそこまでは分からない。
往路は予選会から勝ち上がった日体大が優勝したけど、
復路は東洋か早稲田が逆転するんじゃないかと思う。

CMはその柏原と順天堂:今井の2人が出てくるのがよかったですね。
あと、缶ビールの空き缶で桑田佳祐の顔を描くやつ。
そしてなんといっても大人エレベーター。今年は奥田民生、47歳。
自分の曲は好きかと聞かれて、迷わず、好きだと答える。
自分の聞きたい曲を作ってるし、
いい曲書くなーって自分で自分を褒めてると。
10年後そういう大人になりたいと思った。
この3本、どれもサッポロか。

駅伝の終わった頃もう一度雪かき。
昼は日差しが出て雨になるが、夜になってまた吹雪へ。
夕方、温泉銭湯へ。青森市温泉マップというのがあって読んでみたら
青森市は温泉銭湯が全国でも珍しいぐらいに多いようで
西の鹿児島市、東の青森市とあった。

夜はおせちの残り。
銀幕スターの御曹子スペシャルという特番を見る。
黒澤明監督は撮影中、スタッフに国鉄と交渉させて新幹線を止めたとか、
『乱』の撮影では突然「明日までにエキストラ900人集めろ」と言ったとか、
トトロで号泣して猫バスが気に入っていたとか。
三船敏郎は撮影後ちょんまげに着物のままで
オープンカーを運転して帰ったとか、
母の日に自家用飛行機で子供の通う学校の校庭に
カーネーションをばらまいたとか。
三船敏郎への黒澤明の弔辞が泣ける。

この後はトマス・ピンチョン『逆光』を読んで過ごす。
今日は300ページぐらいか。
明日にはなんとか終われそう。


[4403] 青森帰省その4 2013-01-01 (Tue)

38歳初日。
7時過ぎに目が覚める。母は既に台所仕事を始めている。
起こされたような気がして起きたけど、気のせいだった。
昨日のおせち料理の中にあった麻婆豆腐とご飯、味噌汁。
NHKで京都の苔寺を紹介していて、行ってみたくなった。
食後、雪かき。大雪となって1時間かかる。
昨晩飲みすぎて若干二日酔い、かつ運動不足の体にちょうどいい。
元日ということもあって掃除機はかけない。
午前中、母は病院に行って点滴を打つ。
昨日に続いて二日連続。近くの病院が午前だけ開いているという。
昼はうどんを茹でて食べる。
トマス・ピンチョン『逆行』の上巻を読み終えて下巻へ。
一日中読んでる。この日も400ページほど読んで佳境に入る。
夕方もう一度雪かき。
疲れて倒れると困るからと何度言っても母は一緒に雪かきをするという。
その後温泉へ。いつもの小さな鄙びた方は元日休みなので
この日だけは北校の裏の大きくて新しい方に行く。混んでいた。
落ち着いて入ってられず、早々に出てくる。
吹雪の中露天風呂はとてもぬるかった。
作り物の灯篭に雪がかかっていてそれはそれで風情があったけど。
夜は昨日のおせちの残り。
夜、『OL進化論』の最新刊を読みながら
おせちについていた紹興酒を温めて飲む。
facebookに届いた誕生日のメッセージに返信する。

視界の真ん中に小さなゴミが入りこんで、
気が付くと下か右にまっすぐ消えていく。また真ん中へ。
本を読んでいると気が付く。
角膜に傷がついているとかなんらかの眼の疾患なのだろうか…

人生の舵を切って、今年はその結果が出る年。
よかろうとあしかろうと。
来年の今頃、どうなっているだろうか。
人生最大の転機となるか。
既に勝負はついていて、
というか僕にできるところはあらかた済んでいて、
あとは世の中に対してそれがどう転がっていくか。
3月まではその件で忙しくて、世に出るのは夏頃か。
この件が中心になる一年となりそう。


[4402] 青森帰省その3 2012-12-31 (Mon)

8時起き。昨晩は雨音を聞きながら眠った。
雪に変わるが、少ししか降っていない。
食後外に出て、凍りついたのを片付ける。
朝は玉子焼き、茹でたブロッコリーなど。
テレビをつけたらやってたNHKアーカイブスの
「クイズ面白ゼミナール」(1981年)をしばらく見てた。

掃除機をかけたあと、トマス・ピンチョンの続きへ。
昨晩は結局450ページまで来た。ずっと読んでいた。
今日中に上巻を読み終えるか。
大晦日で夜は酒を飲むから今日は無理か。

RABで「津軽弁の日」をやるかと思いきや、テレビ欄を見てもなし。
昨日のテレビ欄を見てもなし。今年はもっと早かったのか。
開催しない、はないだろうし。見れなくて残念だ。

今年の1週間の休みでどこに行くかということをこのところ考えている。
2月後半なんだけど公私共に忙しい時期で。
屋久島に行くつもりが、土日は明けといた方がよさそうになって
近場で平日に4日程度にして、来年度海外に行くかと。
能登半島に行ってみる、熱海でまったりするというのを
最初考えるがしっくり来ない。
陸前高田市に行ってみたいということをモヤモヤと考え出す。
見ておきたい、というだけ。興味本位と言ったらそれまでなんですね。
人によってはその1日でもボランティアとして働くべきと思うかもしれない。
さて、どうしたもんかと考えていたら
おせちとお寿司を届けに来た妹夫婦が、使う機会がなさそうだからと
JR東日本の株主優待券とサービス券を突然僕にくれる。
ああ、これは行けってことなんだな、と思う。
泊まるのはメトロポリタン仙台とかになってなんだかチグハグなんだけど、
それでもまあいいか、と。
後半は福島の磐梯温泉にまた行ってみるか。

夕方、吹雪の中を銭湯へ。やはり混んでいた。
帰ってきて寿司を食べる。
妹の旦那からもらったアサヒのWBC記念の缶ビールを飲む。
母は今日も食べられず。いくつか寿司を残しておく。
紅白は見ない。トマス・ピンチョンの続きを読む。
缶ビールとハイボールと熱燗。
そんなふうにして2012年と37歳が過ぎてゆく。


[4401] 青森帰省その2 2012-12-30 (Sun)

8時半起き。曇ってはいるが雪は降らず。午後は雨。
外では何度か雪が落ちてくる。

母があまり食べられないちうこともあり、
朝は焼いた鮭とご飯、味噌汁だけ。
昼は目に付いたヨーグルトとみかん、アーモンド。

雪かき。暖気になって緩んだのか、
昨日屋根から落ちた玄関前の雪を裏にスノーダンプで投げる。
底の方は固まりになって凍り付いている。
下から崩そうとすると母はスコップは上から、と言う。
雪かきについては何歳になっても言われ続けるものである。

終日トマス・ピンチョン『逆光』を読む。
今日一日で300ページぐらい消化することになるか。
上下で1800ページ、今回こっちにいる間に全部読み通せるだろうか。
今書き直している原稿で使えそうなキーワードを拾いながら読む。
トマス・ピンチョンの小説はさすが百科事典的であって
話題が幅広く、マニアックすぎてすぐにもメモが埋まっていく。

17時になっていつもの銭湯(温泉)へ。
空いているかなと思いきや昨日よりも混んでいた。
出てきて着替えていると、何がきっかけだったのか
僕よりも2回りぐらい上の方に80歳ぐらいの方が
戦争体験を語っていた。
昨晩思いっきり泣いていた小さな女の子が今日も来ていた。
昨晩はお母さんのいる女湯で泣いて、
お父さんとおじいちゃんのいる男湯に移ってきた。
今日は最初から男湯へ。やっぱりぐずついている。
お父さんは標準語を離している。
おじいちゃんとの会話も丁寧だ。こちらはお母さんの方の田舎か。
物心ついて初めての青森。銭湯も初めてか。

夜はどこからかもらって、
ずっと冷凍室に入れられていたしゃぶしゃぶを食べる。
テレビをつけるとバンキシャ。
横綱日馬富士がモンゴルに里帰りしたときの取材。
日本で書かれたモンゴルの歴史書を
お金を出してモンゴル語に翻訳させて本にして小学校に配るとか
日本で不要になった救急車2台譲り受けて病院に寄贈するとか
16歳の頃は貧しい人たちの地区で薪割りを手伝ったとか
年末らしく美談が続く。
絵の才能もあって、子供の頃に描いたという水彩画がうまかった。
他、テレビは見ない。
トマス・ピンチョンを読み続けて夜を過ごす。
Rachael Yamagata や Solveig Slettahjell を聞きながら。


[4400] 青森帰省その1 2012-12-29 (Sat)

職場も昨日納会で、今日から青森に帰省。
8時半にメールが届いて目が覚める。
例のPJの方。音楽の話になって意見のやり取り。
書き終えるとダウンジャケットにフードをつけて、ブーツを出して、
リュックサックに iPhone の電源コードなどを詰めて外に出る。
Lucinda Williams の2枚組ライヴアルバムを聴きながら歩く。
丸の内線の中でオットー・ペンズラー編、
恒例のアメリカ短編ミステリ傑作選を読み始める。

大丸の地下にできた日本橋の親子丼の老舗「たまひで」の
唐揚専門店の、前から気になっていた弁当を買う。
あと唐揚、鶏天、串カツのお試しセット。
改札をくぐって Grandsta にて「てとて」の
海鮮チヂミもんじゃなど練り物をいくつか。
缶ビールをロングで3本と妹夫婦の土産に宮城の酒を買った。
29日が土曜というタイミングも良いのか、
帰省ラッシュで東京駅は例年よりも大混雑に感じられた。
しかも大勢がリュックサックを背負ったり、
キャリーカートやスーツケースを引いたりで荷物が多い。
芋の子を洗うとはこういうことか。

11時半前。新幹線に乗って缶ビールを飲みながら唐揚弁当を食べる。
香辛料を使用せず、内蔵を熟成させて作ったタレを
使っているとのことで優しい味わい。うまかった。
そういえば昨晩は未明にかけて東日本は大雪注意報が出ていたけど
東京は特に降らず、それどころか今日はずっと青空が続いていた。
仙台から先もほとんど雪がない。青森に入っても、そう。
15時を過ぎて遅れなく到着する。吹雪どころか雪もない。
解けかかっている。

会社へのお土産を前もって買って送る。今回は「いのち」にする。
年明けの新年会用に日本酒も買う。昨年は一人一本までということで
駅で「田酒」が買えたのですが、今年はもう売ってないみたいですね。
試飲の自販機にも入っていなかった。
代わりに「豊盃」にする。お酒の飲めない人用にリンゴジュースも買う。

妹の旦那が駅まで迎えに来てくれる。
北海道新幹線の線路が北高校の先まで延びていた。
荷物を置いて、ふたりで晩御飯を食べに行く。
母はノロウィルスに感染して何も食べられず。食事の支度もできず。
昨晩留守電に入っていた。
朝出発の前に電話したら「それでもまあ帰ってきなさい」という。
会ってみたらそれほどひどい状態ではなく、臥せってはいなかった。
普通にしていた。

青森煮干ラーメンが気になっていたので
有名なところへ行きたいとリクエストして「ひらこ屋」となる。
新城の厚生病院の裏だったので車ではすぐだった。
店内に入るなり、ツンと来る煮干の匂い。
「バラそば」にする。煮卵も入れる。
名前の通りばら肉のチャーシューが敷き詰められている。
スープはこってりではなく、あっさり。
透き通ったスープは食べてみると昔懐かしい味がした。
妹の旦那がこってりにしたので、スープを飲ませてもらった。
こちらはドロッとして東京で食べる煮干ラーメンのよう。
お新香がサービスで小皿にとりわけできる。

店を出て、せっかくだからもう少し走ろうということになって
僕は「サンロード青森」に行きたいと言う。
西から東へ、青森市を横断する。
県立美術館はライトアップされているはずが年末で休館なのか
シンと静まり返っている。今は奈良美智展が開催されているという。
県立図書館を過ぎて、東大野へ。
この辺りが今、青森で最も栄えているのだとか。
地価が盛岡、仙台並みに高い。
イトーヨーカドーができていて、ドンキホーテの看板を見かけた。
「CUB」だったか、紅屋系列の安売りスーパーがあちこちに建っていた。
その他にもロードサイド系ショッピングモール。
中央高校のある辺り。
昔は何もなかったし、高校の帰りに寄ることもなかった。

「サンロード青森」に入る。3階の屋上駐車場に停める。
小さなレストラン街にはまだ「レンガ亭」が残っていた。
(というか google maps で「サンロード青森」を見ると
 なぜか「3F レンガ亭」とここだけ地図に載っている。有名店?)
下の階に下りていく。社会人になって初めてか。10数年ぶり。
ダイソーや赤ちゃん本舗ができていた。
高校時代散々お世話になったCD屋「BE-BOP」の最後の店も
なくなっていた。覚悟してたけど。
そういえば昔、ここには輸入盤の専門店もあったのにな。
The Jesus & Mary Chain や 10000 Maniacs なんかを買った。
今はもうその片鱗もない。
併設のジャスコもイオンに変わっていた。
近くにもっと大きなイトーヨーカドーができたりして
今はかなり厳しい状態なのだという。
かつては年末年始ともなると1日の売り上げが1億を超えたとか。それも昔。
僕が小さな頃からあったのだから建物が手狭なものとなっている。
でもまあ年末だからか、結構客の姿があった。

車に乗って新町へと向かう。「ザ・ビデオ屋」の話になる。
ネット上で話題になって今ではあのCMも全国的に知られるようになった。
ただでさえインパクトがある映像なのに
津軽弁の分からない人だと何のことやらさっぱり。
もうずっと前になくなったのかと思っていたら数年前までは見かけたとのこと。
少し行った先に「ジャガー」というオーディオ機器の店があって、
そこはテレビ局の人も来るようなしっかりしたところなんだけど
そこを飛び出して「ザ・ビデオ屋」を作ったのだとか。

本町のスナック街へ。
まだ18時ということもあって人影はほとんどなかった。
バッカスビルやジャスマックがまだあった。
コアビルは明かりがついていなかったように思う。
僕ら一家が住んでいた小さな雑居ビルはまだ残っていた。
しかし、チラッと前を通り過ぎる限りではかなり様変わりしていた。

ベイブリッジのほうに出て「Coffee Colors」という名前だったか、
倉庫を改装したという青森市にしてはおしゃれな喫茶店に入った。
カフェオレを飲んだ。お代わりが100円だというのでカフェマキアートにした。
白い壁に風景写真。白いテーブル、白い椅子。
カウンターの棚にはレコードのジャケット。
居心地のよい空間だった。休日の午後、本を読むのによさそう。
青森市はおしゃれな店が長続きしないもんだけど、
これからも頑張って続けてほしい。

帰ってきて、近くの温泉に入りに行く。
今日はもう早く寝ようと思う。


[4399] 納会 2012-12-28 (Fri)

今日は年内最後の出社。そういう人も多いのではないか。
神保町にて客先常駐するようになってもう4年。
僕はお客さんのところの納会に出て、1年を終える。
毎年恒例のビンゴ大会があって、缶ビールを飲んで。
(新宿の本社でもやるのだろうか?)

昨日は豪徳寺に引っ越した編集工学研究所の納会に出席した。
18時にオフィスを出て東京駅まで歩く。
新宿から久しぶりに小田急線に乗ったらマゴマゴして、着いたら19時半だった。
やっぱけっこう遠いな。
帰りを調べてみたら世田谷線で下高井戸、京王線に乗り換えて八幡山、
バス停「甲州街道」を探して関東バスに乗って荻窪駅南口へ。
けっこうめんどくさい。
環八まで出て環八沿いにってのは歩きや自転車ならばいいけど、
交通機関としてはなかなかうまくいかない。
あるいは新宿にいったん戻って丸の内線か。
来た道を引き返すというのはなんだかうれしくない。
(長居して飲みすぎて結局後者になった。終バスの時間をとっくに過ぎていた)

会場入りすると「静かに入ってください」と言われる。
三味線が演奏されているという。
高さ4mの倉庫のような空間の壁いっぱいに本棚。
引っ越してきたばかりでところどころまだスカスカだけど、
そのうちのひとつは半ばでせり出して柱で支えられ、2階に分けられていた。
そこに梯子がかけられ、上の方で演奏をする。
男性の、…有名な方なのだろうか。
後にはもうひとり女性の方。さらに有名な方なのだろう。地唄を披露する。
調べてみたら、本條秀太郎・西松布咏と名前があった。
その他にも宮本亜門であるとか、著名人がチラホラと。
「内々の集まりです」とメールにあったので気楽な集まりかと思いきや…

自家製サングリアなど編工研スタッフ手作りの料理が振舞われて、
「まあ酒は出ないかな」と思っていたらビールも飲み放題で
引っ越し祝いの日本酒も本棚いっぱいに並んでいた。
新潟の地酒「宝山」の300mlの小さな瓶。
納会の間に1瓶空けて、さらにお土産に2本もらった。
お土産は他になぜか新潟の「カレー豆」と校長の著作か本棚用の黒い鉄製の仕切りか。
僕は仕切りをもらった。

隣り合わせた初めての人と話したり、久しぶりに会う人と話したり。
いっちょまえに現役師範代にアドバイスしたり。
「今日はスーツなんですか?」「アロハじゃないんですか?」
「そろそろ戻ってきてください」「今やってるのいつ終わるんですか?」
いろんな人に声を掛けられた。ありがたいものです。
「うわー! あのアロハの岡村さんですか!? お会いできて光栄です」
とまで言われた。本人がびっくり。

酔っ払って何人か一緒に帰ってくる。
家の近いとある現役師範代の方と荻窪まで丸の内線で。
なんというか来年もどっぷり関わることになりそうだ。


[4398] Led Zeppelin 『Cerebration Day』 2012-12-27 (Thu)

月曜、Led Zeppelin の復活ライヴのDVD『Cerebration Day』を観た。
な、なんだこれは…
自ら「奇跡のライヴ」とサブタイトルをつけているのも納得した。
先月号の Rockin'on で渋谷陽一がひたすらすごいと連発してて、
ロックの神が下りてきたとまで言ってて、
ほんまかいなと思ったけど、いや、そうとしか言いようがない。

1980年にジョン・ボーナムの死で解散せず、
そのままずっと30年間鍛え抜いてきたかのような音。
その後これまで散発的に中途半端な
再結成ライヴを繰り返してきたバンドとは思えない。
ストーンズだって3・4年に1度ワールド・ツアーを繰り返しているから
あの音を保っているというのに。

アトランティック・レコードの創始者アーメット・アーティガンを追悼するための
2007年12月、イギリスのO2アリーナでの一夜限りのステージ。
もちろん僕なんかには手が出せるわけはなく。
Wikipedia を見てみたら2万人分のチケットに対して応募が2,500万人だとか、
オークションで売りに出されたチケットが日本円にして1,900万円にて落札されたとか。
ドラムは息子、ジェイソン・ボーナム。
「Good Times, Bad Times」で始まり、「Rock and Roll」で終わる。
代表曲ばかりで、16曲。
ジミー・ペイジは「幻惑されて」でヴァイオリンの弓で弾いて、
「天国への階段」と「永遠の詩」でダブルネック・ギター。
「Trampled Under Foot」「No Quater」「Kashmir」など
ジョン・ポール・ジョーンズは大半の曲でベースではなく、キーボードを。
1970年代のライヴもそうだったのだろうか?
ベース無しでも音に厚みがあって、グルーヴがある。

音がとにかくでかいんですね。
音量ということじゃなくて、音の存在感。大聖堂、大伽藍のよう。
Rockin'on の特集では建築物としての曲を完璧に構築したからだ、
みたいなことが書かれていた。確かに、観ていて実感した。
構造と、それを具現化する圧倒的な演奏力。
ジミー・ペイジのリフが中心にあって、
ジョン(ジェイソン)・ボーナムのドラムがあって、
ちょっとやそっとのことでは揺らがない。
ロバート・プラントが
「俺は Led Zeppelin では曲を書いて、詩を書いて、歌ってただけだ」
と拗ねた名言を残したのもよく分かる。
(ここで言う「曲」とは構造のことではなく、ヴォーカルのメロディーのことだろう)

昨日の朝 InterFM で知ったんだけど
年明け4日の夜には六本木ヒルズで「爆音」上映されるみたいね。
観たかった、というか聞きたかった…
スクリーンの中に音響機材をセットするらしい。
これは絶対、大画面・大音量で体験した方がいい。


[4397] 真夜中の光 2012-12-26 (Wed)

なんとなく思い出したこと。

小学生の頃、夏休みや冬休みになると
津軽半島の先の方にある母方の実家に泊まりに行った。
長ければお盆や正月を挟んで1週間ぐらいいることになる。
僕ひとりで、ということもあったけど、たいがいは母と妹と3人で訪れる。
そのときいつも泊まる2階の部屋があった。今でも、そう。
かつて年上の従姉妹のものだった。
かぐや姫や長淵剛のポスターが壁に貼られ、
天井には秋芳洞や伊勢志摩のペナントが電灯を中心として広がっていた。
本棚に残された『かもめのジョナサン』を高校生のときに勝手にもらっていった。

小さい頃、早く眠るしつけだった。
21時か遅くとも22時ぐらいには布団に入っていたと思う。
親戚の家に行ってもそれは変わらない。
お盆や正月なので年の近い従兄弟も集まっている。
下ではまだそのはしゃぐ声が聞こえる。
大人たちもまた酒を飲みつつテレビを見ている。
そんなとき、気持ちが昂ぶってなかなか寝付けないものである。

眠れないままに僕は外を通る車を数えた。
津軽半島の先の方。広い国道から外れた小さな村。
周りの家の多くが寝静まっている。
電灯がわずかにあるだけで外は真っ暗。
通り掛かる車は5分か10分に1台あるかないか。
最初に遠くから音が聞こえてきて、ヘッドライトが左から右に通り過ぎる。
その瞬間、外が明るく照らし出される。
その光が天井にも届く。ペナントの輪郭が浮かび上がる。
僕はその瞬間が好きだった。ひとりぼっちじゃなくなる瞬間。
時々、車が2台続けて来たりするとそれがなぜか楽しかった。
向かい合わせに2台来てたまたますれ違うとなると
どんなイリュージョンよりも幻想的だった。
この世界が古びた、白い光に包まれる。
この世界は僕と、光だけが存在するような。
それは原初の何かに立ち返るようでもある。
気がつくと僕はまたひとりぼっちで暗闇の中に戻っている。

大人になって、最近は青森に帰っても親戚の家を訪れることはなく、
もう何年もあの部屋に泊まっていない。
あの光はまだこの世界に存在するのだろうか。
これが僕にとっての、幻想との境目となる。


[4396] 12/17-12/23 2012-12-25 (Tue)

12/17(月)

昼、打ち合わせが長引いて中華弁当。高菜と豚バラの炒め。
うまいけど脂っこくて太りそう。
夜は納豆ご飯再開。おしんことわかめスープ、リンゴ。

このところずっと例のPJの作業を続けていたので
たまには休むかというつもりでいたのが、
やれる日には進めておいた方がいいと結局書き直しを1本。
水曜か木曜日に豪徳寺で校長ディレクションを、と連絡が来る。

先週購入した Josephine Foster が今年最大の出会いの1つ。
ここまで深みがあって根源的な音楽、
古今東西の音楽を煮詰めて無国籍にした音楽はそうそうない。
2010年の『Anda Jaleo』も素晴らしかったが、
今日の帰りに聞いた新作『Blood Rushing』には度肝を抜かされた。

午前0時半に眠る。

---
12/18(火)

昼、大戸屋にて新メニューのタマネギ丸ごとのスープ鍋定食。
なかなかうまかった。これはご飯を鍋に入れて
リゾットというかおじやのようにして食べてもいいかもしれない。

少し残業。
夜、納豆ご飯とおしんことわかめスープ、リンゴ。
今日もリライト。午前0時前に眠る。

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12/19(水)

去年の冬と比較して暖かい。気のせいなのかなんなのか。

豪徳寺での打ち合わせがなくなったと朝起きたらメールが来ていた。
大丈夫なんだろうか。どういうスケジュールでものが動いているんだろう。
遅れに遅れてリカバリのため、年末年始皆で合宿とか言い出さなきゃいいが…

昼、給料日前。大戸屋のスタンプがいっぱいになったので
カツ煮定食に引き換える。
夜、帰ってきてコンビニで買ったカット野菜と豚コマで野菜炒め。
ごはんとわかめスープ、リンゴ。
今日も書き直し。プロットにメリハリを入れようと力ワザで書いていたら
かなりの分量になった。午前0時を越えていた。
午前1時に眠る。

今週は仕事があれこれと忙しい。テンパルほどではないがカツカツ。
資料を作ったり、打ち合わせしたり。なんだか年末っぽい。

---
12/20(木)

昨日と打って変わって寒い。
昼、PJランチ会で「デニーロ」へ。月イチのクリームの日。
…なんだけど毎日のように食べていて月イチだとありがたみもあるけど、
その月イチの日しか行かないので結局クリームしか食べていないことになる。
なんかおかしいと思って、定番の塩にした。大盛でおなかいっぱい。
夜、何も食べず。

給料日。先月の少し余った分は貯金して、
帰りに東京駅地下のタワレコでプリシラ・アンのカヴァー・アルバムを買った。

例のPJの件。
雲行きが怪しくなって僕は何をどこまでしたら終わりなのか。
ズルズルダラダラ引きずられていくのか。
そもそもスケジュールはどうなっているのか。
大変なのは分かるけど、全体的な進行が行き当たりばったり過ぎる。
いろいろ不満があってメールを書く。しかし、大人になろうと半分削る。
書き直しを少し進めて送る。
午前0時半に眠る。

---
12/21(金)

午前3時に現時点でのスケジュールのメールが届いた。
僕の知らない間に以前聞いた話から1ヶ月伸びていた。
こういう大事なことを伝えずに仕事を依頼して
それっきりってどういうことなのだろう。
それでいて伸びたのだから
その分際限なく要望を受け入れてくれると思ってやしないか。
朝、会社に来てスケジュールの共有って大事ですよと
おせっかいなお説教のメールを書いて送る。
何で彼らは自分たちのことしか見えてないのだろう?
周辺の僕らはいくらでも滅私奉公するロボットとでも思っているのだろうか?
気が遠くなる。いつ終わるのか。このスケジュールもまた崩れるのか。

昼、スタ丼屋の新メニュー、中落ちカルビ丼だったか。
肉は固いし、タレは甘辛いだけだし、
スタ丼屋は新しいメニューの開発が下手だなー。

今日は打ち合わせ無し。タスクをこなす日。
メリメリ片付けていったら夕方には終わった。
夕方、腹が減ってキッチン南海でカツカレー。

この日、映創会の忘年会は断って、部門の忘年会は元々行く気がなく。
結局どちらにも行かない。
部会のため皆本社に戻って、プロパーが僕だけになって留守番。
19時ぐらいまでパートナーさんの作業が終わるのを待つのかと思いきや、
皆18時には帰ってしまった。それぞれ忘年会があるのだろう。

マヤの予言によれば今日は地球滅亡の日だったか。

帰ってきて一幕分、第三稿を。提出して、
焼酎お湯割を呑みながらぼんやり過ごしているうちに午前2時。

---
12/22(土)

寝てたら電話がかかってきて目が覚める。
11時を過ぎている。外は強い雨。
年末に帰ってくるとき、両口屋のお菓子を買ってきてほしいという。
塩ラーメンを茹でて食べる。カット野菜、豚コマ、コーン、わかめ、メンマ。
次の一幕の第三稿を仕上げて、雨も止んでいたので床屋へ。
切っている間眠ってしまう。
西友へ。ローストビーフを見つけて、買う。
夕方、もう一幕仕上げて提出する。

『バットマン ビギンズ』を観る。
順番通りにならず、僕は『ダークナイト』を先に観ていた。
クリストファー・ノーラン監督の三部作の最初ってことであちこち固くて、
そりゃやっぱ『ダークナイト』の方が桁外れに面白い。
ゲイリー・オールドマンやルトガー・ハウアーが出ているのは嬉しいし、
クリスチャン・ベールが好きだとね、という役者の映画。
マイケル・ケインにモーガン・フリーマン。
これら大物俳優たちが三部作を通して出演したというのがすごい。
ローストビーフをカットして食べて、焼酎お湯割り。
午前1時半に眠る。

HMVのサイトで注文したストーンズや岡村靖幸のDVDボックスが
いつまで経っても出荷されない。夜はサイトも不調だった。

---
12/23(日)

10時起き。
第三稿、もう一本仕上げて昨日同様、ラーメンを茹でて食べる。
もう一本軽く手直ししてこの日の作業は終了。
16時には体が空く。母に頼まれていたお線香とお菓子を買いに新宿へ。
その後渋谷のレコファンへ。神座で食べて帰ってきた。
年末だけあってどこもかしこも混んでいる。

夜は『ダーク・ライジング』を観た。
お金をかけてすごいことなってんなあとは思うけど、
ヒース・レジャー演じる「ジョーカー」の存在感一発に勝てない。
なるほど脚本ってこう書くのかという勉強モードでずっと見てた。
『バットマン・ビギンズ』と続けて見て、この2作は対になってるなと気づく。
焼酎お湯割と味付けピーナッツなど。
午前1時に眠る。
このところ、寝床で読む rockin'on の今月業の特集はビートルズ。


[4395] ジョセフィン・フォスターからフェデリコ・ガルシア・ロルカへ 2012-12-24 (Mon)

僕にとって今年を代表する1枚を挙げるとするならば
Josephine Foster『Blood Rushing』
http://www.amazon.co.jp/dp/B0093UG2XM/

フリーフォークの最高峰。
人類がこれまでに通過して、これから先生み出される、
古今東西・森羅万象のリチュアルの全てを声にして語り継ぐような歌。
音の桃源郷。
現在、最も深い地下水脈を探っているのはこの人ではないか。
http://windbelljournal.blogspot.jp/2012/08/josephine-foster-blood-rushing.html

2010年に発表の、スペインの詩人フェデリコ・ガルシア・ロルカが集めた民謡集を
カヴァーした『Anda Jaleo』も必聴。
1テイクだけの即興録音にも関わらず、凛とした声、色鮮やかな音。
現代に甦らせるってこういうことなんだ、と思った。
http://cookiescene.jp/2012/04/josephine-foster-the-victor-he.php

僕はその元になったアルバムを探した。
『Coleccion De Canciones Populares Espanolas』
「Sonifolk」というレーベルからの復刻版が探せばまだ見つかる。
2012年もいろんな音楽に出会ってきたけど、
最後の最後、ひとつ辿り着いたなあと思った。
ロルカが集めて、編曲し、自らピアノを弾いたスペイン民謡集。1931年の録音。
アルゼンチン出身の舞踏家ラ・アルヘンティニータが歌った。
数年後、スペイン内戦の時代に発禁となる。

読書もそうだけど、本を読んでいる間も旅であるし、
ひとつ読み終えてそれが道標となってまた次の本に向かうのもまた、旅。
2013年もまた、続く。

一昨年の今頃、スペイン内戦について調べることになって
そのときにロルカと巡り合った。
1936年、フランコ側(つまり、ファシズム側)の党員によって銃殺される。
詩集『ジプシー歌集』や戯曲『血の婚礼』などを残した。
読むべき時が来たんだな、と思う。

---
なお、今年の1曲にしてベスト・ビデオクリップと言えばこちら。
Ana Tijoux 「Shock」
http://www.youtube.com/watch?v=177-s44MSVQ

今年の初めに出会って、以来ずっと聞いてた。
チリの女性MCなんだけど、2011年、教育の自由化を求めて
学生たちが立てこもった学校にて撮影したという映像がリアル。
登場するのは実際の学生たち。


[4394] 師走 '2012 2012-12-23 (Sun)

一仕事終えて、夕方新宿へ。
母に頼まれていた鳩居堂の線香を買いに京王百貨店へ。
その後地下に移動して両口屋のお菓子を。
師走だけあって人、というかおばさんたちでごった返していて、
エレベーターに乗るのも列ができている。
世の中不景気じゃないんだな、と一瞬思うが、関係ないか、
贅沢しに来てるのではなくて年末年始に必要なものを
あれこれと買いに来ているのだろう。

渋谷に出たら駅からセンター街まで大混雑。歩くのもままならない。
クリパ系の被り物をした若者たちが集まって小声で騒いでいたり。
クリスマスが近づくとよく駅前の交差点に
「見よ、神の国は近づいた」
みたいな札を持って立ってる人がいるじゃないですか。たぶん、バイトの。
今年はあの札が新調されていた。少しモダンなデザインになっていた。
昔の、田舎の家の壁に黙って貼られてた黒いやつの方が風情があっていいな。

レコファンで前回買いそびれたCDを買う。
Robyn Hitchcock の最近作の国内盤と
Red House Painters 「Old Ramone」それぞれ中古で。
これが今年の自分にとってのクリスマス・プレゼントになるのか。
どこもかしこも若者たちで混んでいて、ハンズに寄りたかったけどやめた。
身動き取れなくなってそう。
神座も17時過ぎでとても混んでいた。
冬限定の「野菜たっぷり」というのをトッピングした。
ほんとは明日あちこち出かけるつもりだったのが
この分だと明日はもっと大変な人出になりそう。
家でおとなしくしているのがいいか。

この日も必要最低限の用事を足すとそれ以上ブラブラする気はなくなった。
まっすぐ荻窪に帰ってくる。
ルミネと西友へ。ありとあらゆる店でチキンを売っている。
ローストチキンだったりフライドチキンだったり。
そう言えば何も考えず昨日は西友で目に留まったチキンを買って夜に食べた。
地下はクリスマス・年末年始モードでローストビーフが売られていた。
久しぶりに食べた。クリスマスは、僕の場合昨日で終わっていたんだな。

これから、借りてきた『ダークナイト・ライジング』を観る。
明日の予定は何もなし。久しぶりに何もない一日。
駅前の「なごみの湯」にでも行くか。


[4393] 忘年会 '2012 2012-12-22 (Sat)

昨日は忘年会という人も多かったのではないだろうか。
僕はふたつ重なって、結局どちらにも行かなかった。
大学の映画サークルの方はほんとは出たかったんだけど。
今月4つ話があって、出たのは2つ。
2勝2敗。この数え方はおかしいか。

12月の3週目の金曜。
ここが忘年会のピークであり、一番の忘年会日和なのだと思う。
…なので逆に幹事としてはセッティングしにくい。
参加者の方でバッティングしそうだから。
僕が幹事だとしたら、この集まりは参加を見込む方々にとって
人生における優先順位はどれぐらいだろうか、と考える。
平均して3番目か4番目だろうなとなるとまとまらない可能性が高くなる。
不参加か、最初だけ顔を出したり、「2次会からなら行けるかも」だったり。
僕が幹事で先日開催したプロジェクトの忘年会も12月前半の水曜だったな。

しかし、多くの人が優先順位を1位にする忘年会とはどういうものなんだろう?
ライフスタイルの多様さが謳われるこのご時勢、
職場が最優先じゃない人もまた増えているのだろうし。
(実際僕も昨日開催の部門の忘年会は迷うことなくスルーした)
職場じゃなく、地域や趣味や古くからの友人の集まりだとしたら
それって素晴らしい集団ですよね。
12月の第3金曜がひとつのバロメーターか。

それにしても。忘年会って「よし、やるぞ」という気になるけど、
新年会ってそうでもないな。気合が入らないというか。
「いやー今年こういうことがあったねえ」という話は楽しいけど、
「いやー今年こういう年にしたいねえ」という話に興味がないからか。


[4392] マヤの人類滅亡説 2012-12-21 (Fri)

2012.12.21 って、まあその、
例のマヤの予言によれば人類が滅亡する日の始まりってことになっていて。
マヤ文明の暦が終わって新しい時代が訪れるっていうのが発端なんだけど。
日本ではそういうの全く盛り上がらないですね。
1999年7月の「ノストラダムスの大予言」も淡々と過ぎ去った。
「アンゴルモアの大王」だとどうやって終わるのかが曖昧だったのか。
僕の記憶する限りでは「2000年問題」の方がよっぽど騒がれ、
システムの誤作動・暴走に始まる終局の風景の方が具体的な信憑性をもっていた。

この予言、欧米ではそれなりに信じてる人がいるのだとか。
アメリカではそろそろ信者たちの奇矯な振る舞いも報道されるか。
ベオグラードの聖なる山のホテルが予約でいっぱいだ、
というニュースを先ほど読んだ。
行き着くところまで行くと
熱狂的な終末論者の間で集団自殺が起きてもおかしくはない…
そんな12月21日(金)、日本は忘年会シーズンのピークか。
年末に向けて師走の仕事も忙しい。

そもそもどうなんすかね。マヤの暦が終わるといっても
2012年版のカレンダーが終わって、
2013年版のカレンダーが始まるようなもんでしょう。
僕は小さい頃ノストラダムスの予言を本気で信じてて
本気で怖がっていた未来を絶望視していた少年なので
反転して今は全く信用してない。
エドガー・ケイシーやディクソン夫人の存在は気になるけど。
あと、これまでにも何度か言及したヨハネの黙示録。

調べてみると、どっちも観てないけど
『ザ・ウォーカー』や『フィッシュストーリー』が
この予言をモチーフにしてるみたいね。

マヤ文明については検索すると真っ先に出てくるこちらを参照。
「2012年12月21日、人類滅亡!?マヤ文明の予言は当たるか」
http://matome.naver.jp/odai/2133253091276802801

面白かったのはこちら。なぜ、名古屋?
「マヤの予言2012年人類滅亡説「12・21名古屋へ逃げろ」は本当か!? vol.1」
http://taishu.jp/politics_detail304.php

古来から予言というものが表現が曖昧でどうとも受け取れるのは
未来を幻視したときにそれを言い表す言葉を知らないからだ、という考え方がある。
僕個人はここのところに何よりも興味を持つ。
ヨハネの黙示録の美しさ、多義性を孕んだイメージはそこから生まれるわけだし。


[4391] 居眠りというもの 2012-12-20 (Thu)

忙しい時期になってくると帰りの地下鉄で本を読んでいて、思わず居眠りしてしまう。
そして左右に倒れて隣の人にもたれかかる。あれをなんとかしたい。
時々、女性が座ったときなど、ふと気がついたら露骨に嫌がられていることがある。
「ええっ僕がやったわけじゃないのに」となんとなく思う。
いや、間違いなくやってるのは僕なんですが。
人によっては痴漢行為の分類なんだろうな。
(で、実際居眠りしたフリをしてもたれかかっている人もいるんじゃないかと思う)

自分がもたれがちだから、逆に誰かがもたれかかってきても
そっとしてそのままにする。嫌がるわけにはいかない。

姿勢の良い人は左右に倒れないのだろうか。
たまに背筋をピシッと伸ばして眠っている人がいる。あれがうらやましい。
でもあれは眠っているのではなくただ単に目を閉じているだけのような気もする。

それだけじゃなく、読んでた本を落とすことも最近よくある。
しかもそれがなぜか混んでる車内に限って。女性の足元に。
”無意識”が反乱を起こしているのか?

ひどいときには車内でよだれまで垂らしていた。

そういえば、毎朝同じ時間に同じ車両に乗り合わせる若い女性の方がいる。
乗る駅は違うが、下りる駅は一緒。多くの場合、同じドアから下りる。
いつからそうなったのかは分からない。ある朝気がついた。
朝、「ああ、今日も乗っているな」となんとなく確認する。
多くの場合、彼女は下りる駅まで眠っている。
僕は始発の駅なので必ず座っている。時々、彼女が隣に座ることがある。
乗り込んだときに空いていて、あるいは赤坂見附の駅でごそっと下りたときに空いて。
そして眠り込んだ彼女が僕にもたれかかってくる。そんなことが何度かあった。
他人以上、知り合い未満。もたれた感触に何かがどこか、妙に不思議な気持ちになる。
そういうときってなぜか僕はいつも眠らずに起きている。本を読んでいる。
東京駅で隣の彼女は目を覚ます。彼女がすぐ後ろに続いて、
僕は彼女を伴って地下鉄から下りる。一見そんな風に見える。
改札を上っていく。そこから先は方向が分かれる。
僕より10コぐらい年下だと思う。丸の内で働いているのか。
だから何? と言われたらどうもしないですが。

泥酔していると居眠りどころか丸の内線を荻窪から池袋まで何週もしてしまう。
あれって意義窪方面の最終がなんで枝分かれして中野富士見町なんでしょうね。
そこからタクシーに乗って帰ったことが何度あったか。
荻窪だったらいいのに。せめて中野坂上どまりとか。

新幹線の中で缶ビール飲んで居眠り、というのは最高に気持ちいい。
あるいは映画館で柔らかいシートにもたれて映画を観ながら、とか。


[4390] 青森煮干ラーメン 2012-12-19 (Wed)

今年になって知ったんだけど、今、青森でラーメンといえば
「味の札幌 大西」の味噌カレー牛乳ラーメンだけがソウルフードなのではなく、
煮干ラーメンもまた双璧をなす勢力なのだという。
味カ牛ラに心奪われすぎて、不覚にも他が全く見えていなかった。

思い出す。アスパムの向かいの「まるかい」あれがまさしくそうだ。
僕が中学校の頃だから80年代の後半か、テレビで紹介されて一躍有名になった。
家族で食べに行ったらやたら混んでて全然注文が追いつかない状態。
白の割烹着を着たおばちゃんが駆け回ってるような。
で、食べたらいたって普通のラーメンだった。
子供心にやたら豪華なものを期待していたせいかかなりがっかりした。
その後僕は食べていない。「まるかい」が悪いのではなくて、
だったら「味の札幌 大西」で食べたかったってだけだけど。
やたらしょっぱくて酸味が利いていたことを思い出す。まさに煮干だしの味。
当時から賛否両論で、絶賛する人も多い。青森といえばやはりここだと。

例えば中三(駅前のデパート)の裏の「くどう」とか。
煮干だしのラーメンって普通にどこにでもあるものだと思って育ったら
上京して全然違うってことを知った。
東京だと醤油ラーメンは鶏がらがスタンダードか。
東京に来て初めて、というかつい最近になってようやく、
煮干ラーメンというものを意識するようになった。

味噌カレー牛乳ラーメンがインパクトありすぎて
「味の札幌 大西」は「味の札幌 大西」でしかないけど、
煮干ラーメンの店はあちこちにあるようだ。今も増えている。
facebook に「青森県煮干ラーメン愛好会」というのがあって、
熱心に更新している。足を使って地味に探すわけですよ。感心する。
こんなにあるのか!? と驚かされもする。
青森市だと「ひらこ屋」「田むら」「またべえ」といった名前をよく見かける。
「長尾中華そば」「たかはし」なんかも有名か。
残念ながら僕はどれも食べたことがない。
年末年始に帰省したときにどれか食べられたらいいんだけど。

「青森県煮干ラーメン愛好会」の報告によれば
東京だと阿佐ヶ谷の「禪 (ZEN)」経堂の「ごうかく」を紹介していた。
そういえば僕は夏に浅草で「つし馬」で食べた。
それもここの紹介だったように思う。
(この前の選挙の日にもいつも通り、今日食べた一杯を更新していた。
 そういうブレなさって大事だと)

今ちょっと調べたら「JIN」という店が世田谷方面に何店舗か出しているようだ。
この辺りもちょっと気になる。まずは「禪 (ZEN)」に行ってみるかな。


[4389] 「若者の上京 得るもの失うもの」 2012-12-18 (Tue)

Yahoo! ニュースのトップに「若者の上京 得るもの失うもの」とあった。
記事そのものは読んでいないけど、なんか気になるものがあった。
上京せずに青森に住み続けていたらどうなっていたであろうか、
ということを考えた。

さして独立心を持たずにめんどくさがりの僕はダラダラと親元にいるのだと思う。
確実に言えるのは変わり者としての自分にはさらに磨きがかかっただろうということ。
地元の銀行かなんかで働いて外面はいいけど出世コースからは思いっきり外れて、
今以上にディープな趣味に没頭して夜と土日を過ごすとか。
例えば宅録やボカロ系。それならまだいい。もっと性的に歪んだもの。

amazon や HMV のサイトで CD を買う量は今の倍になるんじゃないか。
東京への憧れや恨みが高じて。
幻想や妄想を何かに引き換えないとやってけなくて。
それをお金でなんとかするしかなくて。
珍しくツアーでライブハウスにバンドが来ても見に行かない。
幻想が中途半端に崩れるから。で、Youtube で動画は検索する。

田舎とか地方が閉鎖的だというのではなく、ニュアンスは少し違う、
閉鎖的になりたかったらどんどん閉鎖的になれるということ。
都会の片隅で、といった叙情性は無く、あっけらかんと。
そこにあるはずの壁が見えなくなってしまうから。
コミュニケーションの多様な在り方というものに無頓着になって
自分が剥き出しになる。取り繕うことを忘れる。そんな気がする。
素直になりすぎて、自分だけを見てればよくて、
田舎の方がよっぽど流されてしまう。
うまくは言えない。

…なんだろ。なんでネガティブなことを考えてしまうんだろ?
青森を否定したいわけでもなく、地方を否定したいわけでもなく、
自分を、過去の自分を否定したいわけではないのに。
今の自分を肯定したいからか。そうだ、そうなんだな。
ああ、なんかまたウダウダしたことを書いてしまった。

そうか、今、僕は青森に帰りたいんだな。


[4388] 12/10-12/16 2012-12-17 (Mon)

12/10(月)

ボーナスが出た。
最低限これぐらい出てほしいなというところのまさにピッタリその額だった。
前期は評価が低く、これまで通りだったらあともう少しもらえたのかと思うと
さすがに少し残念に感じた。
昼、打ち合わせが長引いて昼休みもやりたいことがあったので
近くの中華弁当。エビチリ。ボーナスが出たのでパッと行きたかったのだが。
夜、少し残業して池袋西武へ。
靴を新しいのに替えて、トランクスとハンカチと靴下を買う。
年末年始に読む本も買う。「無敵家」が相変わらずの行列で「光麺」へ。
焦がし担々麺の全部乗せ。
池袋からグルッと一周して荻窪まで丸の内線で帰ってくる。
明日休みということで原稿の手直しを進めて、
終わったら焼酎お湯割を飲みつつ『阪急電車』を少し観る。
午前1時半に眠る。

---
12/11(火)

ボーナスが出たので休み。8時半起きで免許の後進で都庁へ。などなど。
iiyo!!の焼き鳥屋で教え子たちと飲んで、帰って来て『阪急電車』の続きを観る。
ビミョーに痛い話ばかりで、ミリオタと野草オタのカップルだけが救いというか。
あのおばあちゃんが宮本信子だということに後で知って驚いた。
午前1時に眠る。

---
12/12(水)

眠い。昼休み本を読みながら寝てた。
中盤に差し掛かって今月の仕事がだいたい形になってきた。
昼、大戸屋にてチキンかあさん煮定食とじゃこと豆腐のサラダ。
夜、やきとり屋神保町にて忘年会のはずが後半、記憶なし。

---
12/13(木)

思いっきり二日酔い。iPhoneが見つからない。
昨日着てたスーツの中にあった。外に出たらボールペンが散乱している。
どうにかこうにか会社に着くも仕事にならず、ギブアップ。
午後休で帰って来て寝る。夕方目を覚まして西友へ。
インスタントの塩ラーメンを茹でて肉野菜炒め、コーン、わかめ、バター。
夜はだいぶよくなって例のPJの仕事を。
午前0時前に寝る。

---
12/14(金)

昼、PJメンバーと白山通りのカレー屋「Yamituki」へ。
できたのは春ぐらいだけどずっと足を運ぶ機会が無く。
もつ煮と豆腐のカレーがうまかった。
淡々と仕事をして、オフィスを出たのは19時。
水道橋のスタ丼屋に行って生姜丼と豚汁変更を食べたのち、神保町に戻って三省堂へ。
『野球太郎』のトークイベントに顔を出す。Nさんに挨拶。
帰って来てぼんやり焼酎お湯割を飲んで寝る。午前2時。

荻窪駅には山本太郎が来ていた。
Tame Impala 『Lonerism』を聴く。想像以上に行っちゃってる。

---
12/15(土)

10時起き。曇ってところどころ雨が降ってパッとしない天気。
昼、塩ラーメンを茹でてカット野菜と豚コマを炒めて
コーン、わかめ、メンマ、バター、すりごま。
このところずっと続けている例の原稿の第二稿作成で一日を終える。
第7幕を終えて、第8幕の1/3まで来て営業終了。

夜、『この森で、天使はバスを降りた』を観る。
アメリカの片田舎にある日突然バスに乗って現れた若い女性は
刑務所から出てきたばかり、誰も知らない小さな町で人生をやり直そうとして、
口の悪い老女の切り盛りする町で唯一のダイナーで働こうとする。
こういう話がハズレの訳なく、最後涙が出てしまった。
エレン・バースティンやマーシャ・ゲイ・ハーデンらの演技がよかった。

スパゲティーを茹でて、ミートボールとベーコン、温野菜のトマトソース。
焼酎お湯割り。新聞を読んで午前1時半に眠る。

---
12/16(日)

6時に目が覚めていつもなら二度寝なのに、眠れなくなる。選挙に関係するのか。
7時ごろまでウダウダ起きていて、iPhone で Twitter や Facebook を見ているうちに
また眠って起きたのは9時半。投票に出かけて戻ってきて昨日の続き。
空は晴れていて、絶好の選挙日和というやつか。
昼、引き続き味噌ラーメンを茹でてカット野菜と挽肉を炒めて
コーン、わかめ、メンマ、バター、すりごま。
16時に1本出来上がって、引き続きもう1本軽めに。19時半頃終わる。

『ハイ・フィデリティ』を観る。
中古レコード屋を経営する音楽オタクが過去の振られた女性について
ウジウジ・ウダウダする。身につまされるようで評価できない。
ジャック・ブラックが楽しいのと
ブルース・スプリングスティーンが出演しているのが見所。
あと店の中の80'sジャケットの数々。

焼酎お湯割りとセブンイレブンで買った海老のから揚げ、豚タン、
西友で買った砂肝と笹身の燻製。
午前1時に眠る。
この週末食べ過ぎた。


[4387] 衆院選 '2012 2012-12-16 (Sun)

16時の時点で書く。
この日は衆院選と都知事選と最高裁判所の裁判官の「国民審査」が重なった。
僕は9時半に起きてそのまま投票に出かけた。珍しく入場待ちの列ができていた。
前回、民主党に政権交代した2009年の衆院選は確か投票しなかったと思う。
去年か一昨年生まれて初めて投票所に行ったのだから。
政治ないしは政治家というものに興味がなく、関わりも持ちたくなかったから。
というかそもそもめんどくさかった。どうでもよかった。
一人一票なんて大河の一滴でムダだと思っていた。
そしてそれ以上に、この年でまだ一度も選挙に行ったことが無いがゆえに
投票所でモタモタしていい年して恥をかいたらどうしようという
後ろ向きな怖さがあった。

3.11があって年を越して今年もまたいろんなことがあって、
世の中がよくなっていくという気配は全くと言っていいほど生まれない。
そんな中、政治家たちの不祥事は与党だろうと野党だろうと
日々生まれては消えていった。
告示日の前から関心の高い人たちは維新の会の政策について、
自民党に政権が戻ったときの方向性について警鐘を鳴らしていた。
そして特に20代に向けて投票所に行こう、
白票ではなく選んで投票しようと呼びかけていた。
新聞・テレビを中心とする報道メディアの偏りや
数字の操作を指摘し、批判する声も多く見られた。
その多くが Twitter と Facebook を通して得られた情報だった。
だから僕が知っていることも偏っているかもしれない。
ネット層とそれよりも大きな日本国民の大衆層とは全く別なのだから。

結局のところ、正直僕もまた、
誰を、何を、選んでいいのかよく分からない選挙だった。
誰かが言っていたけど「よりよい」を選ぶのではなく「より悪くない」を選ぶという。
脱原発とだけ言っていればいいかっていうとそんなわけでもなく。
何をどう政策として進めていけるかという理想的なプランはまだいいとして
その実行能力は? となると皆曖昧なのだから。
雇用対策ともなるとさらにあやふやになる。
(僕自身は一部の党を除くどの党が政権をとっても
 似たり寄ったり牛歩な現状維持でしか当面ありえなくて、
 運がよければモアベターな方向性に行く可能性もなくはない、ぐらいに思っている)

そこで何が起きているのかもよく分からない選挙だった。
Yahoo! ニュースを見ていると2009年よりも大幅に投票率が下がっていると言い、
Twitter や Facebook を見ていると投票所の行列がすごいことになっていると言う。
どっちなんだ? みんなが主観でものを言ってるだけなのか?
たぶん、投票率は下がっているのだと思う。
ひとつには実際、選びようが無いのだし
(そして地方におけるかつてのような無言の圧力で
 誰がどこに投票することになっているかというしがらみも減ってるだろうし)
ひとつには一生懸命草の根的に投票を訴えている人たちへの
漠然とした違和感があるのだろう。それちょっとひきます、というような。

最後に。
誰に投票したかっていうことは書きたくないし、書くべきことじゃないんだろうけど。
今回の衆院選で杉並区:東京8区では山本太郎が立候補した。
あの、山本太郎。「元気が出るテレビ」のダンス甲子園に出て異彩を放っていて
面白がってみているうちにいつのまにか芸能界で生き残っていた。
3.11以後、暴走しだす。後先考えない理念としての反原発というか。
デモで目立ったり。太陽光発電の会社に入ってはすぐやめたり。
正直いいイメージ無かった。
だから「新党今はひとり」を立ち上げて杉並区から立候補したと聞いたとき、
「はぁ?」と思った。
志は買うけど3.11以後の主張も行動も浅はかで
一票を投じる気にはなれないと真っ先に対象外にした。

でも最後の最後、昨日の夜になって同い年だということに気づいた。
だったら僕は今、政治や現実を変えるために立候補するだろうか? 
何かするだろうか? ということを考えた。
今は全く支持できないけど、
彼ももしかしたら今後変わるかもしれないと期待してみることにした。
(石原幹事長は比例代表3位で何がどうあっても当選するんだろうし)

金曜の夜、荻窪駅前の広場で彼は集会を開いていた。
帰りが遅くなって23時頃通り掛かったら
まだ大勢の人たちが取り囲む前で演説をしていた。
(僕は興味なかったから、iPhoneで大きな音で Tame Impala を聴いていた)
その前、22時頃はジュリーこと沢田研二が応援演説に来ていたようだ。
ピンクのウィンドブレーカーを着たスタッフが街行く人たちに
チラシを配っていたけど、僕は無視して通り過ぎた。
今思うと一言何を言ってたのかだけは聞いてみてもよかったと思う。


[4386] 「2012プロ野球ドラフト総決算!プロ野球の見方が変わる野球講座2」 2012-12-15 (Sat)

以前大変お世話になった方が『野球太郎』という雑誌を創刊した。
http://knuckleball-stadium.com/
これまで2冊出ている。分厚くてそれぞれ250ページぐらいある。
そのほとんどがドラフトの話。
1号目がドラフト前の予想・シミュレーションで
2号目がドラフト後の総括。アツい。
それだけじゃなく、2号だと巻末の方の
『ドラフト最下位氏名選手 田畑一也の場合』とか『池田高校あるある』とか
普通に読み物として面白かった。

その『野球太郎』の2号発売記念のトークイベントが
神保町の三省堂で開催されて、おお、これは職場から近いと参加した。
「2012プロ野球ドラフト総決算!プロ野球の見方が変わる野球講座2」
http://www.books-sanseido.co.jp/blog/jinbocho/2012/12/1214no.html
前回1号発売のときにも開催されて整理券をもらっていたんだけど、所用で行けず。
今回ようやく。(以下、敬称略)

開場する。三省堂1階正面玄関のところにパイプ椅子を並べて即席のステージにする。
後ろの方で見ていたのは、あの、甲子園で有名なラガーさんではないか…
20時半に始まる。流しのブルペン・キャッチャー安倍昌彦のトークが中心。
全国に出かけて実際にドラフト候補の球を受けているから
言うことの1つ1つに説得力がある。ディープな人のディープな話。
僕のようにそれほど野球に詳しくない人でも引き込まれる。
書店の大きなモニターに玉を受けたときの記録映像が映し出される。
楽天1位の東福岡校:森雄大の投球全5球か6球を5回か6回繰り返し再生して、
「おーいい玉投げるねえ、伸びるねえ」と皆で感心しているうちは序の口。

ロッテ2位の九州共立大:川満寛弥に至ってはコマ送り。
「ほら、ここで右足のつま先がずっと一塁を向いたままでなかなか地面につかずに
 飛行機のように滑走をして着地する。その間球は後ろの方で控えている。
 このタメがバッターにはいやらしいんだな」
「彼は高校時代に野球理論を誰からも教わったことはなく、
 自分で Youtube なんかで探していろんなピッチャーの投球を見て
 誰を真似するべきか研究した。自分で苦労して身につけたピッチャーは強い。
 何かがあっても自分で自分を治せる。
 誰かに言われてその通りに投げてきたピッチャーは壊れたときに自ら立て直せない」

はぁぁ…、感心させられた。言うまでもないが、野球、奥が深い。
帰りの地下鉄で『野球太郎』の川満寛弥の2ページを読む。
沖縄の無名校で3年の夏は初戦敗退。
それでも九州共立大の名白楽、中里監督に声を掛けられて
やがて当時大学生唯一のワールドカップ代表入りにまで成長する。

などなど。
130km台でも体感速度の速いピッチャーの方が後に長持ちするって
スカウトは分かってるんだけど、球団代表には言えない。
興味を示さないし、大成しなかったときに誰も責任を取れない。
だから140km台の速球派ばかりがドラフトでは上位に来る。
その他あれこれスカウト絡みの裏話が出てきたんだけど、…書き切れない。

後半は参加者から、どの球団のドラフトの総括を聞きたいか希望を募る。
即戦力であれ5年後であれ、どの選手が今後期待できそうかという話で、
決して1位の選手じゃないんですね。
中日は6位のシティライト岡山:井上公志がリリーフで即戦力へ。
高校大学とそんなに体を酷使していないから24歳の今、20歳ぐらいの体力年齢のはず。
阪神も6位の東洋大:緒方凌介は今シーズン怪我に泣いたものの復活したら
後に半身を引っ張るリーダーとなるのではないか。
横浜も6位のセガサミー:宮嵜敏郎は野球センスはいまひとつだが、
今横浜にない突貫小僧的ポジションは貴重。

その一方で世間では高評価の意外な選手が
「アスリートとしては突出しているが野球センスはない(高校生が特にそう)」
「気持ちが向かってこない。背中に逃げを感じた」
「きれいにまとまりすぎて泥臭さに欠ける」
なんてあっさり斬られたりして。

いやーほんと面白かった。22時までの1時間半があっというま。
半日かけて全球団聞きたかったな…
『野球太郎』の3号が発売されたら、また続きを聞きたいものだ。


[4385] 1年間 2012-12-14 (Fri)

「国防軍」が話題になったからか、徴兵制の議論を時々目にする。
日本にも必要だという人、断固反対だという人。
それぞれの言い分がある。

僕自身も反対だけど
(自分に置き換えてみたとき、その1年間もその先も
 精神的にいろんなことが麻痺して追い詰められそうで、ぞっとする)

学校→就職というお決まりのラインから離れる1年間って
若いうちに1度ぐらいあってもいいんじゃないかと思う。
国内か海外でのボランティアとして。
18歳から30歳の間に任意のタイミングを選ぶ。
どこに配属されて何をするのかは、ある程度偶然性に左右される。

ボランティアに参加する人、関心を持つ人を増やしたいのではなくて、
そもそもの選択肢や可能性を広げたいということ。
世の中にはこういうものもあるんだ、とか、
自分はこういうこともできるんだ、と知る体験。
全然違う視点から自分のこれまでの、これから先の人生を捉え直す。
だからボランティアではなく、全然違う職業に就くのでもいいのかもしれない。
そしてそれまでの学校や企業を中心とした毎日では
決して出会ったことのないような人たちと日々接する。

いやいや、甘ったれるなよ、そういう期待があるなら
どんどん自分で飛び込んでいけばいいじゃないか。
そう考える人もいるだろう。
しかし多くの普通の人は勇気を持てなかったり、
疑問を持たなかったりするのだと思う。
無難な方向性に今いるのならば、何もあえて冒険する必要はない。

制度として用意されていると
人によってはある種の苦境から抜け出すためのチャンスとなるかもしれない。
生まれてから年老いていくまで、厳しい状況から、
どうにも抜け出すことができないような人だってこの世の中には存在する。
あるいは、そういう人がすぐ側にいることを想像できない人だって存在する。

別人になってまた戻ってくる1年間というか。
だめかな、そういうの。


[4384] 二日酔いの日 2012-12-13 (Thu)

昨晩はPJの忘年会。
最近にしては珍しく僕が幹事となって「やきとり屋 神保町」の2階を貸しきった。
現行のメンバーだけではなく、既に卒業しているメンバーにも声をかけて
20人近く集まった。

そんな激しい飲み会になるはずないのに油断していたら後半から記憶がなく、
朝起きてハッとした…
普通に着替えてシャワーを浴びて(そのまま寝たのか髪に思いっきり寝癖が)
普通に眠ったようだ。コートを着て外に出たら
階段になぜかボールペンが散乱していた。鞄の中に入っていたものだ。

地下鉄に乗って駅から歩いてオフィスへ。
起きたばっかりの頃はまだなんともなかったのが、
着いた頃には気分が悪くてどうしようもなくなる。
インスタントの野菜のたっぷり入った味噌汁を食べる。
仕事が手につかないのを無理やりいくつかこなしていたらぐったり来た。
10時を過ぎて胃薬を飲んだら吐き気がしてトイレに駆け込んだ。
しかし、そこから少しよくなる。それでも午後は休むことにした。家に戻る。
帰って来て「緑のたぬき でか盛り」を食べる。
二日酔いの日に食べるとなぜかとてもうまい。そして寝た。
起きたのがついさっき。だいぶよくなった。
こんなにひどいのは久しぶりだ。

焼き鳥屋だからまったり飲もうと焼酎お湯割りを頼んだのがよくなかったか。
それが中瓶だとすぐなくなって、次に一升瓶にする。
たぶんこれが残って最後無理やり空けたんだろうな。
一緒に飲んだパートナーさんは体調不良で全休。
幹事だったのに精算も後輩に負かしてしまったようだ。
「ここは俺が全部払う」なんて言い出してないか財布を見てみたら
全然減ってなかった。昨晩、払ってなかったのか…

昔のメンバーを呼んで楽しい飲み会となるはずが、
僕は何をやってんだか。


[4383] ノロウィルス 2012-12-12 (Wed)

今年はノロウィルスが大流行、変異してより強力になっているという。
11月の勤労感謝の日の三連休の前、僕がなったのもそうなのか。

11/21(水)夜、仕事から帰ってきたら胸がムカムカして吐き気が。
それほどひどくはなく、我慢する。
その一方で下痢にもなって何度もトイレに駆け込む。
正露丸が目に留まってそれを飲んで寝た。
午前3時頃目が覚めてトイレで吐いた。
それで少しよくなったのか、11/22(木)はいつも通り出社するがかなりしんどかった。
「岡村さん、顔色よくないです」と言われた。
この日まとめなきゃいけない資料があったんだけど、無理せず休めばよかった。
帰ってきて19時に布団に入った。しばらく雑誌を読んで、20時頃眠った。
11/23(金)起きたのは10時。14時間寝たらだいぶよくなった。
少しふらふらしたのは寝すぎたからか。
この日おとなしく過ごして、次の日以後は普通に戻る。3日間ですっと納まった。

これがノロウィルスだとしたら、どこでどう感染したのかがさっぱり分からず。
11/21(水)昼はPJメンバーと食べに行って、同じメニューを食べた。
日中は同じオフィスで仕事した。なのに僕だけ。帰り道の地下鉄なのか?
(今調べてみたら潜伏期間は24〜48時間とのことで、僕の場合月曜か火曜か)

翌週の水曜夜に上司が同様の症状を示し、さらに翌週の火曜夜は後輩が。
その後輩が昨日の夜、また嘔吐と下痢でダウン。
PJが呪われているとしか思えない。
というか感染経路はオフィスじゃないんだろうな。たまたま続いたというだけで。
でなきゃフロアにいる10数人がいっせいにやられるはず。

やっぱこういうウィルスは怖いですね。どこに潜んでいるか分からなくて。
よく分からないのは、インフルエンザみたいに
その年一度感染したらもうかからないのだろうか?
そう思っていたら、後輩は二回目。
(ここも調べてみたら何度もかかるみたいですね。ひー)

後輩は病院に行ったら胃腸の風邪のように診断されて、
はっきりとノロウィルスとは断定されなかった。
でもまあノロなんだろうなー。
インフルエンザみたいに予防接種可能なら、しておきたいところですね。
数年のうちにそうなりそうな気がする。


[4382] ボーナス支給後の有給休暇 2012-12-11 (Tue)

ボーナス支給の翌日。
免許の更新に出かけるという口実で会社休んで、CDを買いまくる。

8時半に起きて西新宿の都庁へ。9時過ぎに着いて半には終わる。
更新料を払って視力の検査をして、暗証番号を2つ入力して、写真を撮る。
講習を受ける。交通事故を起こすと被害者の遺族の悲しみが…、
という内容で、父を交通事故で亡くした自分としては複雑な思いになる。
15年ぐらい前に免許を取った直後に何度か乗って以来
全く運転していない僕は今後もよほどのことがない限り乗らないと思う。
今回もゴールド。道路交通法がこの5年間でこう変わりましたという
講習を受けても耳を素通り。これもまた複雑な気持ちになる。

終わってタリーズでミルクティーを飲んでいたら
展望台のアナウンスが流れて、ふと上ってみたくなる。
北と南と2つあるけど、今回は南の方へ。
平日の午前中、他にエレベーターに乗る人はいない。
展望台は北朝鮮の拉致被害者のパネル展を行なっていた。正直、素通りする。
グルッと一周してみる。見下ろすと明治神宮も新宿御苑も小さい。
高いところに登ると富士山を探してしまうものなんだな。
快晴のこの日、富士山は真っ白だった。

西新宿から新中野へ。中野ブロードウェーまで歩いて行く。
昨日、ボーナス支給日ということで池袋の西武百貨店に靴を買いに行ったとき、
レコファンが10月に閉店していたことを知って残念に思った。
中野ブロードウェーのレコミンツはさらに小さくなっていた。
中古CDで2店舗、中古DVDで1店舗だったのが中古CDが1店舗になっていた。
これもまた残念だったんだけど、しかしレコミンツは侮れず。
品揃えのディープさは相変わらず。
Karla Bonoff『ささやく夜』の紙ジャケ、amazonで18,000円だったのを3,980円で。
『ガルシアの首』のコレクターズ・エディション。サントラのCDがついている。
High Rise とオシリペンペンズのライヴ。
Working Week の1枚目国内盤再発時のデラックス・エディション2枚組。
Laura Nylo の初めて見た『Live at the Botom Line』国内盤など。
The Young Rascals 紙ジャケ再発も今買わないとなくなるかもと
中古じゃないけどベストを。
その後、住友でかき揚定食の上を食べながらブックレットを眺める。
2万ほど使う。予定では1万以内に収めるつもりだった…
まあ、いいか。Karla Bonoff 紙ジャケはずっと探していたわけだし。

渋谷に移動。歩いて外苑前の青山 Bell Commons の Cibone へ。
あれもこれもほしくなっていつもたくさん買い込むのが、
今回は Dakota Suite の新譜と初めて知ってとても気になったスパニッシュ系?
の女性シンガーソングライター、Josephine Foster の旧譜国内盤だけ。
Inidigo Jam Unit と My Autumn Empire は我慢する。

渋谷に戻る。レコファンに入ったら、前から探していた
Solveig Slettahjell の『Slow Motion Orchestra』国内盤を見つける。
5,000円もした。致し方なし。ボーナス直後じゃなきゃ買ってなかった。
Mama! Milk の廃盤のアルバムや Robyn Hitchcock や Orleans の廃盤国内盤を買う。
リニューアル・オープン後のタワレコで
Rebecca の最新版のベスト(収録曲がリマスタリングされている)、
やはり Mama! Milk のアルバム、The Young Rascals『Groovin』の紙ジャケ、
そして今ものすごく気になる存在、Tame Impala 『Lonerism』を。
買い過ぎた。この日総額4万5千円…
しかしどれも無駄な買い物ではなかったはず。

銀座線に乗って銀座へ。Miyama で本を読んで時間をつぶしたのち、
iiyo!! にて教え子たちとプチ忘年会。
どこもガラガラだったので余裕かと思いきや
最初2軒おでん屋とモツ鍋屋に入ったらどちらも予約でいっぱい。
前から気になっていた串焼きの「Birdland」へ。
外国人の客がチラホラと見られた。
こちらも20時までならということで
途中から向かいのカジュアルなイタリアンに入る。

飲んであれこれ話して、
そんなこんなで休日が終わり。


[4381] 12/3-12/9 2012-12-10 (Mon)

12/3(月)

今週から12月ということで本格的なコート。
昼、DiskUnionにて何年も前から探していた
The Soft Boys の1枚目『A Can of Bees』の国内盤、
先週見つけたのを一度保留して以前買ったものでないことを
家に帰って念のため確認したのを、買う。
小学館地下の九州へ。日替わりがゴーヤチャンプルー定食だったので、それ。
夜は帰ってきてセブンイレブンのサラダとリンゴ。わかめスープ。ご飯はなし。
残業して遅くなったので例のPJの仕事は少しばかり。
午前0時半に眠る。

先週末にリンゴが届いて、HMVからもオーダーしたのが大きな箱で届いて、
新聞も読んでる暇がなくて、今、部屋の中は足の踏み場がない。

---
12/4(火)

朝、駅を出たら大雨。昼には上がって暖かくなる。
昼、大戸屋にて四元豚と野菜の蒸し鍋定食。コロッケ追加。
夕方腹が減って裏の小諸そばにてかき揚玉子つきにわかめ追加。
家に帰ってリンゴを皮むいて食べる。
原稿に赤入れの作業というか、ほとんど読み直しと
今週末追加して書く箇所の見立て。赤入れというところまで行かず。
終わってさっさと眠る。23時半には布団に入って Rockin'on を読んで寝る。

---
12/5(水)

昼、打ち合わせが長引いて大戸屋に行けず。
天鴻餃子房にて元祖の中盛定食。
晴れていて、暖かい。
夕方セブンイレブンのチキンカツサンドとサラダ。
N'夙川BOYSを観るために渋谷O-EASTへ。
19時スタートで終わったのは21時過ぎ。
帰ってきて西友へ。半額の刺身を買う。
夜、焼酎お湯割で食べる。寝たのは午前1時。

---
12/6(木)

昼、PJランチ会。「デニーロ」へ。
トマトソース。ついつい大盛にしてしまう。
夜は家帰ってきてリンゴだけ。
例のPJの作業。
午前0時前に布団に入って早々と寝る。

---
12/7(金)

PJの後輩が体調不良で急に休み。
吐き気がやまないとのことで、これで僕に始まって毎週ひとりずつ。

昼、近くの「いぬ居」にてすき焼き重。
高いというイメージがあって最近全く行ってなかったけど
1,200円なら手が届かなくもないな。
久しぶりに食べたら上品な味わいでうまかった。

ずっと履いてなかったスニーカーがあって、
何で履いていなかったんだろう? と履いてみたら
思いっきり靴擦れ。帰って来て靴下を脱いだら血だらけだった。

何事もなく1日が終わるかと思いきや、17時20分過ぎに地震。
オフィスを18時半に出て、iiyo!!のカレー屋で食べて帰ってくる。
西友に寄る。その後ずっと原稿の書き直しの作業。1時までかかった。
2時までウダウダ過ごして寝る。

---
12/8(土)

10時半起きで書き直しの作業続き。
1本4時間ずつぐらいでいけるかな、
と思いきや倍以上かかって19時半まで。難航する。
2本行きたかったがこの日はこれでギブアップ。
昼、インスタントの味噌ラーメンを茹でて、
わかめ、コーン、バター、挽肉とカット野菜の炒めなど。
夜、洗濯とクリーニング屋。西友へ。
帰ってきて『モテキ』を観る。
リンゴを食べて、焼酎お湯割と西友で3割引の唐揚など。
午前1時に眠る。

---
12/9(日)

引き続き、終日作業。9時半起き。この日も難航する。
イチから書いているときの方が書き直ししているよりもスムーズだった。
やはり、「書く」よりも「書き直す」方が難しい。
1本目が18時半まで。早く終わったようでいて、昨日よりも時間がかかっていた。
昼、昨日同様味噌ラーメンを茹でて食べる。昨日はメンマを入れ忘れた。
1本目を直し終えて、夜、リンゴを食べて休憩。
この昼と夜と借りてきた『阪急電車』を少しずつ観る。
2本目の作業を途中まで。結局22時までやってた。
ミートボールとトマトソースのスパゲティ。焼酎お湯割り。
溜まっていた新聞を読む。午前1時に眠る。
The Jam 『Sound Afects』のデラックス・エディションを聞く。
The Kinks のカヴァーがいい。解説をトマトソースの中に落としてしまった。


[4380] 『モテキ』 2012-12-09 (Sun)

昨晩、映画版の方の『モテキ』を観た。
N'夙川BOYS に今はまっているというのもあるけどそれはたまたまで、
サントラやスピンオフのカヴァー集がセンスいいなあというのに
最近気づいて観てみたくなった。
ドラマ化が話題になった去年か一昨年の頃は特に興味を持たなかった。
http://www.moteki-movie.jp/index.html

自分だったらこの、長澤まさみ、麻生久美子、仲里依紗、真木よう子の4人のうちで
誰を選ぶだろうとかそんなことを考えながら観る。男としてまあそうですね。
このうち、仲里依紗、真木よう子が添え物で
長澤まさみがメイン、麻生久美子がサブというのがもったいなかった。
宣伝のポスターなんかだと4人対等に並んでいるけど全然違うじゃん、
三角関係の普通の映画じゃん、モテキでもなんでもないじゃん!
と突っ込みながら観てた。

この4人に主役の森山未來を始め、
リリー・フランキーや金子ノブアキといった脇まで
ポップに上手かったのでそれだけでサササササとお茶漬けのように観れてしまった。
ウジウジしているようでいて、森山未來の身体能力の高さがよかった。
ピエール瀧やバナナマンといった有名人も出てるし、
N'夙川BOYSや女王蜂の演奏シーンもさすがかっこいい。
最後のスチャダラパーのライヴと、最初のPerfumeのミュージカルもぐっときた。
いいとこ取りの幕の内弁当的映画。それ以上でもそれ以下でもない。
その楽しさが後半、シリアスな展開になったのがどっちつかずだった。
とはいえロックファン、サブカルファンならば必見で、
サントラも買いたくなるし、ドラマも見てみたくなる。
(まあ見る人が見たら上っ面なんでしょうけど)

人生にはモテキが3度あるということで、自分の場合、
幼稚園の年長組、小学校5年生、高校1年生だったなあ、と。
すぐ思い出せて即答できる自分が哀しい。
目の前にドラえもんがいたらタイムマシンに乗って過去の自分にカツを入れたい。
君がそのとき、「人生こんなもんか」と思ってしまったから今の僕があるのだ。


[4379] 昨日の地震のこと。 2012-12-08 (Sat)

昨日の地震のこと。
といってもたいして書くことはない。

17時20分頃は普通にオフィスで仕事していた。
揺れた、と気づく。こういうのはたいがい僕が早い。
一気に縦でグラグラ来るのではなく、
横にジワジワと熾火のように揺れ続けた。
去年の3.11はこの後でガッと大きく来たんだったか。
そうなる事を覚悟する。来るべきときには来るんだな。
しかし、そうならなかった。ホッとする。
Yahoo ! のトップページを見る。
17時22分の初回更新では東京都23区は震度3、青森市は震度4。
1分後の更新ではどちらも震度4となった。
向かいの席の同僚は「宮城県に津波警報が出た」と言う。
僕は東京メトロのサイトを見る。全線止まっていない。
ホッとする。普通に帰ることができる。

仕事を続けて、18時半過ぎにオフィスを出る。
金曜夜の神保町の街は何事もなく忘年会へと向かうサラリーマンの姿ばかりだった。
東京駅まで歩いていく。景気づけに N'夙川BOYS を聞く。
iiyo!! でふと、食べて帰ろうと思う。
金がかかるし、いつもならそんなことしない。
カレー屋に入って牛筋のカレーに野菜をトッピングして食べた。
iiyo!! のモニターには NHK が映っていて、地震直後の映像。
枠を切り取ってテキストだけのエリアには
「今すぐ避難してください」
「不急不要の通話は控えてください」
これはどうも3.11以来の地震であるらしい。

丸の内線のホームで Twitter を見る。
一頃は揺れるたびに「地震だ!」「揺れてる!」と呟いている人が多かったけど、
そして実際僕もそうだったけど、あるときからそういうのほとんど見かけなくなった。
地震に関する情報が必要最小限リツイートされるだけ。
いつも通り地震じゃないことを呟いている人も、関東圏・関西圏関係なく多かった。
【拡散希望】ってのが流れることもない。デマっぽい情報も流れない。
静かなものだった。大人になったのか、それとも地震の規模が小さかったのか。
マグニチュード7.3だという。
何にしても地震の後で僕にできる最大限の貢献は
Twitter に余計なことを書き込まず、
どんなに出所が確かで有用な情報であってもリツイートしないことだと
昨年の震災で分かった。被害が軽く済んだらトラフィックを使わないこと。

普通に丸の内線が来て、普通に家に帰る。遅れることもない。
青森の母に電話する。たいしたことなかったようだ。
ラジオはすごかったという。
1分も話さず電話を切る。年末年始の帰省のことの方が長々と話した。

津波警報が解除される。
夜になってもう一度 Twitter を見る。
昨年はこのような地震の2日後に3.11の地震が起きたとあって、
そういえばそうだったなと思い出す。
真夜中、コンビ二にペットボトルの水でも買いに行くべきかと考えるが、やめた。
あってもなくても、まあなんとかなるだろう。
ほんとに何かが起きたらそれどころじゃない。

この日は原稿の書き直しをしていたら1時を超えた。
ウダウダとしているうちに2時になって寝た。

次の日。何事もなく1日を過ごして、夜、駅前の西友へ。
食べ物が買い占められていることもなく、ペットボトルの水もたくさん売られていた。
ホッとした。何かのきっかけにより、
一線を超えずにこちら側に倒れたような気がした。
何かが、幻のように思う。どちら側に倒れたとしても。

そんなこんなで、この1日も終わる。
土曜の今日も追加原稿を書いていた。うまくいかずに時間ばかりかかった。
夜、青森から届いたリンゴを皮むいて食べて、母にまた電話をかけて、
Tsutaya Discas から届いた『モテキ』を観る。
西友で買った3割引の唐揚をつまみに焼酎のお湯割を呑む。


[4378] 二重惑星と衛星 2012-12-07 (Fri)

一昨日書いた「辺境の惑星」の逆を考える。
星々が過密。かつ、生命を持つ惑星があちこちにある。

例えば、ある惑星AとBが二重惑星となっていて、さらにその衛星。
それぞれ独自に進化を遂げた生命というか人類がある。
ロケットを製造して互いを行き来するほどの文明には至っていない。
しかし、多少精度のいい望遠鏡をAが開発すると
向こうの星の出来事が分かるようになった。
政治・経済・文化の雰囲気から個々人の生態・生活まで。
Bもまた望遠鏡を開発する。

そうなるとすぐにAとBの間でメッセージを送り合うようになる。
共通の文字言語を有してはいないが、
YES/NO といくつかの数の取り決めができるとそこから先は速い。
それが最初惑星AとBの代表者同士によってなされていたのが、
やがて国家・企業・グループ・個人と単位が小さくなっていく。
ハンドブックに基づいて絵文字をやりとりする。
ペンフレンドだって生まれるだろう。

お互いの外見と性別の仕組みが同様ならば、恋人だって生まれる。
日夜恋文を交わすが、決して会うことはできない。
望遠鏡と絵文字越しの恋。
そのうちに電波で交信するようになる。
でもまあ、宇宙船は依然としてムリ。

そこに衛星が割り込んでくる。
人類とは外見の異なる、例えば緑色のスライムのようなもの。
実は最も文明が発達して彼らだけは単独で宇宙飛行が可能となる。
乗り物をつくるのではなく、
自らの外皮を高熱や真空に耐えられるようにして反重力を操作する。
AにもBにも自由に高速で行き来できる。
しかし、A・Bどちらの人にとっても大して役に立たない。望まれない。
言語体系どころか思考の枠組みすら異なって、意思の疎通もパッとしない。

星の間で引き裂かれた恋人たちはスライムを使って
なんとか今以上のコミュニケーションが図れないか四苦八苦する。
手紙を託せないかとか。
スライムは興味を持たないし、持ったとしても宛先を覚えさせることができない。
人類にとって彼らがざっくりとスライムとしか認識できないように
スライムの側も人類の違いが分からない。
なので何とかして託せたとしても公共の場にまとめて持っていくだけ。
あとは当事者が受け取りに行かないといけない。
例え星の裏側だとしても。

そんなこんなで100年か200年。
惑星A・Bどちらともなく宇宙船をつくるようになり、行き来できるようになる。
…そうなるとスライムが邪魔になってくる。三つ巴でさあ、どうするか。

例えばそんなクロニクルを思い描いてみる。


[4377] N'夙川BOYS TOUR 2012 "24 HOUR DREAMERS ONLY! 〜でっかい でっかい 夢を見よう〜" 2012-12-06 (Thu)

昨晩は渋谷 O-EAST に N'夙川BOYS を見に行った。
「N'夙川BOYS TOUR 2012 "24 HOUR DREAMERS ONLY!
 〜でっかい でっかい 夢を見よう〜"」
名古屋、大阪と回って東京へ。O-EASTは1300人が入った。
さすがに会社帰りのサラリーマンは少なくてカップルばかり。
同じぐらいに、ひとりぼっちの男の子、女の子。制服姿の女子高生もいた。
ステージが銀の装飾と七色のライトでキラキラしてる。グランドピアノがあった。
開演前の音楽として、Sonic Youth 『Goo』がかかってるのが意外だった。
3人が登場する。マーヤLOVEもシンノスケBOYsもジャケットそのままの格好だった。
マーヤLOVEは靴もジーパンもガムテープを巻いてずり落ちないようにしていた。

10月頭に新しいアルバムが出たときにたまたまタワレコで見かけて、
なんかピンと来るものがあって買った。
映画『モテキ』で話題になったというのをなんとなく覚えていた。
初回特典としてツアーの優先予約ができたので申し込んでみたら当たった。
この会場で3,000円というのは安かった。
よし、観に行ってみるかという気持ちになった。

結果として。
僕はこれまで、ストーンズ、レッチリ、U2を観てきた。
ビョークもレディオヘッドもレディー・ガガも観てきた。
それら差し置いて生涯3本の指に入る。それぐらい素晴らしかった。
かっこよくて、楽しくて、ロックンロールの神様に愛されてて、信じてて、
そして「こんなにたくさん来てくれて、ありがとう」と
何度も何度も心の底から言ってる。こんなライヴは初めてだ!
少なくとも、今が旬のバンドの一番いいときを見たように思う。

3人はギターとドラムを自由自在に交替して演奏した。
「リンダ」「マーヤ」と呼び合うMCに始まって、3人のキャラが立ちまくり。
2人並んで背中でギターを弾いたり。
僕は生まれて初めて関西人になりたいと思った。
それにしても、ベースレスの3ピースでギター2人のバンドって
なんであんなに魔法がかかるのだろう?

アルバム『24 HOUR DREAMERS ONLY!』の全曲演奏と
インディーズの1stアルバムから、がコンセプトなのだろうか。
序盤から「24hour」「Freedom」「homework」と
PVのつくられた代表曲を飛ばして勢いに乗せる。
1曲目の寸劇、強風の中での
「これが空?」「見えたぞ!」「わーきれい」「まじか」も演じられ、
中盤の公園の風景音+鳩の鳴き声も、物販のTシャツを着た若者たちが
バトミントンをしたりギターを演奏したり、本を読んだりして再現された。
アンコールなど最後の方が1stから。
途中、「路地裏BE-BOP」ではなんと佐久間正英がベースで共演。東京だけ。
名古屋に向かう途中でラジオで聞いてカバーすることにした
The Drums「Let's Go Surfin」では
マーヤがモッシュピットのファンの頭上をギターのケースでサーフィンしてた。

後半、神がかっていた。
マーヤの言葉が印象的だった。
「こんなに大勢来てくれて、ほんまにありがとう」
涙ぐみそうになっていた。
マーヤとシンノスケが昔からずっとやってる King Brothers も一部では評価が高い。
ジョンスペやホワイト・ストライプスとも共演した。
僕も最初の頃のアルバムを何枚か持っている。破れかぶれのジャンク・ブルース。
かっこいい。でも、そんなに客の入る音楽ではない。
それが、女の子を入れたらこんなに変わるんだ。
POPな破れかぶれになって、ありそうでなくて、ブレイク。
「僕らはロックンロールバンドに憧れて初めた。
 最初はお客さん20人かそこらだった。
 でも、お客さんが1人か2人、0人や−1、−5でも
 今、1000人と同じだけの熱量で演奏する。
 それがロックンロールバンドやから。
 −1とか、−5って、分かんない人には分からんけど、
 そういうの、あるんやで。バンドやってる人なら分かってくれると思う」

なんかもう、その熱量がすごかったよ。
最後の1コ前「物語はちと?不安定」のマグマのように溢れ出すノイズ。
シンノスケはO-EASTのステージ枠の柵を這い上ってギターを弾いて、
マーヤはお得意の、マイクを口の中に咥えた。
マーヤは最後、客席のファンたちに支えられてその頭上に立って
「Freedom」の一節にして今回のツアーのタイトル
「でっかい でっかい 夢を見よう」を皆で叫んだ。
会場がひとつになった。僕も叫んだ。
普段ならこんなこと、絶対言わない。でも、あの場では無我夢中で叫びたくなった。
アンコールではステージに上げられるだけのファンを上げた。皆、楽しそうだった。
「ロックンロールって、こういうことなんだ」
今更ながら僕は何かを取り戻したような、そんな気持ちになった。
楽しくて、しょうがなかった。

僕が覚えている限り、だいたいのセットリストはこんな感じ。
(バービーボーイズの「目を閉じておいでよ」は演奏されなかった)
24hour
GIRIGIRIさ
Freedom
ひとりぼっちのマイクロフォン
homework
N'夙川BOYS 〜 Journey 〜
Candy People
トゥナイト
ドリーマーズ パーク 〜 鳩昼夢 〜
ロンリーボーイズ
路地裏BE-BOP
オブリヴィアンズに憧れて
yeah yeah!(ぼくらのコンタクトバトル)
Let's Go Surfin ※The Drums のカバー
Baby Dreamer
物語はちと?不安定
死神DANCE
The シーン ※アンコール
T.H.A.N.K.Y.O.U. ※最後の一瞬叫んだだけ、違うかも


[4376] 辺境の惑星 2012-12-05 (Wed)

辺境の惑星のことを考える。
遠心力で飛ばされて銀河系の端の端の端というか、
もはやどこにも属してないというか。
何百万光年と周りに他の星はなし。
その惑星は恒星をひとつきり持つだけ。
兄弟となる惑星を持たず、もちろん衛星もなし。

そこで生まれ育った人たちは
夜空に星を見上げるということを知らない。
そこにはかすかにモヤモヤと豆粒のような銀河系が
ものすごく視力のいい人に見えるだけ。
見えてもそんな面白いものではないから、
誰も関心を持たない。

星がなければ星座もないし、言い伝えもないし、星占いもない。
地動説ではなく、天動説を信じるだろう。
真昼の空も夜の星空も単なる透明なドームに過ぎず、
その向こうに何があるのかと探究心がムクムクと沸いて
ロケットを作って宇宙に飛び出そうとすることもない。
そもそも、「宇宙」という概念すら生まれないかもしれない。
孤立していることにも気づかない。

今、ここにそんな惑星がひとつある。
とてつもなく科学技術が発達している。
瞬間移動、不老不死、時間旅行。
なんだって実現してきた。
食糧危機、成長限界、最終戦争。
なんだって乗り越えてきた。
なのに閉じこもったまま外の世界を知らずにいる。
そして彼らは何も知らないまま、幸福であり続ける。

探検隊は宇宙船をつくって宇宙に飛び出す。
何年、何十年、何百年かかってもどこにも辿り着かない。
絶望的な気分になって戻ってくるか、
何のために航行しているのかを忘れて飛び続け、いつか難破する。
ワープ航法を見出しても同様。
どの方角にジャンプしていいのかが分からない。

そんな惑星が、ひとつぐらいはあるのだと思う。
そして、生命を持つ星が地球とその星だけ、
ということもありえるのだ。


[4375] レベッカ 2012-12-04 (Tue)

しばらくバービーボーイズばかり聞いていた時期があって、
となると次はレベッカ。

年明けに Blu-spec CD で再発されるみたい。
でもこれがリマスター音源なのかどうかが不明でヤキモキしてる。
2007年に紙ジャケ&リマスタリングで再発されたとき、ボヤボヤしてるあいだに
肝心の『Rebecca IV - Maybe Tomorrow』を買い逃してしまったんですね。
今、amazonでは1万5千円ぐらいする。あー。
この価格を知ってしまうとどうしても欲しくなる。
中古屋を回って安いの探すか、それとも年明けまで待つか。
昔から出てるのは音が薄いし。音が全然違う。
あれこれ悩ましく過ごしているうちにこの週末、
ひょいとamazonで帯付きで8千円のが出品され、思わず1-Clickで買ってしまった…
相場を知らない人が間違って出したのだろうと。

2007年の紙ジャケも年明けの Blu-spec CD も
なぜか『Remix Rebecca』が再発されない。
(それで言ったら続編の『Olive』もだけど)
『Remix Rebecca』ってけっこう大事なアルバムなのに
代表曲の「フレンズ」や「Maybe Tomorrow」ははずさず、
シングルだけの「Raspberry Dream」が収録されていたり、
隠れた名曲の「.(It's just a) Smile」が英語バージョンだったり。
その後、今に至るまで乱発されたベストアルバムよりもベストっぽい。
リマスタリングされないのは
いかにも80年代なシャリシャリした音が今の耳に厳しいからだろうか。

そういえば、12inchの「Motor Drive」や「Cheap Hippies」のリミックスは
フランソワ・ケヴォーキアンだったような。今も入手可能なのだろうか。
リミックスを集めた『Rebecca Complete Edition』や『Legend Of Rebecca』
辺りで聞けるのだろうか? さすがにその辺までは持ってない。
違うんだろうなあ。こういうの誰がリミックスしてるのだろう?
今、『Remix Rebecca』を引っ張り出してみたら
1曲目の「Raspberry Dream」だけがフランソワ・ケヴォーキアンだった。
他は、うーん、名前を見ても分からない。

今、聞き直すと「One More Kiss」は静かな美しい曲というイメージだったのが
ギターは神経質なガラス細工のようなフレーズを織り連ねて、ベースはダブ。
こんな曲だったのか? 
トレードマークの Nokko の声と土橋安騎夫のシンセの陰に隠れて
結構実験的なことをしてる。「Monotone Boy」の途中のノイズの高まりが
中学生時代、かなりの衝撃だったことを思い出した。

最後に。『Coupling Songs Collection』を拾い聞きして感じたのは
レベッカのシングルのB面はいい曲そろえていたなあと。
「One More Kiss」に対する「Noise From Your Heart」
「Raspberry Dream」に対する「Motor Drive」など。
アルバムに入ってないのが不思議なぐらい。
「Monotone Boy」もそうだけど、これらのシングルのA面が
そもそもベストアルバム以外に入ってないですからね。
いかにシングルを大事にしてたか。

「Moon」のB面だった「Virginity」のライヴ・バージョンがとにかくいい。
ライヴだと歌も演奏も実はそんなに上手ではない。
でも、この空気感というか存在感がレベッカなのだなあと思わせる。


[4374] 11/26-12/2 2012-12-03 (Mon)

11/26(月)

昼、打ち合わせで忙しくて中華弁当。海鮮玉子炒め。
午後ずっと土砂降りが続く。
夜、PJの歓迎会。やきとり屋の隣が予約のみの姉妹店として新規オープン。
僕らが最初の客となったようだ。
鍋のコースにして、鍋が2種類あったので2つのテーブルにそれぞれ1個ずつ。
白湯しゃぶしゃぶと鶏ちゃんこ鍋。どちらもうまかった。
締めはチャンポンとうどん。
飲み物別で3,000円のコースなのに食べ物がたくさんでてきて、
うまくても食べきれず。豚ばら肉の蒲焼とか。
皆が残したのを少しでも食べておこうと詰め込んだら食べ過ぎた…
もうこれ以上入らない、苦しい、となって2次会はパスした。
なんにしても年末だ、忘年会シーズンだ、という気分になった。

昨晩メーリングリストに近況報告が。
27守の集まり、尾道でどうかと何人かに打診をする。
午前0時半に眠る。

毎朝丸の内線で見かけて、同じ東京駅で下りる女性がいる。
今日初めて横に座ってきた。ドキドキするものである。

---
11/27(火)

日差しが出ると暖かい。昨晩食べ過ぎて腹いっぱいのまま。
昼、カップヌードルとセブンイレブンのサラダ。
昼休み、『ハーバード白熱日本史教室』を読み終える。
『にほんのかたちをよむ事典』へ。
帰ってきてタウンセブン地下の店の4割引の揚げ物。
ソーセージ入りのメンチカツ、チキンチーズカツ、ハムチーズカツ。
コールスローサラダ。わかめスープ。

セブンイレブンに amazon で買ったCDを取りに行く。
ハンカチにアイロンをかける。
その後「ほんばこや」向けに短い書評をひとつ。
『アーサー・ラッセル』について書く。
1本に1時間かかる。この日はこれで終了。
焼酎お湯割を飲む。午前0時半に眠る。

会社では6・7年目のノートPCがちょっとするとフリーズ寸前ばかり。
ハードディスクの残り容量が減ってるからだろうなあと
(残り100Mを切ったこともあった)
レジストリ含めて不要ファイルを削除するソフトを入れたりして
どうにかこうにかもたせてきた。
それにしてもなんでこんなに使ってるのだろうとあちこち見ているうちに
不要な巨大ファイル5Gを見つける。これか。
その後デフラグしたら速くというか軽くなった。

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11/28(水)

昼、三幸園にて肉野菜炒めとライス。
夜、ご飯を炊いて西友で買った白身魚のフライとメンチカツ。
コールスローサラダ、わかめスープ。
例のPJの作業。
母から電話有り。週末にリンゴを送るという。
寒かったので焼酎お湯割を飲んだ。
午前0時過ぎに眠る。

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11/29(木)

上司が原因不明の嘔吐と下痢で休み。
先週の僕と同じ症状。ノロウィルス?

昼、「丸香」にて特肉カレーうどん、かしわ天、野菜天。
一日中資料作成で午前中かなりはかどった。
結局19時過ぎまでかかりきり。だいぶ見えた。

先週事前申込した年末年始の新幹線の予約が満席。
もう? と驚く。
慌てて他の時間帯を探すが、えきねっとのサイトが重過ぎて動かない。
リクエストが集中しているのか。先に進めない。
タイムアウトするか、サーバエラーやシステムエラーが出る。
脆弱だなあ。ピーク時の負荷量を計算してなかったのだろうか?
職場で2台使ってるPCの1台を専用で当てたのに、
夜までかかって全然うまくいかず。
帰ってきてようやく席が取れた。でもどこか不安定。
固まったのでもう一度試したら、「既に申込済みです」と出た。

僕が予約しようとしていた11時台後半の便を見るとそもそもは普通席で空席有り。
しかしたまたま申し込んでみた30%割引が空席無し。
そうか、そういうことか。
その後なぜかこの便だけ空席が埋まっていって満席へ。
この前後は依然として空席有り。なんだったんだろう。
よく見てなかったけど、「はやぶさ」だったのか。

夜、セブンイレブンのサラダとわかめスープだけ。
「ほんばこや」向けに短い書評を2つ。
気がついたら午前1時。眠る。
夜、雨が降った。

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11/30(金)

朝、年末年始の帰りの方を予約。時間帯がよかったのですぐ申し込めた。
昼、神保町の交差点の近くに出来たラーメン屋へ。
たいしたことなかった。名前思い出せず。
夕方腹が減って、セブンイレブンのサラダとおにぎり。
これがよくなかったようで帰る頃には無性に腹が減っている。
インスタントの焼きそばを食べたい気分になって、西友で買う。
帰って来て例のPJの作業。
午前1時頃終わって、ぼけーっと焼酎お湯割を飲んで眠る。

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12/1(土)

9時半起き。例のPJの作業、続き。14時頃まで。
昼、大家さんからもらった塩ラーメンを茹でて、肉野菜炒めを乗せる。
夕方、西友に買い物。
食を考えるってことで友人からまとめて借りたうちの最後、
NHKのドキュメンタリー『人間は何を食べてきたか』を観る。
駅前に出てケンタッキー・フライド・チキンを4ピース買う。
普通のと和風のと食べ比べるというセット。
KFCを自分で買ったのは初めて。
『人間は何を食べてきたか』を観た後で食べるってのはなんか矛盾してますが。
『ドラッグストア・カウボーイ』を観る。
ケリー・リンチがいい。ウィリアム・バロウズが出ている。
ガス・ヴァン・サント監督としては若い頃だけあって物足りない。
午前1時に眠る。

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12/2(日)

二度寝して10時半起き。
この日は予定なし。例のPJも作業を休む。
でも散歩に出るとやはり考えてしまう。
千歳船橋まで行くつもりが、高井戸で引き返してくる。
入るつもりだったとんこつラーメンの店が休みだった。
荻窪に戻ってきて別の気になっていた店に入る。
以前「味噌一」だった店の隣。
そこそこうまい。チャーシューなんてよく研究している。
分厚く噛み応えあるんだけど、麺には合わないな。

「ほんばこや」の書評を書くことにこの日は当てようと決める。
帰りに中央図書館に寄っていく。
その前に大田黒公園へ。紅葉がきれいだった。大勢の人で賑わっていた。
琴の演奏会が開催されるようで準備していた。
いつ始まるか分からなかったので見なかった。
本を借りて、家に戻って今度は下井草の方の図書館へ。もう一冊借りる。
帰って来て簡単な書評を書く。夕方になる。

昨日は雨で今日も天気がよくなく、シーツなど外に干せず洗濯できず。
夕方、クリーニング屋。借りていた本とDVDを箱に詰めて送る。
夜、本を返しに行ったついでに西友へ。

朝の散歩は Teardrop Explodes と Julian Cope を聞いて、
次の水曜にライヴに行くからと慌てて N'夙川BOYS を iTunes に取り込む。
Massive Attack「Blue Lines」のリミックス&リマスター盤もよかった。

『男と女』を観る。
その後 N'夙川BOYS と Perfume の初回盤のビデオクリップを観る。
焼酎お湯割り。西友で買った焼鳥。
午前1時に眠る。


[4373] 空とぶリンゴ 2012-12-02 (Sun)

昨日の夕方、青森からリンゴが一箱届いた。
りんごが届くと、「あ、冬なんだな」と思う。

いつも「ふじ」を送ってもらう。
そのなかにひとつ、母は「空とぶリンゴ」というものを入れたという。
中国のお金持ち向けに輸出して、1個3,000円! で売られているのだとか。
それをもらったので僕にも、と。

NHKのニュースでも取り上げられたみたいね。
http://www.nhk.or.jp/sendai/tohoku_z/past/2012/0502.html

「大紅栄」というようだ。
http://homepage3.nifty.com/malus~pumila/appls/daikouei/daikouei.htm

その名の通り、これぞリンゴの赤、と言わんばかりの色をしている。
赤はお祝いの色なので好まれるのだろう。
(共産党の色が関係するのかはよく分からない)

向こうで高値がつくと3,000円近くで、日本で普通に買うともっと安いのかな。
http://www.ringodaigaku.com/blog/2010/12/post-193.html

さっそく食べてみる。確かにおいしい。
しかし僕の舌はそれほど肥えてないので
「青森リンゴだったら何でもおいしい」わけで。
いつもの「ふじ」と格の上下みたいなものはよく分からず。

母は表面がベトベトするから気をつけて、と言ってて、
皮を触ってみたらほんとに、ワックスでも塗ってんじゃないかと。
リンゴの旨味が溢れ出てますね。

調べてみたら、NHK「みんなのうた」にも
「空飛ぶ林檎」という曲があったみたいね。財津和夫が歌っている。
http://cgi2.nhk.or.jp/minna/search/index.cgi?id=MIN198508_02


[4372] 人間は何を食べてきたか 2012-12-01 (Sat)

先日、『世界屠畜紀行』のことを書いた。
このとき、料理に詳しい友人から合わせて借りたのが次の3本のDVD。

・『いのちの食べかた』
 ヨーロッパの映画。スタイリッシュな映像でブロイラーが工場に運ばれたり、
 トマトが収穫されたり、屠畜場で牛が解体される光景を切り取る。
 その余りの美しさが逆説的に、食べることはショッキングな出来事だと伝える。

・『フード・インク』
 アメリカの映画。リチャード・リンクレイター監督の
 『ファーストフード・ネイション』とプロデューサーが同じ。
 リスクとコストが全て。世界の食糧業界を牛耳る巨大企業の偽善を暴こうとする。

・『人間は何を食べてきたか 第1巻』
 80年代のNHKスペシャル。アンデスのジャガイモ、ベドウィンのチーズ、
 ドイツの豚1頭からつくるソーセージ、アルプスのライ麦パン…
 人類の食文化のルーツを探る。上記2本を見た後だと牧歌的な内容。

考えさせられますね。
缶詰やインスタントなど加工食品の添加物が…、というだけではなく。
スーパーで野菜を買う。パックに入った精肉を買う。
場合によっては魚を1匹丸のまま買う。
自然のものをそのまま食べているなんてことはないと頭では分かりつつも、
どこかそういう漠然とした幻想がチラついていたりするものですが。
それを完膚なきまでに叩きのめす。

何百羽なのか何千羽なのか、鶏舎に押し込まれた
ブロイラーは数十年前と比べて成長の速度が倍になり、
胸肉が好まれるからと品種改良されてムキムキになった。
体の重さに耐え切れず、自力で歩けなくなっているという。
Twitter で最近見かけたニュースがゾッとした。
「フライドチキンをおやつに4年間食べ続けた12歳女児
 腎臓病で死ぬまで人工透析に」
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1739982.html

コーンを科学的な原料とする製品が食生活の多くに浸透していて、
そのコーンは小麦同様アメリカのバカでかい畑で
飛行機が豪快に農薬を撒かれているとか。
こういった告発系ドキュメンタリーはそれはそれで
視点が偏っていて都合よく編集しているのかもしれないけど
でもやっぱ話半分に捉えたとしてもやばい。
安全な食べものなんて、もはやないんだな。

畑から取れたライ麦でパンを焼く、家で飼っていた豚を捌いて皆で食べる。
農村地帯では、ああ、まだ手作りのものを食べるのが当たり前なんだなあと
最後のNHKスペシャルを見て少しほっとしたけど、もう30年前。
いくつか登場したアジア・ヨーロッパの村にも
「近代化」「工業化」が押し寄せてケミカルな変質を遂げているのかもしれない。

人類はこれまで何を食べてきたのか。
それよりも人類はこれから先、何を食べることになるのか。
ほんとさあ、肉でも野菜でもなく
人工的なタンパク質の塊みたいなのを食べてそうな気がするよ。
無菌室でつくられたので安全です、みたいな。


[4371] ウルトラQ 2012-11-30 (Fri)

庵野秀明の「特撮博物館」を先月観に行ったとき、ミュージアムショップにて
『総天然色ウルトラQ 公式ガイドブック』が目に留まって買った。
机の上の本棚に置いてことあるごとに眺めている。
http://www.amazon.co.jp/dp/4048547151/

よく分かってなかったんですが、
『ウルトラQ』ってカラーになって復刻されてたんですね。
DVDのボックスセットが出ている。うーん、観てみたい。というか買いたい。
着色に当たっては、例えばガジェット通信の記事。
http://getnews.jp/archives/111358

幼稚園の頃、ドラえもんの前はウルトラマンだった。
リアルタイムがアニメの『ザ・ウルトラマン』で次が『ウルトラマン80』
おこづかいは怪獣のカードばかり買っていた。
その頃から詳しくなりたがりの性格だったので、
怪獣大百科の類いを何冊も買って熟読していた。
今思うと中には大伴昌司の手によるものもあったかも。
復刊された図鑑が僕も欲しい。
http://www.amazon.co.jp/dp/4835448170/

カラーの大型の図鑑があったのを思い出し、
青森に帰ったときに読み返したくなったのに母が誰かにあげてしまっていた。
あれは残念だった。怪獣の写真と名前だけ。あれはスタイリッシュだった…

…そういう中で、どれだけ大百科で詳しくなっても
『ウルトラQ』だけは観ることができない。
レオもタロウも頻繁に再放送されるのに、Qだけは再放送されない。
(それで言ったら初代もセブンも田舎ではなかなか見れなかったけど。
 あれってなんなのでしょうね?)

気になってしょうがないんですよね。Qだけ毛色が違ってて。
いわゆるウルトラマンのファミリーは出てこなくて、
怪獣というか不思議な出来事・現象ばかりで。
なんだかドラマっぽい。大人っぽい。
巨大化したタランチュラや植物よりもその背景となる物語の方が大事というか。

僕がようやく観ることができたのは
中学校に入って夏休みを東京の祖母と共に新島で過ごしたときか。
深夜に再放送されてビデオに録画した。順不同だったはずで、
11話『バルンガ』15話『カネゴンの繭』28話『あけてくれ!』を観た覚えがある。

最終話『あけてくれ!』なんてほんと怪獣も何も出てこない、
「奇妙な味」のSFドラマ。和製『ミステリー・ゾーン』みたいな感じ。
僕が「科学技術に頼らないSF」とでも呼ぶべきものが大好きなのは
この辺りに大きく影響を受けているんだろうな。
うん、やっぱQは別格ですよ。
匹敵するのはメトロン星人の前半ぐらい。

誰も話題にしないけど
ケムール人は2020年からやってくるので、あと8年。
そしたらみんな、さらわれてしまうよ。


[4370] 大人になる '2012 2012-11-29 (Thu)

カレンダーを見ると11月も終わりか。
一年の終わり。振り返りたくなる。

何よりもまず思うのは、
どうしようもない一年だったということだ。
何人かの人を傷つけ、怒らせ、悲しませた。
そして疎遠になった。僕か向こうが遠ざけ合った。

そんなこと、ない方がいいに決まっている。
だけどそのときはそうせざるをえなかった。
ここで断ち切っておかないと、あとでもっと取り返しのつかないことになる。
僕の中で曖昧な態度を取ってしまう部分が、ことごとく辛い局面を生んだ。

そんな自分と向かい合う。
(というか客観的になるフリをして遠目でそっと眺める)
こんなとき昔の僕なら、僕という存在を否定もしただろうし、肯定もしただろう。
今の僕は、ただただどうしていいか分からずにいる。
否定も肯定もしない、というよりできない。
何よりも自分から離れたい。

…彼ら・彼女たちに会って謝りたいかというとそんな気持ちは正直全くない。
僕が正しいとか間違ってるとか向こうが正しいとかそういうことではなくて、
なんかもう疲れきって、しんどくて、
うまくいかなかった人間関係のことはしばらくそっとしておきたいというか。
昔ならもっと単純で直線的だったことが
年を取るごとにどんどん壊れやすく倦みやすいものになっていって。

そんなとき、誰にも会いたくなくなる。
誰かに会うことが誰かを傷つけることの始まりのように思えて、怖くなる。
そうも言ってられないから、当たり障りのない付き合いをしようとする。
それがいつかどこかで後に誰かを傷つけるという、悪循環。
気がついたときにはもう遅い。
なんだかずっと、そこに捉われてきたように思う。

他の人はどうしているのだろう?
うまくやっているのか。
うまくやりすごしているのか。


[4369] 移動劇団 2012-11-28 (Wed)

他の地方でもあったんじゃないかと思うんだけど、年に1回、
小学校や中学校に小さな劇団が回ってきて体育館に集まって皆で観るという。

最初の年、先生が「東京から来る」と言うから
それはすごい立派なものが来るんだろうと思っていたら
役者が3人か4人、スタッフが1人か2人の小さなお手製の劇団で、
がっかりした覚えがある。劇団四季みたいなのを想像していた。

毎年、違う劇団が来ていた。
ある年のことをなぜか今も忘れずにいる。
主役のきれいな女性。今思えば30代後半か。同じぐらいの男の役者が2人。
この3人が入れ替わり立ち代わり衣装を着替えて演じる。
音楽兼照明の裏方が1人か。
何が演じられたのかは覚えていない。最初の劇があって、
女性による詩の朗読があって(そこのところが記憶に残っている)、
もうひとつ劇が演じられたように思う。

ボロボロの白いライトバンが駐車場に1台停まっていて
あれで全国か東北地方を回っていたのだろう。
青森市の教育委員会に呼ばれて
日替わりで青森市の各中学校を回っていたのではないか。

日々旅しながら子どもたちの前で劇を上演するということ。
そこに使命感を感じていたのか、それとも生活のためだったのか。
理想を求めて演劇の世界に飛び込んだはずが、いつのまにかそうなっていたとか。
そうだとしたら切ないな。子どもに見せるものとしては。
いや、そんなことはないはずだ。そう信じたい。
どちらにせよ、食うや食わずの生活だったのではないか。
大道具の都合もあるからレパートリーは限られていて、
毎日毎日違う体育館でそれを繰り返す。
詩の朗読を途中に挟むというのはそこのところを意識した工夫だったのだろう。

彼らは今、どうしているのだろうか。
劇団は解散してしまったのではないかと思う。
特に根拠はない。しかし、この世界はそういうものなんじゃないか。
末端にあるものは生きにくい。
続けているのだとしたら、応援したい。


[4368] 『Songs for Cassavetes』 2012-11-27 (Tue)

日曜の夜、『Songs for Cassavetes』を観た。
モノクロのざらついた映像で、90年代の
USインディー/DIY/パンクバンドのライヴ映像とインタビューを交互に映し出す。
80年代から形成されてきたアンダーグラウンドなネットワークが陰の主役か。
有名なところでは Sleater-Kinney や Dub Narcotic Sound System 辺り。
手作りのフェスとして始まった「Yo-Yo a Go Go」の成り立ちなんかも
レーベル主催者のインタビューで分かるようになっている。

切り取る視線が等身大で素直。
距離感が程よい。持ち上げもしないし、突き放しもしない。

仕事を休んでバンに乗ってツアーをして
(それはつまり長期的に休めるようなハンパ仕事にしかつけないということだ)
食べものとギターの弦を買って、あとはレコーディング費用に費やしたら
あとは何も残らないという生活を何年も何年も続ける。
パンクロックが好きだ、ファンや仲間のコミュニティーが好きだという理由で。
メジャー進出は自分が磨り減っていくだけだから、
何よりもファンとのつながりを切り捨てることになるから、ありえない。
ただただ自分の好きな音楽を演奏していたい。

そんな若者たちがスクリーンの向こうに現れては消えていく。
そして、さしてうまいとは言えない演奏を、見る人が見たら独りよがりな演奏を、
小さなクラブの数十人ぐらいの似た者同士の観客を前に繰り広げる。

彼らの視線は、表情は、誰一人として何の迷いもない。
ロック・ミュージックの極北。しかし、触れば壊れそうなひとつの幸福でもある。
一言で言えば、「信念」だ。
自らことを起こし、自らその責任を取る。例えそれが白昼夢に過ぎないとしても。
その一切がそのままフィルムの中に焼き付けられているというのが、素晴らしい。
「ジョン・カサヴェテスのための歌」というタイトルも納得した。

ロックのドキュメンタリー5本の指に入ると思った。
何をもって5本か僕も選べないけど。
(フレッド・フリスの『Step Across the Border』はまず間違いなく入る)

ひとつ印象に残ったのは彼ら・彼女たちの何人かが
アメリカでの成人年齢に当たる21歳になったら
誰もが想像力というものを失っていくと考えていたことだ。
だから、20歳までの子どもたちに分け隔てなく届いて欲しい音楽を演奏するし
(彼らは、大人でないと入れないバーのような場所では演奏しない)
21歳から上の大人たちが想像力を保つための音楽を演奏するのだ、ということ。
そしてそれは日常生活における様々な制約やしがらみから
自由な音楽となる必要があるのだ、ということ。

オルタナティブの吹き荒れる90年代に青春を過ごしたロック・ファンは必見。
拙くて儚い、何の変哲もないベッドルーム・ギターロックが
僕らの日常生活にささやかな奇跡を起こそうとするサントラも必聴。
これこそがリアルなロック・ミュージックだ。

昨晩は帰り道、Sleater-Kinney『Dig Me Out』の前半を
学生時代以来、10数年ぶりに聞き直した。最高。


[4367] 11/19-11/25 2012-11-26 (Mon)

11/19(月)

昼、打ち合わせが長引いてPJメンバーと三幸園へ。マーボー丼。
仕事の方は一進一退。どうにも終わりが見えない。改修対象が日々増えていく。
先週旧に追加対応することになったもうひとつの案件は
その要望が僕の休みの間に取り下げになっていて。
振り回されて無駄な時間を使ってしまった。
夜、給料日前、余ったお金でトンカツと唐揚を西友で買って
母のカレーの最後の一皿に乗せて食べる。
母からも最後のは具が入ってなくてルーだけだと電話で言われていた。
八号の冒頭を書く。午前1時に眠る。

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11/20(火)

昼、日差しが出ていると温かい。
大戸屋にて四元豚と野菜の蒸し鍋定食。給料日だったのでメンチカツ追加。
夜は腹が減ってセブンイレブンの海苔弁当、ほうれん草とベーコンのサラダ。
珍しくオフィスに向かう途中の方。
いつも朝だいたい同じ時間に店に入る若い女の子がいて、
交差点の辺りから僕が追いつく。だけど買ってるのを見たことが無い。
夕方入ったら店員としてカウンターの中にいた。そういうことだったのか。
夕方はオフィスを出て反対側のすずらん通りの方の店に行ってた。
帰って来て九号の冒頭を書く。やばい。話がつながってないかもしれない…
それに薄っぺらい。来月の書き直し月間も楽にならなさそうな…
いろいろあって酒を飲みたい気持ちになり、焼酎お湯割り。つまみなし。
午前0時半に眠る。
にせんねんもんだいのサイトにて、新作・旧作の自主制作のCD-Rをオーダーする。
ずっとアルバムが出てないのはそういうことだったのか。
応援の気持ちを込めて購入する。

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11/21(水)

今日はえらく寒い。風が冷たい。初めてコートを着る。
昼、PJメンバーと「デニーロ」へ。月イチのクリームソースの日。
美食家風ミートソースとかそんな名前だったか。南瓜とキノコ。
大盛り。それが関係してるとは思わないんだけど、
夜、帰って来てから胃がムカムカして、もたれたのだろうか、
何か軽いものを入れておこうとワカメスープ。
その後いっぺんに具合が悪くなる。吐き気がして正露丸を飲む。
腹を下して何度もトイレに駆け込む。なんだったのか。
少しずつよくなっていったものの、グロッキー。
例のPJの仕事、今日は軽くと思っていたのがなかなか終わらず。
やらなくてもよかったんだけど、やればやったで気が紛れる。
終わって、明日の粗大ゴミを出すためにミニコンポを片付ける。
裏で陰でコードが絡まっていて難儀する。
積み重なっているCDラックを一度かたしたり。ムダに大変だった。
終わって、23時過ぎに眠る。

ジョルジュ・チャペック『空間』を昨日読み終わって、
レイモン・クノー『文体練習』へ。遂に。まだ読んでなかったのかと言われそう。
仕事は相変わらず忙しく。何もしていなくても雪崩のように要件が増えていく。
今日は諦めて他の案件の片付けに専念した。
昨晩オーダーした「にせんねんもんだい」のCD-Rの代金支払。

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11/22(木)

吐き気がして目が覚め、午前3時。トイレに駆け込んで吐く。
少し具合がよくなる。本当は休んで一日中寝ていたかったが、そうもいかなない。
今日やらないとやばい仕事が目白押し。ムリして出社。
後輩からは顔色が悪いと言われる。
昼、食欲はなくもないけど脂っこいものは食べる気にならず、近くの蕎麦屋へ。
いつものかき玉そば。
午後早く終わったら早退するつもりがなかなか終わらず。結局定時までいる。
インスタントの生姜湯やミルクティーを買い込んで日中はずっと飲んでいる。

昼休みに野球太郎の第2号を買った。
19時に帰って来て布団に入り、20時には寝た。

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11/23(金)

3連休初日。朝、雨が降っていた。
6時に起きて二度寝。10時まで。14時間寝たことになる。
頭がフラフラするが、具合の悪さは消えた。
ただ単に寝すぎただけかもしれない。
昨日食べたのがかき揚そばだけだったので腹が減って、インスタントラーメン。
ありものということでワカメとバターを入れる。
昼過ぎに腹が減ってレトルトのカレー。
この日はずっと例の作業。目標としては八号の初稿を完成させる。
途中まで来て夕方、一昨日からの体調不良の影響もないな、
今日中に行けそうだと見極めがつく。休憩がてら髪を切りに行く。
帰りに西友に寄る。作業が終わったのは22時頃。
ずっと前から手付かずだったインスタントの麻婆豆腐を作って食べる。
『マリア・カラスの真実』を途中まで観て、午前1時に眠る。

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11/24(土)

9時起きでこの日も作業。第9号。これでひと段落。初稿が出揃う。
…が、ここはクライマックスの大団円のフィナーレであるため、難所のひとつ。
昼、引き続き麻婆豆腐を作って食べる。『マリア・カラスの真実』の続きを観る。
夕方、大家さんに家賃を払いに行く。洗濯とクリーニング屋。
終わったら23時近く。さすがにぐったり来た。
焼酎お湯割でひとり乾杯、ボケーッと過ごして午前1時に眠る。

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11/25(日)

(この日の日記を参照)


[4366] 休日 2012-11-25 (Sun)

3連休3日目。
昨日はもう1個の仕事の方の第一稿が遂に完成。
数ヶ月の紆余曲折を経て、先月・今月と土日祝日を返上して
さらにちょこちょこ会社を休んで、ようやく。
これからあと2ヶ月は書き直しの作業で同じように忙しいけどまあ一応一山超えた。
今日は何もせず、オフということにする。
気になっていた『Playback』という映画をオーディトリウム渋谷に観に行く。

9時半に家を出て渋谷へ。ハチ公前の広場では
渋谷ストリートファッション大賞みたいなイベントが開催されていた。
ヒカリエでブラブラしたのち、かむくらで煮卵+ネギ+キムチ+半チャーシュー。
新しい(?)トッピング、角煮も入れるかどうか迷ってやめといた。食べすぎ。
雑炊を食べてみたかったんですが、もうメニューにはないんですね。

食べ終わってハンズへ。CDラックになりそうなものを探す。
昔は1コーナーになっていたのが、今はもうないんですね。
CDが売れなくなったことと関係しているのか。
クリスマスの飾りつけを見かけ、ああもう年末なのだなと思う。
レコファンへ。いくつか探していたCDがあったけどどれも見つからず。
この日は何枚か買うことになるか、出費があるなと覚悟してたんだけど結局手ぶら。

『Playback』を観る。客は10人ちょっと。余り入っていない。残念。
撮り方も語ってる内容も感覚的にどこか新しいように思うのだが、
それがなんなのか具体的によく分からず。僕も年を取ったのか。
村上淳を初めとして役者の演技がよかった。

14時半、銀座線に乗って銀座へ。車内で、その後
いつも銀座で利用する「MIYAMA」でカフェラテを飲みながら、
レイモン・クノーの『文体練習』の解説を1時間かけて読み終える。
珍しく込んでいて満席。空のカップで粘って読んでいると背後から
「只今満席です、またのご利用をお待ち申し上げます」
と謝っていて、申し訳なく思う。

16時過ぎに出て丸の内の丸善へ。帰りの地下鉄で読む本を買う。
このところ読んでるのとは正反対のものにしようと以前話題になった新書を。
『ハーバード白熱日本史教室』さっそく帰りに読んだ。

17時から19時まで八重洲のタリーズにて「ほんばこや」の打ち合わせ。
いくつか展開・説明事項と今後の話と。
初めてお会いする方もいた。これからどうなっていくのか。
タリーズを出て皆は一杯飲みに行ったけど、僕は今回パス。
帰って、借りてきた『Songs for Cassavetes』のDVDを観ながら
焼鳥を食べつつまったり酒でも飲むかと。
会合は再来週もう一回あるからそっちで飲むことにしよう。
そんなわけで帰ってくる。西友で焼鳥を買う。

昨晩 iPhone に入れた
Bob Marley & The Wailers『Cath a Fire』のオリジナル・バージョンを聴く。
剥き出しのヒリヒリした音が他のアルバムと違う。
もう1枚、Joy Division と New Order を一緒にしたベスト『Total』
iPhone で改めて聞いてみたら音がとてもよくなっていてびっくり。
ギターのシャリシャリした弦の音が違う。

タリーズは貸し会議室のサービスがあるんですね。
2時間まで。特に追加料金は発生しなくて、ドリンクをオーダーすればいいだけ。
今回利用したんだけど、これは使える。いい!
http://www.yaechika.com/shop_detail/sp331/sp331.html
でも、八重洲だけなのかな。


[4365] 『マリア・カラスの真実』 2012-11-24 (Sat)

昨日・今日と『マリア・カラスの真実』というドキュメンタリー映画を観ていた。
タイトル通り、不世出のオペラ歌手:マリア・カラスの生涯を辿るという内容。

昨年ジャン=ジャック・ベネックス監督の『ディーバ』を観て、
それまで縁遠いと思っていたオペラ・アリアというものの美しさを知る。
そこではウィルヘルメニア・フェルナンデスが
マリア・カラスを髣髴させるカリスマ的ソプラノ歌手を演じていた。
次にどこに向かうかといえばそれはやはりマリア・カラスなわけで。
…それしか名前を知らないし、まあそれで十分かもしれないし。
この辺りのことは先月も書いた。

ドキュメンタリーを見てて驚いたのはその変身っぷり。
貴重な写真やモノクロ映像が差し挟まれているんだけど、
20代の売り出し中の頃は過食症で体重は100kgを超えていた。
どの映像を見てもむっちりしている。別人としか思えない。
有名なデザイナーをして「晴れ着を着た農婦」は言いえて妙。
10代の頃は音楽の勉強だけが生きがいで色恋沙汰にも興味がなかった。

それが世界的なスターへの階段を駆け上がって行くにつれて
35kgのダイエットに成功、パリのトップ・デザイナーの服を着て、
社交界にもデビューという華麗なる変身。
そして当時世界を代表する大富豪だったオナシスと互いの離婚を経て結婚に至る。
モナコで暮らし、エーゲ海をクルーズする。パリのホテルのスィートに住む。
ギリシアからの貧しい移民の子が、近眼で太っちょの子が、ここまでなるか。

歌うことはそもそも自ら望んだのではなく、
やがて金になると見込んだ母親の指示だったというのが一番驚く。
生涯を通じて折り合いの悪かった母親との仲が普通だったら、
マリア・カラスは生まれなかったのだ。
どこかで普通の結婚をして、働き通しのまま寂しく一生を終えただろう。

顔つきがあるときからガラッと変わる。まさに魔性の女。
たぶん世界の一流のメイクアップ・アーティストと関わった
というのもあるんだろうけど、どちらかと言えば
勉強熱心だった若き日のマリア・カラスの身体を通して入り込んできた
様々な役柄が一挙に統合して噴出したとでも言うべきか。
それがオペラ歌手にしてゴシップの女王:マリア・カラスの仮初めの人格を形成した。
歌を地でいくというか。
そんなところもあったのではないだろうか。


[4364] 勤労感謝の日 2012-11-23 (Fri)

勤労感謝の日。
国民の祝日に関係なく、金曜日なので
国会議事堂周辺での反原発を巡る集会が今日も開催されたと聞いた。

そもそも勤労感謝の日ってなんなのだろう?
父の日、母の日、敬老の日。誰が感謝される日なのだろう?
僕は会社員生活13年を迎えて花束のひとつでももらっていいはずなのだが(誰から?)
そんな話は聞いたことが無い。

労働条件を改善するためのデモが行われると聞いたことも無い。
(僕が知らないだけかもしれないですが)
せめて、近所の居酒屋で
「会社員の皆さん、日々のお仕事お疲れ様です! サラリーマン50%割引」
みたいなことがあってほしい。そういうのも聞いたことが無い。

調べてみたら「新嘗祭」が起源なのだという。
古来からの収穫祭ですね。
そういう意味ではアメリカの、七面鳥を食べる「感謝祭」に似ている。
だとしたらデスクワークのサラリーマンはあんまり関係ないか。

なんか今、このご時勢だと
サラリーマンが仕事に就けていることを感謝すべき日と捉えるべきなのかもしれない。
日々働けることを感謝すべき日とシンプルにしたら、本来の趣旨に近づくか。
多かれ少なかれ、何事も星の巡りとか季節の移り変わりに左右されるわけで。

そんな僕は今日一日、もう一個の仕事を朝から番までやってたら一日が終わった。
基本、ワーカホリックなんだよなあ…
仕事があることを嬉しく思うべきなんだろうけど。